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Entry 2024/06/04
Update

『アディクトを待ちながら』あらすじ/公開日/上映館。ナカムラサヤカ監督×田中紀子プロデュースで“依存症からの回復”の偏見と真実を描く

  • Writer :
  • 大塚まき

依存症からの回復を題材とした衝撃の問題作!

ギャンブル依存症、アルコール依存症、ゲーム依存症、薬物依存症、買い物依存症、ゲーム依存症……誰もが陥る可能性のある依存症。

依存症に回復はあるのか……その答えを描いたのが、映画『アディクトを待ちながら』です。


『アディクトを待ちながら』

このたび、映画『アディクトを待ちながら』の2024年6月29日(土)より新宿K’s cinema他で全国順次公開が決定

本作のメインポスタービジュアルと特報が解禁された他、本作を手がけたナカムラサヤカ監督と田中紀子プロデューサー(ギャンブル依存症問題を考える会)からのコメントも到着しました。

映画『アディクトを待ちながら』とは?

映画『アディクトを待ちながら』特報

映画『アディクトを待ちながら』は、ともにギャンブル依存症の家族であるナカムラサヤカ監督と田中紀子プロデューサーがタッグを組んだ、初の長編映画作品です。

主演の高知東生をはじめ、橋爪遼、杉田あきひろ、塚本堅一といった薬物事件で逮捕された俳優らと、実際の依存症者(アディクト)やその家族が多数出演。さらに升毅、宍戸開、青木さやかなどの俳優陣が脇を固めました

またワークショップの公募によって出演者を決め、本作の衝撃のラストではリアリティを追求すべく、シナリオのないサプライズの即興芝居を行なっています。

《リアルなキャスティング》と《生の役者の反応》を映した本作は、今巷を賑わせている「依存症」という病に対する間違ったイメージへのアンチテーゼとして、映画界のみならず波紋を呼ぶ内容となっています。


(C)『アディクトを待ちながら』

そして今回の『アディクトを待ちながら』の劇場公開にあわせ、国内初の依存症専門オンラインメディア『Addiction Report』と共に、2つのプロジェクトを企画。

1つ目は、薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ポスターへの抗議を示した新たなポスターの一般公募。病のみならず、依存症者自身にも刃が向けられたポスターデザインへの不服申し立てを目的としています。

2つ目は、依存症に関する体験談の公募。依存症者だけでなく、家族や友人・知人などの関係者たちからも生の声を集め、それを基に人気漫画家による作品化を企画します。

ナカムラサヤカ監督コメント


『アディクトを待ちながら』

「依存症は“脳の病気”である。だが“回復できる”病気でもある」。日本ではこの事を知る人は少なく、私もその一人でした。依存症の当事者やそのご家族への4年間の取材を通して、私が目にし耳にしてきた依存症のリアルがこの映画には詰まっています。誰がなってもおかしくない依存症という病気からどうしたら回復できるのか?「自分はギャンブル依存症だ」というニュースが日本中に衝撃を与える今こそ、ぜひその現実を観に来てください。

田中紀子プロデューサー(ギャンブル依存症問題を考える会代表)コメント


『アディクトを待ちながら』

依存症問題の支援者として、薬物問題が起きる度に「上映中止」となる現実を腹立たしく見ていました。
アルコール、薬物、ギャンブル依存症には、病気という側面があります。逮捕され犯罪者となっても、人生は続き、回復に向き合い社会復帰をしなくてはなりません。そこにはドラマがあります。彼らを「ないもの」として蓋をする風潮に、我々依存症者とその家族は断固として立ち向かいます。これはエンタメを道徳の様に扱おうとする、頭の固い一部勢力に対する宣戦布告です。

映画『アディクトを待ちながら』の作品情報


『アディクトを待ちながら』

【日本公開】
2024年(日本映画)

【監督】
ナカムラサヤカ

【プロデューサー】
田中紀子

【キャスト】
高知東生、橋爪遼、宍戸開、升毅、青木さやか、中村優一、中山夢歩、下田大気、塚本堅一、武藤令子

映画『アディクトを待ちながら』のあらすじ

数々のヒット曲を持つ大物ミュージシャン、大和遼が覚醒剤と大麻の所持で逮捕された。人々は驚き、落胆し、大きなニュースとなった。

あれから2年。依存症患者らで結成されたゴスペルグループ「リカバリー」が音楽ホールでコンサートを開こうとしていた。そのメンバーには大和の名前があった。

あの事件以来、沈黙を守ってきた大和がついにカムバックする。出演の知らせを聞いたコアなファンが続々と会場前に集まった。

薬物、ギャンブル、アルコール、買い物、ゲームといった依存症者で構成される依存症ゴスペルグループ「リカバリー」。メンバーたちは互いに支え合い、スリップ(依存性物質に再び手を出すこと)することなくコンサートにこぎつける。

しかし、大和は開始時間を過ぎても現れない。

逃げたのか?それともスリップ?果たしてコンサートは開催できるのか……。

まとめ


『アディクトを待ちながら』

「依存症は一生治らない」……日本に暮らす人々の大多数は、そう思っているかもしれません。

政府やメディアが作り上げたイメージによって、「多くの人が適切な治療のもと、依存症を克服している」という事実はあまりにも知られていません。

主演の高知東生をはじめ、本作には実際の回復を続けている依存症者、またはその家族を多数起用。リカバリー・カルチャーの重要な要素の一つである、チーム一丸となり病に立ち向かう姿は、さながら撮影隊が映画に臨む姿勢とオーバーラップします。

そして、スリリングなラストの即興芝居は、依存症の苦難を本当に経験したキャスト陣による映画への挑戦でもあるのです。

やめ続ける人、そして待ち続ける人々の生き様を丁寧に描いた、ナカムラサヤカ監督作『アディクトを待ちながら』を、ぜひその目でお確かめください。

映画『アディクトを待ちながら』は2024年6月29日(土)より、新宿K’scinema他で全国順次公開!



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