映画『嘘はフィクサーのはじまり』は、10月27日(土)よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開!
自称フィクサーの男、ノーマンがありとあらゆる手をつかって上流社会に食い込もうとするブラックコメディ。
『プリティ・ウーマン』『HACHI 約束の犬』などで知られる名優リチャード・ギアの好演が光る作品です。
CONTENTS
映画『嘘はフィクサーのはじまり』の作品情報
【公開】
2018年(イスラエル・アメリカ合作映画)
【原題】
Norman
【監督・脚本】
ヨセフ・シダー
【音楽】
三宅純
【キャスト】
リチャード・ギア、リオル・アシュケナージ、マイケル・シーン、スティーヴ・ブシェミ、シャルロット・ゲンズブール、ダン・スティーヴンス、ハンク・アザリア、ハリス・ユーリン、ジョシュ・チャールズ、イェフダ・アルマゴール、ネタ・リスキン
【作品概要】
リチャード・ギア演じる、自らを“フィクサー”と称する男、ノーマンがありとあらゆる手をつかって上流社会に食い込もうとするブラックコメディ。
『プリティ・ウーマン』など数多くのヒット作に出演のリチャードギアが主演を務め、共演は『運命は踊る』などのイスラエルの名優リオル・アシュケナージ、『レザボア・ドッグス』のスティーヴ・ブシェミ、『なまいきシャルロット』のシャルロット・ゲンズブールなどベテランが脇を固めます。
リチャード・ギア(ノーマン・オッペンハイマー役)のプロフィール
参考映像:『プリティ・ウーマン』(1990)
1949年アメリカ・ペンシルヴァニア州のフィラデルフィアで生まれ、ニューヨーク州シラキューズで育ちました。
マサチューセッツ大学中退後、俳優を目指し、ブロードウェイの舞台を経て映画の世界に入ります。
1977年の『ミスター・グッドバーを探して』で注目を集めると、翌年、テレンス・マリック監督『天国の日々』に主演。世界的な知名度を上げます。
二枚目俳優として『愛と青春の旅だち』(1982)、『コットンクラブ』(1984)などで人気を集め、1990年の大ヒット作『プリティ・ウーマン』でジュリア・ロバーツと共演。
コールガールと出会う実業家を演じ、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされます。
以降、『ジャック・サマースビー』(1993)、『心のままに』(1993)、『Dr.Tと女たち』(2000)、『運命の女』(2002)、『シカゴ』(2002)などに出演、女優を引き立てる名優として活躍します。
また、黒澤明監督作『八月の狂詩曲』(1991)や『Shall we Dance?』(2004)、『HACHI 約束の犬』(2008)といった日本ゆかりの映画や、日本のCMにも度々出演し、非常に人気・知名度が高い俳優です。
熱心なチベット仏教信者で人道主義者でもある彼は、俳優活動の傍ら、人道的な活動も行っており、数々の賞を受賞しています。
ヨセフ・シダー(監督・脚本)のプロフィール
参考映像:『フットノート』(2011)
1968 年、ニューヨークに生まれ、6歳でイスラエルに移住し、ヘブライ大学とニューヨーク大学の2つの大学で学生生活を送ります。
大学では哲学と演劇史を学び、在学中にデビュー作『TIME OF FAVOR』(2000)の脚本を書き始めます。イスラエルに帰国後、本格的に制作したこのスリラー作品は、イスラエル国内で大ヒット。
イスラエル・アカデミー賞で作品賞と脚本賞を含む6つの賞を受賞しました。
2作目の『CAMPFIRE』(2004)ではベルリン国際映画祭でドン・キホーテ賞、そしてデビュー作に続き、イスラエルの映画賞オフィール賞を受賞します。
3作目の『ボーフォート-レバノンからの撤退-』(2007)は監督自身のイスラエル従軍中の兵役体験を元に作られた作品で、ベルリン国際映画祭の銀熊(監督)賞を受賞しました。
4作目『フットノート』(2011)は カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞し、日本でも「三大映画祭週間2014」において上映されました。
3、4作目ともにアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、ヨセフ・シダー監督はイスラエルを代表する監督として、世界的に知られるようになりました。
本作『嘘はフィクサーのはじまり』は、ヨセフ・シダー監督初の英語作品です。
三宅純(音楽)のプロフィール
参考映像:『Pina /ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2011)
1958年、京都府に生まれ、鎌倉で育ちます。
高校時代よりライブ活動を行い、日野皓正に見出され、彼の推薦によりバークリー音楽大学に入学。
ジャズトランぺッターとして活動を開始します。
帰国後は作曲家としても頭角を現し、CM、映画、アニメ、ドキュメンタリー、コンテンポラリーダンスなど様々なジャンルの作品にかかわります。
3000作を超えるCM作品の中には、カンヌ国際広告映画祭などでの受賞作も多数あります。
ピナ・バウシュ、ロバート・ウィルソン、オリバー・ストーン、ジャン=ポール・グードらの作品に参加し、いろいろなジャンルの音楽をMIXした個性的なサウンドは、国際的に高い評価を受けています。
映画では、舞踏家・振付師のピナ・バウシュの姿を描いた、ヴィム・ヴェンダース監督のドキュメンタリー『Pina /ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2011)や、 大友克洋監督のアニメ作品『MEMORIES』(1995)などの音楽を手掛けがけたことで知られています。
ジャンルを超越した活動を通じて、ハル・ウィルナー、アート・リンゼイ、デヴィッド・バーン、グレース・ジョーンズ等の海外音楽家とのコラボレーションも多く、2005年秋以降はパリにも拠点を設け、現在も精力的に活動しています。
アルバム『Stolen from strangers 』(2007)『Lost Memory Theatre act-1 』(2013)、『Lost Memory Theatre act-2 』(2014)は、フランスとドイツの音楽誌で音楽批評家大賞と年間ベストアルバム賞などを受賞し、海外でも不動の地位を築いています。
映画『嘘はフィクサーのはじまり』のあらすじ
自らをフィクサーと称する男、ノーマンの野望は、世界金融の中心地ニューヨークの一端を牛耳るユダヤ人の上流社会に食い込むことです。
コツコツと人脈を広げてきた彼は、ある日イスラエルの政治家エシェルに、偶然を装い高価な靴をプレゼントすることに成功し、プライベートの電話番号を手に入れますが、すぐに彼と人脈を持つことは叶いませんでした。
3年後、エシェルはイスラエルの首相に大出世します。
ワシントンDCの支援者パーティに参加したノーマンは、彼と奇跡的な再会を果たしました。
以降、ノーマンは「首相のお墨付き」という武器を利用して、あちらこちらで暗躍します。
しかしその暗躍は、国際紛争を招きかねない大騒動に発展していきます…。
映画『嘘はフィクサーのはじまり』の感想と評価
この作品の見どころは、主人公ノーマンのキャラクターの愛おしさにつきます。
ノーマンの欲は、当初とにかく認めてもらいたい、偉い人とのつながりが欲しい、お金持ちになりたいというものでした。
多くの人間が持っている欲望をここまでかと言わんばかりに膨らませたノーマンは、嘘やはったりを積み重ねて「首相のお墨付き」というありえないステージのチャンスを得ます。
小さなツテや、そこまでやる!?と笑ってしまうような偶然を頼って欲望を満たしていく彼の姿を見ていると「 あれ、なんか自分も頑張ればもしかしてすごいところまでいけるのでは?」という気持ちにさせてくれるでしょう。
普段そのような欲をなるべく出さないように、おとなしくつつましやかに暮らしている人々にとっては、なんだか応援したくなってしまいますよね。
しかし、欲望のままに生きる彼の前に、彼の行動を怪しむイスラエル法務省の検察官が現れたり、出世したはいいものの、自らの嘘が自分の首をしめるような出来事も起こります。
彼の欲望の道はいったいどこまで続くのか、そしてその道の先で待つ運命とは…。
お茶目で破天荒な人物像を、およそ1年にわたる役作りで完璧に仕上げてきたリチャード・ギアの怪演にも注目です!
まとめ
ひとりの男の膨れ上がった欲望が、国際紛争を巻き起こすまでの大騒動に発展し、その生き様は時に滑稽にも見えてしまう主人公ノーマン。
果たして本作の結末は、ノーマンが大成功を収めるのか、それとも大失敗に終わるのか、それとも他の人生が待っているのか?
“人生はどう転ぶか誰にもわからない”
劇中の彼のそんなセリフが、映画を観終わった後の私たちの頭の中をぐわんぐわん回りながら、いろいろなことを考えさせてくれます。
欲に正直な彼のような生き方は、誰にでもできることではありません。しかし、真に彼が求めたのは偉くなることやお金なのか。
嘘で上り詰めたノーマンが決断することとは、本作に笑いながら、シニカルな運命の先が見えた時、この作品が秀作であることに気がつくはずですよ。
先の展開の読めない巧みな脚本、そしてカメラ・ワークの見事さ。何よりもリチャード・ギアを筆頭にキャスト陣の素晴らしい演技を堪能できますよ。
劇場でぜひ本作をお楽しみください。
映画『嘘はフィクサーのはじまり』は、10 月27日(土)よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開です。
本作を上映する劇場情報
【北海道地区】
北海道 シアターキノ 11/3~
【東北地区】
宮城 フォーラム仙台 10/27~
【関東地区】
東京 シネスイッチ銀座 10/27~
東京 YEBISU GARDEN CINEMA 10/27~
神奈川 川崎チネチッタ 10/27~
千葉 千葉劇場 11/3~
群馬 シネマテークたかさき 11/10~
【中部地区】
静岡 静岡シネ・ギャラリー 11/24~
静岡 シネマe_ra 順次上映
静岡 シネプラザ サントムーン 12/8~
愛知 伏見ミリオン座 11/10~
【関西地区】
三重 進富座 12/8~
大阪 シネ・リーブル梅田 10/27~
京都 京都シネマ 10/27~
兵庫 シネ・リーブル神戸 11/10~
*上記の情報は2018年10月9日現在のものです。作品の特性からセカンド上映や全国順次公開されることが予想されます。お近くの劇場をお探しの際は必ず公式ホームページを閲覧してください。