映画『ミッドナイト・バス』は全国公開に先立ち、1月20日(土)より新潟先行ロードショーが行なわれ、引き続き1月27日(土)より全国順次公開されます。
最近俳優としても活躍を見せつつある原田泰造を主演に迎え、演出には竹下昌男監督がふたたび彼とタッグを組み、「ジャン=ピエール・レオのようになってもらおう」と言わしめた意欲作です。
その原田自身も吹き替えなしで大型バスの運転を行い、関越トンネルを挟んで、“父性と男性”を往ったり来たりする難しい役柄を挑む!
CONTENTS
1.映画『ミッドナイト・バス』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【原作】
伊吹有喜『ミッドナイト・バス』(文春文庫刊)
【監督】
竹下昌男
【キャスト】
原田泰造、山本未來、小西真奈美、遠藤雄弥、渡辺真起子、遠山俊也、佐藤恒治、マギー佐藤、舞川みやこ、長谷川玲奈、葵わかな、七瀬公、長塚京三
【作品概要】
原作・伊吹有喜による同名小説をネプチューンとして芸人として活躍してきた原田泰造の主演作品。演出を務める『ジャンプ』でも原田とタッグを組んだ竹下昌男。
主人公の高宮利一を原田泰造が演じ、元妻の加賀美雪役を山本未來、利一の現在の恋人古井志穂役に小西真奈美が共演を果たしています。
また息子怜治は七瀬公、娘彩菜は葵わかなが演じています。
2.原田泰造のプロフィール
原田泰造は1970年生まれの東京都出身。
2000年にテレビドラマ『編集王』で初主演、また映画では、2004年に本作『ミッドナイト・バス』の竹下昌男監督『ジャンプ』にて初主演を務めました。
以後、2008年にNHK大河ドラマ『篤姫』、2010年に『龍馬伝』、2015年に『花燃ゆ』に出演、また2013年のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』など、多くの作品で活躍しています。
映画出演作は、2011年に『アントキノイノチ』、2013年に『少年H』、『四十九日のレシピ』、2016年に『僕の妻と結婚してください。』、2017年は『アウトレイジ 最終章』(17)などで出番がありました、
ハ〜ラダ、タイ!ゾウ!です!芸人からバスの運転手へ⁈
かつてはネプチューンのお笑い芸人として一斉を風靡した原田泰造も、すっかり俳優として活躍も馴染むようになりました。
2017年のNHKBSプレミアムのテレビドラマ『全力失踪』で主演を果たしました。
本作『ミットナイト・バス』では、揺れる男心の高宮利一を演じていますが、今回の作品への思いを原田泰造は次のように述べています。
「初めてご一緒した『ジャンプ』以来、僕は竹下監督が作品を撮るなら次も「出なくちゃ」という気持ちでずっといました。僕が一方的に監督を信頼しているだけなんですけどね。ですから、お話をいただけたときは本当に嬉しかったです。出演に当たって最初に言われたことは「大型バスの免許を取ってほしい」ということでした。撮影では関越自動車道も走りましたけど、新潟市内を走ったときはそれ以上に興奮しましたね。「ああ、俺、今普通に走っているよ!」「誰も見てくれないの?」なんて思ったりして(笑)」
大型バスの運転免許を取得して挑んだ役つくり、力の入れようがわかります。
竹下昌男監督も利一というキャラクターの心境を知るためにも、バスの免許を取得することで何かに気がついて欲しかったのではないでしょうか。
代役を立てて吹き替えでも撮影可能なバスの運転しているシーンですが、あえて原田本人がバスを運転しているということで、俳優としての原田泰造の演技力のポテンシャルを高めたかったのかもしれませんね。
また、原田泰造はバスセンターの撮影シーンで、ただでさえ急カーブで難しいところを、監督から「もっと早くカーブして」と言われて、何回もリテイクしたそうですよ。
原田泰造の演技力も気になりますが、バス運転手の場面でのドライビングテクニックにも注目しましょう。
原田泰造の演技力の真価は?
原田泰造は、この作品に関心を寄せたあなたに、次のような意気込みのあるメッセージを贈っています。
「撮影中は利一として本当にあの家に住んでいるような感覚でしたし、映画が完成したあとは何度も見返しています。見ていると、共演者の皆さんやスタッフの方々、新潟のこと、そして柴犬の「おいで」のことを思い出しますね。改めて、映画っていろんな方々の力でできているものだなって思います。本当に素晴らしい映画です。演出もいい、画もいい、音楽もいい、何もかもいい。ゆったりした時間の中で、じっくりと人間ドラマが描かれていて、もう最高です。大自信作です!」
原田泰造の真面目さや優しさという人柄の魅力も伺える言葉ですね。
「映画が完成したあとは何度も見返しています」あまり、自分の出演した作品を見ることを好まない俳優も多いのですが、彼は違うようですね。
それは予測してみると、一般的な俳優は脚本の台詞を1度覚えても、次の映画やドラマの役柄では全く異なる役を演じるために、覚えた台詞や感情をリセットしなくてはならないことがあるからかもしれません。
ネプチューンという芸人として活躍した原田泰造の場合は、コントで覚えた台詞は芸として、何度も何度も訓練を重ね磨き掛けていくものです。
これは原田泰造は演技も俳優として、“芸人の芸のように味わいをます”ことを含んでいるような気がします。やはり、原田泰造の演技力に一番注目したいですね。
3.竹下昌男監督のプロフィール
竹下昌男は1960年生まれの大分県出身。
コマーシャル映像の制作会社のプロダクション・マネージャーを経て、1982年に東陽一監督『ジェラシー・ゲーム』で助監督を務めます。
1988年に藤田敏八監督『リボルバー』、1992年に大林宣彦監督『青春デンデケデケデケ』、続く1993年に『はるか、ノスタルジィ』の作品にも参加。
1993年以降になると、主に根岸吉太郎監督に師事。『乳房』(1993)『絆-きずな-』(1998)などのスタッフにつきます。
その後も助監督のキャリアを活かし、1997年に原田眞人監督『バウンス ko GALS』、2000年にエドワード・ヤン監督の『ヤンヤン 夏の想い出』など、多数の作品でスタッフを務めます。
2004年に長編映画『ジャンプ』で初監督デビューを果たし、新藤兼人賞銀賞、第8回みちのく国際ミステリー映画祭・新人監督奨励賞グランプリを受賞。
新潟を舞台にした映画を作りたかった竹下昌男監督
竹下昌男監督は2011年に大林宣彦監督の監督補佐として、『この空の花 -長岡花火物語』の制作に参加もしています。
そのことを通して、本作『ミッドナイト・バス』の新潟でのロケ撮影の思いを次のように語っています。
「「新潟って面白いな……」そう思ったのは、大林宣彦監督の映画『この空の花 -長岡花火物語』の撮影をしていたときでした。日差し、空の色、流れる雲……目の前に広がる一見何気ないロケーションが、ワンカットの中でいろいろな表情を魅せる。もし機会があったら、ここで映画を撮りたいと思いました。それも、どうせなら冬の新潟を」
大林監督の傍に付きながら、新潟の壮大な風景に心を打たれ、それを舞台として活かした作品は出来ないかと夢想を抱いていたのですね。
その機会がこの度実現し、しかもそのロケ地となった新潟では先行ロードショーとなった映画。注目しない訳にはいきません。
また、プロデューサーから伊吹有喜の原作を持ち込まれた際に、はじめは主人公には高倉健をイメージしながら、映画に出来るかどうか何度も読み返したそうです。
確かに雪景色が似合うといえば高倉健です!『八甲田山』『夜叉』『鉄道員』など、耐え忍ぶ男をあまりにもマッチした素晴らしい役者でしたね。
それを実際に映画化した『ミッドナイト・バス』では、主人公の利一役を原田泰造が演じています。
その辺りの比較してみるのも面白いかもしれませんね。
原田泰造には日本のジャン=ピエール・レオになってもらう⁈
竹下昌男監督は本作の高宮利一役を演じた原田泰造について次のように述べています。
「主演の原田泰造くんとは『ジャンプ』に続いて二度目の顔合せです。彼の出演したものはだいたい観てますが、実は好いと思ったことが一度もない。監督として「泰造ならもっとやれるはず」という確信はあったのですが、今回起用して、改めて俳優としての可能性を感じました。こんなものじゃない、もっといろいろやれるぞ、と。そして何より、僕自身がまだまだ満足出来ていない。泰造には、いっその事トリュフォー作品のジャン=ピエール・レオのようになってもらおうかと思ってるんです」
原田泰造の俳優としての可能性に「泰造ならもっとやれるはず」とエールを贈りつつ、評価をするコメントですね。
また、その裏にある竹下監督の映画に対する熱き思いを読み取ることができます。
『ジャンプ』に引き続き、2度目の主演として原田泰造の起用してタッグを組んだことで、彼の演技の伸び代を実感として感じ、「ジャン=ピエール・レオのようになってもらおうか」ということは、監督自身はフランソワ・トリフォー監督ということですね。
素敵な意気込みじゃないですか!竹下監督、素晴らしいですね!
役者としての演技の幅に成長を見せる原田泰造に、「こんなものじゃない、もっといろいろやれるぞ」や「そして何より、僕自身がまだまだ満足出来ていない」という言葉は、竹下監督が自身を原田泰造に投影して奮起しているのでしょう。
これこそが、すでにトリフォー監督のようなものですよね。2人のタッグは本作『ミッドナイト・バス』、そして今後も要注目です。
4.映画『ミッドナイト・バス』のあらすじ
高宮利一は東京での過酷な仕事を退職して、故郷の新潟で長距離深夜バスの運転士として働いています。
ある夜、利一がいつもの東京発・新潟行のバスを発車させようとしたその時、慌てて乗り込んで来たのが16年前に離婚した元妻の美雪。それは突然の思いがけない再会でした。
元妻であった美雪は、東京で新しい家庭を持ち、新潟で独り暮らしている病床の父親を見舞うところでした。
利一には元妻美雪のとの間に息子怜司と娘彩菜という子どもがいて、彼女の疲れ果てた様子が気になりました。
その後、利一が東京で定食屋を営む恋人の志穂との再婚を予定していた矢先、息子の怜司が東京での仕事を辞めて帰ってきます。
一方で娘の彩菜は友だちとルームシェアしながら、インターネットでコミックやグッズのウェブショップを立ち上げますが、実現しそうな夢と結婚の間で心が揺れていました。
そして利一は、元妻の美雪が夫の浮気と身体の不調に悩みを抱え、幸せとはいえない結婚生活であることを知ります。
利一と美雪の離婚で1度バラバラとなった家族が、今それぞれの問題を抱えて、故郷「新潟」に集まってきます…。
5.映画『ミッドナイト・バス』新潟県内で舞台挨拶決定!!
新潟県内では全国順次公開に先駆け、映画『ミッドナイト・バス』先行ロードショーを1月20日よりスタートされます。
初日20日と21日は竹下昌男監督や原田泰造をはじめとするキャスト舞台挨拶があるようです。お近くの方はぜひスタッフやキャストのもとに出向いてみてはいかがでしょうか。
1月20日(土)
【新潟市】
●T・ジョイ新潟万代
時間:9:00~の回上映後終了後
登壇予定者:原田泰造、山本未來、小西真奈美、七瀬公、竹下昌男監督
※マスコミ取材が入ります。ご了承ください。
●イオンシネマ新潟西
時間:12:20~の回上映終了後
登壇予定者:山本未來、小西真奈美、七瀬公
●ユナイテッド・シネマ新潟
時間:14:40~の回上映終了後
登壇予定者:山本未來、小西真奈美、七瀬公
●イオンシネマ新潟南
時間:16:55~の回上映終了後
登壇予定者:原田泰造、山本未來、小西真奈美、七瀬公、竹下昌男監督
【長岡市】
●T・ジョイ長岡
時間:12:30~の回上映終了後
登壇予定者:原田泰造、竹下昌男監督
【燕市】
●イオンシネマ県央
時間:14:40~の回上映終了後
登壇予定者:原田泰造、竹下昌男監督
1月21日(日)
【上越市】
●J-MAXシアター
時間:10:40~の回上映後終了後
登壇予定者:竹下昌男監督
*掲載しているものは1月10日時点の予定です。登壇者の変更があることも予想されますので、公式HPで必ずご確認ください。また、全国共通特別鑑賞券をお持ちのお客さまは劇場窓口にて入場券とお引き換えください。
*各劇場、定員に達し次第発売終了(先着順)となります。
6.映画『ミッドナイト・バス』の公開される映画館は
北海道地区
北海道 ディノスシネマズ札幌劇場(2018/1/27〜)
東北地区
岩手 盛岡ルミエール(2018/2/24〜)
宮城 フォーラム仙台(2018/2/24〜)
関東地区
東京 有楽町スバル座(2018/1/27〜)
東京 新宿武蔵野館(2018/1/27〜)
神奈川 TOHOシネマズららぽーと横浜(2018/1/27〜)
千葉 イオンシネマユーカリが丘(2018/1/27)
埼玉 イオンシネマ大宮(2018/1/27〜)
埼玉 ユナイテッド・シネマウニクス上里(2018/1/27〜)
茨城 イオンシネマ守谷(2018/1/27〜)
栃木 109シネマズ佐野(2018/1/27〜)
中部地区
石川 イオンシネマ金沢(2018/1/27〜)
長野 長野千石劇場(2018/1/27〜)
愛知 イオンシネマ名古屋茶屋(2018/1/27〜)
愛知 ユナイテッド・シネマ豊橋18(2018/1/27〜)
三重 イオンシネマ東員(2018/1/27〜)
関西地区
大阪 なんばパークスシネマ(2018/1/27〜)
京都 イオンシネマ京都桂川(2018/1/27〜)
兵庫 神戸国際松竹(2018/2/17〜)
奈良 ユナイテッド・シネマ橿原(2018/1/27〜)
近畿・山陰地区
和歌山 イオンシネマ和歌山(2018/1/27〜)
広島 イオンシネマ広島(2018/2/3〜)
四国地区
香川 イオンシネマ宇多津(2018/1/27〜)
愛媛 イオンシネマ今治新都市(2018/1/27〜)
徳島 イオンシネマ徳島(2018/1/27〜)
福岡 イオンシネマ福岡(2018/2/10〜)
福岡 イオンシネマ戸畑(2018/2/10〜)
佐賀 イオンシネマ佐賀大和(2018/2/3〜)
熊本 ユナイテッド・シネマ熊本(2018/2/24〜)
*掲載しているものは1月10日時点の予定です。このほか全国順次公開される場合も予想されます。詳細は公式HPをご覧ください。
まとめ
竹下昌男監督は本作『ミッドナイト・バス』について次のようにファンにメッセージを贈っています。
「監督デビューから十三年、『ミッドナイト・バス』のように長い夜を走り続けてきましたが、ようやく「撮れない」呪縛から解放されそうな気がします。紆余曲折を経て、今回は自らプロデュースを兼ねての企画となりました。新潟日報社をはじめ、製作を支えてくださった友人、関係者の方々にこの場を借りて感謝を申し上げます」
映画監督として13歳を迎えた竹下監督。今は映画監督の思春期真っ只中といっても良いでしょう。
俳優として成長し続ける原田泰造をジャン=ピエール・レオになぞり、遠回しではありますが、ご自身をフランソワ・トリフォー監督になぞられています。
竹下監督&原田泰造の2人のコンビ生み出した、2004年の『ジャンプ』、本作『ミッドナイト・バス』と続く、そして次回作は…?
まずは、竹下監督&原田泰造の第2作目、映画『ミッドナイト・バス』。
全国公開に先立ち、1月20日(土)より新潟先行ロードショーが行なわれ、引き続き1月27日(土)より全国順次公開です。
ぜひ、お見逃しなく!