Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2018/12/14
Update

実写映画『春待つ僕ら』あらすじネタバレと感想。土屋太鳳と北村匠海ら等身大の役柄を熱演

  • Writer :
  • もりのちこ

漫画家あなしん原作の人気コミック『春待つ僕ら』が、土屋太鳳を主演に実写映画化されました。

“大事なものがあれば強くなれる”。

引っ込み思案で友達も作れない美月は、幼い日の大事な人からの言葉を胸に、自分を変えようと頑張る女の子。

バスケットと仲間を愛する少年たちとの出会いによって、平凡だった日常がガラッと変わります。

美月は大事なものを見つけることができるのか?満開の花を咲かせる季節「春」は、やって来るのでしょうか?

映画『春待つ僕ら』の作品情報

【公開】
2018年(日本)

【原作】
あなしん

【監督】
平川雄一朗

【キャスト】
土屋太鳳、北村匠海(DISH//)、小関裕太、磯村勇斗、杉野遥亮、稲葉友、泉里香、佐生雪、緒川たまき

【作品概要】
漫画家あなしん原作の人気コミック「春待つ僕ら」を、『ROOKIES-卒業』『ツナグ』『僕だけがいない街』など、感動作を多く手掛ける平川雄一朗監督が実写映画化。

主演には、今をときめく若手女優の土屋太鳳。そして、バスケ部イケメン四天王には『君の膵臓を食べたい』で人気急上昇の北村匠海、『今日から俺は!!』『SUITS』とドラマでも活躍の磯村優斗、モデルから俳優へ次々と話題作に出演する、杉野遥亮と稲葉友という豪華メンバーが勢揃い。

そしてライバル役で『覆面系ノイズ』『曇天に笑う』の小関裕太が登場。イケメン同士のバスケ対決にも注目です。

映画『春待つ僕ら』のあらすじとネタバレ


(C)あなしん/講談社 (C)2018 映画「春待つ僕ら」製作委員会
「大事なものがひとつあれば強くなれる」

美月(土屋太鳳)には、幼い頃の大事な思い出がありました。

引っ込み思案で友達も作れない美月は、小さい頃泣いてばかりいました。そんな美月をなぐさめてくれたのは、バスケ少女のあやちゃんでした。

美月は高校生になりました。あやちゃんの言葉を胸に「脱ぼっち」を決意し、自分から友達を作ろうと頑張ります。

しかし、現実は内気で消極的な性格のまま。うまく話しかけることも出来ません。

そんな美月のバイト先に、学校で有名な人物がやってきます。

彼は美月の通う清陵高校バスケ部の瑠衣でした。「あなたに告白したい奴がいるから」と美月を呼び出す瑠衣。

美月がそこへ向かうと、清陵高校バスケ部イケメン四天王が揃っていました。

清陵バスケ部イケメン四天王とは、永久(北村匠海)、恭介(磯村優斗)、竜二(杉村遥亮)、瑠衣(稲葉友)の4人を称し、絶大なる人気を誇る学園のアイドルたちです。

「この娘じゃない!何でこんな地味な子なんだよ」と暴言吐きまくる竜二。聞けば、人違い。

竜二が告白したかったのは、美月がバイトしているカフェで一緒に働く、ナナセの方でした。

それがきっかけで、美月のバイト先に四天王が入り浸ることに。

美月は、カフェの前にあるバスケットコートで遊ぶ子供達の中に、気になる女の子がいました。

その女の子は、輪に加わることなくいつも一人です。美月はその子に、幼い頃の自分を重ね合わせていました。

声をかけるも打ち解けてくれない女の子。

ある日、美月がバイトに来ると、四天王が子供達とバスケットをしています。そこにはあの引っ込み思案な女の子の姿もありました。

感動して泣く美月に、永久は「一緒にやろう」と、輪に誘います。

一見チャラいけど、真面目で純粋にバスケと仲間を愛する4人。その素顔を知り、美月にとって心を許せる存在になっていきます。

さて、美月は友達作りに挑戦中です。勇気を持って、レイナをパンケーキのお店に誘います。念願の放課後デビューを果たした美月は、レイナと仲良くなれることが嬉しくてたまりません。

しかし、レイナの携帯の待ち受けが四天王だったことから、レイナが大の四天王ファンだったことを知ります。

レイナに、四天王の存在を打ち明けることが出来ない美月。

学校でも永久のことを無視する美月に、理由を聞いた永久たちは「本当の友達なら言うべきだ」とアドバイスします。

勇気を出して打ち明ける美月に、レイナは「四天王と仲良しなことを責めてるんじゃない。美月が言ってくれなかったことがショックだった」と返します。2人の友情は深まりました。

美月とレイナは、永久たちのバスケットの試合を観戦することにします。

一眼レフで四天王を連写するレイナ。ガチファンのレイナに押され気味な美月でしたが、試合で真剣にプレイする永久たちの姿に感動します。

その頃、同じ会場で美月を見守る男の姿がありました。手には、美月の落としたヘアゴムが握られています。

そのヘアゴムは、幼い頃大好きだった、あやちゃんとお揃いのものでした。

ヘアゴムを落としたことに気付いた美月は、草陰を探します。試合の終わった永久も一緒に探してくれました。

そこに、ヘアゴムを持って現れた男。「まだ、持っていてくれたんだね。僕が幼なじみの亜哉だよ」。

女の子だと思っていたあやちゃんが、実は男だった?!

神山亜哉(小関裕太)は、アメリカ帰りの天才バスケ選手として注目される存在でした。

亜哉は美月に幼い頃ついていた嘘を誤ります。「美月の憧れの存在を壊したくなくて、男だと打ち明けられなかった。これからも美月を守る存在でありたい」と、積極的に思いを伝える亜哉。

亜哉の登場で、美月と永久はお互いの想いに気付き始めます。しかし、その想いを認めず蓋をする2人。

そんな中、全国高校作文コンクールに作品を出さないかと言われる美月。

悩む美月に永久は、「美月にもきっと大事なものが見つかるよ」と背中を押してくれます。

積極的ではないけれど、いつもやさしく見守ってくれる永久の存在に、美月は力をもらっていました。

町では花火大会が開催されます。美月を誘う、亜哉。

「美月の存在が自分を強くする」まっすぐ思いを告げる亜哉に、自分の気持ちがはっきりわからない美月。

あわてて転んでしまいます。亜哉の実家は病院でした。

亜哉の母親に傷の手当てを受ける美月。そこで亜哉がアメリカで、どれだけ美月との思い出を大事にしてくれていたかを知ります。

美月は、自分のことばかりで、亜哉のことも周りのことも考えていなかった自分を恥じます。

真剣に向き合うことで同じ目線になりたい。美月は、作文コンクールに思いをぶつけます。

以下、『春待つ僕ら』ネタバレ・結末の記載がございます。『春待つ僕ら』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C)あなしん/講談社 (C)2018 映画「春待つ僕ら」製作委員会

全国大会に向けてバスケ部も気合が入っています。

大会の前に永久は、亜哉を「1on1」に誘います。以前は亜哉の挑戦を断った永久でしたが、今回は美月をかけ真剣に勝負を挑みます。

自分の大事なものに打ち込む美月の姿に永久は、自分の気持ちに気付かない振りを止めます。美月が好き。

真剣勝負の結果は惨敗でした。実力の差を見せつけられた永久でしたが、大切な人のために強くなりたいという気持ちを知りました。

美月への想いがあふれる永久は、美月に「今は亜哉に適わないけど、待ってて。強くなるから」と告げます。

いよいよ全国大会の日です。美月は作文コンクールの授賞式の会場にいます。

お互いの姿は見られないけど、大切な存在があるから強くなれる。もう一歩成長するために、大事なものを掴むために2人は頑張ります。

緊張で転んでしまう美月。読み始めた作文のタイトルは「春待つ季節」

途中で原稿がないことに気付いた美月は、幼い頃のトラウマに襲われます。

しかし、彼女はもう以前の彼女ではありません。大事なものを知っています。今まで支えてくれた存在が彼女を強くしています。

「悩んでいるのは自分だけじゃない。この世界に強い人はいない。みんな背伸びをして生きている。その背伸びがいつか本当になることを信じて」堂々と読み上げる美月。

その頃試合会場では、接戦が繰り広げられていました。今この瞬間を本気で生きる皆の姿は輝いています。

試合に駆け付ける美月。コートに向かって叫びます、「皆、頑張って!」。

試合に負けたその年の大晦日。

永久と美月、瑠衣、竜二、恭介、ナナセ、レイナは、カウントダウンの花火を見に来ていました。

間もなく年が明けます。永久と美月の姿がありません。

永久は美月に「君の存在が僕の力になる。これからも側にいてほしい」と告白します。うなずく美月。

誓いのキスをするふたりの頭上には、カウントダウンの花火が打ちあがっていました。

映画『春待つ僕ら』の感想と評価


(C)あなしん/講談社 (C)2018 映画「春待つ僕ら」製作委員会

今をときめく俳優たちの、瑞々しい演技が炸裂の『春待つ僕ら』。

胸キュンが止まらない。

春に満開の花を咲かせるために、自分を磨き成長していく主人公たち。その役どころに、ぴったりとハマるキャスト。

今まさに花を咲かせる俳優たちの等身大の姿が、美しいです。

土屋太鳳は、内気で引っ込み思案な自分を変えようと頑張る主人公を、見事に演じています。純粋無垢な笑顔に癒されます。

また、バスケ部イケメン四天王。その名に相応しいカッコイイ姿を見せてくれます。

特に、北村匠海の輝きがスゴイです。バスケ少年が、恋に気付き本気モードになった時の顔つきがイケメン過ぎます。

大事なものの存在が自分を強くし、成長させる。

人生に悩み、迷った時に、支えてくれる存在がいるということは、どんなに心強いことでしょう。

そして、自分も誰かの支えになれるような存在でありたい。

改めて自分の存在価値を見直し、相手を認めて受入れようと感じるさせてくれる映画です。

まとめ


(C)あなしん/講談社 (C)2018 映画「春待つ僕ら」製作委員会
累計発行部数300万部を突破した、あなしん原作の同名人気コミックを、『ツナグ』『僕だけがいない街』など、多くの感動作を生み出している平川雄一朗監督が実写映画化した『春待つ僕ら

バスケ部イケメン四天王を演じる4人は、実際にバスケ経験者ということもあり、試合の姿もカッコイイです。

制服とユニフォーム、流れる汗と涙。さらに「電車ドアドン」や「頭ポンポン」、彼女をかけての勝負など、青春に欠かせない胸キュンポイントが満載です。

また、土屋太鳳と北村匠海はユニット「TAOTAK」の歌う、映画の主題歌「Anniversary」にも注目です。曲は「ウカスカジー」のカバーで、亀田誠治がプロデュ―スを手掛けています。

旬な俳優たちの等身大の演技が輝く映画『春待つ僕ら』。

年齢関係なく胸キュンして下さい。

関連記事

ヒューマンドラマ映画

ミッドナイトスワン|ツイッターで評判のラスト「夢」考察を解説!小説版描写と“白鳥の湖”知られざる二つの結末を再考

映画『ミッドナイトスワン』は2020年9月25日(金)より全国にて絶賛公開中! 俳優・草彅剛を主演に迎え、『下衆の愛』(2016)の内田英治監督が自身の手がけたオリジナル脚本をもとに制作した映画『ミッ …

ヒューマンドラマ映画

映画『ラビング 愛という名前のふたり』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

ただ一緒にいて普通の生活がしたいだけなのに…。ある夫婦の切なる願いは、アメリカの法律を変えることができるのか?! 実話から生まれた感動の物語です。 CONTENTS映画『ラビング 愛という名のふたり』 …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】ソウルメイト|あらすじ感想と結末の評価解説。韓国映画 キム・ダミとチョン・ソニ演じる無二の“親友の秘密”

デレク・ツァン監督の『ソウルメイト 七月と安生』(2021)を韓国・済州島を舞台にリメイク 個性的で自由なミソと、絵を描くことが好きで堅実なハウン。正反対の2人は、幼い頃から唯一無二で常に一緒にいまし …

ヒューマンドラマ映画

映画『脱脱脱脱17』あらすじとキャスト!松本花奈監督の評価は?

『鈴木先生』の入江沙季役や『恋につきもの「いばらのばら」のいばら役などで知られる女優・松本花奈。 彼女が監督を務め才能を発揮した『脱脱脱脱17』は、MOOSIC LAB 2016で準グランプリなど4部 …

ヒューマンドラマ映画

映画『妻の愛、娘の時』ネタバレあらすじと感想評価。シルビアチャンが描く三世代の“女性の愛のカタチ”

夫婦・親子・家族の「愛」について綴る映画『妻の愛、娘の時』 映画『妻の愛、娘の時』は、代表作『恋人たちの食卓』など、香港・台湾映画で数多くの作品に出演する女優シルビア・チャンが監督、脚本、出演をし、ア …

U-NEXT
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学