映画で見るウイルス感染の恐怖5選!
新型コロナウイルスの拡散により全国に緊急事態宣言が発令されました。
ウイルスの恐ろしさは連日の報道で世間に広まっているとは思いますが、自宅にいる余暇時間を使い「映画鑑賞」と言う方法で改めてウイルスの恐怖や予防法を学んでみてはいかがでしょうか。
今回は今観るべきレンタル配信で鑑賞可能な「ウイルス映画5選!」と題し、ウイルス感染を題材とした作品を5作ご紹介させていただきます。
CONTENTS
今観るべきウイルス映画①:『感染列島』
映画『感染列島』の作品情報
【日本公開】
2009年(日本映画)
【監督】
瀬々敬久
【キャスト】
妻夫木聡、檀れい、国仲涼子、田中裕二、池脇千鶴、カンニング竹山、佐藤浩市、藤竜也
【作品概要】
『ヘヴンズ ストーリー』(2010)や『菊とギロチン』(2018)で高い評価を受けることとなる瀬々敬久が2009年に作成したオリジナル脚本映画。
『ウォーターボーイズ』(2001)の主演以降、演技力と人気を伸ばし続ける妻夫木聡が主演を務めたことでも話題となりました。
映画『感染列島』のあらすじ
新年を迎えた日本の救急病院に高熱の急患が搬送されます。
市立病院に勤める救急救命医の松岡剛(妻夫木聡)は、肺炎などの症状も出始めた患者に対しあらゆる処置を施しますが原因が掴めないまま死亡してしまい…。
院内感染から広まる病魔の恐怖
2009年に公開された映画『感染列島』(2009)は、公開から数ヶ月後に新型インフルエンザが流行したことによって世界的に注目を浴びることとなります。
本作では1人の急患から既存のワクチンが効かない新型インフルエンザの蔓延が広がっていく物語が描かれますが、特にネックとなる部分が爆発的に広まる「院内感染」です。
現在のコロナウイルスの騒動からでも分かるように、罹患した患者を治療する必要のある病院のスタッフは誰よりも感染リスクが高いと言えます。
しかし、その感染リスクに怯え業務を停止してしまうと、ウイルスの流行で最も恐れる「医療崩壊」が起きてしまい死者は確実に増えてしまいます。
リスクや恐怖と戦い職務を遂行する医療スタッフへの敬意と、軽い症状の病気や怪我で病院に行くことの危険性を改めて訴えかける作品です。
今観るべきウイルス映画②:『オープングレイヴ 感染』
映画『オープングレイヴ 感染』の作品情報
【原題】
Open Grave
【日本公開】
2014年(アメリカ映画)
【監督】
ゴンサーロ・ロペス=ガイェゴ
【キャスト】
シャールト・コプリー、トーマス・クレッチマン、ジョシー・ホー、ジョシー・ホー、ジョセフ・モーガン、エリン・リチャーズ
【作品概要】
SFホラー映画としての奇作『アポロ18』(2012)を手掛けたゴンサーロ・ロペス=ガイェゴ監督が製作した新感覚ホラー映画。
主演を『第9地区』(2009)などニール・ブロムカンプ監督と制作会社を立ち上げたことでも有名なシャールト・コプリーが務めました。
映画『オープングレイヴ 感染』のあらすじ
死体がそこら中に転がる穴の中で目を覚ましたジョナ(シャールト・コプリー)。
記憶を失い自身が誰であるかも分からない状況下でジョナは、同じく記憶を失った男女と出会い…。
「記憶喪失」が重要となるホラーサスペンス
確実に人為的と言える状況下で記憶喪失となった男女が疑心暗鬼を募らせるホラーサスペンス映画である『オープングレイヴ 感染』(2014)。
一見本作はウイルス映画とは無縁な内容ではありますが、邦題に「感染」と言う文字が入っているように本作では感染症が重要な意味を持つことになります。
「記憶喪失」を題材としたサスペンス映画は、主人公たちの「忘れてしまったこと」の真実によって作品の質が左右されると言っても過言ではありません。
しかし、本作はその真実に驚きと納得を持たせてくれており、1つの作品として楽しむことが出来ます。
「感染症」が主人公たちのなくした記憶にどう交わるのか、をぜひその目で確かめてみてください。
今観るべきウイルス映画③:『アウトブレイク』
映画『アウトブレイク』の作品情報
【原題】
Outbreak
【日本公開】
1995年(アメリカ映画)
【監督】
ウォルフガング・ペーターゼン
【キャスト】
ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・スペイシー、ドナルド・サザーランド
【作品概要】
1982年の映画『U・ボート』(1982)でアカデミー賞6部門にノミネートし、世界的な知名度を得たドイツの映画監督ウォルフガング・ペーターゼンが手掛けた作品。
『レインマン』(1988)のダスティン・ホフマンや『ユージュアル・サスペクツ』(1996)のケヴィン・スペイシーなどアカデミー賞受賞歴を持つ様々な名優が出演したことでも話題となりました。
映画『アウトブレイク』のあらすじ
h
ザイール共和国で発見された高い致死性を持つ感染症。
アメリカ陸軍で感染症医学的な研究を進めるサム(ダスティン・ホフマン)はその感染症を危険視しますが、軍上層部はサムの進言を無視します。
しかし、その感染症のウイルスを保菌した猿がアメリカに輸入されたことで、爆発的感染(アウトブレイク)が始まってしまい…。
ウイルスの進化の恐怖と保身を考える上層部の暴走
感染症を巻き起こす微生物や病原体はその危険度ごとに4段階の「リスクグループ」に分類されます。
2019年の末から始まり世間を混乱と恐怖に陥れている「SARS-CoV-2(2019新型コロナウイルス)」は、グループ3に登録されています。
一方、罹患すると8割から9割の人間が死に至ると言う高い致死率を持つ「エボラ出血熱」はグループ4に登録され、感染が広がるたびに瞬間的に多くの死者を生みました。
ウォルフガング・ペーターゼンにより製作された『アウトブレイク』(1995)は、そんなグループ4の感染症が「飛沫感染」から「空気感染」へと進化し、次々と爆発的感染(アウトブレイク)を起こす様相を描いており、ウイルスの進化の恐怖を深く味わうことが出来ます。
しかし、ウイルス自体の恐怖も強い作品ではありますが、自身の失策を隠すために民衆を切り捨てようとする上層部の人間がより恐ろしく描かれており、緊急時ほど人間の愚かさが危険になることが学べます。
今観るべきウイルス映画④:『復活の日』
映画『復活の日』の作品情報
【日本公開】
1980年(日本映画)
【監督】
深作欣二
【キャスト】
草刈正雄、夏木勲、千葉真一、ボー・スヴェンソン、オリビア・ハッセー、グレン・フォード
【作品概要】
「日本沈没」や「さよならジュピター」など日本を代表するSF作家、小松左京の著作を『仁義なき戦い』(1973)の深作欣二が映像化した作品。
日本の名優、草刈正雄や夏木勲だけでなく『ロミオとジュリエット』(1968)でジュリエットを演じ一躍スターとなったオリビア・ハッセーなどが出演し、国際色の豊かな作品としても有名です。
映画『復活の日』のあらすじ
1982年、アメリカとソ連は冷戦は収束に向かっていました。
冷戦のさなかに作られた高い毒性を持つ細菌兵器「MM-88」の危険性を知った科学者が「MM-88」を持ち出し、ワクチンの開発をCIAに依頼します。
しかし、「MM-88」を持った男の乗る飛行機が墜落してしまったことから、ウイルスは世界に広まっていくことになり…。
戦争とウイルス、人間の業が世界を終わりへと導く
新型コロナウイルスの蔓延が始まったとき、小松左京の同名小説を実写化した『復活の日』(1980)が話題となりました。
本作では感染症が猛威を振るい人類が絶滅に追い込まれながらも、残された人間たちが奮闘していく様子が描かれています。
しかし、本作の特徴的な部分は「ウイルスの拡散」から「本当の終わり」まで全ての破壊的行為に「人間の業」が引き金となっていることです。
いがみ合い戦争を繰り返していた人類が、本当の危機を迎えた際に一致団結することは一つの希望であると言えます。
ですが、その際に「いがみ合った過去」が新たな脅威の引き金にならないことを祈りたくなる作品です。
今観るべきウイルス映画⑤:『コンテイジョン』
映画『コンテイジョン』の作品情報
【原題】
Contagion
【日本公開】
2011年(アメリカ映画)
【監督】
スティーブン・ソダーバーグ
【キャスト】
マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロー
【作品概要】
『トラフィック』(2001)でアカデミー監督賞を受賞し、「オーシャンズ」シリーズの監督としても知られるスティーブン・ソダーバーグが監督したウイルスパニックを描いた作品。
『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』(2007)で実在する歌手のエディット・ピアフを演じアカデミー主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤールを始め、実力派ハリウッドスターが多く出演したことでも話題となりました。
映画『コンテイジョン』のあらすじ
香港での仕事を終えアメリカへと戻ったベス(グウィネス・パルトロー)が原因不明の病気で死亡します。
ベスの養子の子供も同症状で死亡し、死亡率の高さと感染の速さから細菌兵器の疑いを持った国土安全保障省は調査を始めますが、ウイルスは全米へと広がり始め…。
新型ウイルスの拡散とパニックをリアルに描いた衝撃作
ウイルスの伝染(コンテイジョン)過程をリアルに描いた映画『コンテイジョン』(2011)は、新型コロナウイルスの世界的拡散が広まる現在、そのリアルさが世界的に話題になっています。
ウイルスが細菌兵器であるとするデマの拡散や首都封鎖(ロックダウン)と物資を奪い合うなどの治安の悪化など、アメリカで今起きていることが予期されていたかの如く描かれており高い評価を受けています。
日本でも「納豆がウイルスに効く」や「20から30度の水でウイルスが死ぬ」と言うデマが広まり食品売り場に人が殺到したような光景が形を変え劇中で描かれており、文化の違いはあれど日本人でもびっくりするような的中率を持った本作。
その的中率の高さは今鑑賞することで恐怖を煽ってしまうとさえ言えますが、本作を鑑賞することで一般市民として今してはいけないことを学べる機会になるとさえ言える作品です。
まとめ
いかがでしたか。
映画『コンテイジョン』に出演したマット・デイモンやローレンス・フィッシュバーンたちは、世界に向けてウイルスの恐ろしさと人と人との距離を取る「ソーシャル・ディスタンス」の大切さを発信しました。
ウイルスの恐ろしさを正しく理解し、手洗いうがいや不要不急の外出の自粛など今できることしっかりとこなし、今の苦境を乗り越えていきましょう。