オキナワ・ルネッサンスに火をつけた『パイナップル・ツアーズ』がデジタルリマスター版で蘇る!
2022年は、沖縄本土復帰50年!
節目の年に、1992年に劇場公開され、新しい時代のオキナワ映画として話題を呼んだ『パイナップル・ツアーズ』がデジタルリマスター版として30 年振りに復活しました。
『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』は、2022年5月7日(土)~桜坂劇場、5月14日(土)からシアター・イメージフォーラム ほか全国順次公開!
映画公開より一足早く予告編も解禁となり、3つのストーリーから成るオムニバス映画として、それぞれの監督からのコメントも到着しました。
またデジタルリマスター版公開について応援を募集するクラウドファンディングも開始されています。
CONTENTS
映画『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』について
沖縄ブームの火付け役となった『島唄』や『ちゅらさん』(2001)に先がけて、1992年の劇場公開されるやいなや、新時代のオキナワ映画として話題を呼んだ『パイナップル・ツアーズ』。
このたび、当時の感動もそのままに、デジタルリマスター版として30 年振りに復活します。
本作は、『ナビィの恋』(1999)『盆唄』(2019)の中江裕司監督をはじめ、真喜屋力、當間早志という当時20代の監督たちが作り上げた3つの物語から成っています。
音楽は照屋林賢+りんけんバンド、出演はNHKテレビドラマ「連続テレビ小説」シリーズの『ちゅらさん』(2001)に出演した平良とみや、沖縄芸能を代表するエンターテイナー・照屋林助といった沖縄現地の役者たちも結集しました。
監督たちからのコメント
真喜屋力(エピソード1『麗子おばさん』監督)
この映画が作られた時代は、復帰闘争が一段落した後に成長した僕らのような世代が成人し、発言権を持ち始めた時代でした。それによって「沖縄ってこういうところだ」というウチナーンチュの心持ちの再定義が行われた時代でした。そんな時代の熱気みたいなものが、この映画には映り込んでいると思っています。その時から30 年。今の観客にどういう風に観られることになるのか?嬉しさと共に、興味が湧いてきます。
中江裕司(エピソード2『春子とヒデヨシ』監督)
『パイナップルツアーズ』という映画は、伊是名島(映画の中では具良間島)に撮らせていただきました。伊是名島の風土にお願いをし、沖縄の歌手や芸能人に頼って出来た映画です。照屋林助さんをはじめ、ウチナーンチュ(沖縄人)の先輩たちに、たくさんの大切なことを教えていただきました。私の頭の中よりも、実際の映画は面白くなることを知り「他力本願」を胆に刻みました。私は、今も生きて映画を作っています。島と皆さんへ、イッペーニフェーデービタン(本当にありがとうございました)。
當間早志(エピソード3『爆弾小僧』監督)
’80 年代の若者の多くは、ウチナーグチを正しく話せない、三線できない、カチャーシー踊れない…そんな卑屈な感情から「沖縄」を避けたりダサく感じたりしていましたが、’89〜’90 年頃から自らの世代にも独特の文化があることに気づき、県内の若者から「沖縄ブーム」が起こりました。この映画はその勢いにのって作ることができたと思います。
ただし自分は、本土の方々が沖縄に抱く癒やしのイメージにちょっと違和感があり、沖縄を利用して一儲けを企む者、それに乗せられて浮かれるウチナーンチュ、敢えて乗っかってずる賢く立ち回るウチナーンチュらを揶揄するつもりで、“踊る阿呆に見る阿呆”的なバカ映画として撮ったのが『爆弾小僧』です。
映画『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』の作品情報
【公開】
2022年(日本映画)
【監督・原案・編集:】
真喜屋力、中江裕司、當間早志
【撮影】
一之瀬正史
【音楽】
照屋林賢+りんけんバンド
【キャスト】
兼島麗子、新良幸人、富田めぐみ、利重剛、宮城祐子、照屋林助、津波信一、仲宗根あいの、洞口依子、藤木勇人、平良とみ
映画『パイナップル・ツアーズ デジタルリマスター版』のあらすじ
日本のはるか南に存在する沖縄の離島・具良間島(ぐらましま)。そこには、第二次世界大戦中にアメリカ軍が落とした不発弾が眠っています。
エピソード1:『麗子おばさん』 監督:真喜屋力
オペラ歌手の麗子は原因不明の病で声が出なくなりました。娘と共に島に里帰りし、霊能者“ユタ”に見てもらいますが、その原因は意外なものでした。果たして麗子はその歌声を取り戻せるのでしょうか。
エピソード2:『春子とヒデヨシ』 監督:中江裕司
具良間島に居ついているヤマトンチュの青年は、島の娘と懇意になります。子宝に恵まれた2人は、島の人々の策略もあってとんとん拍子で結婚へと流れ込むのですが、青年は島から逃げようと試みます。
エピソード3:『爆弾小僧』 監督:當間早志
ホテル建築を進めたいリゾート開発会社は、島に埋まっているという不発弾に1億円の懸賞金をかけました。「爆弾小僧」なるパンクバンドを組んでいる島のはぐれ者2人は、一獲千金を目論みますが果たして……。
まとめ
新しいオキナワがこれから始まる!
そんな予感を抱かせ、旋風を巻き起こしたオキナワン・ネオ・コミカル劇映画『パイナップル・ツアーズ』(1992)が、デジタルリマスター版で30年振りに復活しました。
2022年に本土復帰50 周年を迎える沖縄ですが、いまだに米軍基地や環境、貧困の問題ばかりが注目されています。
そんな中でも、観れば明るい気持ちになるのは、真喜屋力、中江裕司、當間早志という3人の若き監督たちが作り上げた『パイナップル・ツアーズ』。
作品全編にみなぎる力強い明るさとともに、溢れんばかりの沖縄愛に目を奪われることでしょう。
デジタルリマスター版公開について応援を募集するクラウドファンディングも開始! 4月28日(木)まで募集中です。
詳細はコチラ
https://motion-gallery.net/projects/pineappletours/