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Entry 2019/07/17
Update

ドキュメンタリー映画『太陽がほしい 劇場版』あらすじ。戦時中に性被害を受けた中国人女性の証言とは

  • Writer :
  • 石井夏子

「私は慰安婦ではない」
中国人女性のことばに耳を傾け、寄り添い、支え、記録を続けた20年。

「慰安婦」という言葉からは想像できない過酷な人生がそこにありました。


©2018 Ban Zhongyi

班忠義監督の新作ドキュメンタリー映画『太陽がほしい 劇場版』が2019年8月3日(土)より、UPLINK渋谷(東京)、シネ・ヌーヴォ(大阪)、シネマスコーレ(愛知)の三館にて同時公開されます。

また、UPLINK渋谷での劇場イベントの開催も決定。

この記事では、『太陽がほしい 劇場版』の作品情報と解禁された予告編、そしてイベントの詳細をお伝えします。

映画『太陽がほしい 劇場版』について


©2018 Ban Zhongyi

ミキ・デザキ監督による『主戦場』(2018)の大ヒットにより、注目が高まっている「慰安婦」問題。

戦時性暴力の被害は韓国人女性だけではありません。中国人被害女性の支援活動を20年以上にわたり行っている班忠義監督によるドキュメンタリー映画が、本作『太陽がほしい 劇場版』です。

1992年、東京で開催された「日本の戦後補償に関する国際公聴会」での、中国人女性・万愛花さんの証言により、中国人「慰安婦」の存在が明らかになりました。

当時、留学生として日本で学んでいた班忠義監督はその証言に衝撃を受け、万愛花さんの元を訪ねます。

被害女性たちの多くは強烈な身体的、精神的暴力により、体調や精神に異常をきたしていましたが、一切の補償を受けられず、戦後半世紀を過ぎても癒えることのない苦しみのただ中にありました。


©2018 Ban Zhongyi

以降、現在まで中国人被害女性の支援活動を続けている班忠義監督。

日本社会の変化を感じとった班監督は、支援活動と並行して20年間撮りためてきた証言の映画化を決意。

企画に賛同した750人もの支援者と共に、上映と編集を重ね、5年の歳月をかけてついに本作『太陽がほしい 劇場版』が完成しました。

映画『太陽がほしい 劇場版』の予告編

予告編では中国人被害女性だけでなく、元日本兵の男性たちの証言も収められています。

かつて元兵士たちは公の場で自ら、中国人女性を拉致、監禁し、性暴力に及んだと語り、その内容は被害女性の証言と一致していました。

「加害/被害」対立する立場の証言が交差し、浮かび上がる事実とは、何なのでしょうか。

体を横たえたまま「真理がほしい」と訴える被害女性の眼差しが、胸に突き刺さります。

映画『太陽がほしい 劇場版』の作品情報

©2018 Ban Zhongyi

【日本公開】
2019年(日本映画)

【監督・撮影】
班忠義

【ナレーション】
有馬理恵

【編集】
秦岳志

【整音】
小川武

【音楽】
WAYKIS

【キャスト】
万愛花、尹林香、尹玉林、高銀娥、劉面換、郭喜翠、鈴木義雄、金子安次、近藤一、松本栄好、山本泉

【作品概要】
『王母鄭氏 チョンおばさんのクニ』(2000)『ガイサンシーとその姉妹たち』(2007)など慰安婦問題をテーマにした作品に取り組んできた班忠義監督によるドキュメンタリー。

1992年、東京で開催された「日本の戦後補償に関する国際公聴会」での中国人女性・万愛花さんの証言に、当時、留学生として日本で学んでいた班忠義は衝撃を受け、万愛花さんのもとを訪ねました。以降、班忠義は中国人被害女性の支援活動を20年以上続けています。

映画『太陽がほしい 劇場版』のあらすじ


©2018 Ban Zhongyi

本作では中国人「慰安婦」被害女性たちの多くが強烈な身体的、精神的暴力によって体調や精神に異常をきたし、一切の補償を受けられずにいることが彼女たちの実際の声によって語られるほか、元日本兵とその手下だったという中国人男性たちの証言も紹介。

被害女性たちの存在と証言を映像作品として記録することで、彼女たちの尊厳に光をあてていきます。


©2018 Ban Zhongyi

映画『太陽がほしい 劇場版』のイベント詳細


©2018 Ban Zhongyi

2019年8月3日(土)より、本作を公開する東京・UPLINK渋谷ではトークイベントの開催が決定。

日系アメリカ人映像作家ミキ・デザキ監督によるドキュメンタリー『主戦場』に出演している林博史(現代史研究者)、中野晃一(政治学者)、中原道子(「戦争と情勢への暴力」リサーチ・アクション・センター共同代表)などが登壇予定です。

【会場】
UPLINK渋谷
東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階

【登壇ゲスト】
8月3日(土):林博史(現代史研究者/関東学院大学教授)、班忠義監督
8月4日(日):有馬理恵(舞台女優/本作ナレーション担当)
8月7日(水):纐纈あや(映画監督)、班忠義監督
8月10日(土):中野晃一(政治学者/上智大学教授)、班忠義監督
8月11日(日):班忠義監督
8月12日(月・祝):中原道子(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター共同代表)、班忠義監督
8月14日(水):班忠義監督

※詳細につきましては『太陽がほしい 劇場版』公式サイト内劇場情報ページにてご確認ください。

まとめ


©2018 Ban Zhongyi

750人の支援者と共に作り上げたインディペンデント映画『太陽がほしい 劇場版』。

海外映画祭で最高賞を受賞してる本作の、その輝かしい受賞歴をお伝えします。

ジャカルタ映画祭「白金賞」(インドネシア)
アジア太平洋国際監督映画祭「ゴールド賞」
フィルムメーカー国際映画祭「最優秀外国語ドキュメンタリー映画賞」(アムステルダム)
ルイビル国際映画祭「最優秀外国語ドキュメンタリー映画賞」(アメリカ)

この受賞歴を見ただけでも、本作が今求められている映画だという事がわかりますね。

日本での凱旋上映が急遽決定した『太陽がほしい 劇場版』は、2019年8月3日(土)よりUPLINK渋谷(東京)、シネ・ヌーヴォ(大阪)、シネマスコーレ(愛知)にて三館同時公開、ほか全国順次公開です。

お見逃しなく。

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