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映画『死霊の盆踊り』あらすじネタバレ感想。つまらない裸踊りと言われたサイテー映画を見よ

  • Writer :
  • 野洲川亮

“サイテー映画”としてカルト的人気を集めるエロティックホラー『死霊の盆踊り』

「史上最低の映画監督」エド・ウッドが原作・脚本を務め、死霊役の女性たちが延々と踊るだけという内容で、映画史に残るサイテー映画として知られる映画『死霊の盆踊り』。

墓場に迷い込んだカップルが、死霊たちの繰り広げる宴を目撃し、巻き込まれていくエロチックホラー映画です。

2019年12月にHDリマスター版が公開された、サイテー映画の決定版『死霊の盆踊り』を紹介します。

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映画『死霊の盆踊り』の作品情報


(C)1965 Astra Productions, under license from Vinegar Syndrome

【公開】
1965年(アメリカ映画)

【監督】
A. C. スティーヴン

【キャスト】
ウィリアム・ベイツ、パット・バリンジャー、クリスウェル、ファウン・シルヴァー

【作品概要】
小説のネタ探しのため夜の墓地に向かった小説家とその恋人、そこで夜の帝王と闇の女王が催す宴、死霊の盆踊りを目撃し、巻き込まれていくエロチックホラー。演出は『プラン9・フロム・アウタースペース』の監督エド・ウッドが脚本を担当。日本では1987年にGAGA配給で劇場初公開。

2019年12月には、新宿シネマカリテで開催の特集上映企画「サイテー映画の大逆襲2020!」で、HDリマスター版が上映されました。

映画『死霊の盆踊り』のあらすじとネタバレ

(C)1965 Astra Productions, under license from Vinegar Syndrome

ホラー小説家のボブ(ウィリアム・ベイツ)は、ネタ探しのため恋人のシャーリー(パット・バリンジャー)と共に、夜の墓地へと向かっていました。

奇妙な雰囲気に怯えたシャーリーは帰宅を促しますが、Uターンしようとしたところで事故を起こして横転してしまいます。

気絶していた二人が目を覚ますと、墓地の方から音楽が聞こえます。

そこでは、夜の帝王(クリスウェル)と闇の女王(ファウン・シルヴァー)が、死霊の女たちを踊らせる宴を催していました。

闇の女王の呼びかけと共に墓場から蘇った不幸な死を遂げた女たちは、華やかな衣装を身にまとい登場し、トップレスになりながら踊っていきます。

物陰からその様子を眺めている二人は、自分たちが見ているものが死霊たちとは気づきませんが、異様な光景に胸騒ぎを覚えます。

その後も宴は続き、黄金を愛した女(パット・バリンジャー)には、夜の帝王が全身を黄金まみれにする褒美を与えました。

宴に目を奪われていたボブとシャーリーは、背後から忍び寄ってきたミイラ男と狼男に捕まってしまい、夜の帝王の命令で墓石に縛り付けられます。

その後も宴は続き、次々と死霊の女たちが踊っていく中、闇の女王はシャーリーの命を欲しがります。

死霊たちは夜が明けてしまえば消滅してしまうため、闇の女王は早くシャーリーを殺したがりますが、ギリギリまで楽しもうという夜の帝王に遮られます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『死霊の盆踊り』ネタバレ・結末の記載がございます。『死霊の盆踊り』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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拘束されながら、墓地へ連れてきたことで口論となるボブとシャーリー、その時ボブが手の縄をほどき、死霊たちのスキをついて逃げ出すと告げ、不安を覚えながらもシャーリーはそれに従います。

時間に無頓着で、狼男にシャーリーを与えようと言いだした夜の帝王にイラついた闇の女王は、夜が明ける前に早くシャーリーを殺させてほしいと懇願します。

そして、ついに夜の帝王の許可を得た闇の女王は、踊りながらナイフを持ってシャーリーへと近づきます。

その時、拘束を解いたボブが闇の女王を止めようとしますが、あっさりとミイラ男に阻まれてしまいました。

しかし、その瞬間夜明けの光が差し込み、闇の女王や夜の帝王、ミイラ男たちも骨に化してしまいます。

次に気が付いた時、二人は救急隊員たちから手当てを受けていて、無事にその場を脱出することが出来たのでした。

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映画『死霊の盆踊り』の感想と評価

(C)1965 Astra Productions, under license from Vinegar Syndrome

映画史上最も有名なサイテー映画と言えば、エド・ウッド監督作の『プラン9・フロム・アウタースペース』でしょうが、そのエド・ウッドが原作・脚本を担当した“もう1つのサイテー映画”が、本作『死霊の盆踊り』です。

冒頭、クリスウェル演じる夜の帝王が観客へと語りかけるシーン、クリスウェルの目線がカメラではなく、その背後にあるカンペにあることがバレバレで、開始早々に映画のクオリティーが非常に低いことが明白となります。

およそプロの俳優とは思えぬ棒読み台詞、テンポや脈絡など一切なく90分間繰り返し裸踊りを見せられるだけのストーリー、1965年当時の作品という事を踏まえても、擁護する余地が見当たりません。

様々なジャンルの音楽と設定を与えられ登場する美女ダンサーたちに、瞬間的に目を奪われることはありますが、すぐに全員裸になってしまうので、「何回やるんだよ、もうええわ!」と苦笑しながらツッコむのを無理やり楽しむしかないでしょう。

美女ダンサーたちのダンスのクオリティーもバラバラで、中にはカメラの前に立つことがやっとで、手を上げ下げしながら歩き回るだけの美女もいて、この段階になると多くの観客は微笑ましく見守る気持ちになってきます。

間違いなくオススメできるのはディープな映画ファンのみで、鑑賞中は自らの映画愛について自問自答しながら、エンドロールを待ち焦がれながらご覧いただくことになるでしょう。

まとめ

普段何気なく鑑賞している映画、素晴らしい作品を鑑賞した時に、その演出や脚本、演技について考察し、反芻することも映画鑑賞の面白さの1つです。

その面白さを本作においては、「どうしてこの映画はこんなにも退屈なのか」と思考してみることで、映画鑑賞の新たな極致へとたどり着けるかも?しれません。

本作と合わせて公開される、エド・ウッド監督作でサイテー映画の金字塔『プラン9・フロム・アウタースペース』も2020年1月11日から総天然色版で公開となります。

面白さではなく、つまらなさが語り継がれるのは何故なのか?

のぞきたくない、のぞく必要が無い、でものぞいてみたい、そんな映画体験をしてみたい方へオススメです。

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