映画『オンネリとアンネリのおうち』は、6月、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国ロードショー!
北欧発で世界中で愛される絵本や童話は挙げればいとまがありませんね。
『ムーミン』『ロッタちゃん はじめてのおつかい』『長くつ下のピッピ』『小さなスプーンおばさん』『ヘイフラワーとキルトシュー』など、あなたのお気に入りもあるのではないでしょうか。
今回はフィンランドで愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミの児童文学『小さな女の子オンネリとアンネリの物語』の実写化。
ふたりに起こるドキドキワクワクの事件を描き、フィンランド・スタイルの家具やインテリア、食器や小物、何から何までとってもオシャレでカワイイ!誰もが幼い頃に憧れたようなキュートなお話はいかが?
CONTENTS
映画『オンネリとアンネリのおうち』の作品情報
【公開】
2018年(フィンランド映画)
【原題】
Onneli ja Anneli (英題:Jill and Joy)
【監督】
サーラ・カンテル
【キャスト】
アーヴァ・メリカント、リリャ・レフト、エイヤ・アフヴォ、ヤッコ・サアリルアマ、ヨハンナ・アフ・シュルテン、エリナ・クニヒティラ、キティ・コッコネン
【作品概要】
フィンランドのマリヤッタ・クレンニエミによる児童文学の『小さな女の子オンネリとアンネリの物語』を実写化。2人の少女に巻き起こった不思議なドキドキワクワクの事件を描いたファンタジー映画。
演出は、映画『星の見える家で』でのサーラ・カンテル監督。脚本は『旅人は夢を奏でる』のサミ・ケスキ=ヴァハラ、衣装を担当したアウリ・トゥルティアイネンは、フィンランド・アカデミー賞で衣裳デザイン賞受賞。
サーラ・カンテル監督のプロフィール
サーラ・カンテル(Saara Cantell)は、1968年4月27日生まれ。彼女は結婚して3人の子どもを育てながら、ヘルシンキで監督&脚本家として活動しています。
短編やテレビシリーズ、本作を含む8本の長編を手がけており、多数の映画賞も受賞しています。
本作の撮影監督を務めたマリタ・ヘルフォルスと組んだ『星の見える家で』では、フィンランド・アカデミー賞(ユッシ賞)にもミネートされ、“2010年を代表する監督”に選ばれています。
2014年には本作と『The Two and Only』の2本がフィンランド映画の歴史的興行記録を塗り替えた、今注目の監督です。
サーラ・カンテル監督は、この映画に興味を持ってくれたあなたに、こんなメッセージを贈っています。
「『オンネリとアンネリのおうち』は、友情と日常生活の中に存在する魔法への詩です。
しかし、このユーモラスな物語の根底には、親たちが子供のためにじゅうぶんな時間を持つことができない、という深刻なテーマがあります。ふたりの女の子オンネリとアンネリは、ふたりの両親にとって、ほとんど目に見えない存在なのです。幸いなことに、自分たちの家を持ったふたりは、その近所に、ふたりと一緒に時間を過ごそうとする、ふたりの生活に関わりを持とうとする大人たちに出会います。監督として、私が最もこの映画の中で重要視したのは、温かくユーモラスな人生観です。
映画の中で起こる様々なことはあまり説明されていません。だから観る人は映画の魔法を楽しむことができます。映画の中心的なテーマは、想像力と連帯感です。子どもに向けた映画にとって、これ以上に必要なメッセージは他にないと思っています」
何も知らないでこの映画を見たら、おそらくは少し驚かれるかも知れません。
しかし、子どもの頃に見て、『長くつ下のピッピ』や『ムーミン』のような世界観だとわかると、心は自然と幼かった頃に舞い戻るような気がします。
あの頃、独り寂しくごっこ遊びを想像したり、誰かと一緒に秘密基地で遊んだ連帯感のようなものを思い起こします。
そんな時には魔法をどこかで信じていたのでは、あなたはどうですか?
フィンランドらしいといっても過言ではない、サーラ・カンテル監督の世界観をのぞいて見てはいかがでしょう。
映画『オンネリとアンネリのおうち』のあらすじ
オンネリとアンネリはとっても仲良し。それぞれを家族をよそ目に、ふたりは2人だけの世界を楽しみたいと思っています。
ある日、ふたりはバラ通りで「正直者にあげます」と書かれた封書を拾います。
それを警察に届けると、封書の中はリボンで結ばれたお金の札束でした。中身がお金だと知ってガッカリするふたり。
警察からは君たちは正直者だから、これは君たちのものだと、オンネリとアンネリにそれを持たせて帰します。
お金よりもリボンに興味のあるオンネリ。仕方なしにその封筒を元落ちていた場所に戻そうとするふたりは、その場所に向かいます。
すると、ちょうど、その家を主人バラの木夫人は家を売却に出そうとしたとこでした。
おばあさんから、夢のように素敵な水色のおうちをオンネリとアンネリは、手に持ったお金で買うことにします。
ふたりはかつてからの夢であった、オンネリとアンネリのおうちを手に入れることができました。
自分たちの家を手にした喜びで、オンネリは母親と約束した帰りの時間が過ぎることも忘れていました。
慌てて帰ったオンネリは9人兄弟のまん中で、彼女がいないことも忙しすぎて気が付きてはいませんでした。
そんな母親にオンネリは、「わたしたち、ふたりの家に住んでいい?」と尋ねると、上の空でいいよと返答が返ってきます。
オンネリとアンネリは、2人だけの秘密のおうちに住むことを決めました。
どこか気難しそうなお隣さん、そして魔法が使える陽気なおばさん姉妹、そんなちょっぴり変わったご近所さんと交流しながら、ふたりだけの楽しい生活が始まりましたが、彼女たちを尾行する、ふたりの影が忍び寄ります…。
映画『オンネリとアンネリのおうち』の感想と評価
オンネリとアンネリの女の子の気持ち
この映画を観たら、オンネリとアンネリの可愛らしさは言うまでもなく、一番の見どころ。
こんなにもオシャまで、それでいて仲良しな2人がこれまでいたでしょうか。
彼女たちの笑顔と笑い声がどこまでも澄み切っています。
しかし、サーラ・カンテル監督が指摘をするように、オンネリとアンネリは両親から相手にはされていない、寂しい反面を抱いています。
そこがどこか大人びでいて、そんな大人たちに自分たちは迷惑掛けまいと、嘘つくことも上手なのです。
だから、正直者に封書をあげると言われても、彼女たちは浮かれた顔を決して見せません。
自分たちを良い子だとは思っていないのです。
でも、だからそんな2人がケラケラと笑っていると何ものにも代えられぬ、純な美しさすら感じます。
澄んだ音の豊かさと空気感
映画冒頭から鳥の「ピィピピー」という鳴き声の美しさに、まずは魅せられます。
あれあれ、一般的な映画よりも少し高音が美しいに気がつくかも知れません。
やがて、それを意識するのは、トンカチで釘を打ち付ける場面です。「おや?」と思うことでしょう。
金槌が釘の頭を打つ時に金属と金属とはいえ、このような「キョィーン」と音ってしたかなと、違和感を感じます。
すると、その後は、お隣さんのプクティーナ&ノポティーナの庭のシークエンスから、この作品は効果音のまるで演奏会のようになっていきます。
ここからは、アイス工場も、悪い泥棒さんのオナラも、すべてが魅力的な音に変わってくるのも、ちょっとした映画のチェックポイント。
オンネリとアンネリのふたりの魅力的な笑い声に負けないくらい、意外に世界は美しさと澄んだ音に溢れた世界だと、この作品は想像する豊かさを思い出させてくれます。
本作の公開される劇場は?
【北海道地区】
北海道 札幌シアターキノ 7月7日〜
【東北地区】
岩手 盛岡中央映画劇場 未定
【関東地区】
東京 YEBISU GARDEN CINEMA 6月9日〜
千葉 柏キネマ旬報シアター 6月9日〜
神奈川 横浜シネマ・ジャック&ベティ 7月14日〜
栃木 宇都宮ヒカリ座 8月11日〜
【東海地区】
長野 シネマポイント 未定
愛知 名古屋センチュリーシネマ 6月23日〜
【関西地区】
大阪 シネ・リーブル梅田 6月16日〜
兵庫 シネ・リーブル神戸 7月〜
【九州地区】
沖縄 那覇シネマパレット
まとめ
この映画では「魔法という力」が登場するファンタジックな作品です。
しかし、それを使って大きな冒険に出たり、大きく何かを成し遂げるような映画ではありません。
オンネリとアンネリのように、誰もが子どもの頃に寂しかったあの日。一度くらいは何となく呪文を唱えたり、願ったりしたことはあなたにはありませんか。
この作品では魔法の力もお金の力も同じものに描かれていました。
誰かのために使うアイデアや思いやりといった信じる想像力こそが、「楽しい呪文」といった魔法なのかも知れません。
映画『オンネリとアンネリのおうち』は、6月、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国ロードショー!
“北欧から届いた、ちょっぴりおませな女の子たちの、とってもキュートな独立宣言”。
ぜひ、オンネリとアンネリに会いにいきませんか?