2019年10月28日(月)~11月5日(火)の9日間で開催される、第32回東京国際映画祭。
国際交流基金は、2019年10月28日(月)に開幕する第32 回東京国際映画祭(Tokyo International Film Festival:以下、TIFF)で、アジア映画特集シリーズ「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」を実施します。
第6回となる今回は、「ファンタスティック!東南アジア」と題し、国際的に活躍する監督や人気俳優が監督したホラーやスリラー、SF、ファンタジー等、東南アジアの「摩訶不思議」を多様な視点でとらえた9プログラム10作品を上映します。
CONTENTS
「CROSSCUT ASIA(クロスカット・アジア)」とは
2014年に東京国際映画祭の一部門として設立された「CROSSCUT ASIA(クロスカット・アジア)」は、アジアの国や監督、テーマなど様々な切り口でアジア映画を取り上げる部門です。
これまでタイ、フィリピン、インドネシアの各国特集、巨匠監督推薦の若手監督映画、2018年は音楽をモチーフにした東南アジア映画を特集しました。今年2019年で6年目を迎えます。
次の章からは、「CROSSCUT ASIA #06 ファンタスティック!東南アジア」のラインナップをご案内します。
近未来ディストピア作品
巨匠ラヴ・ディアス、新鋭ランディ・コロンピスがそれぞれ描く、近未来ディストピア『停止』『フォックストロット・シックス』。
自然破壊、政治の腐敗…世界がいま抱える問題を反映させた超大作です。
『停止』
【製作】
2019年(フィリピン映画)
【監督・脚本・プロデューサー・撮影・編集】
ラヴ・ディアス
【キャスト】
ピオロ・パスカル、ジョエル・ラマンガン、シャイーナ・マグダヤオ、ヘイゼル・オレンシオ
【作品概要】
『立ち去った女』のラヴ・ディアス初の近未来SF。
2034年、火山の噴火で太陽が隠された東南アジア一帯は闇のなかに沈む。独裁者が専制政治を行い、多くの民衆の血が流れ…。
カンヌ2019監督週間出品作です。
『フォックストロット・シックス』
【製作】
2018年(インドネシア映画)
【脚本・監督・プロデューサー】
ランディ・コロンピス
【キャスト】
オカ・アンタラ、マイク・ルイス
【作品概要】
新人監督ランディ・コロンピスが描く近未来ディストピア大作。
食糧不足で人類の危機が迫るなか、元海兵隊員で国会議員に転身したアンガは仲間とともに敵に挑みます。
『ザ・レイド GOKUDO』のオカ・アンタラほか人気スター勢揃い!
エリック・クー製作総指揮のオムニバス・ホラー
エリック・クー製作総指揮、各国民間伝承を題材にした6話のTVオムニバス・ホラーから『フォークロア:母の愛』『フォークロア:TATAMI』の2作を紹介。
インドネシア編の監督はホラーの帝王ジョコ・アンワル、日本編は監督としても活躍めざましい齊藤工。
『フォークロア:母の愛』
【製作】
2018年(シンガポール・インドネシア合作映画)
【監督】
ジョコ・アンワル
【キャスト】
マリッサ・アニタ、テウク・ムザク・ラムダン
【作品概要】
インドネシア篇は『悪魔の奴隷』などの熟達のホラー王、ジョコ・アンワルが監督。
住処を追い出された母と息子に怪奇現象が降りかかり…。
『フォークロア:TATAMI』
【製作】
2018年(シンガポール・日本合作映画)
【監督】
齊藤工
【キャスト】
北村一輝、神野三鈴、黒田大輔、大西信満
【作品概要】
日本編は俳優・斎藤工が監督として初のホラーにチャレンジ!北村一輝主演。
父の葬儀に帰郷した男が、家族の秘められた過去を知りますが…。
アジアのホラー映画群
女性監督の活躍に注目したい、アジアのホラー映画群です。
ホラー映画業界の内幕を暴くモキュメンタリー『リリア・カンタペイ、神出鬼没』から、今年のヴェネチア・トロント出品作『それぞれの記憶』『永遠の散歩』まで。
『リリア・カンタペイ、神出鬼没』
【製作】
2011年(フィリピン映画)
【監督・脚本・原案】
アントワネット・ハダオネ
【キャスト】
リリア・カンタペイ、ジョエル・サラチョ、ジェラルディン・ヴィラミル
【作品概要】
30年間の端役人生の果てに初めて映画賞にノミネートされた老女優リリア・カンタペイは受賞スピーチを考えて落ち着きません。
ホラー映画業界の内幕を暴く、笑いと涙のモキュメンタリー? ドキュメンタリー?
『それぞれの記憶』
【製作】
2019年(フィリピン映画)
【監督・脚本】
シーグリッド・アーンドレア P・ベルナード
【キャスト】
クリスティーン・レイエス、シアン・リム
【作品概要】
北海道が舞台の大ヒット作『キタキタ』のベルナード監督の新作は恐怖のサイコ・スリラー。
ジョージア(グルジア)で出会ったフィリピン人移民のマーラとホアキム。その生活に不気味な影が忍び寄り…。
『永遠の散歩』
【製作】
2019年(ラオス・スペイン・シンガポール合作映画)
【監督・プロデューサー】
マティー・ドー
【キャスト】
ヤナヴッティ・チャンタルンシー、ポー・シラッサ、ヌーナファ・ソイダラ
【作品概要】
ラオス初の女性監督マティー・ドーによるホラー風味のSF。
50年前に母を死なせたことを後悔して生きてきた老人が霊力を授かって過去に戻ります。果たして母の命をつなぎとめることはできるのか?
ヴェネチア2019出品作。
ホラーに挑戦するフィルムメーカーたち
『マッハ!』のプラッチャヤー・ピンゲーオ、『牢獄処刑人』のエリック・マッティ、『草原に黄色い花を見つける』ヴィクター・ヴーが、ジャンルを横断し、本格ホラーに挑戦します。
『Sisters』
【製作】
2019年(タイ映画)
【監督・プロデューサー・原案】
プラッチャヤー・ピンゲーオ
【キャスト】
プロイユコン・ロージャナカタンユー、ナンナパット・ルートナームチューサクン
【作品概要】
『マッハ!』『チョコレート・ファイター』のプラッチャヤー監督、会心のホラー・アクション。
悪魔ハンターとしての能力を身につけた姉と、か弱く悪魔たちにつけ狙われる妹。運命に翻弄される姉妹は、真実が明かされる時、究極の選択を迫られ…。
『存在するもの』
【製作】
2019年(フィリピン映画)
【監督・エグゼクティブ・プロデューサー】
エリック・マッティ
【キャスト】
シャロン・クネタ、ジョン・アルシラ、ケント・ゴンザレス、パム・ゴンザレス、ギラ・アルヴァレス
【作品概要】
『牢獄処刑人』のエリック・マッティが放つ本格ホラー。
双子の妹マヌエラが急死したとの報せが届いて帰郷したルイスを待っていたのは、悪霊たちの度重なる跳梁跋扈。果たして妹の死の真相は?
『死を忘れた男』
【製作】
2018年(ベトナム映画)
【監督・脚本】
ヴィクター・ヴー
【キャスト】
クァック・ゴック・グアン、ディン・ゴック・ジェップ、ジュン・ヴー、タン・トゥ、フランソワ・ネグレ
【作品概要】
ベトナム期待の星ヴィクター・ヴーがハートフルな『草原に黄色い花を見つける』に続いて手がけた対照的な本格ホラー。
謎の洞窟に迷い込んだアンは、不老不死の力を身につけた300歳の男フンと出会いますが…。
第32回東京国際映画祭の開催概要
【開催期間】
2019年10月28日(月)~11月5日(火)
【会場】
六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区) 、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)ほか都内の各劇場及び施設・ホールを使用
【チケット発売日】
※部門別での発売開始となります。
10 月12 日(土)
12:00~CROSSCUT ASIA、アジアの未来、企画上映
16:00~特別招待作品、特別上映
10月13日(日)
12:00~ワールド・フォーカス、ユース、日本映画スプラッシュ、Japan Now
16:00~コンペティション、日本映画クラシックス、ジャパニーズ・アニメーション、クロージング・セレモニー+東京グランプリ受賞作品
※詳細につきましては東京国際映画祭公式サイトにてご確認ください。
東京国際映画祭とは
東京国際映画祭(通称 TIFF)は日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭です。
1985年、日本ではじめて大規模な映画の祭典として誕生した TIFFは、日本およびアジアの映画産業、文化振興に大きな足跡を残し、アジア最大級の国際映画祭へと成長しました。
いまや最も熱気溢れるアジア映画の最大の拠点である東京に世界中から優れた映画が集まり、国内外の映画人、映画ファンが新たな才能とその感動に出会い、交流する場を提供しています。
まとめ
「CROSSCUT ASIA #06 ファンタスティック!東南アジア」会期中には各作品の監督や出演者などが来日し、上映後のQ&Aセッションを予定しています。
10月29日(火)には、アントワネット・ハダオネ監督(『リリア・カンタペイ、神出鬼没』/2011)、シーグリッド・アーンドレア P・ベルナード監督(『それぞれの記憶』/2019)、マティー・ドー監督(『永遠の散歩』/2019)の女性監督3名を迎えて、「ホラー女子会の秘かな愉しみ」と題したシンポジウムを開催。
東南アジア地域で不動の人気を誇るホラー映画について、女性クリエイターの視点から紐解いていきます。
ぜひ「CROSSCUT ASIA #06 ファンタスティック!東南アジア」にお運びください。