ドラマや映画、CMまで今ではテレビで見ない日のない人気女優・吉田羊の初主演作品が映画『ラブxドック』。
また、バラエティ番組製作やドラマの脚本など、マルチな活躍を見せる鈴木おさむの初監督作品でもあります。様々なアーティストによる細部に拘った演出も必見です!!
今回は映画『ラブxドック』をご紹介します。
映画『ラブxドック』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【監督】
鈴木おさむ
【キャスト】
吉田羊、玉木宏、野村周平、吉田鋼太郎、広末涼子、成田凌、大久保佳代子、唐田えりか、篠原篤、大鶴義丹、川畑要(CHEMISTRY)
【概要】
恋愛で失敗続きの剛田飛鳥がネット広告で見つけた怪しげな恋愛クリニック「ラブドッグ」を訪ねることからストーリーが展開する鈴木おさむ初監督&吉田羊初主演の“大人のラブコメ”映画です。
映画『ラブxドッグ』のあらすじとネタバレ
36歳のパティシエ剛田飛鳥は、IT企業のCEOに振られてしまいました。
ある日、ネット広告で「ラブドック」という謎の恋愛クリニックを見つけた飛鳥は、半信半疑でその「ラブドック」を訪ねます。
飛鳥の遺伝子を分析し、恋愛体質を調べたという院長の冬木玲子に、30代後半での失恋により本能を抑制できなくなると診断され、その危機を回避できるという25万円の注射を薦められます。
飛鳥はその注射が気になったものの、胡散臭い感じもすることと高額すぎるという理由から見合わせました。
飛鳥はパティシエをしていた勤務先のオーナーである淡井涼治と恋に落ちます。しかし、彼は既婚者。
大学時代からの親友の細谷千種に「不倫は幸せを生まない」と忠告されても耳に入らず、淡井の甘い言葉を信じてしまう飛鳥。
浅井の妻に気づかれないようにお忍びデートを重ねますが、ついにバレてしまいます。
浅井の妻から「別れてほしい」と泣きつかれ、なおも浅井からは店を辞めてほしいと言われてしまいます。
結局、浅井にあっさり捨てられ、恋人も仕事も失うはめになり、飛鳥は再び「ラブドック」を訪れます。
院長の冬木は「次の恋でも大切なものを失う可能性がある」と警告され、飛鳥は再び怪しげな注射を薦められますが、「もう絶対に恋でミスなんか犯さない」と断ります。
次に恋に落ちたのは、親友の千種が好意を寄せていた整体ジム「BONEアイデンティティー」のトレーナー兼整体師の野村俊介でした。
その後、野村とは付き合うことになり、そのことを千種に伝えたところ友情は終わってしまいました。
そのことを伝えた野村からも別れを切り出され、今度は友情と恋人を失うことになります。
さすがに懲りた飛鳥は、ついにラブドックで怪しげな注射を打ってもらうことにしました。そして、「もとの状態に戻るという謎の箱」をもらいます。
その後、小さなスイーツショップ「trad」を開業。仕事に集中していた飛鳥の前に15歳年下のパティシエ、花田星矢が現れます。
今度こそ恋愛を成就させることはできるのか…。
以下、赤文字・ピンク背景エリアには『ラブxドック』のネタバレ・結末の記載がございます。『ラブxドック』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
映画『ラブxドック』の感想と評価
年齢非公開の吉田羊ですが、おそらく、映画の設定に近い年齢なのでしょう。そんな彼女が演じるからこそ「ラブドック」というファンタジーの様な設定でも、飛鳥というキャラクターにはリアリティがあります。
この映画で描かれているのは、大人の恋だからこその失敗と喜び。そして、立ち直り方、新しい恋のはじめ方です。
正に等身大と言っていいと作品だと思いました。
昼ドラから映画、舞台、CMまで幅広く活躍していて、今では見ない日がないぐらいの吉田羊のありそうでなかった初めての主演作。
この映画で確実に吉田羊のファンは増えると思いますし、これまでも吉田ファンの人にとっても新たな吉田羊の魅力を知る作品になったと言っても過言ではないと思います。
2008年公開の『ハンサムスーツ』や2015年公開の『新宿スワン』などでは脚本を担当していたことから、映画でも鈴木おさむの名前を見た記憶がある人もいると思います。
しかし、今回が初監督となる鈴木おさむ。テレビドラマや映画で鍛えた脚本力で、ハズレのない王道のラブ・コメディとなっています。
セットや衣装、音楽はもちろん、鈴木おさむの人脈によって集められた一級のアーティストによるコラボ映像がストーリーに、より深みを出していて、全体的に映像がオシャレなのも見どころです。
ラブ・コメディとしても、アート作品としても楽しめる映画『ラブxドック』。吉田羊ファンならおなさら良いですよ!
まとめ
映画『ラブxドック』には多くのアーティストが参加しています。特に印象深いのは、いろいろな場面で登場する“金魚”と“スイーツ”です。
美術館やイベントなどでアートアクアリウムを数多く手掛けるアーティスト、木村英智によるアートアクアリウムは「ラブドック」でのシーンや星矢とキスをするシーンなど所々に散りばめられていて、目を惹きます。
主人公の飛鳥がパティシエということもあり、映画には数多くのスイーツが登場。どれも可愛く、どれも美味しそうでどれもしっかりアートなんです。
というのも、スイーツを担当しているのは「ノリエット」のパティシエであり、製菓専門学校の特別講師でもある永井紀之によるものだからです。
妥協が一切ない、映画細部への拘りがすごく伝わる作品です。それこそが、鈴木おさむの初監督作品への意気込みとして伝わってくると言っていいと思います。
初監督でこれだけのアーティストを集められたという点は、やはり、鈴木おさむの幅広い人脈によるものだ思います。
放送作家として、脚本家として長年の活躍の中で得た人脈というの立派な才能です。次回作にも期待したいです。