アクション映画でゴールデンウィークを家で過ごす!動画配信の視聴で革命的作品となった名作を振り返る
2019年5月1日より新元号「令和」が施行され、31年間続いた「平成」の時代が終わりを迎えます。
「平成」の時代では、様々な技術が進歩し暮らしが豊かになりましたが、それは映画の世界でも同じ。
今回はゴールデンウィークに「平成」を振り返っていただくため、配信サービス「U-NEXT」で配信中の映画から「平成」の時代に「アクション映画」の歴史を動かした革命的な作品を5つご紹介させていただきます。
皆さまの素敵なゴールデンウィークのお供として、「平成」の終わりと「令和」の幕開けに熱くなってみてはいかがでしょうか。
CONTENTS
おすすめのアクション映画①『アルティメット』
映画『アルティメット』の作品情報
【原題】
Banlieue 13
【日本公開】
2006年(フランス映画)
【監督】
ピエール・モレル
【キャスト】
ダヴィッド・ベル、シリル・ラファエリ、ラルビ・ナセリ、トニー・ダマリオ、ダニー・ヴェリッシモ
【作品概要】
『レオン』(1994)や『フィフス・エレメント』(1997)など大ヒットアクション映画を手掛けたリュック・ベッソンが製作と脚本を務めたフランス映画。
スタントマンやパフォーマーなどを俳優として正式起用し、全てのシーンを代役もCGも無しで描いた肉体派映画として世界的に話題となりました。
映画『アルティメット』のあらすじ
治安の悪化によりフランス政府はパリの「13地区」に巨大な壁を設け、外の世界と隔離しました。
ある日、13地区内のギャングであるタハ(ラルビ・ナセリ)一味に大量破壊兵器を奪われたことを知った政府は、事態を解決するため腕利きのエージェントであるダミアン(シリル・ラファエリ)を派遣。
ダミアンは妹をタハに奪われた13地区の青年レイト(ダヴィッド・ベル)との共闘を目論みますが…。
「アクション」+「パルクール」によるスタイリッシュな必見アクション
障害物や建物をぴょんぴょんと飛び回る「フリーランニング」や「パルクール」と呼ばれるスポーツ。
そんなパルクールは、『007 カジノロワイヤル』(2006)でハリウッド映画に初めて取り入れられ話題となります。
しかし、フランス映画界ではリュック・ベッソンが『TAXi2』(2000)や『YAMAKASI』(2001)などでいち早くパルクールをアクション映画に取り入れ、映像や見せ方を進化させていました。
その完成形とも言える『アルティメット』では、「パルクールの始祖(生みの親)」ともいわれるパフォーマー、ダヴィッド・ベルと『ダイ・ハード4.0』(2007)にも出演したスタントマン兼俳優のシリル・ラファエリを主演に迎え、代役無しのド根性アクションを見せてくれます。
細かい顔の造詣を隠すため、遠巻きや顔の判別がつきにくいアングルで撮影されるアクションと違い、最接近で撮られるスピードアクションには圧巻の一言。
しかも、泥臭くなりがちな肉体派アクション映画にも関わらず、アクションとパルクールの親和性により、とにかくスタイリッシュで格好良い戦いの数々。
2014年には「ワイルド・スピード」シリーズのポール・ウォーカーを主演に迎えたハリウッドリメイク作『フルスロットル』(2014)で再び話題となった本作。
「平成」における「パルクール」の活躍に間違いなく貢献した作品です。
おすすめのアクション映画②『96時間』
映画『96時間』の作品情報
【原題】
Taken
【日本公開】
2009年(フランス映画)
【監督】
ピエール・モレル
【キャスト】
リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、リーランド・オーサー、ジョン・グリース
【作品概要】
『アルティメット』で監督を務め、以後も『パリより愛をこめて』(2010)や『ザ・ガンマン』(2015)などアクション映画を数多く製作したフランスの監督ピエール・モレルが手掛けた作品。
『シンドラーのリスト』(1993)や『マイケル・コリンズ』(1996)などで繊細な演技を見せたリーアム・ニーソンや、「X-MEN」シリーズなどで活躍するファムケ・ヤンセンが出演。
映画『96時間』のあらすじ
元CIA工作員のブライアン(リーアム・ニーソン)は離婚した妻との間にもうけた娘のキム(マギー・グレイス)を溺愛していました。
ある日、娘のキムが友人と2人だけでフランス旅行に行くことを知ったブライアンは、工作員の経験から事件に巻き込まれるのではないかと酷く心配します。
ブライアンの予感は的中し、パリで何者かに攫われたキムを取り戻すため、ブライアンはたった1人で誘拐組織に立ち向かうことを決めますが…。
「アクション」+「オヤジ」ブームの火付け役?暴れるオヤジを目に焼き付けろ!
世の中の理不尽や耐えられない出来事に遂に爆発する経験豊富な「オヤジ」による暴力。
デンゼル・ワシントンが主演を務めた『イコライザー』(2014)やピアース・ブロスナン主演の『スパイ・レジェンド』(2014)など、一定層のファンに根強い支持を受けるこのジャンル。
実は「オヤジ」系アクション映画のブームに火をつけたのは、『アルティメット』と同様にまたしてもリュック・ベッソン製作の映画でした。
撮影当時、既に55歳を越えた名優リーアム・ニーソンが主演の本作。
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)では激しい殺陣を見せたものの、演技派である彼のアクションには当初不安の声も上がっていました。
しかし、そんな心配を払拭するように、作中では本格的な格闘と銃捌きを見せ、経験豊富な「オヤジだから強い」に説得力を持たせることに成功。
アクション演出も『ボーン・アイデンティティー』(2002)が確立したスピード感のある接近戦をベースに、娘を取り戻すため暴れる主人公ブライアンの手段を選ばない「獰猛さ」をしっかりと表現しており、敵を「可哀想」とすら思えてしまうほど。
5月3日より公開されるジャッキー・チェン主演作『ザ・フォーリナー/復讐者』(2019)など、「令和」となってもまだ続く「オヤジ」系アクション映画の代表的な作品です。
おすすめのアクション映画③『キングスマン』
映画『キングスマン』の作品情報
【原題】
Kingsman: The Secret Service
【日本公開】
2015年(イギリス・アメリカ合作映画)
【監督】
マシュー・ヴォーン
【キャスト】
タロン・エガートン、コリン・ファース、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ストロング、マイケル・ケイン、ソフィア・ブテラ、マーク・ハミル
【作品概要】
マーク・ミラーとデイヴ・ギボンズによる漫画『キングスマン:ザ・シークレット・サービス』を『キック・アス』(2010)で世界的な知名度を得たマシュー・ヴォーンが実写化した作品。
主人公の師となるハリーを演じたのは『英国王のスピーチ』(2010)でアカデミー賞を受賞したコリン・ファース。
映画『キングスマン』のあらすじ
幼いころに父を失い、自堕落な暮らしをする母に頭を悩ませながら過ごすエグジー(タロン・エガートン)は、父の上司だった男ハリー(コリン・ファース)によって父が秘密結社「キングスマン」のエージェントだったことを知ります。
ハリーの推挙と父の想いを継ぐため、エグジーは「キングスマン」となるための激しい試験を受けることとなり…。
「スパイ」映画像を一昔前に戻し大ヒットを記録した革命作
世界的な「スパイ」映画の代表的作品と言えば、多くの人が「007」シリーズを思い浮かべるはずです。
11作目『007 ムーンレイカー』(1979)では主人公のジェームズ・ボンドが宇宙へと赴き、地球に毒ガスを巻こうとする敵役と戦ったり、数々のトンデモスパイ道具の活躍に胸を躍らせる「スパイ」映画の鉄板シリーズ。
しかし、2000年代に入り映画に「リアリティ」が求められ始め、「007」シリーズも変革を迫られるようになります。
21作目となる2006年の『007 カジノロワイヤル』では、物語をリアル路線に変更したことで再び大ヒットを記録し、以降のシリーズでは敵の計画もスパイ道具もシリアスなものへとシフトしていくこととなりました。
「スパイ」イコール「007」であり、その「007」がシリアス路線にシフトしたことで世の中の空気も「ぶっとんだスパイ映画」はもはや時代遅れとされる風潮に変化していきます。
ですが、2015年に登場した『キングスマン』により「ぶっとんだスパイ映画」の再誕が成されます。
高級テーラーの地下が秘密基地、靴底に毒ナイフ・防弾仕様の傘型武器などのスパイ道具、選民以外の絶滅計画などまさに一時期の「007」を思わせる設定の数々と、時代の最先端を取り入れた華麗なアクション。
シリアスなスパイ映画も良いけど、一昔前のスパイ映画が懐かしい。
そんな人にピッタリな一周回って新しい、新時代のスパイ映画と言える本作に世界が熱狂し、続編『キングスマン: ゴールデン・サークル』(2018)が製作されるほどの人気となった作品です。
おすすめのアクション映画④『ジョン・ウィック』
映画『ジョン・ウィック』の作品情報
【原題】
John Wick
【日本公開】
2015年(アメリカ映画)
【監督】
チャド・スタエルスキ
【キャスト】
キアヌ・リーヴス、ミカエル・ニクヴィスト、アルフィー・アレン、エイドリアンヌ・パリッキ、ウィレム・デフォー、イアン・マクシェーン
【作品概要】
『マトリックス』(1999)でスタントコーディネーターを務めたチャド・スタエルスキが同作の主演俳優キアヌ・リーヴスと共に製作したアクション映画。
息子を守るため主人公と対立するギャングのボスを演じたのは、スウェーデンで大ヒットなったスウェーデン版『ドラゴン・タトゥーの女』(2009)で主人公のミカエルを演じたミカエル・ニクヴィスト。
映画『ジョン・ウィック』のあらすじ
伝説的な殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は愛する女性と添い遂げるため、闇の業界から足を洗います。
数年後、妻が病死し生きる意味を見失いかけたジョンのもとに、生前に妻が依頼した子犬が届けられ、再び生きる意味を見出し始めたジョン。
しかし、車を盗むためジョンに家に侵入した強盗により子犬が殺害されてしまい…。
「カンフー」+「ガンアクション」!磨き上げられた華麗な銃捌きに痺れる復讐
複数のカメラで連続撮影することで、スローモーションでありながら高速で画面移動を可能にした「バレットタイム」と言う手法。
さらに本格的なカンフーの型を取り入れ、アクション界に革命を起こした『マトリックス』の主演キアヌ・リーヴスが同じ「平成」の時代に再びアクション映画に激震を走らせました。
物語は「犬を殺されたから、殺した奴らを皆殺しにする」と言う至ってシンプルなプロット。
しかし、決して手抜きに感じるわけではなく、妻に対するジョンの想いが丁寧に描かれているため、犬を殺された時の心痛は想像を絶するほどに共感できます。
そして、本作の胆である復讐に動き始めたジョンの見せる動きはまさに驚嘆の一言。
一般的に拳銃を使った攻防は中距離から遠距離で行われます。
ですが、本作で使われた動き「ガンフー」では「格闘」と「射撃」が1つとなっていて、拳銃を使った格闘戦と言ったロマンたっぷりかつ恐るべき戦闘スタイル。
一発目で相手の動きを止め、二発目で確実に射殺するジョンの動きにただただ見惚れるばかりのアクションシーン。
まさに本作は「魅せる」アクション映画にその名を刻んだ作品の1つです。
おすすめのアクション映画⑤『ハードコア』
映画『ハードコア』の作品情報
【原題】
Хардкор
【日本公開】
2017年(ロシア・アメリカ合作映画)
【監督】
イリヤ・ナイシュラー
【キャスト】
シャールト・コプリー、ダニーラ・コズロフスキー、ヘイリー・ベネット、ティム・ロス
【作品概要】
映画全編をGoProのウェアラブルカメラで撮影した完全一人称視点のアクション映画。
『第9地区』(2009)の主演で話題となったシャールト・コプリーや『ロブ・ロイ/ロマンに生きた男』(1995)など数多くの映画に出演する名優ティム・ロスなどが出演しています。
映画『ハードコア』のあらすじ
記憶を失い、重傷を負った状態で目を覚ましたヘンリーは研究所のような場所で失った身体のサイボーグ化が進められていることに気がつきます。
しかし、手術が終わる前に謎の男エイカン(ダニーラ・コズロフスキー)により研究所が襲撃され、ヘンリーは命からがら逃げ延びることに成功します。
こうして自身が何者かも分からない状況下で、ヘンリーは次から次へと襲い来る追手から逃げることとなり…。
新感覚の没入感!「ゲーム」のような「アクション」映画
登場人物の持つビデオカメラの映像を使った、一般的に「POV」と呼ばれるジャンルの映画は多く存在します。
しかし、本作『ハードコア』は通常の「POV」映画とは一線を画した新感覚の映画体験を味わうことの出来る作品でした。
本作の監督イリヤ・ナイシュラーが所属するバンド「Biting Elbows」。
彼等の楽曲「The Stampede」のMVが「まるでFPS(ファースト・パーソン・シューティング)ゲームみたいだ」と全世界で話題となり、イリヤ・ナイシュラーは本作の製作を始めることとなります。
劇中では「パルクール」を始め、主人公のヘンリーが街中を飛び回り、時には吹っ飛ばされたり、逆に相手を吹っ飛ばす感覚を「誰よりも近く」で、「観る」と言うより「体験」出来ます。
それでいて本作の敵は、甲冑のようなものを身に纏い火炎放射器を使った攻撃をする男や、超能力を駆使するエイカンなど非現実的な相手ばかり。
その展開はまさに次から次へとボスが現れる「ゲーム」のようであり、「ゲーム」の世界でまるで自分が戦っているかのような感覚になります。
少々画面揺れが激しく、苦手な人にはオススメしにくい難点はありますが、間違いなく「映画」の可能性を広げた作品の1つです。
まとめ
いかがでしたか。
『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)や『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)など、時代が「令和」になっても話題のアクション映画は目白押し。
日本でも「パルクール」をアクションに取り入れた「HiGH&LOW」シリーズの最新作『HiGH&LOW THE WORST』(2019)や、チャンバラアクションの代表作「るろうに剣心」シリーズ最新作が控えるなど遅れをとりません。
ゴールデンウィークは今後の映画の発展に想いを馳せながら、「平成」に舞い降りた革命的アクション映画を振り返ってみてはいかがでしょうか。