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映画『熱狂宣言』あらすじと感想レビュー。松村厚久を観察した奥山和由監督

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

映画『熱狂宣言』は、2018年11月4日(日)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズにて熱狂ロードショー。

松村厚久は若年性パーキンソン病を抱えながらも、遊ぶように働き、仕事のなかに遊びを見つける才能を発揮させ、自身が立ち上げた会社を東証一部上場企業にまで押し上げた経営者。

彼を見つめ描くのは日本映画界の“伝説的プロデューサー”奥山和由。今を全身全霊で生きる「負けないぞ!」と言い張る男・松村に迫った異色ドキュメンタリー!

映画『熱狂宣言』の作品情報


Ⓒ2018 吉本興業/チームオクヤマ

【公開】
2018年(日本映画)

【製作・監督】
奥山和由

【キャスト】
松村厚久

【音楽】
木下航志

【プロデューサー】
江角早由里

【作品概要】
制作・宣伝・興業すべての手法において、今までにはない映画を創ることをコンセプトに掲げたフリーシネマプロジェクトの第1弾映画。

被写体の身近な人物にカメラを預け、映画を観る観客の主体性に問いかけるダイレクトシネマという手法を用いた、奥山和由監督の全く新しいドキュメンタリー作品。

映画『熱狂宣言』のあらすじ


Ⓒ2018 吉本興業/チームオクヤマ

松村厚久、51歳。かつて、外食界のスター、革命児、天才、ビックマウス、不思議ちゃんなど、数々の異名を持った人物です。

松村は東証一部上場企業のDDホールディングス代表取締役社長であり、従業員約1万人という仲間を抱えていました。

彼が経営する店舗数は約500店、その年商約500億円だといいます。

ひと昔前のバブリーさを感じさせるほど、彼らは今も派手で賑やかな宴席を開き、その中心に松村はいました。

松村自身は周囲の人物や、その仲間たちに一切の手を抜かず、全身全霊のサービス精神で仲間たちを楽しませる性分でした。

奥山和由は、ひどく落ち込んだ時に古本屋で手にした書籍「熱狂宣言」で松村の存在を知ります。


Ⓒ2018 吉本興業/チームオクヤマ

「果たしてこんな立派な男が実在するのだろうか…」と感じた奥山は、とにかく一度会ってみたいという衝動から、この映画作りはスタートしました。

奥山は松村を前にして、3日前にドキュメンタリー映画を撮りたいと考えたと、自身のブレーンに映画化企画を話したというと、応対した松村は二つ返事で取材交渉を成立させます。

13年前から難病の若年性パーキンソン病を患っている松村ですが、それでも自らを“幸運な人間”だと断言して、日々を楽しみ生きていました。

しかし、そんな松村もキャメラを前にすると、「撮れ高」を気にしたような外連味を見せてしまうことから、この作品では映画作りのプロではない、松村の周囲にいる会社の仲間たちにキャメラを託すと…。


Ⓒ2018 吉本興業/チームオクヤマ

この映画は書籍「熱狂宣言」をなぞらえて作られた作品ではありません。

ドキュメンタリー作品に明確なストーリーもなく、ナレーションも入っていません。

また、松村が何を話しているかも時に聞き取れない場面も多くあるが、それでも松村に寄り添う感覚を観る者に感じさせていく…。

映画『熱狂宣言』の感想と評価

まったく新しい“偉大なるホーム・ムービー”誕生


Ⓒ2018 吉本興業/チームオクヤマ

奥山和由監督が今回描いてみせた映画『熱狂宣言』は、誤解を恐れずにいえば“偉大なるホーム・ムービー”誕生といえます。

新しいドキュメンタリーという宣伝文に、そのようなものはあるのだろうかと半信半疑になったが、まさしく、これまでにはない映画を、伝説的な映画人である奥山和由が作り上げていました。

本作『熱狂宣言』でメインの被写体となるは外食産業の革命児と言われる松村厚久。しかし、演出を務めた奥山和由もまた、映画界の風雲児だ。

保守的で閉塞感のあった映画会社の社風から、外れた青春アクション映画というジャンル作品に果敢に挑み、また北野武や竹中直人、坂東玉三郎といった、映画畑出身ではない映画監督というカテゴリーを打ちたてた実績。

あるいは、今村昌平監督にカンヌ国際映画祭の2度目のパルム・ドール(最高賞)という栄冠を導いたプロデューサーでもあります。

伝統的なスクリーン・インターナショナル紙の映画100周年記念号では、唯一日本人で「世界の映画人実力者100人」に選出されています。

本作品『熱狂宣言』を“偉大なるホーム・ムービー”誕生といった意味は、作品鑑賞をしていると、明確に“これこそが映画だ”といえるいくつかの特徴が見られるからです。

映画『熱狂宣言』に見られる映画としての回答


Ⓒ2018 吉本興業/チームオクヤマ

本作のメイン被写体は松村厚久なのですが、彼の存在、彼の生き様、彼の今をコンテンツ媒体として、周囲の人物たちに目が向くことが大きな特徴です。

そこから見えてきたものを3つあげるとすれば、次のようなことです。

⑴映画とは、アクションと、そのリアクションである。

⑵映画とは、誰でもが撮れる。

⑶映画とは、義理と人情である。

このあまりに映画の基本的なことが、奥山和由監督の手によって、あまりにサックと提示されています。

奥山和由の向き合い方


Ⓒ2018 吉本興業/チームオクヤマ

奥山和由監督は、本作『熱狂宣言』をフリーシネマプロジェクトの第1弾作品としました。

フリーシネマの精神は、制作・宣伝・興業すべての手法において、今までにあり得ない映画を創ることを掲げています。

この作品を観て、偉大なるホーム・ムービーを見る劇場は、確かにTOHOシネマズ六本木ヒルズ単館ロードショーしかないことがよく理解できました。

それは松村厚久という男を描いた映画は、そこでしか上映することができないと言い切っても良いでしょう。

確かに“映画が劇場を選ぶのか”と異論を持たれる方もいるかもしれません。

しかし、若年性パーキンソン病を患った松村が劇中のなかで、口を開かずキーボードを叩き、「こんなもんじゃないぞ!」と熱狂を見せる彼が一番に似合う劇場は、TOHOシネマズ六本木ヒルズであり、単館ロードショーという潔さしかありえません。

このことを通して奥山和由は人間として、一対一で松村厚久と向き合ったことも分かってくる気がしてなりません。

“東京ど真ん中、一点勝負!”これは、熱くてハレの祭りを楽しむ松村厚久に最も似合い、そしてヒドく落ち込んだ時に松村を綴った書籍に感激した奥山和由の仁義の切りかたなのだと感じされられる作品です。

まとめ


Ⓒ2018 吉本興業/チームオクヤマ

ダイヤモンドダイニング創業者で、現DDホールディングス代表取締役社長の松村厚久。

映画『熱狂宣言』は彼の半生を描いた作品で、松村厚久は奥山和由よりも今後も熱狂的に生き、長生きを続けることでしょう。

それでも「止まったら死ぬぞ!」という本作のキャッチコピーは、誰よりもエキサイティングな外食産業の革命児・松村厚久と日本映画界の風雲児・奥山和由のギラギラした2人に合う生き様そのもの。

映画『熱狂宣言』は、2018年11月4日(日)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズにて熱狂ロードショー。

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