Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2026/01/15
Update

映画『おててつないで』感想評価レビュー。俳優・菅原雪の監督デビュー作は父と娘の独自のペーソスを描き出す

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

2026年1月24日(土)より池袋シネマ・ロサにて1週間限定公開!

俳優・菅原雪が、監督・主演+24の役職をこなした意欲作『おててつないで』は、監督自身の経験をもとに親子のいびつな物語を紡ぎ出しました。

看護助手をしながら娘の唯(菅原雪)と暮らしている須永義久(金子清文)。唯は31歳になっても、未だ反抗期のような冷たい態度で義久に接しており、仲はあまり良くないが実家に暮らし甘えていました。

一緒に暮らしていてもお互いのことをあまり知らなかった2人ですが、義久はついに自分の秘密を話し、2人の生活は変わっていく……。

話したりない夜の果て Days gone by』(2025)など、俳優として活躍する菅原雪の初監督作品。

映画制作時の予算を可能な限り俳優へ充てたいという強い想いから、菅原雪自らがスタッフとなり、「監督・主演+24の役職」を担当しました。

映画『おててつないで』の作品情報


(C)おててつないで

【日本公開】
2026年(日本映画)

【監督・脚本・製作・撮影・録音・照明・編集・音響効果・整音・美術・小道具・フード・ボルダリング監修・車両・画コンテ・グレーディング・メイキング・予告編・プロデュース・企画・原作・キャスティング・制作・配給・宣伝協力】
菅原雪

【キャスト】
金子清文、菅原雪、黒澤多生、用松亮、つちやりさ、木村もえ

【作品概要】
話したりない夜の果て Days gone by』(2025)など俳優として活躍する菅原雪の初監督作。

菅原雪自らがスタッフとなり、監督・脚本・製作・撮影・録音・照明・編集・音響効果・整音・美術・小道具・フード・ボルダリング監修・車両・画コンテ・グレーディング・メイキング・予告編・プロデュース・企画・原作・キャスティング・制作・配給・宣伝協力、そして主役と世界中の自主映画の中でもほぼ類例がない合計26個の役職を担当しました。

主人公の父親役には「深夜食堂」シリーズにレギュラー出演し、『温泉シャーク』(2024)で主演を務めた金子清文。また劇団などを中心に活動している黒澤多生、用松亮、木村もえが出演。

映画『おててつないで』のあらすじ


(C)おててつないで

須永義久(金子清文)は、看護助手の仕事をしながら娘の唯(菅原雪)と暮らしています。

31歳の唯は、未だ反抗期のような冷たい態度で接し、仲はあまり良くないが、実家に甘えていました。

ある日、義久は職場で患者のお昼を食べるという失態により、解雇通告を受けます。そんな話を笑い話としてバイト先で話していた唯は、義久の状況が逼迫していることを全く知らずにいました。

ある一件を機に、義久は唯に秘密を打ち明けざるを得なくなります。そして明かされた秘密。

2人の生活は変わらざるを得なくなっていき、2人の関係に変化は……。

映画『おててつないで』感想と評価


(C)おててつないで

俳優としてさまざまなインディーズ作品や小劇場演劇に出演してきた菅原雪の初監督作。

監督・主演だけにとどまらず、自らがスタッフとなり、監督・脚本・製作・撮影・録音・照明・編集・音響効果・整音・美術・小道具・フード・ボルダリング監修・車両・画コンテ・グレーディング・メイキング・予告編・プロデュース・企画・原作・キャスティング・制作・配給・宣伝協力と26の役職を一人で担当しました。

その背景には、映画制作の予算はできるだけ俳優に充てたいという思いと、自身が今まで自主映画の撮影・編集・録音・整音などに携わった経験があると言います。

そんな菅原雪の初監督作は、大切なのに素直になれない、どこか歪な父と娘の姿を描いたドラマです。

自身の体験をもとにしたという本作は、31歳になっても反抗期のような態度で父に接してしまう娘・唯が、あることをきっかけに父の秘密を知り、2人の関係性をも変わっていく姿が描かれています。

当たり前の存在だからこそ、つい素直になれず喧嘩をしてしまったり、優しい態度を取れなかったり……そんな経験がある人も多いでしょう。

しかし、身近な存在がいつまでもそばにいるわけではありません。特に親は、年をとっていくものです。

突然起こった事態に対して、どう接すればいいのかわからない、なかなか素直になれない娘のリアルさが本作には表れています。

一方で、父側も娘に簡単に甘えられない、どこか意地を張ってしまう部分もあります。

気まずさと意地と優しくしたい気持ちと……さまざまなリアルな感情がふとした会話、行動に現れ、何気ないシーンの積み重ねがいつしか決定的な何かを観客に伝えていることに気づかされるでしょう

まとめ


(C)おててつないで

俳優・菅原雪が、監督・主演+24の役職をこなし、監督自身の経験をもとに親子のいびつな物語を描く映画『おててつないで』。

31歳の娘と高齢の父。子供の頃は当たり前につないでいたかもしれない手。その手を再び繋ぐことの意味がこの映画とタイトルに込められているのではないでしょうか。

監督自身の体験をもとに、自身が監督・主演として描き出すこと、それはもしかしたら現実とはまた違った父娘の物語であり、そうであってほしい物語なのかもしれません

『おててつないで』は、2026年1月24日(土)より池袋シネマ・ロサにて1週間限定公開です。


関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画トモシビ(銚子電鉄映画)あらすじとキャスト!上映劇場情報も

関東の最東端にあるローカル線をご存知でしょうか。風光明媚な沿線から車両撮影や、ぬれ煎餅が赤字を救うことで、話題を集めたことで知られる「銚子電鉄」。 原作「トモシビ~銚子電鉄の小さな奇蹟~」をもとに、銚 …

ヒューマンドラマ映画

映画『デトロイト』あらすじとキャスト。キャスリン・ビグロー紹介も

映画『デトロイト』は、2018年1月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開! 本作の演出を務めたのは、第82回アカデミー監督賞を受賞した『ハート・ロッカー』や、ボストン、シカゴ、ニュー …

ヒューマンドラマ映画

映画『すばらしき世界』ネタバレ感想評価レビュー。元ネタ実話と原作小説から役所広司&西川美和は真骨頂をみせる

映画『すばらしき世界』は2021年2月11日(木)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開! 『ゆれる』(2006)や『ディア・ドクター』(2009)、『夢売るふたり』や(2012)『永い言い訳』( …

ヒューマンドラマ映画

映画『判決、ふたつの希望』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

ささいな原因で二人の男がもめたことが、国を揺るがす法廷闘争に! 8月31日より、TOHOシネマズシャンテ他で封切られ、その後全国順次公開予定のレバノン映画『判決、ふたつの希望』をご紹介いたします。 映 …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】線は、僕を描く|あらすじ結末感想と評価解説。水墨画の描き方に心情を乗せることで映画ならではのカタルシスを魅せる

すべてを失った青年が出会う水墨画の世界 古来に中国から日本に伝わり、室町時代に独自の進化を遂げた「日本水墨画」。 しかし、水墨画は日本の文化の歴史を紐解く重要な要素である一方で格式高いイメージもあり、 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学