2020ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門最優秀作品賞
スティーヴ・ブシェミ、シーモア・カッセル主演の『イン・ザ・スープ』(1992)や、クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲスらと共同監督した『フォー・ルームス』(1995)などで知られ、ジム・ジャームッシュと並んで米インディーズ映画のアイコンであるアレクサンダー・ロックウェル。
アレクサンダー・ロックウェルの新作『Sweet Thing』が、『スウィート・シング』の邦題で2021年10月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開されることが決定しました。
主人公は15歳の姉ビリーと11歳の弟ニコ。アレクサンダー・ロックウェル監督の実の子どもたちが演じました。
現代に生きる子どもたちの冒険を描く、このうえなく悲しいけれど、このうえなく幸福なファンタジーとなっています。
映画『スウィート・シング』について
ジム・ジャームッシュらとともに米インディーズ界の雄として一世を風靡した、アレクサンダー・ロックウェル。
ロックウェル監督の日本での最後の劇場公開作は1995年の『フォー・ルームス』。
その後もスティーヴ・ブシェミ、ジェニファー・ビールス共演の『13 rooms』(2002)や、日本では配信のみの『ピート・スモールズは死んだ!』(2010)など人気作はあったもののなぜか日本公開されず、ロックウェル自身がニューヨーク大学で教鞭をとっていることもあって寡作になっていました。
本作『スウィート・シング』は、まさに待望の新作となりました。
一貫してインディーズにこだわり続けてきたロックウェル監督が本作で描くのは、親に頼ることができず、自分たちで成長していかなくてはならない15歳の少女と11歳の少年の物語。
子育てができない親たちという現代社会の問題を描きながらも、16ミリフィルムで撮影された美しいモノクロとパートカラーの映像は詩的で美しく、『スタンド・バイ・ミー』(1986)を彷彿とさせる子どもたちの冒険は幸福に溢れています。
また、全編を彩る音楽も、本作の魅力の一つ。タイトルにもなっているヴァン・モリソン『Sweet Thing』やビリー・ホリディ、テレンス・マリック『地獄の逃避行』(1973)のサウンドトラックの引用など、ロックウェルの音楽センスが光っています。
なお本作は2020年2月ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門にてワールドプレミア上映され、最優秀作品賞を受賞。キャスト、映像、音楽、全てに映画愛が溢れたインディーズ映画の決定版をこの秋お見逃しなく。
*2020年東京国際映画祭でも『愛しい存在』というタイトルで上映されました。
映画『スウィート・シング』のキャスト紹介
主役を演じるのは、監督の実の子どもたち。
姉ビリー役を娘のラナ・ロックウェル。弟ビリー役を息子のニコ・ロックウェル。
実際のパートナーであるカリン・パーソンズが母親イヴを、『イン・ザ・スープ』からの盟友で、近年は『ミナリ』への出演など活躍中のウィル・パットンが父親アダムを演じます。
映画『スウィート・シング』の作品情報
【日本公開】
2021年(アメリカ映画)
【原題】
Sweet Thing
【監督・脚本】
アレクサンダー・ロックウェル
【キャスト】
ラナ・ロックウェル、ニコ・ロックウェル、カリン・パーソンズ、ウィル・パットン
映画『スウィート・シング』のあらすじ
マサチューセッツ州・ニューベッドフォード。普段は優しいけれど酒のトラブルが尽きない父アダムと暮らす、少女ビリーと弟ニコ。
ある日、父アダムが強制的な入院措置となり、身寄りのないビリーとニコは、家を出て行った母親イヴのもとへ向かいますが……。
子どもたちの、悲しいけれどどこか希望に満ちた、ひとときの冒険が始まります。
まとめ
参考動画:2020年東京国際映画祭での予告編
15歳のビリーと11歳のニコ。頼る大人をなくした姉弟2人は、あてのない旅へ——
甘美で切ない、現代版『スタンド・バイ・ミー』ともいえる本作は、このうえなく悲しいけれど、このうえなく幸福なファンタジーです。
ジャームッシュと並ぶ米インディーズのアイコン、『イン・ザ・スープ』のアレクサンダー・ロックウェル監督、25年ぶりの日本劇場公開作『スウィート・シング』は、2021年10月29日(金)より、ヒューマントラスト渋谷、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開。