映画『焼肉ドラゴン』は、6月22日(金)より全国ロードショー!
2008年に初演された日本の新国立劇場と、韓国の芸術の殿堂によるコラボ舞台劇「焼肉ドラゴン」。劇作者の鄭義信が自らメガホンを取り映画化!
1970年代、日本万博が開催され、高度経済成長に浮かれる日本で生きる、在日韓国人家族の物語を在日韓国人である鄭義信の魂と想いを込め、再び描き出します。
CONTENTS
映画『焼肉ドラゴン』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【監督】
鄭義信
【キャスト】
真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみ、大谷亮平、ハン・ドンギュ、イム・ヒチョル、大江晋平、宇野祥平、根岸季衣、イ・ジョンウン、キム・サンホ
【概要】
劇作家や演出家として知られる鄭義信による、同名舞台劇「焼肉ドラゴン」を自らの手がけた映画化。
監督自身も在日韓国人であるから、独自な視点とリアリティで描くた、戦後の高度経済成長の日本とは?
鄭義信監督のプロフィール
鄭義信は1957年7月11日生まれ、兵庫県出身の劇作家、脚本家、演出家です。
今村塾(今村昌平監督による映画学校)と呼ばれた、横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)の美術科を卒業後、松竹で美術監督を務めます。
1987年に劇団「新宿梁山泊」の劇作家となります。
90年代に入ると、映画の脚本も手掛ける様になり、1998年に『愛を乞うひと』で日本アカデミー最優秀脚本賞を受賞します。
2000年代は、劇作家として多くの作品を手掛け、そんな中で誕生したのが戦後の日本の影の戦争史を描いた「鄭義信 三部作」の1つである、「焼肉ドラゴン」を今回は映画化した作品です。
2018年に『赤道の下のマクベス』が新たに、「鄭義信 三部作」に加わり「鄭義信 四部作」となりました。
すでに映画監督としての次回作も企画中です。
映画『焼肉ドラゴン』の主要キャスト
真木よう子(静香役)のプロフィール
真木よう子は、1982年10月15日生まれ、千葉県出身の女優です。
中学卒業後、1998年に仲代達矢主宰の俳優養成所「無名塾」に入塾。舞台『どん底』にてナターシャ役を熱演するも仲代と喧嘩し退塾してしまいます。
退塾しても女優業は続けていましたが、回ってくるのは映画やドラマの端役ばかりでした。
2006年公開の初主演映画『ベロニカは死ぬことにした』ではヌードシーンにも挑戦。同年に出演した『ゆれる』で山路ふみ子映画賞新人女優賞を受賞します。
参考映画:『さよなら渓谷』(2014)
2007年にはテレビドラマ『SP』にレギュラー出演。深夜帯のドラマでは史上初の平均視聴率15%超えをしたことが話題となり、同時に出演者も注目されたことから、バラエティなどにも出演。
広く一般に女優・真木よう子の名前が知られるきっかけとなりました。
2014年には『さよなら渓谷』で日本アカデミー最優秀主演女優賞、『そして父になる』で最優秀助演女優賞をダブル受賞しました。
現在公開中の『孤狼の血』にも出演しています。
井上真央(梨花役)のプロフィール
井上真央は1987年1月19日生まれ、神奈川県出身の女優です。
4歳の時に劇団に入り、5歳から企業コマーシャルなどに、子役としてデビューします。
1992年放送のテレビドラマ『真夏の刑事』で、パトカーに跳ねられて命を落とす子ども役がドラマのデビュー。
それ以降は、時代劇や2時間ドラマなどに出演していくようになりました。
1999年に初レギュラー出演作となる『キッズ・ウォー』シリーズがスタートし、2003年のシリーズ終了まで主人公茜を演じたことで注目され、その後もドラマなどに出演。
2005年にジャニーズのアイドルグループ嵐の松本潤と共演したドラマ『花より男子』で、主人公・牧野つくし役が大ブレイク。
井上真央の名前は再びお茶の間の注目と人気を集めるようになります。
参考映像:『八日目の蝉』(2011)
2006年『チェケラッチョ!』で映画デビューも果たし、これまではテレビの仕事が中心でしたが、2006年を目途に数々の映画にも出演するようになります。
2011年『八日目の蝉』で日本アカデミー最優秀主演女優賞を受賞しました。
桜庭ななみ(美花役)のプロフィール
桜庭ななみは1992年10月17日生まれ、鹿児島県出身の女優です。
2007年に地元のゲームセンターでスカウトされ、芸能界に入ります。
2008年に『栞と紙魚子の怪奇事件簿』の第6話でテレビドラマのデビューを果たします。同年公開の『同級生』、『体育館ベイビー』で映画デビューも果たします。
2009年に公開されたアニメ映画『サマーウォーズ』の篠原夏希役で声優に初挑戦。同年、ネットドラマをきっかけに主演5人によるアイドルグループ「bump.y」のメンバーとなります。
その後は、テレビドラマやバラエティを中心としていました。
参考映像:『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』(2018)
2010年に出演した『最後の忠臣蔵』での演技が認められ、日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞など多数の賞を受賞。
これをきっかけに話題作に出演する機会が多くなり、一般的に知られる様になりました。
2014年には海外ドラマ『超能力ファミリー サンダーマン』でサンダーマン家の長女・フィービー・サンダーマンをオールシーズンの声を担当。今後放送予定のシーズン4でも続投予定です。
次回作『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』が2018年11月30日に公開されます。
映画『焼肉ドラゴン』のあらすじ
関西の地方都市の一角で、小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む龍吉。
龍吉の妻である英順は、静花、梨花、美花の3姉妹と長男時生の6人暮らし。
龍吉は戦争により、故郷と左腕を奪われた過去を決して忘れずにいたが、常に明るく前向きにも生きていました。
その龍吉が作りあげた「焼肉ドラゴン」は皆の強い絆でした。
しかし、そんな焼肉ドラゴンにも時代の波が押し寄せてきます…。
映画『焼肉ドラゴン』の感想と評価
鄭義信は60歳にして映画監督デビューとなりますが、鄭義信はこれまでに多くの映画や舞台で演出、脚本、製作に携わってきた経験があり、デビューとはいえ、すでに演劇・テレビ・映画界では大御所なのです。
シーンのこだわりや構図、セリフなどが全て頭に入っていると言っても過言ではなく、自分の作品を映画化するという強みを存分に活かした作品に仕上がっています。
映画でありながら、どこか舞台の様な雰囲気やセットにも注目してください。
あえて、舞台感を出すことによって、独特の雰囲気が漂う映像を作り出しすことに成功しています。
この点は、さすが演出家と言うべき部分でしょう。
舞台を観たことのある人ならもう一度、観たことのない人なら今すぐにでも観たくなると思います。
鄭義信が評価される理由には、鄭義信自身が在日韓国人であり、その自らの経験や視点で描き出された作品だからこそ、戦後の日本の中で生きる、在日韓国人の視点を誰よりもリアルでユーモラスに描き出すことができるのでしょう。
まとめ
2004年には、同じく在日の父親とその家族を描いた映画『血と骨』の共同脚本家を務めていた鄭義信。
彼が本格的に長編映画の監督に乗りだし、自身の人気戯曲である「焼肉ドラゴン」を映画化。
かつて、日本が高度経済成長と大阪万博に沸く1970年代を、主演の真木よう子の演技力を中心にストーリーを見せていくのか、注目ですね。
また、本作には、韓国俳優の演技も見どころになっており、店主夫婦を韓国映画『隻眼の虎』で知られるキム・サンホと、同じく韓国作品の『母なる証明』のイ・ジョンウンも共演。
韓国映画の芸達者な脇役ファンなら、これは要チェックです!
映画『焼肉ドラゴン』は、6月22日(金)より全国ロードショー!