監督以外で初めてパルム・ドールを受賞した、レア・セドゥのまだ初々しくて大人の仲間入りを果たしたばかりの少女を演じている『美しき棘』。
今作以降はハリウッド作やブランドのCM、著名な監督からオファーとひっぱりだことなっていきますが、どのような内容で彼女の魅力は見出され始めたのでしょうか?
フランス版『美女と野獣』にヒロインとして抜擢された、彼女の原石のような佇まいを見ることが出来る作品です。
1.映画『美しき棘』の作品情報
【公開】
2011年(フランス)
【原題】
Belle Épine
【監督】
レベッカ・ズロトヴスキ
【キャスト】
レア・セドゥ、アナイス・ドゥムースティエ、アガト・シュレンカー、ギョーム・グイ、ジョアン・リベロー、アンナ・シガレヴィッチ、マリー・マテロン
【作品概要】
母は最近亡くなり、父は海外出張、滅多に帰らない姉を持つ少女・プリュダンスは孤独ゆえか母の死を悼むことがなかなかできず、周りからも勝手な少女と思われることが増え始めます。
そんな時、バイクで危険な走りをスリルとして楽しむ集団の一人、マリリンと知り合うことで、彼女もそのコミュニティに強く引かれていくようになります。
レア・セドゥの孤独ゆえに変わらない表情などは、見ていてその美しさに見とれてしまうほど。
タイトルからなんだかお上品な印象を抱いて、敷居を高く感じがちですが、サントラは結構バンドテイスト、バイクがテーマになっているので、一種の青春映画にも感じ取れます。
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2.映画『美しき棘』のあらすじとネタバレ
お店で万引きをしたことが発覚した16歳の少女プリュダンスは、取調べを女性から受けています。
親に連絡するといわれても、彼女の母は亡くなったばかりで、父親はカナダに出張して誰とも連絡が取れない状況でした。
呆れ返る女性の下に、今度は別の少女・マリリンが万引きをして連行されます。
全く反省の様子を見せない2人は部屋から出ると、マリリンはバイク仲間と落ち合って去っていきます。
後日、プリュダンスに父から電話が入りますが、非常に単調な会話で終わってしまいます。
そんな時、テレビでは夜に危険な走り方をするバイク乗り集団を特集する番組が放送されており、そこにはあのマリリンの姿も映りこんでいました。
プリュダンスは再びマリリンを見つけると、自然を装って彼女に話しかけ、自宅に誰もいないから遊びにこないかと誘います。
自宅では音楽をかけて過ごすのですが、マリリンはその曲が全く好みではないといいますが、プリュダンスはその曲が好きでしたが、突然レコードのジャケットをびりびりに破き、マリリンはその態度に驚きます。
そんなプリュダンスをマリリンはバイクの集会に誘い、彼女はおめかしをして一緒に部屋を出ますが、途中で姉が帰ってきてしまいます。
プリュダンスは姉に連れられ、親戚の会食に連れられますが、そこでも暗い表情のままでした。
姉や親戚のソニアと思春期特有の話をするプリュダンスですが、親戚の人間はまだ若くして母を失った彼女を哀れんでいました。
しかし母の死に対して全く感情の起伏を見せないプリュダンスは、夜中に寝室を抜け出してバイク乗りたちとマリリンがいる場所へ向かいます。
すでに多くの人が集まっており、1台のバイクが激しく転倒し、プリュダンスとマリリンは一緒に時間を過ごします。
朝、ブリュダンスが自宅で目を覚ますと、マリリンが全裸のままリビングでタバコをすっていました。
彼女は自分が処女喪失したことをブリュダンスに告げると同時に、自分の初恋がひどいものだったと語ります。
それは高校生のとき、国語の女性先生に初恋をし、彼女の気を引くためなら何でもやったが、結果は思い出したくも無いようなものだったといいます。
ブリュダンスは親戚のダニエルに会い、先日の会食で話に出た『恐るべき10日間』とは何なのかを問います。
それは旧約聖書に登場するアビガイルという女性が、夫ナバルの失態をダビデに許しを請いますが、ダビデはその美しいアビガイルと関係を持とうとする話でした。
しかしアビガイルは不浄だったため関係にはいたりませんでしたが、そのことを夫ナバルに伝えると、彼の心臓はショックで固まり、10日後に神に打たれて死んでしまいます。
ブリュダンスはこの話は何を伝えたいのかダニエルに聞くと、これは自分の弱さを見つめなおし、受け入れる話だと答えます。
3.映画『美しき棘』の感想と評価
一見、上品な少女の青春ストーリーかと思えば、命を危険に晒すスリルを求めるバイクのりたちに傾倒していくという、若干ロックなテイストがあり、男性でも充分楽しめる作品になっていると思います。
サウンドトラックもかなりバンドやダンス系など、80分ほどの作品にも関わらず、こちらもかなり聴き応えがあります。
ストーリー自体は、主人公がほとんどと言って良いほど感情を表に出さないこともあって、少し難解に感じるところではあります。
しかし、このストーリーをダニエルが説明してくれた「恐るべき10日間」に当てはめると、ブリュダンスにとってこの数日が何を意味するか分かるので不思議です。
これは孤独な少女の物語であり、かつマリリンとの出会いからダニエルの死までが、母親の死に対する責任や自身の弱さを知る期間だったのではないかと考えます。
ラストで母の補聴器を自分の耳に当てたのも、鍵をかけてあった引き出しの中にある、母の形見をつけることでその死を受け入れることが出来たと見て取れます。
あと今作には「美しい人」でレア・セドゥと共演したアナイス・ドゥムースティエも出演していますが、役どころとしては主に、プリュダンスに染毛してもらったら失敗して金髪になって泣くという、かなり切ない感じになっています。
すぐ黒髪戻しをしている辺り、また共感の高い演出だなあと脱帽です。
まとめ
この作品はいわゆる「するめ」映画で、最初見たときはなんだか難しかったなあ、と思うけれど、少し時間を置くと「あのシーンがよかったなあ」とか「OPやEDの曲が素敵だったなあ」と感じれる要素がたった80分ほどに詰まっています。
ガーリーな話はちょっと・・・という人も、そういう話が自身の中で飽和状態になっているというかたも、結構目新しい作品になっていると思われます。
監督の最新作『プラネタリウム』ではナタリー・ポートマン、リリー=ローズ・デップが共演していることもあり、さらなる演出に期待が高まります。
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