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映画『星の王子ニューヨークへ行く2』ネタバレ感想と評価解説のあらすじ。続編33年ぶりのエディマーフィがコメディで贈る‟王国の幸せ”

  • Writer :
  • 松平光冬

エディ・マーフィ主演の大ヒットコメディのまさかの続編が登場!

映画『星の王子ニューヨークへ行く2』が、2021年3月5日(金)よりAmazonプライム・ビデオで配信中です。

1988年公開のエディ・マーフィ主演大ヒットコメディの約33年ぶりの続編を、ネタバレ有でレビューします。

アフリカの王国ザムンダの新国王アキームは、30年前にニューヨークまで花嫁探しにやってきました。無事に花嫁を見つけて王位を継いだアキームが、今度は、次期国王候補となる婚外子を探しに、再びニューヨークを目指します。

クレイグ・ブリュワー監督のもと、アキーム役のエディ、セミ役のアーセニオ・ホール、前国王役のジェームズ・アール・ジョーンズなど、前作からのオリジナルキャストはもちろん、フレッシュなキャストも顔をそろえ、新しい魅力満載。

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映画『星の王子ニューヨークへ行く2』の作品情報

(C)Images courtesy of Amazon Studios

【日本公開】
2021年(アメリカ映画)

【原題】
Coming 2 America

【監督】
クレイグ・ブリュワー

【脚本】
ケニヤ・バリス、バリー・W・ブラウスタイン、デビッド・シェフィールド

【製作】
ケビン・ミッシャー、エディ・マーフィ

【撮影】
ジョー・“ジョディ”・ウィリアムズ

【キャスト】
エディ・マーフィ、アーセニオ・ホール、ジャーメイン・ファウラー、レスリー・ジョーンズ、トレイシー・モーガン、キキ・レイン、シャーリー・ヘドリー、ウェズリー・スナイプス、ジェームズ・アール・ジョーンズ、バネッサ・ベル・キャロウェイ、ポール・ベイツ、ノムザモモ・ムバサ、ベラ・マーフィ、モーガン・フリーマン

【作品概要】
1988年公開のエディ・マーフィ主演のコメディ映画『星の王子ニューヨークへ行く』の続編。アフリカの王国ザムンダで新国王となったアキームが、次期国王候補となる婚外子を探しに、再びニューヨークのクイーンズを目指します。

アキーム役のエディ、セミ役のアーセニオ・ホール、前国王役のジェームズ・アール・ジョーンズなど、前作からのオリジナルキャストが顔を揃えるほか、新たにジャーメイン・ファウラー、レスリー・ジョーンズ、エディの実娘ベラ・マーフィらが参加。

監督を、エディ主演のNetflixオリジナル映画『ルディ・レイ・ムーア』(2019)で高く評価されたクレイグ・ブリュワーが担当します。

本作は当初、2020年8月に北米で劇場公開予定でしたが、新型コロナウィルスの影響により延期となり、その後アマゾン・スタジオに配給権を売却。翌年3月5日からAmazonプライム・ビデオで全世界配信されました。

映画『星の王子ニューヨークへ行く2』のあらすじとネタバレ


(C)Images courtesy of Amazon Studios

アフリカにある王国ザムンダの王子アキームが、ニューヨークのクイーンズで見つけた花嫁のリサと結婚して30年の時が流れました。

ミーカ、オマ、ティナーシェという3人の娘にも恵まれ、幸せな生活を送っていたアキームの前に、ザムンダの隣国ネクスドリアの最高指導者イジー将軍が現れます。

イジーの姉イマニは、元々アキームの妃候補でしたが、破談になったために両国の合併がならず、ネクスドリアは貧困に喘いでいました。

イジーは過去の事は不問にする代わりに、息子とアキームの長女ミーカとの婚約を勧めるよう強要するも、アキームに拒否されたことで、戦争を仕掛けることも厭わないと脅すのでした。

ザムンダの王位継承は男系との決まりがあるため、 息子に恵まれなかったことに負い目を感じていたアキームに、病で床に伏していた父のジョフィ・ジャファ王は思わぬ事実を告げます。

それは、アキームには婚外子となる息子がいるというものでした。

リサ以外の女性とは関係を持っていないとアキームは否定するも、実は30年前にクイーンズに行った際、側近のセミが女遊びをしたいがために、クラブにいた女性マリアに声をかけ、数時間アキームの相手をしてほしいと頼んでいたのです。

そしてマリアに違法ハーブを吸わされ意識朦朧となったアキームは、彼女に襲われる形で一夜を過ごしていたのでした。

気の弱いアキームでは国王になってもすぐにイジーに暗殺されてしまうかも……。それを避けるためにもジャファは、マリアが生んだ息子ラベルを王子として迎え、強固な国家を築きたいと願います。

本人の希望で、ド派手な生前葬が行われる最中に息を引き取った父を看取ったアキームは、ラベルを迎えに、セミを連れて再びクイーンズへと向かいます。

そのラベルは、31歳にもなって定職に就いておらず、就職活動をするも苦戦中で、伯父リームの手伝いでダフ屋をやっていました。

30年前に顔見知りとなった理髪店主クラレンスたちからラベルの居場所を聞き、すぐさま対面したアキームは、彼の母マリアともどもザムンダに連れ帰ります。

(C)Images courtesy of Amazon Studios

ラベルの存在を知らなかった妻リサ、そして自分が父の後継者になりたいと密かに願っていた長女ミーカは不満を露わにするも、男性しか王位継承者になれないという掟から、渋々受け入れることに。

ラベルが現れたと知ったイジーが早速祝福の貢物として、自身の娘ボポトを彼の妃として授けます。

「政略結婚は好きではないが、ラベルが望むなら構わない」と答えたアキームにリサは呆れ、ミーカはザムンダの将来を素性も知れぬ義兄に託すのに反対しますが、彼は聞く耳を持ちません。

1週間後のボポトとの挙式までに、ラベルは王子となるための試練として、ライオンのヒゲを切ってくるという難題を課せられます。

自分は王子の器じゃないと愚痴るラベルに、彼の世話係を務める女性ミレンベは、30年前にクイーンズで本当の愛を見つけてきた王子時代のアキームになるように告げ、「あなたはクイーンズの王子になるべき」と諭すのでした。

後日、伯父リームをザムンダに招いたラベルは、故郷クイーンズで培ってきたノリや機転を活かし、独自の王子像を身に付けていきます。

やがてミーカとも打ち解けたラベルは、キャットフードを塗った竹製の檻を使って、ライオンのヒゲを切ることにも成功。

王子になるための儀式をクリアし、挙式前夜を迎えたラベルですが、自分の言うがままの行動しかしないボポトよりも、気心が知れたミレンベを愛していました。

ミレンベとの結婚を認めてもらおうと、ラベルはイジーと会話中のアキームの傍に向かいますが、そこで2人が政略結婚について話をしているのを聞いてしまいます。

「自分は国交成立のための駒でしかなかった」と失望したラベルは、ミレンベや家族を連れてザムンダを離れてしまうのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『星の王子ニューヨークへ行く2』のネタバレ・結末の記載がございます。本作をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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無断でクイーンズに帰ったラベルを「ザムンダの恥」と罵倒するアキームでしたが、リサから「伝統のために娘をないがしろにしてもいいの? この国に新しい風を吹かそうとしていた貴方はどこ行ったの」と窘められてしまいます。

さらに義父マクドゥーウェルから、王として父としての在り方を諭されたアキームは、イジーの対処をセミに任せ、三度クイーンズに向かいます。

クラレンスからラベルとミレンベが教会で式を挙げると聞いたアキームが急ぐ一方、ザムンダでは挙式を反故にされたとして、イジーが部下を引き連れ乗り込んでいました。

しかしミーカ、オマ、ティナーシェの3姉妹による連係プレーで、見事にイジーを撃退するのでした。

そしてラベルが教会でゲスい牧師に愛を誓おうとしたその時、アキームが現れ阻止します。

「俺は自分の力で愛する女性と生きる。宮殿も黄金の山も俺を止められない。全力でミレンベを幸せにする」。

ラベルの言葉で目覚めたアキームは、「今まで恐れから逃げていたが、これからは自分が理想とする国王となる」と、結婚を認めます。

「3人の妹たちは貴方が必要」というミレンベの言葉を受け、アキームは改めて挙式をザムンダで開くことに。

そして、ミーカを次期国王に、ラベルを駐米ザムンダ大使にそれぞれ任命するのでした――。

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映画『星の王子ニューヨークへ行く2』の感想と評価

(C)Images courtesy of Amazon Studios

同窓会テイスト満載の続編コメディ

前作からかなりの年数を経ているにもかかわらず、予期せぬタイミングで続編が製作されるケースは少なくありません。

近年だと、ジム・キャリー主演の『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』(2014)や、キアヌ・リーヴス主演の『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』(2020)、「ベスト・キッド」シリーズ(1984~94)の続編となるNetflixドラマ「コブラ会」(2018~)などがあります。

本作『星の王子ニューヨークへ行く2』も、間違いなくその系譜に属します。

リメイクやリブートではなく、前作のオリジナルキャストを揃えての続編は、往年のファンを喜ばせる、まさに同窓会的な楽しさが詰まっています。

前作では、主演と製作を務めたエディ・マーフィの出世コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』の陽気でノリノリなテイストが満載でしたが、本作でもそれを受け継いでいるのがポイント。

モーガン・フリーマンにグラディス・ナイト、はてはジョン・レジェンドといったアフリカ系著名人が多数カメオ出演しているのも豪華ですし、何といっても前作を観ている人ならニヤリとするシーンが盛りだくさんです。

『星の王子ニューヨークへ行く』(1988)

社会事情を盛り込み、人の幸せと愛を問う

(C)Images courtesy of Amazon Studios

ここ数年のアメリカでは、ドナルド・トランプ政権に端を発したヘイトクライムによる「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大切)」運動が叫ばれるなど、人種間の問題が取りざたされていました。

そのため、アフリカ系俳優が主要キャストを占める『星の王子ニューヨークへ行く』の続編が33年の時を経て作られたのも、BLMのアピールが目的なのではという声がありました。

エディはBLMとの関連性自体は否定するものの、現代の社会事情はしっかりと抑えている節があります。

前作でアキーム王子は、自身が本当に愛し、自分を本当に愛してくれる女性を探しにニューヨークへと向かいますが、それは、古き伝統や慣習に囚われずに生きていくというテーマを含んでいました。

しかし本作で国王となったアキームは、自身を保身するあまり、知らず知らずのうちに古き伝統や慣習に囚われてしまいます。

ここで重要なのは、前作よりもジェンダーの不平等問題に踏み込んでいる点です。

アキームの長女ミーカは、父の跡を継いで国王になり、誰よりも民に尽くしたいと考えているのに、女性には王位継承権がないというザムンダの伝統がそれを拒んでいます。

ラベルの世話係ミレンベも、元々は美容師志望だったのに、ザムンダでは女性の働き場がないと嘆きますが、こうした性差別はザムンダだけでなく、現実社会にいくらでもあります。

「何百年も続く伝統を守る事こそ正しい行いだ」と言うアキームですが、妻のリサから「『正しい』とは家族のため? それとも国のため?」と問われ、返す言葉を失います。

伝統や慣習への尊重は大事ですが、それに囚われすぎると、時として幸せや愛が見えなくなる――それに気づいたアキームが、王子時代だった頃に抱いていた理想の王国づくりを目指すという締めは、実に上手くまとまっています。

それでいて、クイーンズの理髪店にたむろする老人3人組(前作同様に、エディとアーセニオ・ホールが兼役を務める)に、「アメリカは黒人の大統領が誕生して変わったと言われたが、その後がナチスドイツみたいに酷くなった」、「昔と違い今じゃ女性の胸を揉んだだけで職を失う」といった、30年前と今のアメリカの変容をジョークで語らせることも忘れてはいませんが。

まとめ


(C)Images courtesy of Amazon Studios

2010年代後半は目立った出演作がなく、半引退状態だったというエディ・マーフィですが、2019年のNetflix映画『ルディ・レイ・ムーア』で再評価を得たことで、映画製作の意欲を取り戻した様子。

その意欲が形となった本作『星の王子ニューヨークへ行く2』は、まさに人気絶頂期だった1980年代のエディを彷彿とさせます。

現在は大ヒット作「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズ(1984~94)の第4作目を構想中とのことで、まだまだエディが引退する日は来なさそうです。

映画『星の王子ニューヨークへ行く2』は、2021年3月5日(金)よりAmazonプライム・ビデオで配信中

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