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2019年1月公開のおすすめ映画『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』あらすじと内容解説

  • Writer :
  • 映画屋のジョン

映画『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』は2019年1月11日(金)より、ユナイテッド・シネマ豊洲、ヒューマントラスト渋谷ほか全国公開

CSチャンネルのファミリー劇場で2012年より放送され、オカルトファンの注目を集めているエンターテインメント番組である「緊急検証!」シリーズ。

その『緊急検証!』が70年代を席巻したオカルトブームの3大テーマ、「ネッシー」「ノストラダムスの大予言」「超能力」は、決してオワコンではなかったと宣言!

平成のオカルトシーンを牽引し続けた番組スタッフと“オカルト三銃士”が、エンターテインメントの衣をまといつつ、オカルトが新次元に突入した映画化『緊急検証』の真実とは⁈

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映画『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』の作品情報


(C)東北新社

【公開】
2019年(日本映画)

【監督】
高橋圭

【キャスト】
逸見太郎、大槻ケンヂ、辛酸なめ子、飛鳥昭雄、山口敏太郎、中沢健、吉田悠軌、ユリ・ゲラー、康芳夫、森達也、唐沢俊一、秋山眞人、清田益章、上坂すみれ

【作品概要】
70年代、日本中を熱狂させたオカルトブーム。しかしそこで取り上げられた数々の不可思議は、時代が進むと共にインチキ、オワコンの扱いを受けて現在に至っています。

しかし『緊急検証!』のスタッフは、オカルトは終わっていない事を証明すべく、当時の3大テーマである「ネッシー」「ノストラダムスの大予言」「超能力」についてのリサーチを、“オカルト三銃士”に依頼するのです。

「ネッシー」を中沢健が、「ノストラダムスの大予言」を飛鳥昭雄が、「超能力」を山口敏太郎が徹底的にリサーチ、検証し、新たな説を披露します。

そしてユリ・ゲラーが、映画館を使って観客を巻き込んだ超能力実験という、かつて世界に例を見ない禁断の行為が、今まさに行われようとしているのです。

映画『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』のあらすじ


(C)東北新社

プロローグ

映画上映の前には、お馴染みのマナー広告がつきもの。本作では、あのユリ・ゲラーが、鑑賞マナーを守るよう超能力でメッセージを送るのです。

果たして超能力によって、上映中場内の劇場マナーは保たれるのでしょうか?

ネス湖への現地取材敢行

1934年に発表された写真で、一躍世界的に話題となったネッシー。しかしその写真は1993年に関係者がトリックであったと告白、インチキであった事が世界に知れ渡りました。

その一方、2017年には過去最多目撃があったというネッシー。スタッフはUMA(未確認生物)研究家・中沢健にリサーチを依頼、独自取材によるマル秘情報をもとに、かつてない“ネッシー召喚実験”を実行します。

この前代未聞の実験結果は?またこの実験に果たした鈴木亜美の歌の役割とは??

あなたは今、この世紀の大実験を目撃する事になるのです。

「ノストラダムスの大予言」は本当に外れていたのか

1973年に出版された、五島勉の著作「ノストラダムスの大予言」。“1999年7の月、人類は滅亡する”という、その強烈なメッセージは当時の閉塞感に満ちた日本に大ブームを引き起こしました。

しかし1999年は無事過ぎ去り、ノストラダムスの予言は外れたものと認知され、またオウム真理教の暴走を目の当たりにした現在、まさにオワコンの扱いを受けています。

しかし番組の依頼を受けたサイエンス・エンターテイナー・飛鳥昭雄は、予言は記された事では完結しない、正しく解釈される事で完結すると主張する。

飛鳥昭雄によって新たに解釈されたノストラダムスの予言は、何を我々に伝えてくれるのか?

そして彼の語る人類と終末の姿とは、如何なるものなのでしょうか?

ユリ・ゲラーの超能力は本物だったのか

1974年に来日、TV番組に出演しあの“スプーン曲げ”のパフォーマンスを披露したユリ・ゲラー。

彼の番組で行われた、電波を通じての超能力公開実験は、日本全国に数多くの“超能力少年”を生んだのでした。

スタッフは現在、イスラエルのテルアビブに暮らすユリ・ゲラーを訪ねインタビューを試み、また進化したその能力を目撃する事になる。

一方、作家・オカルト研究家の山口敏太郎は、新たに現れた超能力少年の存在を知り、その能力の検証を試みるのです

カルト評論家・コラムニストの唐沢俊一と共に、中国・四国地方の某所に住む少年宅を訪ねた彼は、何を目撃し、そしてどのような結論を出すのでしょうか?

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映画『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』の感想と評価


(C)東北新社

オカルト・エンターテインメントは様々な事象に斬り込む

70年代の熱狂は過去のものとなりましたが、それ以降現在に至るまでにオカルトや怪奇・心霊現象を取り上げたテレビ番組は多数存在しています。

様々な考察を加えるものもあれば、真偽はさておき伝聞に徹するもので、番組スタイルは多岐にわたり、今も我々を奇妙に惹きつけてしまう存在として、現れては消えていきます。

その中でも2012年からファミリー劇場で放送されている「緊急検証!」シリーズは、“新世紀のカルトバラエティ番組”である事を宣言して製作されている人気シリーズ。

2017年12月、この番組がCS放送の枠を超え映画化される事が告知され、同時にクラウドファンディングへの参加が呼びかけられるや瞬く間に目標額を達成させた完成した作品です。

オカルトに対するツッコミと愛に満ちた作品

この「緊急検証!」シリーズのの魅力は、“オカルト三銃士”を初めとするプレゼンターのキャラクターと、映画では大槻ケンヂ・辛酸なめ子・吉田悠軌が務めるコメンテーター陣のやりとりでしょう。

冒頭で興味深くも物々しく紹介された事に対し、大槻ケンヂらがさっそくツッコんでくれます。

テレビ番組を見ずに初めて映画で「緊急検証!」シリーズ見る方は、「ああ、こういう方向性の作品なんですね」と理解される事でしょう。

ネッシー召喚実験に対しては、「これがクラウドファンディングで集めた金を使った結果なのか」「映画館にいる人は、今どんな心境なんでしょうか」と語ります。

ノストラダムスの予言の新解釈を披露する飛鳥昭雄のプレゼンに対しては「映画で初めて彼を見る人は、『アベンジャーズ』で言えばいきなり『インフィニティ・ウォー』を見るようなもの」と、実に判りやすく説明してくれます。

この発言に興味を持った方はマーベル映画をふり返るのと同様に、ぜひファミリー劇場の「緊急検証!」シリーズもご覧になってはいかがでしょうか。

70年代オカルトブームとは何だったのか


(C)東北新社

この映画はまず、「ネッシー」「ノストラダムスの大予言」「超能力」をオワコンとして紹介する事から始まります。

しかしこれは70年代オカルトブームの否定ではなく、その当時を知る関係者・影響を受けた人々を紹介する事にも多くの時間を割いています

かつて一時代を築き社会に多大な影響を与え、そして余りにも大きな事件を引き起こしたものの正体と背景についても、真摯に紹介してくれているのです。

当時を知る世代には懐かしく、同時にあの時起きた事を再発見させてくれる作品であり、若い世代にはあの時代の熱気と、今のカルチャーの背後に潜むものについて知る事が出来る体験となるのです。

「ネッシー」のプレゼン・現地取材と召喚実験の前に、70年代のブームの証言者として当時のブームの仕掛け人、「国際ネッシー探検隊」を送り出した伝説のプロデューサー康芳夫へのインタビューが紹介されます。

ここでは「国際ネッシー探検隊」のてん末に関する貴重な証言が語られます。

そしてその証言から、ロマンと虚構が求められビジネスにもなった、あの時代の熱気と大らかさを感じ取ることができるのです。

あのネッシーブームの貴重な裏話として、またブームを知らない方々にはそれを許した時代を、当事者を通して体感する機会として、実に興味深いインタビューではないでしょうか。

次いで「ノストラダムスの大予言」の新たな解釈のプレゼンの前には、当時のブームと後に与えた影響の証言者としてドキュメンタリー映画監督の森達也と、超常現象研究家の秋山眞人が登場します。

ブームの背景に70年代の公害問題と石油ショック、そして核戦争の危機という閉塞感を背景にした、物質第一主義へのアンチテーゼがあり、それが当時の人々に実に身近に感じられていた事実が語られます。

そしてそれらが終末思想を生み、結果として新興宗教に対する追い風となり、様々な人々の人生に影響を与えてしまった歴史を改めて解説してくれるのです。

特にオウム真理教信者達の日常を捉えたドキュメンタリー映画『A』『A2』を監督した森達也は、その撮影現場で体験した事を語ってくれます。

オウム真理教が起こした一連の大事件すら風化しつつあり、当時と異なる閉塞感が当時より更に広く世界を覆っている現代。

改めて「大予言」がブームとなった時代を、振り返ってみる必要があるのかもしれないのです。


(C)東北新社

「超能力」を検証実験の前には、70年代当時日本と世界で巻き起こったブームを、ユリ・ゲラー自らがインタビューの中で振り返り証言してくれます。

同時にそれが当時のテレビの前や学校の教室にいた青少年に実に大きな影響を与えていた事実を、その時代の熱気を体験した者の1人として森達也も語ってくれます。

このような熱気の中に生まれ、当時活躍した超能力少年、「エスパー清田」こと清田益章が映画に登場して当時の経験や、出演したテレビ番組の裏側を証言します。

超能力の正体とは何なのか。またそれを取り上げるマスコミなどは、如何なる意図を持って世に紹介しているのか。

オカルトとされる事象に対して、受け手と送り手双方がどの様な姿勢で臨んでいるのか。それを検証した上で判断する事の重要性は70年代当時より現代こそ、あらゆる分野において高まっているのかもしれないのです。

まとめ

70年代オカルトブームの紹介を知る者には懐かしく、そしてそれを知らぬ者には当時を体感させてくれる映画、それが『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』です。

人々の好奇心や不安を満たす為にロマンが渇望され、その為の仕掛けとして大いなる虚構を見せる事が許容されていた、70年代オカルトブームの構造を改めて教えてくれる映画でもあるのです。

一方でこのブームの与えた影響の負の側面、カルト宗教の暴走などは日本の近代史のみならず、多くの人々に今も傷を残している事もまた、受け止めなければならない事実なのです。

世の様々な不可思議に対する「緊急検証!」シリーズの、エンターテインメント性を全面に出した切り口には、オカルトに限らず何かを盲信して行動する態度への風刺が込められていると見るのは、うがち過ぎなのでしょうか。

またオカルトブームが後のカルチャーだけではなく、様々な個人の生き方に対しても様々な影響を与えている事も、もう一つの事実として存在します。

映画の中で「ネッシー」「ノストラダムスの大予言」「超能力」について語る“オカルト三銃士”

映画は彼らの歩んだ人生についても紹介しているのです。その彼らの生き様もまた、それぞれの物語として訴えかけてくるものが実にありました。

彼らの物語を知る事が出来た事でも、『緊急検証!』シリーズが映画化された価値は充分にあったと言えるのではないでしょうか。

本作製作の為のクラウドファンディングに参加した多くの方々が、オカルトのファンであると同時に“オカルト三銃士”のファンであるのだなぁ、と強く実感させられました。

世の不可思議を鵜吞みにせず、また頭ごなしに否定もせず、ユーモアと知的好奇心を持って接する方々にこの映画をお薦めします。

映画『緊急検証!THE MOVIE ネッシーvsノストラダムスvsユリ・ゲラー』は2019年1月11日(金)より、ユナイテッド・シネマ豊洲、ヒューマントラスト渋谷ほか全国公開

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