Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/07/15
Update

映画『渇愛の果て、』キャスト/内容紹介。野生児童の有田あんがコロナ禍で上演中止の舞台を映像化!

  • Writer :
  • 石井夏子

妊娠、出産、障がい…出生前診断に女優たちが斬り込む。

野生児童主宰の有田あんが脚本・監督を務める長編映画、『渇愛の果て、』の制作が、2020年7月現在進行中です。

有田あん初の長編映画でもある本作は、コロナ禍で中止になった同名舞台を映画として撮影

「出生前診断」をテーマに、出生前診断・妊娠・出産・障がいについて、そしてそれに対して様々な考えがあることを知ってもらうことで 「人にやさしくなれる」映画です。

本作の魅力と、この映画企画を立ち上げた10名の女優たちについてお伝えします。

映画『渇愛の果て、』について

『渇愛の果て、』は当初2020年6月9日〜14日に上演を予定していた舞台です。しかし、新型コロナウイルス感染症の危険を考えて中止を決断することに。

一時は創作を諦めたかけた有田監督でしたが、コロナ禍で多くの人が命についてより深く考えるようになった今だからこそ、新たに生まれる命に目を向けたこの作品を形にして届ける意味がある、と改めて思い至りました。

その想いに賛同した女優たちが集い、『渇愛の果て、』は新たに映画としてスタートを切ります。

映画企画の立ち上げメンバーは、本作で脚本・監督を務め女優としても活躍している有田あん、舞台版から志を共にする小原徳子をはじめとした10人の女優たち。

出生前診断・妊娠・出産・障がいに対して、それぞれ異なる考えを持った女性たちが制作段階から携わってきたからこそ、デリケートなテーマに深く斬り込んだ作品づくりが実現しました。

本作のストーリーは、有田監督の友人の体験が基になっています。友人の赤ちゃんは出生前診断によって“陰性”と診断されたにも関わらず、突然変異による障がいを抱えて生まれてきました。

その時の彼女の衝撃・苦悩…直面して初めて知ることが多過ぎるということを有田監督は痛感。

この経験から有田監督は、いつか「出生前診断」と向き合わないといけなくなった時に、赤ちゃんとの将来を考える手助けになるように、「出生前診断」をもっとよく知りたい、知って欲しい。色々な考えや選択肢があることを知ることで、一人でも傷つく人を減らしたいと思い、本作を創り始めます。

正しい理解と様々な考えに触れるため、出産を経験した方、出生前診断を受けた方・受けなかった方、障がいを持っている方、医療関係者へのインタビューを行い、それを基にリアルで多様な意見を盛り込んだ脚本が仕上がりました。

「野生児童」とは?

野生児童とは、有田あん主宰によるプロデュースユニットです。

作曲:奈緒美フランセス、制作・役者:岸田エリ子の女性3人で活動しています。

2015年8月に『1980’』を機に旗揚げ。

2016年9月には、旗揚げ公演にオーディションメンバーとして出演し、作曲でも参加していた奈緒美フランセスが加入。

2017年12月には、野生児童第3弾より出演しており、 自身も『演劇ユニットル ソルナ』の主宰である女優・岸田エリ子が加入しました。

ユニットの特徴は、「できない理由より、どうしたら実現できるかを考える前のめりな姿勢」で、モットーは「やりたいことを、真摯に実現」。

劇団鹿殺しに所属し、俳優として活動中の有田あんがジャンルを飛び越えて、一番気になる個性的な役者、スタッフを集めて作品を創り、各々の人間性・個性を生かすことを基本としています。

「カテゴリー」を飛び越え、最も気になる表現者とテーマを掛け合わせ、他にはない組み合わせ、表現を独自に追求しています。

監督・有田あんのプロフィール

本作『渇愛の果て、』で監督・脚本・キャストを務める有田あんは、大阪出身。台湾とのハーフ。野生児童主宰であり、劇団鹿殺しの劇団員です。

中学・高校は吹奏楽部に所属し、特技はトロンボーン、トランペット、ユーフォニウムの演奏。

立命館大学、新演劇研究会劇団月光斜で芝居を始めました。

2010年、インドに2か月間滞在。インド中南部kolekanalの小学校で1か月勤務、その後インドを北から南へ約7都市一人旅。その経験が、目標とする、途上国での公演への大きなステップとなります。

学生時代には学生劇団で出演しながら演劇指導に関わっていました。ENBUゼミナールで作・演出を始め、学内大会で作品賞を受賞。

2015年に野生児童を旗揚げし、本格的に作・演出を始めます

作風は「家族・人間愛」をテーマにしたものが多く、脚本は実話ベース、出演者のキャラクターを生かした当て書きが特徴

2018年の野生児童第5弾『春暁』では、家族愛をテーマに統合失調症の母をもつ家族の話を繊細に描き、大きな反響を呼びます。

外部活動では、2019年に乃木坂46の4期生『3人のプリンシパル』でアクティングコーチ、劇団空白グリムでは演出を務めました。

映画『渇愛の果て、』の作品情報

【製作】
2020年(日本映画)

【監督・脚本】
有田あん

【音楽】
多田羅幸宏(ブリキオーケストラ)

【歌唱協力】
奈緒美フランセス

【キャスト】
有田あん、小原徳子、瑞生桜子、辻凪子、烏森まど、廣川千紘、伊島青、藤原咲恵、輝有子

まとめ


新型コロナウイルス感染症の危険を考えて中止を決断した野生児童の舞台『渇愛の果て、』が、映画となって新たに生まれ変わります。

有田あん監督が友人の実話から作り上げた脚本をもって、いよいよ2020年8月に撮影がスタート。

また、クラウドファンディング・プラットフォームMotionGallery にて、制作費の支援を募るクラウドファンディングを開始されました。目標金額は2,000,000円だそう。

クラウドファンディングに関しての詳細は、『渇愛の果て、』クラウドファンディングページをご覧ください。

どうぞ映画『渇愛の果て、』の応援をお願いいたします。

関連記事

新作映画ニュース

映画『パラサイト 』キャスト貧困キム家の母親役はチャンヘジン【演技評価とプロフィール】

第72回カンヌ国際映画祭“最高賞”パルムドール&第92回アカデミー賞作品賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』は2020年1月10日より全国公開! 第72回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞に加え、 …

新作映画ニュース

【神戸インディペンデント映画祭2023】11/24〜11/26開催!コンペ部門上映プログラム×各作品情報が解禁

「神戸インディペンデント映画祭2023」は2023年11月24日(金)〜26日(日)に新開地アートひろばで開催! 「映像クリエイターの発表と交流の場を、神戸に」というコンセプトのもと、インディペンデン …

新作映画ニュース

映画『泣く子はいねぇが』あらすじ/キャスト/公開日。仲野太賀と吉岡里帆が夫婦役で挑む青春ムービー!

是枝裕和が惚れ込んだ新たな才能! 佐藤快磨監督が世界中の大人になれない大人たちへ贈る青春グラフィティ。 是枝裕和監督が率いる映像制作者集団“分福”の新進気鋭の才能、佐藤快磨(さとうたくま)監督の劇場デ …

新作映画ニュース

映画『たまつきの夢』あらすじとキャスト。若手監督とミュージシャンのコラボ「MOOSIC LAB2019」を開催!

MOOSIC LAB2019は2019年11月23日(土)から12月21日(土)まで開催。 若手映画監督とミュージシャンのコラボレーションによって制作された映画を上映する音楽と映画の祭典「MOOSIC …

新作映画ニュース

映画『aftersun/アフターサン』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。A24配給のシャーロット・ウェルズ監督作品の場面写真解禁!

注目作『aftersun』が邦題『aftersun/アフターサン』として、2023年5月26日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほかにて全国公開決定! 20年前の夏――11歳のソ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学