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Entry 2021/11/02
Update

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』ネタバレ結末考察とあらすじの感想評価。実話の天才詐欺師を人気俳優ディカプリオ×トムハンクス共演で描く

  • Writer :
  • 大塚まき

1960年代のアメリカを舞台に実在した小切手偽造犯の大胆不敵な詐欺の手口を描き出す。

1980年に出版されたフランク・W・アバグネイル・Jr著の自伝小説『世界をだました男』を基にスティーヴン・スピルバーグが監督を務めました。

16歳から21歳までの間にパイロット、医師、検事補佐になりすました天才詐欺師のフランク役をレオナルド・ディカプリオ、彼を追うFBI捜査官カール役をトム・ハンクスが演じ、主人公の父親役をリストファー・ウォーケンが共演。

犯罪者でありながら、人間的魅力あるフランク・W・アバグネイル・Jrを疾走感あふれる追跡劇とともに描き出したストーリー展開の面白さ、物語の舞台となる60年代のアメリカ映画の雰囲気や劇中に散りばめられたヒット曲などの見どころを含め、ネタバレありでご紹介いたします。

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映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の作品情報


TM &(C)2013 DREAMWORKS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【公開】
2003年(アメリカ映画)

【原題】
Catch Me If You Can

【監督】
スティーブン・スピルバーグ

【脚本】
ジェフ・ナサンソン

【キャスト】
レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、マーティン・シーン、ナタリー・バイ、エイミー・アダム、ジェニファー・ガーナー、エリザベス・バンクス

【作品概要】
1980年に出版されたフランク・W・アバグネイル・Jr著の自伝小説『世界をだました男』を基に、『ジョーズ』(1975)『https://cinemarche.net/vod/michitonosougu-vod/』(1977)『E.T.』(1982)「ジュラシック・パーク」シリーズ、『シンドラーのリスト』(1993)『ターミナル』(2004)『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015)『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)『レディ・プレイヤー1』(2018)など数多くの名作映画を生み出すスティーヴン・スピルバーグが監督を務めています。

天才詐欺師のフランク役をレオナルド・ディカプリオ、彼を追うFBI捜査官カール役をトム・ハンクスが演じ。主人公の父親役をリストファー・ウォーケンが共演。

レオナルド・ディカプリオは、第60回 ゴールデングローブ賞にて最優秀主演男優賞を受賞。クリストファー・ウォーケンは、第75回 アカデミー賞にて助演男優賞を受賞。音楽を担当したジョン・ウィリアムズは、同じく第75回 アカデミー賞にて作曲賞を受賞しました。

映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』あらすじとネタバレ


TM &(C)2013 DREAMWORKS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

これは真実に基づいた物語です。

“真実の告白”と題したテレビショーがはじまり、驚異的な頭脳の詐欺師として三人の男が紹介されます。皆口をそろえてフランク・W・アバグネイルと名乗る三人の男が登場。

1964年から1967年にかけて、私はパンナム航空のパイロットになりすまし、320万キロの空をただ乗り、それだけでなく大学病院の小児科主任医師を務め、更にルイジアナ州では検事補佐、逮捕時には犯罪史上最も若い大胆不敵な詐欺師と言われ、26カ国と米国全50州で小切手偽装で得た総額は400万ドル。それも19才の誕生日前にです。と語られ、登場した三人のうちの一人がこの詐欺師であると言うのです。

二番目の男が「最後にあなたを捕まえたのは誰でした」という問いにカール・ハンラティと答えました。

マルセイユ、1969年のクリスマス・イヴ。アメリカからきたFBIのカール・ハンラティが留置場にいるフランクにヨーロッパ人権法による犯罪人引き渡し条項を読み上げます。

フランクは体調の悪い振りをして、脱走を試みますが、逃げ切れることなく母国へ帰ることになりました。

ニューヨーク州ニュー・ロシェル、1963年。話は6年前に遡ります。ニュー・ロシェルのロータリー・クラブの名誉に浴した一握りのメンバーとして、フランク・W・ネバグネイルが称えられます。

それは、フランクの父親でした。市長から評された父は、「クリームの入ったバケツに2匹のネズミが落ちました、1匹はすぐにあきらめ溺れ死にました。しかし2匹目は、もがき続けているうちにクリームはバターになり、外に這い出しました。今この瞬間私はそのネズミになった気分です」とスピーチします。

家に戻った家族は、クリスマスツリーが飾った部屋でレコードの曲に合わせて、母と息子がダンスを踊っています。

父は何度も息子に話している母との出会いを話し出し、ワインを片手に持った母は、有頂天に踊りワインをこぼしますが、父はかまわずに踊ろうと誘い、若かりし頃のように踊る両親をフランクは微笑ましく見つめます。

父は大手の銀行から融資を受けるために銀行に向かいます。フランクをお抱え運転手役に仕立てるため、開店前の洋服店の扉を叩きました。

父は祖父の葬式で息子の為の黒いスーツを数時間貸してほしいとほらを吹いて頼みます。店の女性は、貸衣装屋じゃないと断りますが、父がネックレスと引き換えに言葉巧みに嘘をつき、スーツを貸してもらいます。

フランクが運転する車で銀行に向かった父は、また言葉巧みに窮地を乗り越えようとしますが、銀行側から国税局とトラブルを抱える方との融資はリスクになるときっぱり断られます。家族は愛車も家も売り払い、小さなアパートに越すことに。

フランクが16歳の誕生日にフランクの名義で小切手口座を開いてやったぞと父から小切手帳を渡されます。

引っ越し先の学校では、代理教師だというふりをしてフランス語のクラスを1週間教えていたことが判明し、両親が学校へ呼び出されます。

学校から帰ると父の友人だというロータリーのバーンズが母の部屋から出てきました。後にフランクが知らぬ間に両親が離婚するという話が進んでいて、仲介人から離婚後の養育権の項目にサインを求められます。

それもどっちの名字でもいいからとサインを強制されたフランクは、その場から逃げるように駅で小切手を切って切符を買い、列車に乗りました。

パリ、1969年。カールと安ホテルの部屋で母国へ戻るため飛行機が来るまでの時間を待っているフランクは、家出をしてから泊まった安ホテルのことを思い出していました。

ホテルで切った小切手が不渡りとなり追い出さたフランクは、小切手を偽造してあの手この手で換金しようと試みますが、失敗に終わります。

そんな時、街中でタクシーから降りてきたパイロットの紳士な姿に目を奪われます。これこそが求めていたものだと確信したフランクは、パイロットになりすます為に学校新聞の記者を装い、パンナム航空会社でパイロットについて聞き込みます。

次にフランクは、サンフランシスコ勤務の副操縦士と嘘をつき、うまくパイロットの制服を手に入れることに成功しました。

パイロット姿で街中を歩くフランクは、自信に満ち溢れ、父への手紙に“パパが失ったものを取り返してみせます”と綴ります。

高級ホテルでパイロットの給料小切手を300ドルまで切れると知ったフランクは、ホテルに滞在しながら、次々と給料小切手を偽造し、換金していきます。

空港でも換金可能だと知ったフランクが、空港のカウンターに行きますが、マイアミからデッドヘッド?と聞かれ、意味がわからずもチケットを受け取りました。

操縦席の補助席ではじめてフライトを体験したフランクは、それからデッドヘッドを利用してあちこちを飛び回ります。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』ネタバレ・結末の記載がございます。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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銀行の窓口にいた女性を騙したフランクは、小切手が記されている番号について聞き出します。銀行の“識別番号”だと知ると、オークションで小切手に番号を入れる磁気マシーンを手に入れます。

ワシントンDCのFBI本部。カールが小切手偽造犯のことを説明します。手口は偽造小切手の遠隔地決済で、各地に小切手口座を開いて磁気マシーンで打った決済銀行ナンバーを変更。

遠方の地域で決済することで2週間も小切手の不渡りは発見されず、犯人は偽小切手を切り続けていると。

高級レストランに父を招待したフランクは、65年型のキャデラック“デヴィル”のコンバーチブルの鍵が入った箱をプレゼントし、食事が終わったらそれに乗ってママをドライブに誘おうと言います。

しかし、父は鍵を受け取らず、お金のことも心配無用と言い切りました。

カリフォルニア、ハリウッド。カールは同僚のジョークにも笑うことなく仏頂面で運転をしていると、いつもまじめ一徹なのかと聞かれます。それに対してノックノックジョークを聞かせて同僚たちを黙らせます。

あるホテルで小切手を確かめに行くと、そこはフランクが滞在しているホテルでした。カールは201号室に銃を片手に突撃します。

トイレに入っていたフランクは、とっさに機転を効かせて、秘密検察局のバリー・アレンと名乗りその場を逃げ切りました。

フランクは再度、学生新聞の取材を装って、退職後のパイロットの年金について聞き出そうとします。

しかし、“空の泥棒”と題して新聞の記事になっているパイロットを騙ってる詐欺師のことの話になり、新聞は面白がって“空のジェームズ・ボンド”と書いていると。

記事に感化され『007』を映画館で観たフランクは、ジェームズ・ボンドと同じグレーのスーツに身を包み、車もまた同じスポーツカーでホテルに戻り、1000ドルと引き換えに美女との一晩を過ごします。

一方、コインランドリーに居るコールは、自分の洗濯物ではない赤い洋服が間違って入って洗濯され、白いシャツがすべてピンクになっていました。

クリスマス・イブにカールの元に電話をかけたフランクは、滞在先のホテルを正直に話しますが、カールはでたらめだと取り合わず、電話をかけてきたのは話し相手がいないからだと図星を突かれます。

バリー・アレンという名前で切っている小切手記録を調べていたカールは、若いウエイトレスからバリー・アレンという名前が“フラッシュ”というマンガを描いている人だと知ります。

犯人は想定外に若かったこと、ヤンキースの話をしたことで新たな手掛かりを掴んだカールは、NY市警から未成年者の家出人リストを取り寄せ、フランクの母に辿り着きます。

そこで卒業アルバムを見たカールは、犯人がフランク・アバグネイル、17才と明らかに。

息子が小切手偽造犯だと知った母は、弁償しようとしますが、その額は130万ドルに及んでいました。

アトランタの自宅でパーティを開いているフランク。友人が階段から落ちたと病院に連れていきます。看護師のブレンダが医者から怒られているところを通りかかったフランクは、彼女に声をかけ、慰めているうちに自分が医者だと嘘をつくこと思いつきます。

ハーバード医学部の卒業証書を偽造し、フランク・コナーズという名でまんまと緊急病棟主任の職に就きました。

自宅で映画の医療シーンを観て、医者の仕事を把握しようとするフランク。

夜勤に入るフランクの元に矯正金具が外れたのを見せにやってきたブレンダ。顔を近づけたブレンダにキスをしますが、緊急の電話が入り、フランクは処置室へ向かいます。

自転車事故で運ばれてきた少年を前に、映画で観たセリフを言い対応するフランク。生々しい足の傷を直視できず、その場を離れたところで思わず嘔吐します。

フランクの父の家を訪れたカールは、父に宛てた手紙を目にして、アトランタのアパートを突き止めます。

ブレンダは、2年前に中絶手術をしたことで父親から家を追い出されたをフランクに告白します。そんなブレンダにフランクは、プロポーズします。

その頃、カールはアトランタのアパートでフランク・コナーズという名で医師になったことを突き止め、勤務する病院へ踏み込みますが空振りでした。

フランクは、ニュー・オーリンズに住むブレンダの両親と夕食をしていました。その席で医師の前は弁護士をしていたと偽りの話をしたフランク。

その後ルイジアナ州で司法試験を受けたフランクは、見事にブレンダの父親の法律事務所に務めることに。フランクは、今回も映画を観て裁判の様子を下調べします。

1969年12月26日。母国へ向かう飛行機の中。カールが司法試験をどんな方法でパスしたのかを聞きますが、フランクは関係ないと言って答えません。

ブレンダの家族と過ごすフランクは、ささやかな幸せを味わいます。そして結婚の報告をするために父に会いに行きます。

婚約パーティーへの招待状を渡し、母と一緒に来てほしいと伝えますが、父は母が再婚してNY郊外に住んでいると言い、さらにフランクがFBIに追われていることを知っていました。

クリスマス・イブ。フランクは、カールに電話をかけて、「足を洗って結婚して普通の暮らしをしたい」と話します。

その電話のやりとりで、カールは婚約パーティーの場所を突き止めます。

FBIがやってきたことに気づいたフランクは、ブレンダに今まで話した経歴が嘘であること、本当の名前を明かし、2日後にマイアミの国際空港で落ち合おうと伝えます。

マイアミ国際空港にブレンダを迎えに行きますが、ブレンダの周りにはFBIが配置されていました。それに気づいたフランクは、その場を車で通り過ぎ、違う方法で国外に逃亡しようとします。

カールは空港に部下を配置、マイアミ警察から警官が50人と計100人を空港を見張らせます。

フランクは、スチュワーデス養成コースに参加させると偽って8人の女子大生を連れて、堂々と空港に訪れます。配置された警官たちは、ブロンズ娘たちに釘付けでパイロットになりすましたフランクに誰も気づきません。

空港の前にパンナムの制服を着た男がいると電話が入り、その場にFBIが急行する間にフランクを乗せた飛行機は飛び立ち行方をくらませました。

それから7ヶ月。フランクは世界各国で小切手そのものを印刷するという方法で換金し続けていました。カールは、小切手の印刷方法からフランスのモンリシャールにいることを突き止めます。

フランスのモンリシャール、1967年。クリスマス・イブの夜。カールはフランクが小切手を印刷する場所で逮捕しますが、フランス警察がフランクの身柄を拘束しました。

母国へ向かう飛行機の中。カールから父親が亡くなったことを告げられたフランクは、気が動転しトイレへ。飛行機の着陸と同時に滑走路から脱走したフランクは、母の元に向かいます。

窓越しから母の姿を見つめていると、そこに小さな女の子がやってきます。その子は、再婚して生まれた子でした。フランクは、何台ものパトカーが家の前に止まると、抵抗せずにパトカーに乗りました。

それからフランクは、アトランタ重犯罪刑務所で12年の禁固刑に処されましたが、小切手偽造の知識に長けていることから、FBIの金融犯罪課で働くことを条件に刑務所を出ます。

カールは、フランクの身柄の引き受け人となり、自分の元で偽造小切手調査を受け持たせます。改めてルイジアナの司法試験でのことを聞かれたフランクは、2週間勉強して合格したと告げました。

“現在のフランクは、結婚26年目で息子が3人。中東部で平和に暮らしながらFBIに協力して国際手配を受けた悪質な偽造犯の逮捕に貢献。銀行詐欺と偽造の摘発の権威とされている。彼はまた偽装防止小切手を考案。現在、銀行や大企業が毎日使用しており、代価として年間数百万ドルを彼に支払っている。フランクとカールは今も仲のよい友達である”

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映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』感想と評価


TM &(C)2013 DREAMWORKS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

60年代を舞台に詐欺師を颯爽にかつ魅力的に描く

映画のオープニングから60年代の時代の雰囲気や作品世界観を醸し出しています。スタイリッシュでちょっとポップなグラフィックデザインとタイポグラフィが幾何学的要素を持った動きに仕上げられているオープニング。

このシルエットデザインは、消しゴムに手彫りしたハンコを作り、さらに紙に手書きのアニメーションを展開するという伝統的な手法をとっているのだとか。

そして、ジョン・ウィリアムズが手掛けたジャズ調のテーマ曲がオープニングから印象付けられます。

スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』(1975)の時にジョン・ウィリアムズがサメの恐怖をテーマ曲で表現したように、本作もまた、主人公・フランクとFBIのカールの追跡劇の緊迫感を助長するかのようなテーマ曲です。

中盤にフランクが泊るホテルのプールの場面では、軽快なラテンのリズム「イパネマの娘」が流れています。そこに追っ手のカールがフランクに近づいたことを重低音とともに、テーマ曲と重なっていき、急に緊迫感に包まれます。

そこで初めてカールと接触したフランクは、言葉巧みに秘密検察局になりすまします。頭の回転の速さと鋭い観察力を持ち合わせたフランクの卓上した話術だけで、するりとカールから逃れる爽快感はたまりません。

そんなフランク演じるレオナルド・ディカプリオの立ち振る舞いにも引き込まれます。次々にパイロット、医師、検事補佐と豪快になりすましていく姿に対比して、父との関係も描かれ、人間の脆さも浮き彫りにします。

また、フランクの父親を演じたリストファー・ウォーケンの男気ある存在感が物語に深みを持たせ、よりフランクのパーソナリティが親子関係の中で垣間見れるのです。

肩書や外見で判断される社会を逆手にとって、何者にもなりすましたフランクは、ただ外見だけを装ったのではなく、知的なユーモアとセンスの良さ。コミュニケーション能力と人間的魅力があったからこそ誰もを欺かせることができたのでしょう。

映画は世界を騙した天才詐欺師の人間的魅力をドラマチックに描き出します。

追跡劇だけでない“クリスマス”場面

冒頭から主人公がなぜ詐欺師となったのか、その真実が明かされてくというストーリーです。

父親の事業が失敗し生活が一転、困窮生活から両親の離婚、家出、生活のために働いた小切手偽造がきっかけとなり、社会的な肩書を偽装していく様が描かれ、FBIに追われる身となった追跡劇がはじまります。

終始テンポよく展開されるストーリーの中で“クリスマス”というシチュエーションが大事な意味合いを持たせて繰り返されます。

映画のはじめとなる1969年のクリスマス・イブは、フランスの留置場にいるフランクをカールが引き取る場面です。

次に時が遡り1963年のクリスマス・イブは、家族で過ごす幸福な時間として、映し出されます。しかし、不吉な未来がすでにはじまっていたことを暗示するようにカメラは絨毯についたワインの染みにクローズアップします。

追跡される身となったフランクは、クリスマス・イブにカールと電話で話すようになり、三度目のカールとのクリスマス・イブでのやりとりでは、フランス警察に身柄を拘束されます。

そして、映画の最後となるクリスマスには再婚した母親の元を訪ねる場面となります。

ナット・キング・コールの「ザ・クリスマス・ソング」が流れ、窓越しから母の姿を見つめるフランク。そして目の前に表れた小さな女の子との窓越しでのやりとりが印象的です。

まるで世界が違うかのような距離感を一枚の窓を通して物語っているかのようです。

“クリスマス”というシチュエーションは、時間経過を辿る道しるべとなり、主人公の人生を左右するキーポイントにもなっています。そして何より、フランクの心情を映し出すことでエモーショナルな気持ちをかきたてるのでしょう。

まとめ

本作は、原作のエッセンスを見事に抽出して、フランク・W・アバグネイル・Jrの人間的魅力を描いています。

痛快な追跡劇とともに60年代の雰囲気を存分に楽しめるファッション、音楽が各所に散りばめられて展開されるストーリーは、2時間を超える尺を忘れさせるほど夢中になることでしょう。

『007』のテーマ曲とともに、ジェームズ・ボンドになりきるレオナルド・ディカプリオという組み合わせも本作ならではの面白さです。それも、ダスティ・スプリングフィールドの「ザ・ルック・オブ・ラブ」の曲とともにボンドガールさながらの美女(ジェニファー・ガーナー)が現れる場面もご注目。

また、実在した天才詐欺師をエレガントに演じたレオナルド・ディカプリオと、まじめ一徹が故の可笑しさを含んだFBI調査官を演じたトム・ハンクスとのかけ引きから目が離せません。

そして自分の肩書というラベルを自由自在に張り替えて、違う人生をやり直してみたいという願望が誰しもあるように、その願望を主人公のフランクは類まれな向上心でただ掴み取ろうとしたのかもしれません

それが偽物だとしても、本物になりすますことで社会から嘲笑されたものを取り返そうとするかのように。

そんなほろ苦い悲しみが含まれているからこそ、ユーモアに富んだ作品と言えるでしょう。






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