台湾映画『ママボーイ』は2023年7月7日(金)よりシネマート新宿他にて全国順次公開!
2023年7月7日(金)よりシネマート新宿他にて全国順次公開を迎える映画『ママボーイ』。
内気な青年シャオホン(クー・チェンドン)が初めて心を惹かれたのは、母親ほど年齢の離れた年上の女性ララ(ビビアン・スー)。ララもシャオホンに心を許し、2人の距離は急速に縮まります。ですが、その関係をララの息子ウェイジェとシャオホンの母に知られてしまいます。
親子ほど年の離れた2人の恋の行方が気になるラブストーリーが展開します。
この作品でララ役を演じられたビビアン・スーさんは、1990年代に日本でも歌手、女優、タレントとして人気を博し、2003年から活動の拠点を台湾に戻して活躍されています。2010年には、日本での活動を7年ぶりに再開。復帰第1弾でテレビアニメ『くるねこ』のテーマソングも担当されました。
このたび、映画『ママボーイ』の劇場公開を記念し、ララ役を演じられたビビアン・スーさんにインタビュー。映画についての思いや共演者とのエピソードなど貴重なお話を伺うことができました。
台湾映画『ママボーイ』に寄せる思い
──はじめに、台湾映画『ママボーイ』について、この作品が異なる文化を持つ日本で公開された時、ビビアン・ス―さんはどのようなメッセージや反響を期待されますか。
ビビアン・スー(以下、ビビアン):日本の皆さんにもこの映画を大きなスクリーンで観ていただけることを大変嬉しく思います!
この映画は愛と、母と息子の関係を描いています。日本の皆さまの心に響くことを願っています。
男女の愛と家族の絆の狭間で
──ビビアンが演じたキャラクターのララは、非常に複雑な家庭関係にありました。彼女の心情や心の成⾧について、演じるうえで一番印象的だった瞬間やエピソードはありますか?
ビビアン: 監督は、クー・チェンドンさんと私のシーンを撮影する時、ロマンティックで温かい雰囲気で、純粋な愛の形を表現しました!クー・チェンドンさんとバイクに乗っているシーンは、昔の恋のピュアさ、初めて恋をしたときに戻ったような感覚を思い出します。
歳の差カップルとなると、多くの人が不安を抱くと思います。相手に好かれていないと感じ、愛したくても愛する勇気がなく、関係が実を結ぶかどうか不安になる。年齢を気にするあまり、恋愛をする前にあれこれ考えすぎ、単純に恋愛の素晴らしさを味わうことができなくなってしまう方が多い。
ですが、実際には、恋愛に関しては外見的な年齢が重要なのではなく、心と心が通じることが最も重要だと思います!
──『ママボーイ』は、ラブストーリーと家族の物語が絡み合った作品です。この映画における家族のテーマについて、ビビアン自身が共感したり、考えさせられたりしたことはありますか?
ビビアン:絆もこの映画の魅力の一つです!ララは、若くして母親となり、子供との適切な接し方を知らず、子供の愛情や欲求に向き合うことを避けた結果、次第に息子と距離のある関係になっていく。
物語が進むにつれて、シャオホンは過保護な母親から自由になりたいと思うようになり、一方のウェイジェは、母親からの愛情や家族の温かさに憧れるようになる!
ララの気持ちを理解するために、私は実際に若くして母親になった女性に話を聞き、母親たちの気持ちを理解し、「子供の将来は自分の態度次第」という事実についても考えさせられました。心の傷を経験しないまま大人になることはできません。
監督や共演者からも「ママ」と呼ばれる
──この映画での共演者との印象的なエピソードや思い出は何でしょうか?
ビビアン: 一番印象に残っているのは、一番NGが多かったシーン、シャオホンが母親に捕まるシーンです。あのシーンでシャオホンはララに会いに来たことを母親に知られることを恐れ、隠れる場所を探そうとした。
しかし、彼が一番初めにしたことは、部屋の隅っこに飛び込むことでした。ダチョウのように、自分から相手が見えなければ、相手も自分を見つけることができないだろうと考えたのです。
他の人からは見えなかったけれど、彼は背中に大きく「陽光水族館」(シャオホンが働いているお店)と書かれたTシャツを着ていたのです!監督が「カット」と叫ぶと、現場全体が爆笑に包まれ、クー・チェンドンさんも笑いすぎて床に崩れ落ちていました。
──アービン・チェン監督やファン・シャオシュンさんの印象については、いかがでしたか?
ビビアン:アービン・チェン監督は、礼儀正しくて、勉強熱心な監督だと思います。作品にとても厳しく、撮影の仕方もとても安心できます!
息子役のファン・シャオシュンさんは、初めて会った時からこの役柄にのめり込み始め、劇中でも、外でも私のことを「ママ」と呼び、私たちは“親子”として絆を深めることができました!
ビビアン・ス― プロフィール
エンターテインメント業界で、アーティスト、作詞家、女優、プロデューサーとして活躍中。
中国・台湾・香港の合作映画『The Knot(英題)』(2006)ではヒロインを演じ、2007年の金鶏賞で最優秀作品賞の栄誉に輝きます。2020年に大ヒットした『弱くて強い女たち』でプロデューサーとしてデビューも果たします。
映画『ママボーイ』作品情報
【日本公開】
2023年(台湾映画)
【監督】
アーヴィン・チェン
【脚本】
サニー・ユー、アーヴィン・チェン
【エグゼクティブプロデューサー】
リー・ポンジュン、シャオ・ペイル
【キャスト】
クー・チェンドン、ビビアン・スー、ユー・ズーユー、ファン・シャオシュン
【作品概要】
映画『ママボーイ』の監督は本作が⾧編映画3作目となるアーヴィン・チェン(陳駿霖)。現代ドイツを代表する映画監督、ヴィム・ヴェンダースが製作総指揮をした『台北の朝、僕は恋をする』で監督を務め、2010年のベルリン国際映画祭で最優秀アジア映画賞を獲得しました。
主演を務めるのは『あの頃君を追いかけた』(2013)で台湾のアカデミー賞とされる金馬奨の最優秀新人俳優賞を受賞したクー・チェンドン。主人公が惹かれる魅力的な大人の女性は、台湾、中国を拠点に、ドラマや映画、歌手などマルチに活躍するビビアン・スーが演じます。
映画『ママボーイ』のあらすじ
内気な29歳の青年シャオホンは、過保護な母親のメイリンと2人で暮らしています。
母に紹介された女性とのデートに失敗した彼は、従兄に連れられて売春宿に行くことになりました。
結局、童貞を捨てることはできませんでしたが、彼が惹かれたのはホテルの副支配人のララでした。
大人の魅力を備えたララに恋心を抱き、ララもまたシャオホンを憎からず思います。
こうして、2 人は次第に距離を縮めていきました。ところが、メイリンとララの息子ウェイジェに、その関係を知られてしまい……。