ポーランドの映画監督パヴェウ・パヴリコフスキ監督の最新作『COLD WAR あの歌、2つの心』は6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
ポーランド映画で初めてアカデミー賞の外国語映画賞に輝いたパヴェウ・パヴリコフスキ監督の最新作は、冷戦下の1950年代が舞台。時代に翻弄される恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリーです。
先日発表された第91回アカデミー賞では監督賞と撮影賞、外国語映画賞の3部門にノミネートされています。
作品についてくわしくご紹介します。
CONTENTS
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』とは
1950年代の冷戦下。ポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、パリを舞台に描いたラブストーリーです。
恋人たちの時代に翻弄され国境をまたいで愛を紡いでいく姿を、美しいモノクロ映像で映し出していきます。
映像もさることながら、ズーラ役のヨアンナ・クーリグの美しい歌声と、民謡音楽からフレンチジャズ、エルビス・プレスリーに至るまで様々な名曲がさらに物語に彩りを添えています。
監督は『イーダ』で第87回アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したパヴェウ・パヴリコフスキ。
参考映像:『イーダ』(2014)
ズーラ役のヨアンナ・クリーグは『イリュージョン』(2011)に続いて2回目のパヴェウ・パヴリコフスキ作品です。
ピアニストのヴィクトル役はトマシュ・コット。2015年にポーランドのアカデミー賞“オルウィ”(Orły)では、『Bogowie』(原題)で最優秀男優賞を受賞している実力派の俳優です。
また、パヴェウ・パヴリコフスキ監督の『イーダ』で主人公イーダのおば役を務めたアガタ・クレシャも出演しています。
この作品は海外の映画祭で64の賞にノミネート、うち23部門で賞を獲得しています。
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』の作品情報
【公開】
2019年(ポーランド・イギリス・フランス合作)
【原題】
Zimna wojna
【監督・脚本】
パヴェウ・パヴリコフスキ
【キャスト】
ヨアンナ・クリーグ、トマシュ・コット、アガタ・クレシャ、ボリス・シィツ、ジャンヌ・バリバール、セドリック・カーン
【作品概要】
ポーランド映画界から初のアカデミー外国語映画賞に輝いた『イーダ』(2013)のパベウ・パブリコフスキ監督が、1950年代の冷戦下で、東側と西側の間で揺れ動きに翻弄される恋人たちの姿を、モノクロ映像と名歌で描くラブストーリー。
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』のあらすじ
ポーランドの音楽舞踏学校で出会ったピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラ。
二人はやがて愛し合うようになります。
冷戦中、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、ベルリンでの公演時にパリに亡命しました。
歌手になったズーラは公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会します。
ズーラは彼とパリに住み始めるが、やがてポーランドに戻ってしまいました。
ズーラの後を追うヴィィクトル。二人の愛は結ばれるのでしょうか…。
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』の感想と評価
本作は1950年代のヨーロッパを舞台に、時代に翻弄されながら生きた恋人たちの物語を描いたラブストーリーです。
全編モノクロで描き出される物語は、ため息が出るほど美しい映像に仕上がっています。
すでに海外の映画祭で64の賞にノミネートされ、23部門を受賞しています。
2018年のカンヌ国際映画祭では監督賞を受賞したほか、ヨーロッパ映画賞では最優秀作品賞ほか5部門を受賞。2018年から2019年にかけての賞レースを席巻しています。
監督は『イーダ』で第87回アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、世界的な評価を受けるポーランドの映画監督パヴェウ・パヴリコフスキ。
今回の作品でも外国語映画賞のほか、監督賞と撮影賞の3部門にノミネートされています。
歌手のズーラ役にはヨアンナ・クリーグ。この作品でロンドン映画批評家協会最優秀女優賞にノミネートされたほか、ヨーロッパ映画祭とエル・グウナ国際映画祭、パームスプリングス国際映画祭では最優秀女優賞を獲得しています。
ピアニストのヴィクトル役のトマシュ・コットは、その実力をポーランド国内で認められているほか、ヨーロッパ国際映画祭では最優秀男優賞にノミネートされました。
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』への絶賛の声と映画賞
とにかく観てほしい。とても味わい深くて美しい映画だから、まばたきするのも惜しくなる。「映画ってものはこんな風に作るものだ」と教えてくれる映画なんだ。ーアレクサンダー・ペイン(映画監督)
「この映画は既に、アカデミー賞の話題を呼んでいる。それは完璧に近い映画だから!」ーワシントンポスト
「ほろ苦くてたまらなく素敵な作品!」ーハリウッド・レポーター
「若き日のジャンヌ・モローのようなさりげない魅力で、揺れ動く感情を表現するクーリグ!」ーヴァラエティ
このように、様々な方面から絶賛の声が上がっています。
さらに海外の映画祭では64の賞にノミネートし、23部門受賞という高評価を受けています。
その一部をご紹介します。
【受賞】
・ベルギー映画評論家協会 グランプリ
・カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞
・ナショナル・ボード・オブ・レビュー 最優秀外国語映画賞
・ニューヨーク映画批評家協会 最優秀外国語映画賞
など16の映画賞で23部門受賞。
【ノミネート】
・アカデミー賞 監督賞、撮影賞、外国語映画賞
・英国アカデミー賞 最優秀撮影賞、最優秀監督賞、最優秀非英語映画賞、最優秀オリジナル脚本賞
・ヨーロッパ映画賞 最優秀男優賞
など22の映画賞で38部門ノミネート。
世界各地で行われる映画祭で、様々な賞にノミネートまたは受賞しています。
日本公開は6月28日(金)とまだまだ先ですが、今から公開が待ちきれないですね。
まとめ
アンジェイ・ワイダ監督やロマン・ポランスキー監督だけではない、新世代の監督として近年世界にその名を広めてきたパヴェウ・パブリコフスキ監督。
前作『イーダ』ではその実力を、オスカー獲得という絶対的な評価で見せつけてくれました。
数年ほど前から、日本でもポーランドの映画を集めた映画祭が開かれるようになりました。
そんな中、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『COLD WAR あの歌、2つの心』。
モノクロで描かれていることで余計な情報が排除され、ズーラとヴィクトルの切ない愛の物語がより鮮明に映し出され、心に深く残る作品となるでしょう。
映画『COLD WAR あの歌、2つの心』は6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開です。
ぜひ、お見逃しなく!