Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

AIやスマホを題材にした映画おすすめ4選。インターネット技術の躍進が人の悪意を引き起し“闇”となる|SF恐怖映画という名の観覧車88

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile088

インターネットが広く普及したことで、人々の暮らしは劇的に変化しました。

しかし、インターネットに接続することの出来るスマートフォンが1台あるだけで、家から出ずとも生活に必要なあらゆるものを揃えることが出来る便利さは同時に闇の部分を生むことにもなります。


『アンフレンデッド:ダークウェブ』 (C)2018 Universal Studios. All Rights Reserved.

そんなわけで、今回は「インターネット」が生み出すことになった「危険性」を描いた作品をリアルな視点に注目してご紹介していこうと思います。

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

スポンサーリンク

「クラッキング」の恐怖

「Amazon」や「楽天」のような大手通販会社や「メルカリ」や「ヤフーオークション」と言った個人間での物品の購入が出来るサイトが普及し、インターネットに詳しい人間でなくても気軽にインターネットを通した買い物が出来るようになりました。

それだけでなく、近年では「PayPay」のようにスマートフォンを使った「スマホ決済サービス」も普及を始め、今や現金を持たなくてもショッピングが楽しめる時代となっています。

しかし、利便性の向上を目的とし登場したものを「悪意」を持って利用する人間はもちろん存在し、その危険は皆さんの想像よりもずっと身近に迫っています。

『スマホを落としただけなのに』


(C)2018映画「スマホを落としただけなのに」製作委員会

前述したような通販サービスを使うにあたり、クレジットカードの番号を含む「個人情報」を入力することは珍しいことではありません。

もちろん、スマートフォンやパソコンには最新の高度なセキュリティが導入されています。

しかし、「クラッキング」のような外部からの悪意のあるアクセスをセキュリティで防ぐことが出来ても、自身のスマートフォンやパソコンに直接触られてしまうとそのセキュリティは意味をなしません。

映画『スマホを落としただけなのに』(2018)では、主人公の恋人がスマートフォンを落とし、そのスマートフォンを悪意のある人間が拾ったことから想像を絶する恐怖が始まります。

米国のセキュリティ会社が発表した2019年の「利用率の最も高い危険なパスワード」が「123456」であり、これは悪意を持った人間が真っ先に試すパスワードでもあります。

もし、このようなパスワードを設定しているのであれば、鍵をかけずに家のドアを開放しているようなものであり、『スマホを落としただけなのに』の恐怖を自身から招いているようなものであると言えます。

『AI崩壊』


(C)2019「AI崩壊」製作委員会

あらゆるモノをインターネットに接続し、利便性を高めようとする「IoT(Internet of Things)」と言う言葉があります。

プログラム的なバグの修正や、利用者の状況をリアルタイムで送信することによる安全性の高さが魅力的であるこの思想は、またしても「悪意を持った人間」の存在により「恐怖」に変化する危険性を含んでいます。

現在「自動運転」の開発が精力的に行われ、2020年には高速道路での進路維持だけではなく車線変更までもを自動で行う「自動運転レベル3」の車が販売されると予想されています。

しかし、『AI崩壊』(2020)で描かれた「自動運転」の乗っ取りは絵空事ではなく、2015年には米国の某車メーカーが著名なハッカーにより「クラッキングによるハンドルの操作」が可能であることを指摘されリコールへと追い込まれました。

高度なセキュリティと、その抜け穴となるセキュリティの「脆弱性」を巡る攻防はイタチごっこであり、インターネットに接続されたモノが「本当に安全であり生命を預けられるのか」は各自で責任を持ち判断していくしかありません。

「見知らぬ人」の恐怖

『アンフレンデッド:ダークウェブ』


(C)2018 Universal Studios. All Rights Reserved.

以前、映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』(2019)の記事で、インターネットの世界には「ダークウェブ」と呼ばれる空間があることをご紹介させていただきました。

流出した個人情報も売買されているとされる「ダークウェブ」の存在は、誰でも踏み込むことが出来る一方で触れ方を間違えば火傷ではすみません。

ですが、「危険」であることがはっきりと分かる「ダークウェブ」と違い、広く普及している「SNS」にも危険は存在します。

スポンサーリンク

集団心理が生み出す危険行動

『NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』


(C)2016 LIONSGATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

「Twitter」や「Facebook」、「Instagram」などの「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)」と呼ばれるサービスが広く親しまれ、このコラムを読んでいただいている方もいずれかのSNSのアカウントを持っていることと思います。

SNSが普及したことによって「面白い人」や「特殊な技術を持った人」が今までよりも簡単に知名度を上げることが出来るようになり、SNS上での有名人が成功を掴む例も多く生まれました。

しかし、そのことが知名度を目的とした「危険行動」を生み出すようになります。

『NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』(2017)では、動画投稿サイトで知名度と賞金を得るために始めたゲームが、やがて命の危険をも伴う「危険行動」を要求されるようになる様子が描かれています。

「より危険な行為が大金ゲットのチャンスとなる」シンプルさに目がくらむ人は後を絶たず、SNSの普及した一番の弊害とも言えるほどになっています。

まとめ

新しい技術の裏に確実について回る「悪意」という名の「危険性」の数々。

暮らしが快適に、便利になることはとても嬉しいことであり、日々の生活が潤うことは間違いありません。

しかし、未来まで幸せな暮らしを続けることを望むのなら、技術革新と言う「光」が作り出す「闇」の部分から目を背けず、しっかりと自衛していくことが必要です。

スポンサーリンク

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…

いかがでしたか。

次回のprofile089では、「SF映画おすすめ5選!70年代の名作傑作選【糸魚川悟セレクション】」と銘打ち、1970年代に公開されたSF映画の傑作をランキング形式で振り返りたいと思います。

2月12日(水)の掲載をお楽しみに!

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

『華氏119』ネタバレ感想。マイケル・ムーアが映画でトランプの真実を暴く|だからドキュメンタリー映画は面白い1

『ボウリング・フォー・コロンバイン』や『華氏911』といったドキュメンタリー映画で、アメリカ社会が抱える歪みをアポなし取材で徹底的に追究してきた監督マイケル・ムーア。 そのムーア監督の最新作『華氏11 …

連載コラム

映画『無限ファンデーション』あらすじと感想レビュー。全編“即興”で作り上げられた青春の姿|銀幕の月光遊戯 39

連載コラム「銀幕の月光遊戯」第39回 『お盆の弟』の大崎章監督と若い俳優陣、ミュージシャンたちが即興で作り上げた驚くべき青春映画! 映画『無限ファンデーション』が、2019年8月24日(土)より、K’ …

連載コラム

【パワーレンジャー】映画版3作あらすじと感想・評価。アメリカ発のスーパー戦隊シリーズを観る|邦画特撮大全67

連載コラム「邦画特撮大全」第67章 東映製作の特撮作品「スーパー戦隊」シリーズは、現在も毎年新作が製作・放送されています。現在放送中の『魔進戦隊キラメイジャー』で数えること44作品目。シリーズの息の長 …

連載コラム

映画『アジア三面鏡2018Journey』感想と考察。長谷川博己&松永大司監督作品「碧朱」を中心に|映画道シカミミ見聞録22

連作コラム「映画道シカミミ見聞録」第22回 こんにちは、森田です。 東京国際映画祭も閉幕し、つづいて報知映画賞を皮切りとする映画賞シーズンを迎えようとしています。 1年の流れを総括する前に、映画祭の現 …

連載コラム

映画『Z Bull ゼット・ブル』あらすじネタバレと感想。ブラックユーモアで描くサラリーマン抗争劇|未体験ゾーンの映画たち2019見破録54

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2019見破録」第54回 ヒューマントラストシネマ渋谷で開催された“劇場発の映画祭”「未体験ゾーンの映画たち2019」。今回は、血まみれにして捧腹絶倒のブラック・コメ …

U-NEXT
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【Cinemarche】今週のおすすめ映画情報
凱里(かいり)ブルース|2020年6月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次ロードショー予定!
映画『異端の鳥』TOHOシネマズ シャンテほか近日公開予定
映画『朝が来る』TOHOシネマズ 日比谷ほか近日公開予定
ドラマ『そして、ユリコは一人になった』
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学
国内ドラマ情報サイトDRAMAP