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Entry 2019/03/13
Update

エルヴィス・コステロが愛を歌う。映画『リヴァプール、最後の恋』インタビュー動画解禁

  • Writer :
  • 石井夏子

主題歌に込められた大女優の恋の真相

2019年3月30日(土)より公開となる映画『リヴァプール、最後の恋』。

本作はイギリスの俳優ピーター・ターナーが1987年に発表した同名の回顧録が原作。

『悪人と美女』(1952)でオスカー助演女優賞に輝いた往年の大女優グロリア・グレアム(1923-1981)。

1950年代ハリウッドで活躍し、4度の結婚歴もある自由奔放な彼女と、駆け出しの若手舞台俳優ピーターの最後の恋を中心に描かれた映画『リヴァプール、最後の恋』。

主題歌を手掛けたエルヴィス・コステロのインタビュー動画を御紹介しながら、本作の恋の真相に迫ります。

エルヴィス・コステロのインタビュー動画

本作のために主題歌『You Shouldn’t Look At Me That Way』を書き下ろしたコステロは、リヴァプールの出身

PVはポール・マッカートニーの娘・メアリーが監督しており、インタビュー内ではその撮影風景も収められています。

脚本を読んで、魅了されたよ」、「2人はこんな優しい曲がぴったりの恋に落ちるが、“そんな目で見つめないで”という歌詞が示す通り、とても切ないストーリーだよ。」と語るコステロ。

ピアノの音色とコステロの色気漂う歌声が、ロマンチックで切ない2人の恋の最後を締めくくります。

製作のバーバラ・ブロッコリとポール・マクギガン監督は、本作でのコラボレーションの可能性について話し合うため、ロンドン・パラディウムでコステロのショーを見て驚いたそう。

楽曲『Church Underground』の間に、TVスクリーンに突如グロリアの写真が登場したためです。

そしてステージ上のコステロは、「彼女はこの曲を書いていたときに浮かんでいた“ドリームガール”なんだ」とMCで語りました。

「バーバラとポールはとても驚いたと思うよ」とコステロは笑います。

コステロはすでにターナーの本のことも知っていました。

さらに映画の冒頭で、劇作家の親友アラン・ブリーズデールの作品にターナーが出演。

「脚本の中にアランの名前を見て、時間と場所がとても強烈に迫ってきたんだ」と言うコステロ。

言うまでもなく、コステロの、その時代とこの物語にかかわった人たちとのつながりが、楽曲に組み込まれています。

楽曲に込めた願い


© 2017 DANJAQ, LLC. All Rights Reserved.

コステロは本楽曲について、「たくさん秘密をもっている二人の人間について歌った曲」と話し、曲のタイトルについては「『You Shouldn’t Look At Me That Way』は、誘惑のまなざしのことだが、判断しないでくれという願いも込められている」と打ち明けました。

判断しないで、とは、誰に対してのメッセージなのか気になりますね。

恋路を邪魔する周囲についてなのか、恋する相手に対してなのか…。

曲を書く時に込める想いについても以下のように語っています

「曲にはそれ自身の物語をもたせたい。独り立ちできるように。でも、耐え忍ぶ誇りと愛についてのメッセージを伝える映画の、最後の映像と音楽が調和することも必要なんだ」

監督のテーマやアイデアに共鳴することを目指すコステロ。

本作最後に流れる『You Shouldn’t Look At Me That Way』、映画の世界を思い返す豊かな時間を与えてくれることでしょう。

映画『リヴァプール、最後の恋』作品情報


© 2017 DANJAQ, LLC. All Rights Reserved.

【公開】
2019年(アメリカ映画)

【原作】
ピーター・ターナー「Film Stars Don’t Die in Liverpool」

【監督】
ポール・マクギガン

【主題歌】
エルヴィス・コステロ『You Shouldn’t Look At Me That Way』

【キャスト】
アネット・ベニング 、ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ 、ヴァネッサ・レッドグレイヴ

【作品概要】
イギリスの俳優ピーター・ターナーが1987年に発表した回顧録「Film Stars Don’t Die in Liverpool」が原作です。

『ホワイト・ライズ』(2004)『ラッキーナンバー7』(2006)のポール・マクギガンが映画化しました。

1950年代ハリウッドで活躍し4度の結婚歴もある自由奔放な大女優と、駆け出しの若手舞台俳優ピーターの最後の恋を中心に描かれれます。

往年の大女優・グロリア役は実力派・アネット・ベニングが務めました。

ピーターは『リトル・ダンサー』(2000)『スノーピアサー』(2013)で知られるジェイミー・ベルが演じます。

映画『リヴァプール、最後の恋』あらすじ


© 2017 DANJAQ, LLC. All Rights Reserved.

1981年9月29日、ピーター・ターナーの元に衝撃の知らせが飛び込んできました。

かつての恋人グロリア・グレアムがイギリスのランカスターのホテルで倒れたんだそうです。

「リヴァプールに行きたい」そう懇願するグロリア。

ピーターはリヴァプールにある自分の実家で、グロリアを療養させることにしました。

ピーターの家族やリヴァプールを懐かしむグロリアでしたが、全く病状を明かそうとしません。

心配になり、グロリアの主治医に連絡をとって病状を確かめるピーター。

そして、グロリアの死が近いことを悟ったピーターは、不意に彼女と楽しく過ごしていた頃を思い出します。

駆け出しの俳優に過ぎなかったピーターと往年の大女優であったグロリア・グレアムとの歳の差もキャリアも超えた恋。

そしてグロリアがリヴァプールに拘り続けた理由とは…。

まとめ

エルヴィス・コステロが主題歌を手掛けた映画『リヴァプール、最後の恋』。

コステロがインタビュー動画で語るように、耐え忍ぶ誇りと愛について描いた、切ない物語に仕上がっています。

本作最後に流れる映像とコステロの歌声の調和を、目と耳でお楽しみ下さい。

映画『リヴァプール、最後の恋』は2019年3月30日(土)新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショーです。

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