2002年にドラマ「ごくせん」でデビューし、数々のドラマや映画に出演してきた松山ケンイチ。
『ウィニング・パス』で映画初主演後、『男たちの大和YAMATO』や『デスノート』、『デスノートthe LAST name』でブレイク。その他、『デトロイト・メタル・シティ』、『カムイ外伝』、『ノルウェイの森』、『GANTZ』『怒り』など多くの話題作に出演しました。
過激なメイクをしたり、時にはほぼパンツ一枚で演じたり、役作りのため体重を増減したりと、徹底した役作りをすることから、“カメレオン俳優”あるいは“憑依型俳優”と称されることもある実力派俳優です。
今回は、そんな松山ケンイチ出演映画の中から厳選した5作品をご紹介します。
CONTENTS
1.人気コミックを実写化!Lを演じて一気にブレイク『DEATH NOTE デスノート』(2006)
『DEATH NOTE デスノート』の作品概要
2006年の日本映画。監督は『あずみ2 Death or Love』の金子修介。出演は、藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇ほか。
原作は総発行部数2100万部を超える大ヒットを記録。
また、続編「デスノート the Last name」(2006)や、10年後を描いた「デスノート Light up the NEW world」(2016)、Lを主人公にしたスピンオフ「L change the World」(2008)も公開されており、TVドラマ化もされている人気作品。
『DEATH NOTE デスノート』のあらすじ
「そのノートに名前を書かれた人間は、死ぬ」という奇妙なノート=「デスノート」を拾った夜神月は、興味本位で凶悪犯の名前を書きこんでしまい、多くの犯罪者が次々と目の前で謎の死を遂げていきます。
いつからか月は、ネットの世界で救世主「キラ」とあがめられるまでに。
自ら裁くことにより、理想的な世界を作り上げようとした月だったが、「キラ」の正体を解明しようとする天才名探偵Lとの頭脳戦が始まり…。
『DEATH NOTE デスノート』のおすすめポイント
個性的なキャラクターたちの気持ちがいいほどの頭脳戦、先の読めないストーリー展開が見どころです。
そして漫画のキャラクターが本当に飛び出してきたかの様なキャスティング。月を演じた藤原竜也とLを演じた松山ケンイチは本当にはまり役ですね。漫画の世界観が忠実に再現されています。原作を知らなくても楽しめますよ。
ちなみに、ひょっとこのお面をかぶるシーン、ポテトチップスや和菓子を食べるシーンは彼のアイデアによるものだそう。
2.豪華キャストが集結した戦争ドラマ『男たちの大和 YAMATO』(2005)
『男たちの大和 YAMATO』の作品概要
2005年の日本映画。監督・脚本は「新幹線大爆破」の佐藤純彌。反町隆史、中村獅童、松山ケンイチ、渡哲也、鈴木京香、仲代達矢ら豪華キャストが共演。
この作品で松山ケンイチは、第28回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞や 第30回日本アカデミー賞 新人俳優賞最優秀新人賞などを受賞しています。
『男たちの大和 YAMATO』のあらすじ
05年4月6日、鹿児島県枕崎の漁港を訪れた真貴子は、老漁師・神尾に船を出してほしいと懇願します。
しかし、そこはかつて老漁師が新兵として乗り込んでいた戦艦大和が60年前の昭和20年4月7日に沈んだ場所でした。
真貴子を乗せた小型漁船を走らせているうちに神尾の脳裏にも60年前の出来ごとがよみがえってくるのでした。
『男たちの大和 YAMATO』のおすすめポイント
辺見じゅん著『決定版 男たちの大和』を原作に、東映と角川春樹が終戦60周年を記念して制作したエンターテイメント超大作です。
反町隆史、中村獅童、松山ケンイチなどの鬼気迫る演技が、当時の乗組員の心を想像させて何とも切なくて考えさせられます。
いまの日本人が忘れかかっている“大和魂”を改めて思い出させてくれる映画です。
松山ケンイチ本人はこの作品が俳優としてのターニングポイントとしていて、戦争と平和について深く考えるきっかけになったようです。
3.純情青年が悪魔系デスメタルバンドに!?『デトロイト・メタル・シティ』(2008)
『デトロイト・メタル・シティ』の作品概要
2008年の日本映画。監督は、「神様はバリにいる」などで知られる李闘士男。出演は、松山ケンイチ、加藤ローサ、秋山竜次ほか。
松山ケンイチ演じるヨハネ・クラウザーⅡ世のライバル役として、KISSのジーン・シモンズも出演。
松山ケンイチは第32回日本アカデミー賞主演男優賞にノミネート。
『デトロイト・メタル・シティ』のあらすじ
純朴な青年、根岸崇一は、おしゃれな渋谷系ポップミュージシャンを目指して大分県から上京。
しかし、ひょんなことから奇抜なメイクと演奏で人気の悪魔系デスメタルバンド“デトロイト・メタル・シティ”のギター&ボーカルとして活動する羽目になってしまいます。
彼らのデビューシングルは大ヒットを記録、崇一は自分の意思とは関係なくカリスマ悪魔歌手に祭り上げられていきます。
『デトロイト・メタル・シティ』のおすすめポイント
まず、松山ケンイチの演技が面白いです。漫画の世界から抜け出てきたようで、まったく違和感なし。彼の演技の上手さを存分に感じられる映画です。
内容もわかりやすく、主人公の性格ものほほんとしているので、あまり深く考えたりしないでとにかく笑いたい!元気をもらいたい!という人におすすめだと思います。
4.鉄道を愛する2人の青年のハートフル・コメディ『僕達急行 A列車で行こう』(2008)
『僕達急行 A列車で行こう』の作品概要
2008年の日本映画。監督は、「間宮兄弟」「武士の家計簿」などの森田芳光。出演は、松山ケンイチ、瑛太、貫地谷しほりほか。
劇場公開前2011年12月20日に他界した森田監督の遺作。
『僕達急行 A列車で行こう』のあらすじ
会社員の小町と鉄工所2代目の小玉は、性格も仕事も異なるが、鉄道という共通の趣味をもつ友人同士。
九州に転勤になった小町は、くせものの地元企業社長と鉄道をきっかけに盛り上がります。
ところが、小町と小玉の2人は恋愛となると趣味や仕事のように順調とはいかず、同じような悩みを抱えているのでした。
『僕達急行 A列車で行こう』のおすすめポイント
松山ケンイチと瑛太が初共演したこの作品は、鉄道という趣味を通して友情を築き、仕事に恋愛にと精いっぱい生きる姿を描くコメディードラマです。
森田芳光監督が30年以上前に温めてきた構想に基づいて、また監督自身の鉄道趣味とリンクして企画が起こされたのだそうです。
主演のふたりがとてもほのぼのとした役柄で、なんとも爽やか。
いろいろな電車が出てきて鉄道ファンが楽しめるのはもちろん、好きなものに夢中になることの楽しさや好きなものによって繋がる人がいることは、とても素敵な事だと思わせてくれます。
脇役のピエール瀧や松坂慶子、笹野高史らの演技も安定感抜群。
5.実在の棋士を熱演した最新作『聖の青春』(2016)
『聖の青春』の作品概要
2016年の日本映画。監督は、「宇宙兄弟」の森義隆。出演は、松山ケンイチ、東出昌大、染谷将太、安田顕ほか。
29歳の若さで亡くなった棋士・村山聖の生涯を描いた大崎善生による同名ノンフィクション小説の映画化。
松山ケンイチはこの作品で第59回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。
『聖の青春』のあらすじ
幼少期から難病を患う村山聖は、入退院を繰り返す中で父から勧められた将棋に心を奪われます。15歳で師匠に出会い、10年後名人になる夢を叶えるべく上京した聖は、周囲に支えられながら将棋に全力を注ぎます。
やがて七段に昇段したころ、同世代で名人のタイトルを獲得した羽生善治に激しいライバル心を抱きます。
さらに将棋に没頭する聖だったが、がんが彼の体をむしばんでいるのでした。
『聖の青春』のおすすめポイント
この映画を撮影していたころ、テレビなどで松山ケンイチを見た時、「こんなに太っちゃったの?」と驚きました。
しかしそれは役作りのためで、実在の人物・村山聖を演じるために26キロも増量したそうです。彼は「村山聖が大好きだったから、役作りも苦しいとは思わなかった」と語っていました。身も心も役になりきろうとする彼の俳優魂、すばらしいですね。
実在の人物に関してはあまりよく知らないという方が多いかもしれませんが、この映画を見れば人間味あふれる村山聖という人物像がよく分かると思います。松山ケンイチが「憑依」しているといわれるくらいよく似ているそうですよ。
聖と東出昌大扮する羽生さんが二人で会話するシーンはとても印象的です。俳優一人一人の演技が光る作品です。
まとめ
すでに40本以上の映画に出演してきた松山ケンイチの映画の中から、5作品をピックアップしてお届けしました。
松山ケンイチの一番の魅力というと、作品によって全く違う人になれる俳優であること。固定的なイメージがなく、どんな役でも自分のものにしまう…本当にスゴイ俳優さんです。
これからも日本の映画界を引っ張っていく存在であり続けてほしいですね。