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映画『バスキア、10代最後のとき』あらすじとキャスト。上映トークイベント情報も

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  • Cinemarche編集部

ストリートから“アートシーンのスター”へ。20世紀で最も重要なアーティストは、どのように生まれたのか?

没後30年の今、その秘密に迫る映画『バスキア、10代最後のとき』は、12月22日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開です。

本作の公開を記念し、フォトグラファーとしてバスキアを撮影した経験もあるローランド・ハーゲンバーグさん、ライター・編集者の小柳帝さんをゲストに迎えたトークイベントが開催されます。

ファン必見のイベント情報と、『バスキア、10代最後のとき』の見どころをご紹介します。

映画『バスキア、10代最後のとき』とは


©2017 Hells Kitten Productions, LLC. All rights reserved.LICENSED by The Match Factory 2018 ALL RIGHTS RESERVED.Licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan.

アンディ・ウォーホルにインスピレーションを与え、一流のアート・コレクターとしても名高いデヴィッド・ボウイのコレクションに名を連ねるアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキア。

近年、彼の作品をレオナルド・ディカプリオが購入したことや、日本の実業家が123億円で落札したことが話題となり、ロンドンからスタートした大回顧展「ブーム・フォー・リアル」は、世界各地を巡回し、熱狂を巻き起こしています。

1988年に27歳の若さで亡くなってから30年、今やダ・ヴィンチやピカソと同じように、美術史を語る上で重要なアーティストの一人となったバスキア

ドラマティックな成功から早すぎる死に散ったその生涯は、1996年に劇映画『バスキア』(ジュリアン・シュナーベル監督)、2010年にドキュメンタリー映画『バスキアのすべて』(タムラ・デイヴィス監督)でも描かれています。

本作『バスキア、10代最後のとき』は、没後30年を記念して、過去の2作とは全く異なるスタンスでバスキアの真実に迫ったドキュメンタリー映画として制作されました。

1978~81年頃のニューヨークで、友人のアパートを転々としながらストリートに作品を刻みつけていた、〈バスキア、10代最後のとき〉に焦点を当て、天才アーティスト誕生の秘密に迫った作品です。

見どころ① 著名人が語るバスキア


©2017 Hells Kitten Productions, LLC. All rights reserved.LICENSED by The Match Factory 2018 ALL RIGHTS RESERVED.Licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan.

1970年代末、ニューヨークは財政が崩壊し、人々の生活水準は悪化。裕福な白人たちは郊外へと大移動し、無法地帯と化していました。

暴力と犯罪が溢れ始めた街で、若者たちは既成概念を破壊し、新しい時代を自らの手で創り出します。

音楽を根本から変えたヒップホップやパンクロック、日々目まぐるしく変わるファッションや文学、アート、揺れ動く政治に人種問題…。

そんな1970年代末~80年代のニューヨークを生き抜いた“証人”たちが登場し、カルチャー・ムーブメントの実態を語ります。

登場するのは、アーティストのファブ・5・フレディ、『ワイルド・スタイル』の主演を務めたリー・キュノネス、映画監督のジム・ジャームッシュ、『プラダを着た悪魔』の衣装を担当したファッション・デザイナーのパトリシア・フィールドほか、バスキアと交流のあった著名人たち。

友人でもある彼らの証言が、ありとあらゆるカルチャーを貪欲に吸収し、前例なきアーティストへと育っていくバスキアの姿をスクリーンに映し出します。

見どころ② 元恋人の秘蔵コレクション


©2017 Hells Kitten Productions, LLC. All rights reserved.LICENSED by The Match Factory 2018 ALL RIGHTS RESERVED.Licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan.

映画として世界初公開となるのは、有名になる前のバスキアと一緒に暮らしていた元恋人のアレクシス・アドラーの秘蔵コレクション。

世界をリードする生物学者となったアドラーが、30年間保管してきた個人所蔵の作品です。

絵画だけでなく、部屋の冷蔵庫、壁、ドア、そして外のゴミまでがアート作品に変わる様子や、創作中のバスキアの写真も登場します。

ベールを脱いだ秘蔵のプライベートコレクションは必見です。

映画『バスキア、10代最後のとき』の公開記念トークイベント


©2017 Hells Kitten Productions, LLC. All rights reserved.LICENSED by The Match Factory 2018 ALL RIGHTS RESERVED.Licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan.

ジャン=ミシェル・バスキアの没後30年を記念して製作された映画『バスキア、10代最後のとき』の公開を記念し、YEBISU GARDEN CINEMAにてトークイベントが開催されます。

ゲストは、「VOGUE」「Archtectural Digest」などに記事や写真を多数寄稿するライター、フォトグラファーのローランド・ハーゲンバーグさんと、映画・音楽・哲学など様々な分野に造詣の深い小柳帝さん。

バスキアと同じく80年代をNYにてライター・フォトグラファーとして活躍し、スタジオで作品を制作中のバスキアを撮影した経験もあるハーゲンバーグさんが語る、知られざるバスキアの素顔や当時のニューヨークとは…?!

トークイベントの開催概要

【日時】
2019年1月8日(火) 20:00~20:30
※18:30の回 上映終了後に実施予定

【タイムスケジュール】
18:20 開場
18:30 上映開始(予告編10分ののち本編スタート)
20:00 本編上映終了 トーク開始(約30分程度)
20:30 終了予定

【場所】
YEBISU GARDEN CINEMA(東京都渋谷区恵比寿4-20-2)

【登壇者】
ローランド・ハーゲンバーグ(ライター・フォトグラファー)
小柳帝(ライター・編集者)

*チケット情報はYEBISU GARDEN CINEMA公式HPをご確認ください。

ローランド・ハーゲンバーグさんのプロフィール

ライター、フォトグラファー、映像クリエイター。オーストリア生まれ。

アンディ・ウォーホルやキース・へリングなどと親交があった。80年代、バスキアなど多くのアーティストとコラボレートし、ニューヨークのアート界をビジュアル化する出版プロジェクトに関わる。

ビデオ・ドキュメンタリーの監督や制作にも意欲的に取り組むマルチメディアクリエイター。

2010年に立ち上げた、作曲家フランツ・リストの生誕地オーストリアのライディングにマイクロハウスを建築する「raiding project」では、オーストリア政府観光局より最優勝革新賞を受賞。

最近は2018年9月に福岡で開催された「ジャン=ミッシェル・バスキア:ローランド・ハーゲンバーグによる写真展」をはじめ、バスキア回顧展で、ハーゲンバーグが撮影したバスキアのポートレートが展覧会のメインビジュアルやカタログの表紙などに使用されている。

小柳帝さんのプロフィール

ライター・編集者・翻訳者・フランス語教室ROVA主宰。映画・音楽・デザイン・知育玩具・絵本などの分野を中心に、さまざまな媒体で執筆活動を展開中。

主な編・著者に「モンド・ミュージック」「ひとり」「EDU-TOY」「グラフィックデザイナーのブックデザイン」「ROVAのフレンチカルチャー A to Z」「小柳帝のバビロンノート 映画についての覚書」、翻訳書に「ぼくの伯父さんの休暇」「サヴィニャックポスター A-Z」など。

映画『バスキア、10代最後のとき』の作品情報


©2017 Hells Kitten Productions, LLC. All rights reserved.LICENSED by The Match Factory 2018 ALL RIGHTS RESERVED.Licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan.

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原題】
BOOM FOR REAL THE TEENAGE YEARS OF JEAN-MICHEL BASQUIAT

【監督】
サラ・ドライバー

【キャスト】
ジャン=ミシェル・バスキア、アレクシス・アドラー(生物学者)、ファブ・5・フレディ(アーティスト)、リー・キュノネス(グラフィティ・アーティスト)、ジム・ジャームッシュ(映画監督)、パトリシア・フィールド(ファッション・デザイナー)ほか

【作品概要】
1988年に27歳の若さで亡くなったジャン=ミシェル・バスキアの没後30年を記念して製作されたドキュメンタリー映画。

1978~81年頃のニューヨークで、友人のアパートを転々としながらストリートに作品を刻みつけていた、〈バスキア、10代最後のとき〉に焦点を当て、天才アーティスト誕生の秘密に迫った作品。

独自の世界観が詰まった『豚が飛ぶとき』(1994)で脚光を浴びたサラ・ドライバー監督が、1970年代~80年代のニューヨークにいた友人やアーティストたちの協力を仰ぎ完成させた意欲作。

映画『バスキア、10代最後のとき』のあらすじ


©2017 Hells Kitten Productions, LLC. All rights reserved.LICENSED by The Match Factory 2018 ALL RIGHTS RESERVED.Licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan.

1978年、イースト・ヴィレッジで路上生活をしながら、友人の家のソファで寝ていた18歳の青年。

都市の財政が破綻し暴力に溢れた70年代末~80年代のNYには、バスキアの心を動かし、触発したムーブメントがありました。

政治や人種問題、ヒップホップ、パンクロック、ジャズ、ファッション、文学、アート…それらのすべてが彼をアーティストとして育てていきます。

名声を得る前のバスキアの生活、NYとその時代、そしてどのように天才アーティストは生まれたのでしょうか?

没後30年の今、その秘密に迫ります…。

まとめ


©2017 Hells Kitten Productions, LLC. All rights reserved.LICENSED by The Match Factory 2018 ALL RIGHTS RESERVED.Licensed to TAMT Co., Ltd. for Japan.

バスキアの信奉者であり、共に時代が変わる瞬間を生きたというサラ・ドライバー監督は、バスキアについて次のように語っています。

バスキアは友人たちそして彼の天性の好奇心からいろいろなことを探求し、詩人、ミュージシャン、画家、彫刻家として素晴らしい作品を生み出してきました。

いつでもどこでも可能な限りいろいろなものを吸収し、バスキアはそのアイデアにかき立てられていました。

この映画では彼の神秘的な部分を避けて、バスキアの人間性を伝えています。

死後30年経ち、彼は20世紀において重要なアーティストの一人と考えられています。

バスキアは、類まれな才能を持った多作なアーティストであったばかりでなく、閉鎖的でエリート主義の白人アートの世界に風穴を開けました。

私は、バスキアをランボーとモーツァルトを混ぜ合わせたような人物だと考えています。

燃え盛るクリエイティブな衝動を持った、素晴らしいいたずら詩人なのです。

サラ・ドライバー監督が、70年代~80年代のニューヨークにいた友人やアーティストたちの協力を得て、製作にあたった本作。

当時を知る人々だからこそ語ることができる歴史の中で、何者でもなかった若者が前例なきアーティストへと成長していく姿を、ぜひ劇場でご鑑賞ください。

映画『バスキア、10代最後のとき』は、12月22日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開です。

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