映画『ビブリア古書堂の事件手帖』は、11月1日(木)より全国ロードショー。
原作の三上延が書いた『ビブリア古書堂の事件手帖』は、累計640万部突破。
日本中から愛される文芸ミステリーを最高のスタッフ&キャストで完全映画化!
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映画『ビブリア古書堂の事件手帖』の作品情報
(C)2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
【公開】
2018年(日本映画)
【原作】
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫/KADOKAWA 刊)
【監督】
三島有紀子
【キャスト】
黒木華、野村周平、東出昌大、夏帆
【作品概要】
シリーズ累計640万部を超えた三上延のベストセラーミステリー小説を、黒木華と野村周平の主演で実写映画化。演出は『幼な子われらに生まれ』『しあわせのパン』の三島有紀子監督。
三上延のプロフィール
三上延(みかみえん)は、1971年に神奈川県横浜市に生まれ、藤沢市で育ちます。のちに武蔵大学人文学部の社会学科卒業。
大学生の頃は文芸部に所属しており、中古のレコード店や古書店で働いていました。
2002年に作家デビューを果たしたのは、『ダーク・バイオレッツ』という作品が第8回電撃小説大賞3次選考を通過したからです。
その後は、2004年の『シャドウテイカー』や2006年の『天空のアルカミレス』といったホラーやSFの作風などのライトノベルを多く執筆。
2011年に発表した古書ミステリー『ビブリア古書堂の事件手帖』で人気作家となっていき、この作品で2012年に本屋大賞にノミネートされました。
また、2014年に『ビブリア古書堂の事件手帖4』(メディアワークス文庫)で、第67回日本推理作家協会賞長編および、連作短編集部門にノミネートされました。
映画『ビブリア古書堂の事件手帖』の原作者として知られるようになった三上延。
今回は映画かされることについて、これまで2011年から全7巻の原作を読んでくれた読者たちに、次のようなメッセージを贈ってくれました。
「小説家にとって作品は子供のようなものですが、ひとたび世に出た瞬間に小説家だけのものではなくなります。読んでくださった方のものにもなり、映像化されればスタッフやキャストのものにもなるのです。自分の手を離れるからこそ、巣立っていった先でできるだけ多くの方に愛され、幸せになって欲しい、というのが原作者の願いです。
今回の映画化にあたって、脚本段階で三島監督をはじめとするスタッフの皆さんと何度か打ち合わせをさせていただき、原作を安心してお任せできると確信しました。私だけではなく原作の読者の皆さんにとっても、映画ならではの素晴らしく新しい『ビブリア』になっていることを期待し、楽しみにしています」
三上延は「小説家にとって作品は子供のようなもの」としながらも、自身の手を離れて成長する様を幸せに思っているようですね。
また、この映画化で読者たちとともに、自作を楽しみにしていることに人柄も感じさせられます。
実際には「ビブリア古書堂」は、北鎌倉駅のホーム隣の路地には存在しないが、映像化されたことでどこかで営業しているかも?という、ファンの古本屋への思いは強くなるかもしれませんね。
しかも。古書に詳しく美貌をもつ篠川栞子が黒木華が演じてるとあって、やはり映画は三上延とともに楽しみですよね。
黒木華(篠川栞子役)のプロフィール
参考映像:『小さいおうち』(2014)
1990年生まれの黒木華は、高校生の頃に演劇部に所属した後、京都造形芸術大学に進学しました。
大学に在学する傍ら。2009年に劇作家の野田秀樹が主宰するワークショップに参加しました。
その翌2010年に上演されたNODA・MAP公演『ザ・キャラクター』で初舞台デビューを果たします。
しかも、次回上演作品のNODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』(2010)では、ヒロインの座を勝ち取り、中村勘三郎と野田秀樹との3人芝居に挑む大役に大抜擢されます。
その後の舞台活動では、NODA・MAP第16回公演『南へ』、阿佐ヶ谷スパイダース『荒野に立つ』、蜷川幸雄演出『あゝ、荒野』で活躍を見せ、演劇界に新星が現れたことを広く示しました。
また、映画女優としては、2011年に松本佳奈&中村佳代共同監督『東京オアシス』で、スクリーンデビューを果たします。
2013年に『草原の椅子』や『舟を編む』などに出演します。
石井岳龍監督の作品『シャニダールの花」では、綾野剛とともにダブル主演したことが、黒木にとって初主演となります。
さらに、2014年に山田洋次監督の映画『小さいおうち』では、昭和初期の住み込みで働く布宮タキ役を好演し、ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞しました。
それ以後も、日本映画界では不動の実力を見せ、2016年公開の岩井俊二監督作品『リップヴァンウィンクルの花嫁』で、第40回日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を獲得。
また、2017年公開の小林政広監督の『海辺のリア』では、第32回高崎映画祭の最優秀助演女優賞を受賞します。
そんな舞台や映画などで、彼女独特のしなやかさから滲み出る圧倒的な演技派で知られる女優の黒木華。
本作『ビブリア古書堂の事件手帖』で黒木華が演じるキャラクターは篠川栞子です。
ビブリア古書堂のうら若き美貌の店主で、初対面の人とはまともに話せないほど極度の人見知り。
しかし、古書に関しては深い知識を披露する生粋の読書ガール。栞子は頭の回転が早く、優れた推理力を発揮を見せてくれます。
黒木華の本作にかける女優としての思いを、このように語ってくれました。
「以前から原作は読んでいて、とても面白かったので今回のお話をいただいた時はうれしかったです。表紙に描かれている栞子さんのビジュアルが強く印象に残っていて、そこがプレッシャーでもありましたが、ぼそぼそ喋るところだったり、人の目をぱっと見られないところだったり、雰囲気を近づけられるよう意識しました。また監督と「何か癖があるといいよね」とお話している中で、頭を掻くとか、推理をする時は人の目をバシッと見るとか、細かい仕草を詰めていきました。
三島監督とは『繕い裁つ人』に続きお仕事するのは2回目なので、すごく嬉しいです。監督はいつも撮りたいものに明確なイメージを持たれていて、男らしい部分もありながら、撮られるものは女性的で、自分が気付かないところにも気づいてくださり、とても細やかな方だと思います。ご一緒していて面白いです。野村さんとは初共演でした。テレビなどで見ている姿とあまり変わらずとても面白い方で、いつも現場を盛り上げて下さり、楽しかったです。
この作品はミステリー映画として謎解きがすごく面白く、さらに栞子と大輔の恋愛など、いろいろなところに注目してお楽しみいただける作品だと思います。原作ファンの方にも、原作を読んでいない方にも楽しんでいただきたいです」
文学少女でもある篠川栞子を演じるのに、黒木華以上の女優はいないですよね。ぴったりな配役に映画の公開が楽しみですよね。
野村周平(五浦大輔役)のプロフィール
映画『ラブ×ドック』(2108)
野村周平は1993年に神戸市で生まれます。母親は中国人とのハーフなので、彼はクオーターであり中国語も堪能。
2009年に芸能事務所アミューズの全国オーディションで3万人を超える応募者の中からグランプリを受賞。
その後、芸能界入りを果たした後、2010年にテレビドラマ『新撰組 PEACE MAKER』で俳優デビューをします。
2011年にテレビドラマ『高校生レストラン』などに出演した後、映画にも顔を見せるようになり、同年公開の映画『探偵はBARにいる』や『天国からのエール』に出演します。
2014年に公開された『クジラのいた夏』で初主演を果たすと、2014年公開の『日々ロック』でも主演を務めます。
2015年に第10回おおさかシネマフェスティバルの新人男優賞。また同年に第7回TAMA映画賞・最優秀新人男優賞しています。
他にも話題作への出演が続き、『映画 ビリギャル』(2015)『帝一の國』『22年目の告白 私が殺人犯です』(両作品2017)「ちはやふる」シリーズ(2016)などにも出演しています。
このような活躍を見せる野村周平が、本作『ビブリア古書堂の事件手帖』で演じたのは五浦大輔役です。
祖母が遺した夏目漱石の『それから』をめぐる謎をきっかけに、ビブリア古書堂で働くことになった青年です。
また、過去の体験から本を読めなくなった特異体質というのが特徴。強面の外見で誤解されがちな人物ですが、本に憧れを持つ一面がある設定でもあります。
野村周平は本作にかける思いを、次のように述べてくれました。
「原作についてはもともと知っていました。大ヒットしている話題作の映画化に声をかけていただき、とても嬉しかったです。本作で僕は五浦大輔という、過去の経験から本が読めなくなった青年を演じていますが、僕も活字に少し苦手意識があったりするので(笑)、大輔と共通点が多く、すごく入りこんで演じられています。三島監督とは今回初めてご一緒しました。いい時はすごく褒めてくださりますし、アメとムチで上手に僕のことを躍らせてくれます。黒木さんは、最初は物静かな方という印象がありましたが、たくさん話しかけてくださり、一緒にいてとても楽しい方です。今回共演できて本当によかったです。この作品には本の魅力が詰まっています。ゆったりとした、ビブリアの魅力的な世界観に浸っていただきたいです。キュンとするような淡いラブストーリーもあります。そして何より、本が読みたくなるような作品だと思います。ぜひこの映画を観て、本を読んでいただけたらなと思います」
すっかり、三島監督や女優の黒木と息のあった様子が見られるコメントですね。
また、「本が読みたくなるような作品」と言っていますから、五浦大輔役が染み付いているようです。
野村周平らしい存在感!キャラの魅力を映画館で見たいですね。
映画『ビブリア古書堂の事件手帖』のあらすじ
五浦大輔は祖母の遺品のなかから、文豪で知られる夏目漱石の直筆と思われる署名が入った『それから』を見つけます。
大輔は鑑定をしてもらおうと北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」を訪ねます。
店主である若く美しい篠川栞子は、極度の人見知りでありながら本に対して並外れた情熱と知識を持っていました。
大輔が持ち込んだ本を手に取って見ただけで、大輔の祖母が死ぬまで隠し通してきた、“ある秘密”を解き明かします。
栞子の圧倒的な推理力に圧倒された大輔は、足を怪我した彼女のために店を手伝うことにしました。
やがて、大輔は栞子が所有する、文豪太宰治『晩年』の希少本をめぐり、大庭葉蔵と名乗る謎の人物が彼女を付け狙っている事実を知りますが…。
映画『ビブリア古書堂の事件手帖』の感想と評価
設定が巧みな原作
今回映画化された原作者の三上延が書き記した設定が、何といっても本好きにはたまりません。
北鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店「ビブリア古書堂」は、その風土と古書店のイメージが読者の想像力を膨らませてくれます。
また、過去の出来事から本が読めなくなった五浦大輔というキャラクターの登場も、本好きの読者に読み初めた際の食い付きの良い設定です。
もちろん、文学少女である篠川栞子の魅力は言うまでもなく、引きの強いパーフェクトな完璧さですよね。
磁器のように滑らかな肌、涼やかな瞳という、若き店主の篠川栞子風貌もさることながら、極度の人見知りというのが魅力です。
しかも、ひとたび本を手にすると、可憐な唇からとめどなく知識が溢れだす…。(コレはもはや反則でないか?笑)
ましてや、少女のようで有りながら、どこか独特の儚い妖艶さ持ち合わせる女優、黒木華が演じるのだから、もはや反則どころか、タックルで突き倒されたような配役ではないでしょうか。
俳優起用の素晴らしさ
三島有紀子監督は、三上の書いた原作を読み、「ビブリア古書堂」という空間にまず実際に行きたいと思ったそうです。
それから栞子と大輔に会いたいと思ったそうです。
そのキャラクターたちの俳優起用に三島監督が直感で思ったのが、黒木華や野村周平でした。
2人の映画への起用について、三島監督は次のように語っています。
「栞子さんは黒木華さん以外に考えられませんでした。まず、実際に本を読む人で本を読む姿が栞子さんと重なる人は誰か…そして、繊細な心の変化を見せてくれる人…黒木華さんだ!と思いました。『繕い裁つ人』でご一緒させていただいていますし、演技については絶対の信頼があります。
黒木さんが、知性あふれる、それでいて少し変人でシャイで、限りなく愛おしい栞子を生んでくれました。
月の光りのような栞子に対して、大輔は太陽のような人にやってもらえたらと思っていました。野村周平さんは、存在するだけでまわりの人の心がほぐれて明るくなり、根底に流れる心の強さみたいなものを感じました。野村さんが、ダメな男だけどストレートで素直な大輔を、楽しくそして深く演じてくれています」
やはり、三島有紀子監督も女優の黒木華は、完璧に自信を持てる配役のようですね。
また、月のような栞子に相対する太陽のような大輔役の野村周平のストレートさを認め、互いの違いを“まるで対義語のように共鳴”させた三島演出を見せてくれるのはずですね。
三島監督は実写映画化するにあたり、大切にしていることをこのように述べています。
「自分自身、小説との出会い、一冊の本との出会いから多くの心の変化が生まれました。知らない世界を知る喜びは、痛かったり辛いときも含めて、心を豊かにしてくれます。
古書店に置いてある古い本には、いろんな人のそんな心の変化がいくつも積み重なっているように思います。だからこそ、古い本を通じて〝受け継がれる想い〟を大切に描けたらと思いました。
そして、古書堂に関しては何度でも行ってみたいと思えること、キャラクターに関しては会ってみたい、ずっと一緒にいたい、と思えることを大切に考えながら演出しました」
三島作品にもこれまで描かれてきた、「〝受け継がれる想い〟を大切に描けたらと」。
このことは、2015年の三島作品『繕い裁つ人』や、2012年の『しあわせなパン』をご覧になった三島有紀子監督のファンなら、すぐに納得するのではないでしょうか。
関連映画:三島監督作品『繕い裁つ人』(2015)
まとめ
関連作品:三島監督作品『しあわせのパン』(2011)
本作の企画プロデューサーの小川真司は、2014年の秋頃に映画企画を立上げたそうです。
約3年の歳月を掛けて、スタッフやキャストを実現させることができたそうです。
また、三島有紀子監督とは『しあわせのパン』の頃からの知り合いだそうで、三島監督が文学少女だったことや、料理や衣服などの世界を丁寧に美しく撮ることができることを実感して、今回の『ビブリア古書堂の事件手帖』監督起用をお願いしたそうです。
プロヂューサーから映画のテーマや思いなど聞かされた三島有紀子監督は、その思いを演出として引き継ぎます。
そして、三上延の書いた累計640万部突破した多くの読者たちから愛された『ビブリア古書堂の事件手帖』の映画化への思いをこのように言葉にしています。
「これは、古い本と、それをめぐる人間のおはなし」です。
ある本を読んでいた人の想いがその本に託され、長い年月を経て、古書店を通して誰かの手に渡り、その想いが違う形で結実するということがあるような気がしてなりません。そんな、受け継がれていくモノ(本)としての魅力、あたらめて小説という中身の魅力、それらにまつわる人間たちの魅力を、栞子(黒木さん)と大輔(野村さん)とともに、お届けしたいと思います。
I’m sure you are going to love it!
みなさまに、この作品を、きっと、気に入っていただけると信じています」