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映画を通じて作り手と観客が一体の初日舞台挨拶。松本優作の『Noise ノイズ』が今の日本を問う!

  • Writer :
  • 中村綾子

10年前の秋葉原通り魔事件をモチーフに現代日本を問う衝撃作
『Noise ノイズ』が3月1日(金)より公開。

立場の違う3人を軸に、彼らが生きている現代社会の問題点を切り取った映画『Noise ノイズ』。

第41回モントリオール世界映画祭、第25回レインダンス映画祭などで、高い評価を得ているこの映画は、3月1日(金)にテアトル新宿で初日を迎えました。

劇場の座席のみならず通路まで埋め尽くされた観客を前に、主演の3人と松本優作監督による舞台挨拶が行われました。

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温かさに包まれた舞台挨拶

左から篠崎こころ、安城うらら、鈴木宏侑

立ち見客が出るほどの人であふれた3月1日(金)のテアトル新宿。

20時50分の回の上映終了後、舞台挨拶が行われました。

登壇したのは、篠崎こころ、安城うらら、鈴木宏侑そして松本優作監督でした。

この日は司会進行を松本優作監督が務めましたが、冒頭と締めの2度、感極まり声を詰まらせた場面がありました。

「こうやって公開できて嬉しいです。」

そのまま次の言葉を出すことができない松本優作監督に篠崎こころが「ハンカチをもってきました」、鈴木宏侑が「今日はお母さんはどちらに」と助け船を出すと、2階席から「ありがとうございました」とお母さんが観客に手を振り感謝を伝えました。

作り手側と観客が一緒になった暖かさで会場が覆われました。

公開初日を迎えての感想


(C)2019「Noise」製作委員会

公開初日を迎えて篠崎こころは、まず観客にお礼を述べました。

「本日お越しいただきましてありがとうございます。撮影から公開まで3年かかったので上映できたことが感慨深く思います。初日を迎えられたのも皆様のおかげだと思っております。上映続いてきますので応援よろしくお願いいたします。」

次に安城うららが今の気持ちを伝えました。

「撮影は3年前で、ロンドンとオランダにも一緒に行かせていただいて、ようやく日本で劇場公開できるっていう実感はあまりなくて。この舞台に立ち、みなさんのお顔を見て、今ようやく実感しました。」

鈴木宏侑はスタッフとしてもかかわったことで、撮影中の裏話を次のように話してくれました。

「僕はスタッフも同時にやっていて撮影時や編集の松本監督の苦悩を知っていたので、やっとたくさんの人に見てもらえる映画になれて一安心しています」

松本優作監督は、感激で言葉をつまらせながら次のように語りました。

「この映画を撮影したときは3年前くらい。23歳くらいの時にこの映画を撮影しました。当時はこうやって劇場公開ちゃんとできるかわからない状況で、もう映画を完成させることだけで一杯一杯でした。うまく行かないこともたくさんあったのでこうやって公開出来て嬉しいです」

それぞれが、撮影から公開までの時間をどれだけ待ちわびていたか語っていました。

役作りについて

(C)2019「Noise」製作委員会

主演を務めた3人は、それぞれ役作りについて次のように語りました。

初めに語ったのは篠崎こころ。そんなに苦労はしなかったようです。

「特にしていません、脚本をいただいた時には大枠しか書いていなくて。撮影時に監督と2人でどうしようかを決めて台本を書き換えていたので(映画に映っているのは)素の22歳の時の私のまま。役作りは意識しませんでした」

安城うららは自分にない要素を想像力で埋めたそうです。

「最後に秋葉原の街に出るんです、どうしようもない環境を自分から作ってしまったことに対してやるせない気持ちとかある中で。秋葉原という街はすごくキラキラしてて、そこに勝手に向かってしまうようなそんな気持ちで最後演じました。役作りはヤンキーで荒れた感じで、私はヤンキーっぽくないので。ヤンキーではないけどヤンキーぶってる人を創造しながら、監督からいただいた映画とかを参考にやりました」

鈴木宏侑が役作りの参考にしたのは、意外な人物でした。

「きっかけは、松本さんがPVを撮影するということで撮影アシスタントとして行ったときに、映画を企画していてオーディションに来てくれと言われて行ったら僕1人、そこで松本さんと話しました。同じ神戸の出身だったり、母親のこととか共通点があって、松本さんを演じればいいのかなっていうのと同時に、モチーフになっている秋葉原の事件の犯人をどうやって行ったらいいのか、あとは本などを参考にしました」

三者三様の役作りでしたが、鈴木宏侑が松本優作監督を参考にしたのには驚きましたね。

これを聞いた松本優作監督はどう思ったのでしょうか…?

この映画『Noise ノイズ』に込めた思い

©「Noise」製作委員会

最後に松本優作監督自身が、映画に込めた思いを語ってくれました。

「この映画を作ったきっかけが2008年に僕の友達が亡くなってしまって。。。無差別に人を殺すということと自分を殺すということと元は同じじゃないか。。。亡くなった友達にもこの映画を観てもらいたいなって思いますし、映画を作るにあたっていろんな苦悩とか壁とかあったんですけど公開出来てよかったなと思います」

感極まって言葉を詰まらせながら語った松本優作監督。観客が温かく見守り、映画を通じて一体となった瞬間でした。

映画『Noise ノイズ』の作品情報

(C)2019「Noise」製作委員会

【公開】
2019年3月1日(日本映画)

【監督・脚本・編集・企画・製作】
松本優作

【キャスト】
篠崎こころ、安城うらら、鈴木宏侑、岸建太朗、來河侑希、日向すず、真中のぞみ、川連廣明、武田一人、太田信悟、川崎桜、久住翠希、小林大介、仁科貴、小橋賢児、布施博

【作品概要】
秋葉原通り魔事件をモチーフに、病的とも言える現代社会で生きる人達のドラマを描いた群像劇。

監督は1992年生まれで、23歳の時に長編映画デビュー作となる本作を撮影した松本優作です。

出演にモデルやDJなど、マルチに活躍する篠崎こころ、女優やシンガーとして活躍する安城うらら、舞台や映画で活躍する実力派俳優の鈴木宏侑に加え、小橋賢児や布施博などの実力派キャストが脇を固めています。

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映画『Noise ノイズ』のあらすじ

(C)2019「Noise」製作委員会

秋葉原で地下アイドルとして活動している、桜田美沙。

彼女は10年前に起きた、秋葉原無差別殺傷事件で母親を亡くし、残された父親との関係が上手くいっていません。

美沙は所属事務所が経営する、女子高生リフレで働きながら、秋葉原での活動を続けています。

女子高生の山本里恵もまた、母親が家を出て行ってしまって以降、父親と会話の無い日々が続いていました。

里恵は高校を中退し、家出をして恋人や仲間たちと目的の無い、荒れた生活を送っています。

配送員のアルバイトをしている大橋健は、母親の深雪と2人で暮らしていました。

深雪は健にお金をせがむなど、だらしない性格をしています。

健は職場の仲間とも打ち解ける事が出来ず、鬱蒼とした想いを抱いていました。

健は、ボイスレコーダーに録音したメッセージで、配達先にいたずら電話をかけるなど、奇行が目立つようになります。

(C)2019「Noise」製作委員会

アイドルとして次のステップが見えない美沙は、所属事務所の山崎に大きな事務所への移籍を提案されます。

大きなチャンスのように思えますが、美沙をずっとマネジメントしてきた高橋は「美沙には、あぁいうキラキラした世界は、違うと思うんですよね」と気が乗らない様子でした。

恋人や父親との関係が悪化していった里恵は、何かを求めて1人で秋葉原へ向かいます。

里恵の父親は、荒れた家庭から逃げるように、美沙の地下アイドルライブへ通うようになりました。

そして、深雪の金銭トラブルに巻き込まれた健は、危険な精神状態のまま秋葉原に降り立ちます。

それぞれが苦悩を抱えて生きる若者たち、一体何処へ辿り着くのか…。

まとめ

(C)2019「Noise」製作委員会

3人の共通する点として取り上げられている秋葉原は、今から約10年前に通り魔殺傷事件が発生しました。

当時15歳だった松本優作監督は親友の自殺とこの事件に衝撃を受け、すぐさま今回の作品の脚本を書き始めたと言います。

自ら命を絶つ行為と、他人の命を絶つ行為。

それぞれが苦悩を抱えていた末にたどりついてしまった結末なのかもしれません。

人間だれしも悩みを抱え、それを他人が理解できないのは当然なのだとは思いますが、悩みのベクトルが振り切ってしまった時に人は何かを傷つけることへ向いてしまうのでしょうか。

他人に関心がないのが当然となってしまっている現代社会への報いかもしれません。

この映画をきっかけに、現代社会の在り方を考えなおすべきなのではないでしょうか。

映画『Noise ノイズ』は3月1日よりテアトル新宿で公開中です。

また3月29日(金)よりシネ・リーブル梅田、3月30日(土)より名古屋シネマスコーレで公開が決定しています。

京都出町座、神戸元町映画館でも順次公開予定です。

詳しくは『Noise ノイズ』公式HPでご確認ください。【『Noise ノイズ』公式HP】

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