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Entry 2020/06/19
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【映画ロボコン2020公開記念】オリジナルがんばれ×リメイク燃えろの感想考察と内容評価。過去作のキャラクターがダイナミックに復活|邦画特撮大全69

  • Writer :
  • 森谷秀

連載コラム「邦画特撮大全」第69章

2020年7月31日に公開予定の映画『がんばれいわ!!ロボコン』。石ノ森章太郎原作の人気キャラクター“ロボコン”が、20年ぶりに復活するのです。

発表されたスタッフは脚本の浦沢義雄、監督は石田秀範と、20年前に放送されていた『燃えろ!!ロボコン』メインスタッフたちが、新たなロボコンを送り出します。

今回の邦画特撮大全は、オリジナルの『がんばれ!!ロボコン』(1974~1977)と、リメイク版『燃えろ!!ロボコン』(1999~2000)を紹介します。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

映画『がんばれ!!ロボコン』の作品概要

(C)石森プロ・東映

【放映】
1974年~1977年

【原作】
石ノ森章太郎

【監督】
奥中惇夫、畠山豊彦、北村秀敏、伊賀山正光

【脚本】
上原正三、藤川桂介、中山昌一、島田真之、押川国秋、安藤豊弘、三宅直子

【キャスト】
大野しげひさ、加藤みどり、住吉正博、上田みゆき、島田歌穂、由利徹
(声)山本圭子、野田圭一、千々松幸子、沢田和子、永井一郎、緒方賢一、はせさん治、加藤修、矢田耕司

ロボ根性!!東映ロボットコメディーの元祖

『がんばれ!!ロボコン』はロボット学校の生徒・ロボコンがA級ロボットを目指し、人間社会で奮闘する特撮コメディー作品です。

ロボコンはドジですが根性が取り柄のロボット。ロボコンという名前は、「ロボット」と「根性」を合わせたものです。なかなか100点が取れないロボコンを、視聴者は「がんばれ!!」と応援したのです。

『仮面ライダー』(1971~1973)をはじめ“変身ヒーロー”が主流だった1970年代当時、人間臭いロボットたちが繰り広げる特撮コメディー作品の登場は画期的だったでしょう。

ロボコン以外にも番長ロボットのロボワル、頭脳明晰なロボガリ、「ショックのパー!!」とバラバラになってしまうロボパーなど多彩なロボットたちがたくさん登場します。

『がんばれ!!ロボコン』は最高視聴率29.2%を記録し、全118話が製作されました。同じ石ノ森章太郎原作の『仮面ライダー』が全98話、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975~1977)が全84話で、その2作品を超すエピソードが制作されたことからも、ロボコンの人気の高さがうかがえます。

コミカルなロボットたちが繰り広げるコメディー路線は、後番組『ロボット110番』を経て、『ロボット8ちゃん』から始まるフジテレビ系列で放送された“東映不思議コメディーシリーズ”へと受け継がれました。

作品として成功をおさめた『がんばれ!!ロボコン』。平山亨プロデューサーによればかつて「東映はコメディーが下手」と言われ、その評判を返上するために製作した作品の1つが『がんばれ!!ロボコン』だったそうです。

そんな製作者の意気が、見事に作品の成功につながったのでしょう。

映画『燃えろ!!ロボコン』の作品概要

(C)石森プロ・東映

【放映】
1999年~2000年

【原作】
石ノ森章太郎

【監督】
坂本太郎、岩原直樹、ヒデ・I(石田秀範)、加藤弘之

【脚本】
西園悟、山田隆司、平柳益実、荒川稔久、扇澤延男、藤井邦夫、浦沢義雄、横手美智子

【キャスト】
渡辺いっけい、未唯、加藤夏希、奈良沙緒理、三嶋啓介、小池城太郎
(声)伊倉一恵、野田圭一、潘恵子、矢尾一樹、嶋村薫、肝付兼太、関智一、遊佐浩二、大神いずみ、阪口大助、堀秀行、山口勝平、飛鳥井豊

東映着ぐるみコメディーの底力

『宇宙刑事ギャバン』から続いた“メタルヒーローシリーズ”の後番組として放送されたのが『燃えろ!!ロボコン』。

原作者の石ノ森章太郎が晩年リメイクを希望していたことや、当時香港で起こったロボコンブームがきっかけで製作が決定しました。そのためなのか、香港アクションの名作『燃えよドラゴン』(1973)を思わせるタイトルです。

メイン監督は『がんばれ!!ロボコン』の助監督を務め、東映不思議コメディーシリーズを手がけた坂本太郎。

撮影もオリジナル『がんばれ!!ロボコン』を担当していた東映特撮の命カメラマン・いのくままさおが務めていました。

前作ではガソリンが燃料だったロボコンですが、本作では電気に変更。デザインもマイナーチェンジされ、声もアニメ『シティーハンター』の槇村香役で知られる伊倉一恵に変更されました。

一方、ガンツ先生役は前作から野田圭一が続投。前作から登場するロボットはロボコンとガンツ先生の2体だけで、他のロボットたちは新キャラクターです。ただしそのキャラクターたちも、前作に登場したロボットたちを彷彿させるものでした。

『燃えろ!!ロボコン』の前年には『テツワン探偵ロボタック』(1998~1999)、その前年には『ビーロボカブタック』(1997~1998)とロボットたちが活躍するコミカルな特撮作品が放送されていました。いわば『ロボコン』の復活は、東映ロボットコメディー路線の先祖返りともいえます。

その2作品ではロボットがヒーロー然としたスタイルに変形したり、変形シークエンスにCGを導入したりと、90年代の特撮作品らしい意欲的な設定や演出が盛り込まれていました。

しかし『燃えろ!!ロボコン』はあくまでオリジナルのスタイルを踏襲し、変形要素は登場せずCGも部分的にしか使用されませんでした。一方でワイヤーを使用した吊りなど、着ぐるみキャラクターによるアクションを全面に押し出しています。

『燃えろ!!ロボコン』はCG技術が発達していった90年代末期の作品にもかかわらず、着ぐるみによるダイナミックなアクションが存分に堪能できる魅力的な作品だったのです。

まとめ

(C)石森プロ・東映

昭和と平成、そして令和の3つの時代を駆け抜けた愛すべきキャラクター、ロボコン。新作映画『がんばれいわ!!ロボコン』ではどのような活躍を見せるのか、楽しみに待ちましょう。

次回の『邦画特撮大全』は…

次回の邦画特撮大全は、2020年7月31日公開の新作映画『がんばれいわ!!ロボコン』を紹介します。お楽しみに。

(C)石森プロ・東映

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