Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

まとめ記事

Entry 2017/04/21
Update

阿部サダヲ映画おすすめ5選!個性あふれる圧倒的な演技力!

  • Writer :
  • Yuko


(C)2013「謝罪の王様」製作委員会
コメディからシリアスまでこなす阿部サダヲ。舞台やドラマ、映画に幅広く活躍中の個性派俳優です。

阿部サダヲは、松尾スズキ主催の劇団「大人計画」に入団し、1992年の舞台『冬の皮』でデビューしました。

1995年同じ劇団の俳優らと「グループ魂」というバンドを結成し、ボーカルの「破壊」としても活動し、2005年には「第56回NHK紅白歌合戦」にも出場しています。

2000年、宮藤官九郎が脚本を務めたドラマ『池袋ウエストゲートパーク』に出演。それ以降、宮藤の作品では常連出演者となっています。

2007年、『舞妓Haaaan!!!』で映画初主演し、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞しました。

その他の出演映画には『真夜中の弥次さん喜多さん』、『なくもんか』、『北の零年』、『パコと魔法の絵本』、『大奥』、『ジヌよさらば~かむろば村へ』などがあります。

超ハイテンションな役柄や真面目な役柄まで演技の幅が広く、とくにコメディで見せる強烈なキャラクターは、見ている人を笑わせ楽しい気持ちにさせてくれますね。

そんな阿部サダヲの個性あふれる演技をたっぷり堪能できる5作品をピックアップしてお届けいたします!

1.感動の実話を映画化!豪華キャストで贈る『殿、利息でござる!』(2016)

『殿、利息でござる!』の作品概要

2016年の日本映画。監督は、『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』の中村義洋。出演は、阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、寺脇康文、きたろう、千葉雄大、堀部圭亮、西村雅彦、羽生結弦ほか。

「武士の家計簿」で知られる歴史家・磯田道史による評伝「無私の日本人」に収録されている一編「穀田屋十三郎」を映画化。

『殿、利息でござる!』のあらすじ

江戸時代中期、財政難のため民衆に重税を課す仙台藩では、破産や夜逃げが相次いでいました。

寂れ果てた宿場町の吉岡宿でも年貢の取り立てや労役で人々が困窮し、造り酒屋を営む穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は、町の行く末を案じていました。

そんなある日、十三郎は、町一番の知恵者である茶師・菅原屋篤平治(瑛太)から、藩に大金を貸し付けて利息を巻き上げるという、宿場復興のための秘策を打ち明けられます。

計画が明るみになれば打ち首は免れないが、それでも十三郎と仲間たちは、町を守るために私財を投げ打ち、計画を進めることに…。

『殿、利息でござる!』のおすすめポイント

江戸時代中期の仙台藩吉岡宿が舞台の実話で、年貢の取り立てや労役で疲弊した宿場町を救うため、藩に金を貸して毎年の利息を地域の住民に配る「宿場救済計画」に尽力する人々の姿を描く感動ストーリー。

阿部サダヲ主演の時代劇なので、笑い満載のコメディかと思いきや、貧しい村が抱える深刻な問題を村人や役人の知恵と行動で乗り切るというけっこう真面目なお話で、阿部サダヲの自然体で抑え目の演技が光っています。

実話に基づいているということで、最後には素敵な感動が味わえグッとくるものがあります。大きな盛り上がりはないものの、癖のある豪華なキャスト陣の演技も見ごたえありです。

フィギュアスケートの羽生結弦選手が殿役で俳優デビューしていますので、お見逃しなく。

2.沖縄・西表島でのサバイバルや出会いを描く『ぱいかじ南海作戦』(2012)

『ぱいかじ南海作戦』の作品概要

2012年の日本映画。監督は、『オケ老人!』などの細川徹。出演は、阿部サダヲ、永山絢斗、貫地谷しほり、佐々木希、ピエール滝、斉木しげるほか。

椎名誠による同名小説を実写化。

『ぱいかじ南海作戦』のあらすじ

失業、離婚と悪いこと続きな佐々木(阿部サダヲ)は、人生をリセットするためやってきた西表島で4人組のホームレスに手持ちの財産を盗まれ、途方に暮れてしまいます。

そんな佐々木を偉大なサバイバル生活者と勘違いした都会風な若者オッコチ(永山絢斗)と、関西在住の美女アパ(貫地谷しほり)と、キミ(佐々木希)の4人で海辺の共同生活を始めた佐々木は、ある日、財産を奪って逃げたホームレスたちの噂を耳にし、リベンジのためにある作戦を練ります。

『ぱいかじ南海作戦』のおすすめポイント

失業と離婚を経験した主人公が、気分転換に訪れた南の島で繰り広げるサバイバル生活や、島で出会った仲間たちとの交流を描いたコメディ映画です。

こちらの作品も阿部サダヲの明るい演技が炸裂しています。

誰もが味わったことがあるであろう、キャンプ独特のウキウキ・ワクワク感がコメディタッチで描かれていて、彼らと一緒にサバイバルをしているような気持ちを味わえます。

また沖縄の美しい景色も見ていて癒されます。小さな島でスタッフもキャストも全員があっという間に仲良くなって行われたという今回の撮影。その和気あいあいとした楽しさが伝わってくるような作品です。

ちなみに“ぱいかじ”とは、劇中で阿部サダヲが説明している通り沖縄方言で「南風」のことをいうそうです。

いま人気絶頂の星野源が主題歌を歌っているのも見どころですよ。

日常の疲れを癒したい人におすすめ!

3.阿部サダヲの代表作!クドカンとタッグを組んだコメディ『舞妓Haaaan!!!』(2007)

『舞妓Haaaan!!!』の作品概要

2007年の日本映画。監督は『謝罪の王様』『綱引いちゃった!』の水田伸生。脚本は、『TOO YOUNG TO DIE若くして死ぬ』などの宮藤官九郎。

出演は、阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウ、小出早織、京野ことみ、キムラ緑子、大倉孝二、生瀬勝久ほか。

阿部サダヲは、第31回日本アカデミー賞主演男優賞ノミネート。

『舞妓Haaaan!!!』のあらすじ

学生のころ修学旅行で迷子になった際に舞妓さんに助けられたことがきっかけで、舞妓と遊ぶことを夢見続けている食品会社鈴屋食品の社員・鬼塚公彦(阿部サダヲ)。

実際にお座敷に上がったことはないが、舞妓を応援するサイトを運営しており、舞妓に対する情熱を持ち続けていました。

そんな中、人事異動により「かやく工場」と呼ばれる京都支社に転勤が決まり、念願の舞妓遊びができると意気込みますが…。

『舞妓Haaaan!!!』のおすすめポイント

阿部サダヲ演じるサラリーマンの鬼塚が京都・祇園の舞妓と野球拳をしたいという夢を追い求めるという、宮藤官九郎脚本によるコメディ映画です。

阿部サダヲにとっては、映画単独初主演となった作品です。

クドカン×阿部サダヲのタッグというだけで、かなり面白い映画であることがお分かりいただけると思います。

終始ハイテンションな阿部サダヲと貫禄ありまくりの堤真一の演技が面白く、笑いどころ満載です。

舞妓さんという京都の独特な文化を、コミカルに紹介してくれる作品ですが、脚本を書いた宮藤官九郎は、なんと「るるぶ」を見て脚本を書き上げたのだとか。るるぶでここまで書けるのはやっぱり彼は天才なのでしょうね。

パワー全開の阿部サダヲに元気がもらえる作品です!

4.究極のお人好しを演じた笑いと涙の人情コメディ『なくもんか』(2009)

『なくもんか』の作品概要

2009年の日本映画。監督は『舞妓Haaaan!!!』の水田伸生。脚本は宮藤官九郎。出演は、阿部サダヲ、瑛太、竹内結子、塚本高史、皆川猿時、片桐はいり、鈴木砂羽、カンニング竹山、高橋ジョージほか。

『なくもんか』のあらすじ

幼い頃父親に捨てられた祐太(阿部サダヲ)は、東京下町・善人通りの惣菜屋「デリカの山ちゃん」の店主夫婦に養子として育てられ、今では2代目店主となって商店街を盛り上げていました。

そして密かに思いを寄せていた初代店主夫婦のひとり娘・徹子(竹内結子)と結婚にこぎつけた祐太は、生き別れた弟で人気お笑い芸人「金城ブラザーズ」の祐介(瑛太)の存在を知り、再会を果たしますが…。

『なくもんか』のおすすめポイント

『舞妓Haaaan!!!』の水田尾伸生監督、脚本の宮藤官九郎、主演の阿部サダヲが再結集し、不幸な生い立ちの兄弟の再会劇を、笑いと涙を交えて描く人情コメディです。

阿部サダヲは、究極の“お人好し”祐太を演じており、全編を通して軽快でコミカルな演技を見せています。しかしその笑顔の後ろには父に捨てられたという隠された心の闇が…。

時々見せる作り笑顔がとても悲しく見えることがありますが、こういう役どころはやっぱり阿部サダヲがピッタリだなと思いますね。

脇を固める竹内結子、瑛太らとの掛け合いも見どころです。

阿部サダヲの魅力、そしてクドカンワールド炸裂の作品なので、ファンは必見です!単純に笑えて、心が温まる映画はやっぱりいいですね。

5.結婚詐欺を繰り返す男女の異色のラブストーリー『夢売るふたり』(2012)

『夢売るふたり』の作品概要

2012年の日本映画。監督は、『ゆれる』『ディア・ドクター』の西川美和。出演は、阿部サダヲ、松たか子、田中麗奈、鈴木砂羽、安藤玉恵、木村多江、やべきょうすけ、香川照之、笑福亭鶴瓶ほか。

第37回トロント国際映画祭正式出品作品(スペシャル・プレゼンテーション部門)。

第36回日本アカデミー賞優秀主演女優賞(松たか子)。

『夢売るふたり』のあらすじ

料理人の貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)は、東京の片隅で小料理屋を営んでいましたが、調理場からの失火が原因で店が全焼。すべてを失ってしまいます。

絶望して酒びたりの日々を送っていた貴也はある日、店の常連客だった玲子(鈴木砂羽)と再会。酔った勢いで一夜をともにします。

そのことを知った里子は、夫を女たちの心の隙に忍び込ませて金を騙し取る結婚詐欺を思いつき、店の再開資金を得るため、夫婦は共謀して詐欺を働きます。

しかし嘘で塗り固められた2人は、次第に歯車が狂い始めていき…。

『夢売るふたり』のおすすめポイント

火事で店を失った夫婦が再び店を構えるという夢を叶えるために独身女性をターゲットに結婚詐欺を繰り返す姿を描いた異色のラブストーリーです。

夫婦による結婚詐欺で女たちを騙していく様子がテンポよく痛快に描かれていますが、後半にかけてどこかねじれた愛の形が浮かび上がってくるにつれて、物語はどんどんサスペンスフルな展開になっていきます。

阿部サダヲの緊迫感あふれる演技も見ものですが、妻役の松たか子、結婚詐欺に引っ掛かる女たちを演じる田中麗奈や鈴木砂羽、木村多江らの演技もまた凄い!

「人間最大の謎は、男と女」というキャッチコピーの通り、緊迫感に満ちた作品です。

まとめ

阿部サダヲの出演映画から5作品をピックアップしてお届けししました。

ご紹介した作品はどれも面白い作品ばかりだと思いますが、阿部サダヲというとやっぱりコメディの演技は天下一品ですね。

蒼井優とW主演する映画『彼女がその名を知らない鳥たち』は、2017年10月に公開されます。これまでにないダメ男を演じているとのことで、こちらも楽しみですね!

関連記事

まとめ記事

【年始のご挨拶】2024年も「Cinemarche」を何卒よろしくお願いいたします!

皆様、新年あけましておめでとうございます。 今年の漢字に「税」の一文字が選ばれたように、増税をめぐっての多くの議論が巻き起こり、人々の今後の生活に対する不安も高まってしまった2023年。 人々の「心の …

まとめ記事

【映画のつぶやき】Cinemarcheユーザーさんの声(2019年7月)

映画感想レビュー&考察サイト「Cinemarche」のユーザーさんの声 Cinemarcheユーザーのみなさん、いつもご愛読いただき、誠にありがとうございます。 これまで編集部に寄せられた読 …

まとめ記事

ゲイ映画おすすめ作品の感想レビュー!LGBTをカテゴリーに追加

2017年10月より、Cinemarcheでは多くのライターさんに加入在籍していただくことになりました。 チームのおひとりのライターいたるさんをご紹介! 敏腕の筆さばき(タイピングかしら)で、今後は「 …

まとめ記事

ブラッド・ピット映画おすすめ5選!野球もアクションもかっこいい!

(C)ColumbiaPictures/Photofest/ゲッティイメージズ “ブラピ”の愛称でおなじみ、ブラッド・ピットは、90年代に『トゥルー・ロマンス』や『セブン』、『ファイトクラブ』などに出 …

まとめ記事

【ホラー映画2020】おすすめ洋画最新作まとめ。ハロウィーンキルや死霊館3など厳選6選

ホラー映画(洋画)の2020年おすすめ最新作をピックアップ! 2019年はインディペンデントも含め良質な映画が多く公開されました。 2020年は、『ワンダーウーマン』(2017)や『ヴェノム』(201 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学