ソン・ガンホ主演の『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、4月21日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー!
韓国での観客動員1,200万人突破する快挙で、第38回青龍映画賞で最優秀作品賞、主演男優賞、音楽賞、最多観客賞を獲得したほか、2017年韓国No.1ヒット作となった本作。
またアジア全域でのアカデミー賞にあたる第12回アジア・フィルム・アワードでは、ユ・ヘジンが助演男優賞にノミネートされました。
各映画祭の賞レースを席巻した韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』をご紹介します。
CONTENTS
1.世界の映画人はタクシー映画がお好き⁈
映画タイトルで『タクシードライバー』といえば、映画ファンの誰もが思い浮かぶの名作がりますよね。
1976年公開のアメリカ映画で、第29回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品として名高い、マーティン・スコセッシ監督、脚本はポール・シュレイダー、主演がロバート・デ・ニーロの『Taxi Driver(原題)』。
今回ご紹介する本作『タクシー運転手 約束は海を越えて』の英題は、『A Taxi Driver』とついています。
なぜ、「A」であり、「my」でも「the」でもないのか?
これこそがソン・ガンホ主演した本作『タクシー運転手 約束は海を越えて』のそのものの本質をついています。
韓国ではヒットを飛ばした『新感染 ファイナル・エクスプレス』の興行成績を上回ったことで、韓国映画としては歴代9位した樹立した本作は、たった1つのみ、唯一のタクシードライバーなのです。
ちなみに1998年のフランス映画で、リュック・ベッソンが製作・脚本を行い、ジェラール・ピレス監督による『TAXi』は、タクシーそのものの映画タイトルでした。
それにしても映画人は“タクシー映画がお好き”ですよね。
今回のソン・ガンホ主演の本作はどのような映画なのでしょう。
2.題材は1980年5月に実際に起きた光州事件
韓国の現代史では最大の悲劇といわれ続けている史実をモチーフに扱いながら、メインとなる登場人物は真実を追い求めたひとりのドイツ人記者ピーター(ユルゲン・ヒンツペーター)と、彼を乗せたタクシー運転手のキム・マンソプ(キム・サボク?)が物語の中心になります。
韓国では光州事件は、五一八光州民主化運動と呼ばれており、1980年5月18日から27日にかけて全羅南道に位置する光州市を中心に起きた民衆の蜂起のこと言います。
軍事独裁政権が物々しい検問封鎖と言論の弾圧統制を行われている情報を得たドイツ人記者ピーター。
彼はソウルでタクシー運転手を雇い、その厳しい状況を掻い潜り、光州を取材し、広く海外に光州事件の実情を伝えたジャーナリストです。
その彼をタクシーに乗せて、光州の中心部に踏み入った平凡な市民であり、後日ピーター記者でさえ、その行方を知ることのできなかった故・キム・サボクという、実在した2人が肌で感じていた真実を再現しています。
“あの日、あの時の光州事件”を、時に人情味あるコミカルさと、内包した大きな問題をシリアスに抉った作品なのです。
3.映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』のキャスト
貧しいながら11歳の娘を男で独りで育てるタクシー運転手マンソプ役を演じたのは、韓国映画界の名優ソン・ガンホ。
映画『王の運命-歴史を変えた八日間-』や『密偵』に続き、出演した作品が3回連続でアカデミー出品作に選ばれる快挙を成し遂げた韓国で人気と実力派がともにある俳優です。
またドイツ人記者ピーター役には、映画『戦場のピアニスト』や『ヒトラー~最期の12日間~』などの名作や、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』などのハリウッド大作まで、演技の幅も広く活躍を続けるドイツの誇る名優トーマス・クレッチマン。
マンソプとピーターを助ける光州のタクシー運転手ファン役には、『鍵泥棒のメソッド』の韓国リメイク版『LUCK-KEY/ラッキー』で唯一無二の存在感を放つユ・ヘジン。
また光州でピーターとマンソプの通訳をかって出た大学生ジェシク役は、韓国で社会現状を起こした人気ドラマ『恋のスケッチ~応答せよ1988~』でブレークし、『グローリーデイ』『奴隷の島、消えた人々』など、今、韓国で最も注目を浴びている若手実力派リュ・ジュンヨルが、重要な役どころを演じています。
4.映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』のあらすじ
1980年、日本の東京。
ドイツ人記者ピーターは、同業種の集まりの場でビールを呑みつつ、日本での平穏の日常にどこか不満を感じていました。
それは彼の記者魂として、何かスクープをあげたいと思う野心でもあります。
ピーターは酒呑み話に出た韓国の光州の話に興味を持ちます。
やがてピーターは空港で記者であることを偽り、宣教師として訪韓を成し遂げます。
その後ピーターは、ソウルのタクシー運転手であるマンソプの車に乗車。
一方で生活苦のマンソプも「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せ、英語も分からぬまま一路、光州市を目指します。
何としてもお目当の高額なタクシー代を受け取りたいマンソプ。
彼は機転を利かせて軍の検問を切り抜けると光州に無事たどり着きました。
そんな矢先、無頓着なマンソプでしたが、閑散とした光州の街並みや住民たちの必死な様子に少しづつ状況の異変を感じ、「危険だからソウルに戻ろう」と言い出します。
しかし、ピーターはマンソプの言葉に耳は貸しません。
彼は大学生のジェシクとファン運転手の助けを借りて、記者として光州事件の様子を撮影し始めます。
しかし状況は徐々に悪化の一途を見せ、マンソプはソウルで独り留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦りますが…。
5.見どころ満載の演出はチャン・フン監督!!
ソン・ガンホ筆頭に人気のある韓国人キャスト陣や、ハリウッド大作にも出演するトーマス・クレッチマンの演技合戦をまとめる手腕を見せたのは、映画『義兄弟~SECRET REUNION』や『高地戦』で知られるチャン・フン監督。
フン監督のコミカルとシリアスが入り交じった絶妙な演出で最後まで、観客のあなたを飽きさせることなく、光州事件真っ只中において“自分の信念を貫き通したあの日あの時の人物たち”をドラマチックな感動で見せつけてくれます。
本作『タクシー運転手 約束は海を越えて』の予告編の冒頭では、ソウルタワーが見渡せる1980年ソウルの風景が広がります。
貧しいながらも娘のために必死で時代を生き抜くタクシー運転手のマンソプ。
彼がドイツ人記者ピーターに出会い、たどたどしい英語で「レッツゴー!クァンジュ!」と、強引なまでに光州行きのタクシーに乗車させるところから始まります。
やがて何とか目的地の光州に到着したマンソプとピーターは、運動に参加する大学生ジェシクと出会い、成り行きで若いジェシクは通訳をすることになります。
また、光州で知り合った全羅南道生まれのタクシー運転手たちと意気投合する姿はとてもコミカルです。
しかし、そんなことをよそに銃声が響きます!
予告編の後半部分では、まるで内容が打って変わったように、光州市民が混沌とした事件のなかで蜂起する姿が生々しく描かれています。
目の前で起きる不条理な事件の真実を伝えようとするピーターと、彼を必ず乗せてソウルに戻ると誓ったマンソプ演じるソン・ガンホの熱い演技が印象的な予告となっています。
まとめ
タクシーに乗って思いっきり笑顔をみせるマンソプ役のソン・ガンホ。
またドイツ人記者ピーター役を演じたトーマス・クレッチマンは、光州で意気投合した大学生ジェシクや、光州のタクシー運転手のファンとのやり取りに熱のコムル演技を見せています。
本作『タクシー運転手 約束は海を越えて』で登場する人物たちが見せた笑顔の先に待ち受けている“あの日あの時に光州事件”とは?
そしてこの映画を観るあなたも、“あの事件の目撃者”となるはずです。
韓国映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、4月21日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー!
ぜひ、お見逃しなく!