YouTube動画で見るおすすめ映画解説!『デスマッチ 檻の中の拳闘』をあらすじ紹介
今回ご紹介するのは、闇世界の格闘大会を描いたアクション映画『デスマッチ 檻の中の拳闘』。
格闘系のアクション映画といえば、カンフーやムエタイなどの華麗な武術で見せるものや、ワイヤーアクションやダンスなど動きを基に、視覚的に見せる作品が思いつきます。
その対極に、真剣勝負のタイマン勝負の殴り合いをうたう、ストリートファイトや地下闘技場を舞台にした、汗と血にまみれた世界を見せる映画も存在します。そんな”Donnybrook”(乱闘騒ぎ)を描いた作品、観る者に想像以上の衝撃を与えます。
【連載コラム】『未体験ゾーンの映画たち2020延長戦見破録』記事一覧はこちら
増田健の映画あらすじ解説動画:6分31秒
シネマダイバー:増田健のプロフィール
映画ライターとして、主に海外のホラー映画や埋もれたB級作品、隠れたカルト作品のレビュー記事を執筆。
映画感想レビュー&考察情報サイト「Cinemarche」内では、毎年「未体験ゾーン」を劇場鑑賞の制覇したうえでレビュー記事を掲載しています。
また2020年9月からはホラー映画を中心に動画解説をスタート。
映画『デスマッチ 檻の中の拳闘』の作品情報
【日本公開】
2020年(アメリカ映画)
【原題】
Donnybrook
【監督・脚本】
ティム・サットン
【キャスト】
ジェイミー・ベル、フランク・グリロ、マーガレット・クアリー、ジェームズ・バッジ・デール
【作品概要】
アメリカの作家、フランク・ベルの著した小説「Donnybrook」を映画化した作品です。バットマンの悪役ジョーカーに影響を受けた男が、2012年に『ダークナイト ライジング』(2012)を上映中の映画館で銃を乱射、70名が死傷した事件を元にした映画、『Dark Night』(2016)のティム・サットンが監督しました。
『リトル・ダンサー』(2000)でデビュー後、様々な映画に出演し『ロケットマン』(2019)や『SKIN/スキン』(2019)では、実在の個性的な人物を演じたジェイミー・ベル。そして悪役・脇役だけでなく、今や『パージ:アナーキー』(2014)や『パージ:大統領令』(2016)など、主役も務めるようになったフランク・グリロとの、W主演で見せる格闘映画です。
映画『デスマッチ 檻の中の拳闘』のあらすじ
映画は優勝賞金10万ドルの乱闘大会、”Donnybrook(ドニーブルック)”の会場となる、金網に囲まれたケージを映し出して始まります。
その会場に向かう老人の操るボートに乗る、元海兵隊員のアール(ジェイミー・ベル)と、彼と同行する女デリア(マーガレット・クアリー)。
世界は変わった。犯罪者が支配し、皆が金は無く借金を抱え、誰もが嘘にまみれて生きている。必要なのは、自分の手を使って生きることだ。
そう語る老人の言葉に、黙って耳を傾けるアール。老人にドニーブルックの参加費は1000ドルかと聞かれると、うなずきます。
家族と再出発するために、アールは乱闘大会の賞金を必要としていました。彼は老人に参加費の出どころを聞かれると、自分の知る唯一の方法で得た、と答えたアール。
3人を乗せたボートは、河をゆっくりと進んでいきます……。
これに先立つ日、アールは銃砲店を襲い、突きつけた銃で店主を殴り金を強奪していました。
アールが自宅に戻ると、その前でまだ少年の息子のモーゼスと、幼い娘スカウトが遊んでいました。子供たちから、家に訪問者がいると聞いたアール。
彼が向かうと家の前には車が停まり、その中にデリアがいました。彼女は元海兵隊員で、戦場帰りのアールをからかいますが、彼はそれに構わず家に入ります。
家にはデリアの兄で薬物の売人、アンガス(フランク・グリロ)がいました。彼はアールの妻タミーに、薬を売っていたのです。
それを見て怒り、いきなりアンガスに殴りかかるアール。激しい乱闘になりますが、騒ぎを察して家に入って来たデリアが、争いを収めようと拳銃を上に向け発砲しました。
アールを殴り倒したアンガスは、その拳銃を掴むと彼の頭に突き付けます。しかし妹に諭され、何もせずデリアと共に立ち去ったアンガス。
身を隠していたタミーは姿を現すと、アールに詫びます。薬物依存症の彼女は、耐えられずアンガスを呼び、薬を得ようとしたのです。
彼女を責めること無く、子供たちと共に荷物をまとめ、家族で出発しようと告げるアール。
一方デリアと共に立ち去ったアンガスは、車を止めると妹に暴力を振るい怒鳴りつけて、先程の振る舞いを謝らせます。その一方で彼女にキスをし、そんの体を抱きしめるアンガス。
デリアは兄の暴力と愛情による支配から、抜け出せずにいるようでした。
僅かな荷物とサンドバックを車に積み込み、アールは家族と共に出発します。ドニーブルックに出場するつもりの彼は、賞金でどこかに家を買おうと提案します。負けたらどうするのという妻の言葉に対し、負けないとだけ答えたアール。
アンガスとデリア兄妹が薬物の密造所を兼ねた家に戻ると、そこは火事で焼け落ちていました。薬物の製造中に誤って火事を起きていたのです。
薬物を作っていた2人の製造者のうち1人は死に、もう1人は茫然と座っていました。デリアは彼を慰めますが、アンガスは失敗を許さず、彼の頭に銃弾を撃ち込みます。
商品を失った兄妹は、取引相手のエルドンの家に向かいます。薬と密造所を失ったアンガスは、エルドンに貸した金を必要としていました。
アール一家は宿に泊まります。幼い娘スカウトも、父がドニーブルックに参加すると知っていました。
アールは賞金を得たら、妻のタミーにリハビリ施設に通わせると約束し、再出発しようと告げます。そしてタミーとスカウトは、この場所で待つよう伝えます。
ドニーブルックの会場には、アールが息子モーゼスと共に向かいます。タミーはモーゼスに、自分のペンダントを渡し別れを告げます。
その頃エルドンの家で目的を果たしたアンガスは、後始末を妹に任せ、外に出ます。暴行を加えられ、椅子に縛り付けた血まみれのエルドンの前で、パンツを脱ぎ出すデリア。
エルドンにまたがると、デリアは腰を動かし始めます。エルドンは彼女に、自分ではなく兄を撃つべきだと告げますが、彼女は動きを止めません。
彼が果てる瞬間に、銃を取り出したデリアはその頭を撃ち抜きます。
翌朝、警察は焼け落ちたアンガスの密造所を捜査します。刑事のドニー(ジェームズ・バッジ・デール)は、残された2つの遺体を見つめていました。
焼け跡からは密造されたドラックが発見されます。ドニーはこの惨劇を引き起こした人物を追おうと、決意を固めた様子です。
彼は次に、アールが襲った銃砲店を訪れます。店主は刑事に元海兵隊員のアールが、1000ドルを奪ったと訴えます。その額を聞き、ドニーブルックの参加費だと呟くドニー刑事。
アールと息子モーゼスの乗った古い車は、故障して停止します。アールは修理を試みますが、日が暮れても直りません。
そこにパトカーが現れます。警官から免許書と車両登録証の提示を求められたアールは、いきなり警官を殴り倒すと、パトカーを奪ってモーゼスと共に走り去ります。
翌朝アンガスとデリア兄妹は、自らの手でドラックを密造していました。そんな兄を慕い、寄りそってきたデリアの態度を、キモいと吐き捨てたアンガス。
一方アールは木にサンドバックを吊るし、トレーニングに励みます。モーゼスにパトカーは処分しなければならないと伝えると、彼は息子に拳を使う術を教えました。
刑事のドニーは旧知のスーパーの従業員、サラを訪ねてアンガスの居場所を問いただします。そして死体が残された、エルドンの家に現れます。
ドニーはエルドンを殺害したのも、アンガスとデリア兄妹だと見抜きます。文字通り悪魔のように凶行を繰り返すアンガスを追い、同僚を残し単独で動き出すドニー。
その頃デリアは1人で車を走らせていました。彼女は車を停めると、自殺を考え拳銃を取りだし、銃口を咥えて引き金を引こうとしますが…。
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