Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

まとめ記事

Entry 2017/04/26
Update

ユアン・マクレガー映画おすすめ5選!スターウォーズだけじゃない!

  • Writer :
  • Yuko


(C)Sigma Films Limited/Zentropa Entertainments5 ApS/Subotica Ltd/BBC 2010
スコットランド出身のユアン・マクレガー。『スター・ウォーズ』シリーズのオビ=ワン・ケノービ役でお馴染みの人気演技派俳優です。

ユアン・マクレガーは、幼いころから俳優を目指し、1988年にロンドンのギルドホール音楽演劇学校に入学し演劇を学びました。

1992年に映画デビューし、1994年にダニー・ボイルの初監督映画『シャロウ・グレイブ』に出演し注目を集めました。1996年ダニー・ボイルと2度目のタッグとなった『トレインスポッティング』で映画初主演。薬物中毒の若者を演じてブレイクし、イギリスの映画賞を総なめにします。

1999年の『スター・ウォーズ』新三部作のオビ=ワン・ケノービ役に大抜擢され、2001年『ムーラン・ルージュ』では素敵な歌声を披露しました。

その後も『アイランド』、『ウディ・アレンの夢と犯罪』、『天使と悪魔』、『ゴーストライター』など、ジャンル問わず様々な役柄を演じてきました。

2017年には、20年ぶりの続編となる『T2 トレインスポッティング』や、エマ・ワトソン主演で話題の映画『美女と野獣』にも出演しています!

今回は、アクションやミュージカル、コメディ、シリアスまでどんな役もこなすユアン・マクレガーの出演映画から5作品をピックアップしてお届けします!

1.ティム・バートン監督作!あたたかな家族愛を描く『ビッグ・フィッシュ』(2003)

『ビッグ・フィッシュ』の作品概要

2003年のアメリカ映画。監督は、『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』などのティム・バートン。出演は、ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム・カーター、アリソン・ローマンほか。

ダニエル・ウォレスのベストセラー『ビッグ・フィッシュ – 父と息子のものがたり』が原作。

『ビッグ・フィッシュ』のあらすじ

エドワード・ブルーム(アルバート・フィニー)自らの人生を巧みに語って、聞く人を魅了するのが得意。未来を予見する魔女のこと、一緒に旅をした巨人のこと、人を襲う森とその先にある美しい町のこと…。

彼の語る「人生のストーリー」に誰もが楽しく幸せな気分になりました。息子のウィル(ビリー・クラダップ)も幼いころは父の話が好きでしたが、大きくなるにつれて素直に話を聞けなくなっていました。そうして父と息子は、長い間すれ違っていました。

そんなある日エドワードの容態が悪化し、実家に戻ったウィルに、残された時間があとわずかだと告げられます。

『ビッグ・フィッシュ』のおすすめポイント

年老いた父・エドワードの語る若き日のおとぎ話のような回想シーンと、彼が病で死にゆく現実のシーンとが交互に描かれる、父と息子の感動物語です。

ユアン・マクレガーは、若き日のエドワードを表情豊かに演じています。とくに彼が恋に落ちるシーンはとても美しくて印象的です。

回想シーンでは、ティム・バートン監督らしく明るいファンタジックな映像ですが、現実のシーンでは落ち着いたトーンで作られています。

ホラ話ばかりする父の真実が知りたい息子のウィルは、父の昔を知る人物に会いに行き、父の話の中に真実が含まれていたことや、彼が多くの人に愛され、妻を深く愛していたことを知ります。

大事なのは父の話が真実かどうかではなく、ユーモアは人生や心を豊かにしてくれるということであり、息子へのおとぎ話が父なりの愛だったのかもしれません。最後は、親子の愛情が感じられて、とてもあたたかな気持ちになれますよ。

2.ユアン・マクレガーがヨーロッパ映画賞男優賞受賞『ゴーストライター』(2010)

『ゴーストライター』の作品概要

2010年のフランス・ドイツ・イギリス合作映画。監督は『チャイナタウン』『戦場のピアニスト』などのロマン・ポランスキー。出演は、ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン、キム・キャトラル、オリビア・ウィリアムズ、トム・ウィルキンソンほか。

ロバート・ハリスの小説『ゴーストライター』が原作。

第60回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀監督賞)受賞(ロマン・ポランスキー監督)。

ユアン・マクレガーはヨーロッパ映画賞男優賞受賞。

『ゴーストライター』のあらすじ

元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自伝執筆を破格の報酬で引き受けたゴーストライター(ユアン・マクレガー)が、ラングの滞在する孤島を訪問。

取材をしながら原稿を書き進めていきますが、次第にラングの過去に違和感を抱き始めます。

さらには前任者の不可解な死のナゾに行き当たり、独自に調査を進めていきますが、やがて国家を揺るがすような恐ろしい秘密に触れてしまい…。

『ゴーストライター』のおすすめポイント

名匠ポランスキー監督によるミステリー・エンターテインメントの傑作です。元イギリス首相のゴーストライターとして雇われた平凡な男が、ある秘密に吸い寄せられていく様を鮮やかなタッチで描いています。

ユアン・マクレガーは、主人公のゴーストライターを演じています。真実を追い求めようとすればするほど危険に足を踏み込んでいく主人公の危うさや滑稽さを見事に表現しています!

原作はベストセラーとなったミステリー小説というだけあって、冒頭からラストまで静かに小説のページを1ページずつめくっていくような緊張感がただよいます。

派手な演出はなく、政治的な要素とヒッチコック映画をうまくミックスさせたような、大人が楽しめるミステリー作品です。

3.ヘロイン中毒者を熱演!ユアン・マクレガーの出世作『トレインスポッティング』(1996)

『トレインスポッティング』の作品概要

1996年のイギリス映画。監督は、『スラムドッグ$ミリオネア』などのダニー・ボイル。出演は、ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ケビン・マクキッド、ロバート・カーライルほか。

アーヴィン・ウェルシュの同名小説の映画化。(原作者のアーヴィン・ウェルシュも端役で出演しています。)

印象的な蛍光オレンジのポスターも若者を中心に人気を集めた作品。

『トレインスポッティング』のあらすじ

ヘロイン中毒のマーク・レントン(ユアン・マクレガー)と悪友たちは常にハイ状態か、あるいはドラッグを手に入れるため盗みに精を出すという怠惰な日々を過ごしていました。何度もヘロイン中毒から抜け出そうとしますがうまくいきません。

ある日、レントンはこのままではいけないと更生するためにロンドンに行き職に就きます。しかし、彼らの仲間が会社に押し掛けたことが原因で、レントンはクビになってしまいます。

失意の中、レントン達3人はスコットランドに帰郷します。故郷に戻ると、トミー(ケビン・マクキッド)がエイズで亡くなっていました。葬式の後、シック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)が麻薬売買の話を持ち出します。これが最後だとレントンは計画に乗りますが…。

『トレインスポッティング』のおすすめポイント

ヘロイン中毒に陥った若者たちの生態を、スタイリッシュな映像感覚で生々しく描いたドラマ映画です。

本国イギリスを中心とするヨーロッパはもとより、アメリカや日本でも大ヒットとなった作品で、当時まだ無名だったユアン・マクレガーの出世作でもありますね。

坊主頭にピアス、ジャージ、スニーカー。底辺に生きる若者をリアルに演じています!とくにヘロインを注射するシーンや禁断症状に悩まされるシーンなどは、“本当にやってるんじゃないの?”と思うほどリアルです。

落ちるところまで落ちていく彼らにとても共感はできませんが、教訓をあげるとすれば“友人には気を付けろ”ということでしょうか。

2017年4月8日、20年ぶりとなる続編『T2 トレインスポッティング』が公開されました。あれから20年経って、彼らがどんなおじさんになったのか?続編を見る前にぜひ1作目をご覧になってみて下さいね。

4.ジム・キャリーと共演!実話に基づくラブ・ストーリー『フィリップ、きみを愛してる!』(2009)

『フィリップ、きみを愛してる!』の作品概要

2009年のフランス、アメリカ映画。監督は、グレン・フィカーラ、ジョン・レクア。製作総指揮はリュック・ベッソン。出演は、ジム・キャリー、ユアン・マクレガー、レスリー・マン、ロドリゴ・サントロほか。

『フィリップ、きみを愛してる!』のあらすじ

愛する家族と平穏に暮らしていた警察官のスティーヴン(ジム・キャリー)は、ある日、瀕死の交通事故に遭ったことで人生を見つめ直し、妻に自分がゲイであることを告白して家を出て行くことに。

しかし、ボーイフレンドと派手な生活をするために詐欺師となり、あえなく刑務所行きに。

今度は逮捕・収容された刑務所でフィリップ(ユアン・マクレガー)に一目ぼれし、自分は弁護士だと噓をつきます。

釈放後、晴れて幸せを手に入れた二人でしたが、スティーヴンはさらなる噓と不正を重ねていき…。

『フィリップ、きみを愛してる!』のおすすめポイント

刑務所内で出会った運命の相手に「愛してる」と伝えるため、詐欺と脱獄を繰り返した男の実話を基にしたドラマチックなラブ・ストーリーです。

ユアン・マクレガーは、ジム・キャリー扮するスティーヴンが恋をする相手フィリップを演じています。内気で繊細な性格で、スティーヴンに甘えるところがすごく可愛い、スティーヴンとは真逆のキャラクターが意外にも似合っています。

この映画の主人公スティーヴンは、なんとIQ169!その天才的な頭脳を駆使して、次々と詐欺や脱獄を繰り返していきます。最後には懲役167年を言い渡されるという嘘みたいなストーリーが展開します。

ジム・キャリーが主演していることからもわかる通り、この映画はゲイを扱った作品ながら、とても明るく前向き!でもただのコメディではない、誰もが笑って泣ける感動ラブ・ストーリーです。

5.内気な主人公を好演!心温まる人間ドラマ『人生はビギナーズ』(2010)

『人生はビギナーズ』の作品概要

2010年のアメリカ映画。監督・脚本は、『サムサッカー』のマイク・ミルズ。出演は、ユアン・マクレガー、クリストファー・プラマー、メラニー・ロラン、ゴラン・ビシュニックほか。

第84回アカデミー賞で助演男優賞(クリストファー・プラマー)受賞。彼は受賞時82歳で演技賞史上最高齢での受賞となりました。

『人生はビギナーズ』のあらすじ

38歳・独身で奥手な性格のオリバー(ユアン・マクレガー)は、母を亡くして5年がたったある日、父(クリストファー・プラマー)からゲイであることをカミングアウトされます。それから父は様々な人生の楽しみを探し始め、若い恋人アンディとも出会いゲイの友人たちに囲まれて幸せそうに過ごすようになります。

父親の突然の行動に戸惑いを隠せないオリバーでしたが、老いてなお人生を楽しむ父の姿に影響を受けるように。

しかしその後、父は末期ガンであると診断され、治療とオリバーの看護を受けつつも亡くなってしまいます。

その後、オリバーは仲間から呼び出されたパーティーで、フランス人の女性アナ(メラニー・ロラン)と出会い…。

『人生はビギナーズ』のおすすめポイント

監督をつとめたマイク・ミルズのプライベートストーリーを映画化した、人生を前向きに生きようと変化してく人々の姿を繊細に描いた人間ドラマです。

ユアン・マクレガーは、真面目で内向的な、人生に悩む主人公を繊細に演じています。見ていてじれったいくらい冴えない役なのに、なぜかすごくイケメンでカッコいいです。何気に洋服のセンスも良かったりして。

75歳の父親がまた元気いっぱいで、とても魅力たっぷり。また犬のアーサーもオリバーを癒す重要な役どころで、いろいろと話し相手になってくれるとってもお利口なワンちゃんなんです。

邦題の印象では、明るいコメディみたいな映画を想像するかもしれませんが、とても優しい雰囲気の作品です。

“人生いつでもやり直せる”そんな前向きな気持ちになれる素敵な作品です。

まとめ

ユアン・マクレガーの出演映画から5作品をピックアップしてお届けししました!

誰からも愛されるような親しみやすさがあり、嫌味のない演技をする俳優という感じがしますね。人の内面にある優しさや強さ、弱さといった感情を生き生きと表現する演技がとても魅力的だなと思います。

ご紹介した作品は、そんなユアン・マクレガーの魅力をたっぷり堪能できる作品だと思いますので、ぜひご覧になってみて下さいね。

今後の活躍も楽しみです!

関連記事

まとめ記事

ゲイ映画おすすめ作品の感想レビュー!LGBTをカテゴリーに追加

2017年10月より、Cinemarcheでは多くのライターさんに加入在籍していただくことになりました。 チームのおひとりのライターいたるさんをご紹介! 敏腕の筆さばき(タイピングかしら)で、今後は「 …

まとめ記事

池松壮亮オススメ映画5選!洋画『ラストサムライ』から邦画『セトウツミ』まで

若手演技派として知られる俳優・池松壮亮オススメ映画5選。 池松壮亮は2000年の10歳の時に、劇団四季のミュージカル『ライオンキング』の子役オーディションでヤングシンバ役を勝ち取り、舞台デビューしまし …

まとめ記事

【映画初心者】U-NEXTおすすめ5選。名作ベストランキングで人気作品をチェック!

「映画が大好きだけど、どれから見たらいいか分からない!」 「映画好きの人達が言う“鉄板”ってなんなのよ?」といった映画を見始めたばかりの人たちに向けて、初心者向けのハズさない名作とはどのような作品にな …

まとめ記事

ジュリアン・ムーア映画おすすめ5選!アカデミー賞作品ほか

数々の映画賞を獲得してきた実力派女優、ジュリアン・ムーア。 歳を重ねても美しくて、多くの人々を魅了させる役柄を見事に演じるベテラン女優です。 2014年にジュリアン・ムーアは、『アリスのままで』で、ア …

まとめ記事

【シネマルシェ編集部からのお知らせ】映画とあなたの縁結びに精進いたします。

いつも映画情報サイトCInemarcheを閲覧していただく、リピーター読者の皆さん! 誠にありがとうございます!! 編集部スタッフならびに、ライター一同、心から感謝とお礼を申し上げます。 昨日6月8日 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学