Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/07/10
Update

映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』あらすじ/日本公開日/上映館。カナダの新鋭監督が描く長編アニメの予告動画紹介

  • Writer :
  • 大塚まき

レイモンド・カーヴァーの名作短編を現代的に蘇らせる長編アニメーション作品。

カナダの新鋭が、1995年のケベック州独立運動を背景に、ある(元)夫婦の過去・現在・未来の物語を詩的に描いた長編アニメーション映画『Ville Neuve』。

(c)L’unité centrale

このたび、ヴェネチア映画祭にて世界プレミア、その後アヌシー、ザグレブ、オタワなど名だたる映画祭にてコンペティション上映されたカナダの長編アニメーション映画『Ville Neuve』の邦題が『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』に決定し、2020年9月12日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開します。

合わせまして、予告編とポスタービジュアルも同時に解禁されました。

スポンサーリンク

映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』について

(c)L’unité centrale

本作のインスピレーションとなっているのは、日本では村上春樹の翻訳で知られている短編の名手レイモンド・カーヴァーによる隠れた傑作小説「シェフの家」

離婚した元カップル・過去に引きずられる男と未来へと目を向ける女の再会と再度の別れを淡々と描き出す20ページほどの短編が、本作においては、1995年カナダからの独立を目指し住民投票を行ったケベック州(フランス語圏)におけるカップルの物語へと移し替えられています。

その大胆な移植によって、カーヴァーの原作は本作において壊れた愛を再生しようとしてすれちがうカップルの普遍的でロマンティックな物語でありつつ、世界中で高まる独立運動やそれへの弾圧といった現代の社会的な問題ともリンクする寓話へと変貌を遂げることになりました。

監督は本作が初めての長編アニメーション作品となる新鋭のアニメーション作家フェリックス・デュフール=ラペリエール

全編が墨絵の手描きによって生み出されるシンプルで奥深い映像美、随所に詩の朗読が挟まれる芸術的な構成が、これまでのアニメーションではあまり見られなかった成熟したテーマと物語を贅沢に語りあげます。

本作は、ベネチア映画祭の「ヴェニス・デイズ」部門でプレミア上映、アヌシー、ザグレブといった世界的なアニメーション映画祭でのコンペティション上映など、アニメーションのみならず映画界でも高い評価を受ける必見作となっています。

映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』の予告編


このたび解禁された予告編では、全編にわたり墨絵の手書きによって生み出された奥深い映像美が切り取られています。

ポエティックなセリフと手書きの墨絵で描かれた世界は、別れた夫婦のすれ違う繊細なニュアンスまでを映し出そうとしているかのよう

最後に流れる、映画評論家/秦早穂子の「分かりやすさばかりが求められる時代に息苦しさを感じるあなたの死んでしまった心を掻き起す映画」というコメントにますます興味を引きつけます。

スポンサーリンク

映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』の作品情報

(c)L’unité centrale

【日本公開】
2020年(カナダ・フランス合作映画)

【原題】
Ville Neuve

【英題】
New Town

【監督】
フェリックス・デュフール=ラペリエール

【キャスト】
ロバート・ラロンド、ジョアンヌ=マリー・トランブレ、テオドール・ペルラン

映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』のあらすじ

(c)L’unité centrale

アル中の詩人ジョゼフは、思い出の地「ヴィル・ヌーヴ(新しい街)」に別れた妻エマを呼び出します。

うまくいきそうに思えた二人でしたが、独立運動の高まりとともに、その関係に新たな波乱が巻き起こり…。

スポンサーリンク

まとめ

(c)L’unité centrale

アニメーション作家の山村浩二は、本作のコメントを以下のように寄せています。

“変革の鐘は鳴ったのか。未練、歯がゆさ、残り火、残光、取り戻せないものと、新しい光、希望との板挟み。前進しているようでゆっくりと後退していく感覚。モノクロームのミニマムな画面に、ケベックの黄昏の淡い色の変化を見た気がした。”

  

モノクロでありながらも、男と女の繊細で移ろう情緒が映し出されいていることが伺えます。

そして、レイモンド・カーヴァーによる短編小説「シェフの家」がどのようにアニメーションとして生まれ変わったのか、期待が膨らみますね。

長編アニメーション映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』は、2020年9月12日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラム他にて全国順次ロードショーです。

関連記事

新作映画ニュース

映画『ミセス・ノイズィ』あらすじとキャスト。12月劇場公開のサスぺンスが東京国際映画祭スプラッシュ部門に選出!

その熾烈な戦いは、1枚の布団から始まった―― 『フィガロの告白』(2012)の天野千尋監督の最新サスペンス映画『ミセス・ノイズィ』が、第32回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に選出、および202 …

新作映画ニュース

映画『のさりの島』あらすじ。キャストは藤原季節で天草を舞台にオレオレ詐欺と地方の課題を描く

映画『のさりの島』は2020年秋に渋谷ユーロスペースにて公開。 京都造形芸術大学映画学科が、プロの映画製作スタッフと学生の混成チームで劇場公開映画を製作する【北白川派】プロジェクト。 これまで『カミハ …

新作映画ニュース

吉沢亮映画『AWAKE』あらすじ/キャスト/上映館。実話のAI将棋電王戦がモチーフの青春ムービー公開は2020年12月!

『3月のライオン』『聖の青春』に次ぐ、新たな将棋映画がここに誕生! どん底の僕を起こしてくれたのは、人間以上に独創的なAI将棋だった。 河瀨直美監督を審査員長に迎え、2017年に発表された第1回木下グ …

新作映画ニュース

映画『渇愛の果て、』キャスト/内容紹介。野生児童の有田あんがコロナ禍で上演中止の舞台を映像化!

妊娠、出産、障がい…出生前診断に女優たちが斬り込む。 野生児童主宰の有田あんが脚本・監督を務める長編映画、『渇愛の果て、』の制作が、2020年7月現在進行中です。 有田あん初の長編映画でも …

新作映画ニュース

映画『その手に触れるまで』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。ダルデンヌ兄弟がカンヌ監督賞を受賞した感動作!

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督最新作。 第72回カンヌ国際映画祭にて監督賞を受賞したジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督。 (C) Les Films Du Fleuve …

U-NEXT
CINEMA DISCOVERIES【シネマディスカバリーズ】
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
映画『哀愁しんでれら』2021年2月5日(金)より全国公開
映画『写真の女』
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学