Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

映画『名探偵ピカチュウ』ネタバレあらすじと感想。ポケモンの愛くるしさとミステリーの融合作|SF恐怖映画という名の観覧車102

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile102

1996年にゲームボーイで発売された「ポケットモンスター」の大ヒット後、「ポケットモンスター」シリーズは任天堂の看板作品として長く続いていくことになります。

2020年までで全世界で累計3億本以上もの販売本数を記録した本シリーズは、2019年に遂に映画の本場ハリウッドで実写映画化。

今回は同名ゲームを原作とした映画『名探偵ピカチュウ』(2019)をネタバレあらすじを交えご紹介させていただきます。

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

スポンサーリンク

映画『名探偵ピカチュウ』の作品情報


(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
(C)2018 Pokemon

【日本公開】
2019年(アメリカ・日本合作映画)

【原題】
Pokémon Detective Pikachu

【監督】
ロブ・レターマン

【キャスト】
ジャスティス・スミス、キャスリン・ニュートン、渡辺謙、ビル・ナイ、ライアン・レイノルズ

【作品概要】
『シャーク・テイル』(2004)や『モンスターVSエイリアン』(2009)などの3Dアニメ映画の監督として知られるロブ・レターマンが監督を勤めた実写と3Dアニメの融合作品。世界中で大ヒットしている人気ゲームシリーズ「ポケットモンスター」の初めての大掛かりな実写作品として話題となりました。

映画『名探偵ピカチュウ』のあらすじとネタバレ


(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
(C)2018 Pokemon

ポケモンを身近に生き、共存することが珍しくなくなった世界。

人工的に生み出された究極の力を持つポケモン「ミュウツー」の研究を進めていた実験施設からミュウツーが脱走します。

研究所から飛び出た車はミュウツーによって炎上させられ横転、ミュウツーは人間を恨んでいるかのように宙にたたずんでいました。

昔はポケモンが人並み以上に大好きだったものの、探偵業を営む父のハリーがポケモンに関する調査を進めるうちに家を出てしまったことから、21歳になるティムはポケモンと距離を置く人生を過ごしていました。

ある日、ポケモンと人間がより親密に生活をする街ライムシティの刑事ヨシダから、ハリーが交通事故により死亡したと連絡を受け、ティムはライムシティを訪れます。

ヨシダとの謁見でハリーが車の横転による炎上によって死亡したことを聞かされたティムは遺品整理のため、ハリーの探偵事務所へと向かいます。

探偵事務所で探偵帽子としてお馴染みの鹿撃ち帽を被る「ピカチュウ」と出会ったティムはそのピカチュウが人語を話すことに驚愕します。

その時、ハリーの机にあった紫色のガスを撒いてしまったことで、そのガスを吸い凶暴化したエイパムに襲われ2人は何とか逃げ延びます。

街を歩いていた際の他の人の様子から、どうやら探偵帽子を被ったピカチュウの言葉は他の人には鳴き声にしか聞こえない様子であり、自身をハリーの相棒だと語るピカチュウも自身の言葉を理解するティムと会えたことに驚いている様子でした。

車の事故の際にその場に居たピカチュウはハリーの生存を確信してはいるものの、事故前の記憶が一切ないことからティムと共にハリーを探すことを提案し、2人は捜査を始めることになります。

ポケモンの調査を行っていたハリーの謎の事故と遺体無き事故の謎を追う記者のルーシーと連絡を取り、2人を襲ったエイパムが嗅いでしまったポケモンを凶暴化させる危険なガス「R」のことを詳しく知る情報屋を教えてもらった二人は、情報屋から「ラウンドハウス」と呼ばれる危険な場所を聞きます。

そこは違法とされるポケモンバトルを非合法に行っている無法地帯であり、「R」の出所だと言うのも無理がないと言えるほどの場所でした。

何とか「R」の情報を手に入れようとするルーシーを含めた3人でしたが、記憶喪失となる前のピカチュウに負けたことで個人的な恨みを持つ主催者がピカチュウとリザードンとのバトルを強行します。

相手を煽りに煽ったピカチュウでしたが記憶喪失のせいで全ての技を失念してしまっており、リザードンに歯が立たない状態でしたが、さらに主催者がリザードンに「R」を吸わせたことで暴走、ピカチュウを助けようとするティムの介入もあったことで主催者の持つ「R」が会場内に撒き散り会場内は大パニックとなります。

パニックとなる会場内で主催者を問い詰めるティムは「R」の出所がルーシーの勤めるライムシティいちのテレビ局「CNM」の会長であり研究者でもあるハワード博士であることを突き止めます。

ラウンドハウスからの脱出後、警察に捕まったティムでしたがヨシダの計らいによりお咎めなしとなります。

しかし、ヨシダはハリーの生存を信じようとせず協力を得ることは出来ませんでした。

その時、ティムとピカチュウの前にハワードからの使者が訪れ、2人は身体の不自由なハワード博士と対面し、彼の考える事故の真相を聞くことになります。

ハワードはCNMの現社長であり息子のロジャーが違法な研究に携わっていることを疑いハリーに調査を依頼していました。

しかし、ハリーは調査を終えた研究所からの脱出の際、ミュウツーによって殺害されてしまったのだとハリーの自動車事故の状況をホログラムで再現し、ピカチュウの記憶喪失の原因もミュウツーにあると示唆しました。

ティムとピカチュウ、そしてルーシーはハワードを陥れるためにロジャーが「R」の生成を行っていることを確信し、ハリーが事故前に調査をしていた研究所に潜入。

研究所の中でポケモンを使った非合法な実験の数々を目の当たりにした3人はロジャーに見つかったことで追われることになります。

ゲッコウガの追跡を何とかかわした3人でしたが、実験により山のような大きさとなったドダイトスによる落石でピカチュウは瀕死の重傷を負ってしまいます。

ピカチュウを何としてでも助けたいティムの想いが野生のフシギダネに通じ、フシギダネによって森の奥にいるあるポケモンのところへと案内されるのでした。

森の奥に居たのは研究所から脱走したミュウツーであり、彼はピカチュウの傷を癒すと同時にハリーの事故の真実を語ろうとします。

しかし、ロジャーの機械による追跡によってあっさりとミュウツーは捕まってしまうのでした。

すぐさま追いかけようとするティムでしたが、ピカチュウは蘇った記憶の断片から自身がハリーを裏切ったことでミュウツーが脱走しあの事故が起きたのではないかと考え、ティムのもとを去ってしまいます。

失意にくれるティムでしたが、ルーシーと共にハワードへの報告のためにライムシティへと戻ります。

ハワードのもとへ戻ったティムはそこで衝撃の事実を知ることになります。


(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
(C)2018 Pokemon

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『名探偵ピカチュウ』のネタバレ・結末の記載がございます。『名探偵ピカチュウ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク

実はポケモンに対する非合法な実験も「R」の生成も全てがハワードの仕業でした。

黒幕だと思われていたロジャーはメタモンによる擬態であり、ティムへの依頼も全てはミュウツーを手中に収めることを目的としていたのです。

ハワードはミュウツーに精神状態が安定しないポケモンと人間の精神を融合させる能力があることを知り、自身の不自由な身体を捨て全知全能の存在になるためミュウツーと精神を融合させることを考えていました。

機械を使い強制的にミュウツーと精神を融合させたハワードは、「R」を街中に散布しポケモンを暴走させることでライムシティ全体のポケモンと人間の精神の融合を行い始めます。

パニックとなる街中で隙を見てテレビ中継を乗っ取ったルーシーは現状を報道をし始めます。

ハワードの野望を止めようとするティムでしたが、メタモンの攻撃に歯が立たず窮地に追いやられることになります。

一方、ハリーの事故現場に傷心の中たどり着いたピカチュウは、現場の状況からハリーの事故が引き起こされたのはゲッコウガによる攻撃であることやミュウツーがハリーをゲッコウガから守ろうとしていたことを確信します。

この事実をティムに伝えるためライムシティに戻ったピカチュウは、パニックとなるライムシティで現状を知ります。

ピカチュウはミュウツーとなったハワードと対峙しますが、圧倒的な力を持つミュウツーの前に防戦一方となります。

ティムからのアドバイスにより必殺技「ボルテッカー」をミュウツーに打ち込み、同時にハワード本体の頭に取り付けられた精神転移装置をティムが外すことによってミュウツーとハワードの精神の融合を解くことに成功。

自我を取り戻したミュウツーは街中のポケモンと人間の融合を解き、ハワードは警察によって逮捕され騒動は収まることになります。

ティムはミュウツーにハリーの消息を訊ねると、ミュウツーはずっとティムと一緒に居たと言います。

あの時、事故現場でハリーと一緒に居たピカチュウの想いを聞き入れ、ハリーを救うためミュウツーはピカチュウとハリーを融合させていたのです。

ミュウツーはハリーとピカチュウの融合を解き、それぞれを元の姿に戻すと去っていきました。

数日後、駅でティムはハリーとピカチュウと別れ元の街へと戻ろうとします。

しかし、長い間ともに事件を追ったことで絆を取り戻したティムとハリー、そしてピカチュウは共に生きることを決めるのでした。

スポンサーリンク

映画『名探偵ピカチュウ』の感想と評価


(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
(C)2018 Pokemon

2016年にニンテンドー3DS専用ソフトとして発売された同名のアドベンチャーゲームを実写化した『名探偵ピカチュウ』。

本作は公開前から初の「ポケットモンスター」の実写映画として、主にポケモンのビジュアルとピカチュウを演じたライアン・レイノルズに注目が集まっていました。

製作陣が拘り抜いたとされるポケモンの質感は毛並みから表情の変化にまで充分に表れており、現実の世界にポケモンたちが居てこんな風に触れ合うことが出来たら良いなあと言う気持ちをさらに高めてくれていました。

特にライアン・レイノルズの演じた「ちょっとオッサンっぽいピカチュウ」の愛くるしさは世界で大人気となり、アメリカで「POKÉMON Detective Pikachu: Full Picture」と言う流出動画を偽装したタイトルで公開された「ピカチュウが延々とダンスをし続ける動画」は6000万回以上の再生数を記録しています。

ゲームだけでは感じることの難しかった「生きてるポケモンが確かにそこにいる感覚」を体感できる映画としてポケモン好きにも、全くポケモンを知らない人にもオススメの作品です。

参考動画:POKÉMON Detective Pikachu: Full Picture

まとめ


(C)2018 Legendary and Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
(C)2018 Pokemon

ポケモンの愛くるしさだけでなく、本作はミステリーとしてもどんでん返しを盛り込んだ秀逸な作品。

父の事故死の真相とライムシティを巡る巨大な陰謀が繋がるラストは子供向けとは言えない興奮を覚えること間違いなし。

ぜひぜひ、事件の真相をピカチュウと共にその目に焼き付けてください。

スポンサーリンク

次回の「SF恐怖映画という名の観覧車」は…


(C)2018 Danger House Holding Co., LLC. All rights reserved.

いかがでしたか。

次回のprofile103では、ホラー映画界の鬼才が集まり製作された最新映画『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』(2020)の魅力をたっぷりとご紹介させていただきます。

5月20日(水)の掲載をお楽しみに!

【連載コラム】『SF恐怖映画という名の観覧車』記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

映画『ラ・ヨローナ伝説』あらすじと感想レビュー。ハイロ・ブスタマンテ監督はマヤの侮辱の歴史を「怪談」を用いて表現|TIFF2019リポート21

第32回東京国際映画祭・コンペティション部門『ラ・ヨローナ伝説』 2019年にて32回目を迎える東京国際映画祭。令和初となる本映画祭が2019年10月28日(月)に開会され、11月5日(火)までの10 …

連載コラム

ホラー映画『コンジアム』あらすじと感想レビュー。韓国の心霊スポットへ観客を没入させる演出力|SF恐怖映画という名の観覧車40

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile040 2012年、アメリカのニュースチャンネルが世界各地を調査し発表した「世界七大禁断の地」。 世界が注目するこの発表で、日本からは「軍艦島」 …

連載コラム

講義【映画と哲学】第2講「悲劇的な行為について:アリストテレスの詩学から映画を見る」

講義「映画と哲学」第2講 日本映画大学准教授である田辺秋守氏によるインタネット講義「映画と哲学」。 第2講でも、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の名作『デカローグ』(1989~90)を題材に、「悲劇的 …

連載コラム

是枝裕和監修映画『十年』より「PLAN75」感想と考察。高齢化社会の行き着く先とは【十年 Ten Years Japan】|SF恐怖映画という名の観覧車21

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile021 世界には様々な「SF」オムニバス作品が存在します。 イギリスのSFオムニバスドラマ『ブラック・ミラー』では、約1時間と言う尺で様々な未来 …

連載コラム

【カメラを止めるな!】なぜ面白いのかを考察。感染源としての『竜二Forever』と『貌斬り KAOKIRI』|映画道シカミミ見聞録10

連作コラム「映画道シカミミ見聞録」第10回 (C)ENBUゼミナール こんにちは。森田です。 今回は大ヒットを記録し、上映館拡大中の映画『カメラを止めるな!』の魅力に迫ります。 「おもしろい!」と感じ …

U-NEXT
架空映画館 by ReallyLikeFilms Online
【Cinemarche】今週のおすすめ映画情報
凱里(かいり)ブルース|2020年6月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次ロードショー予定!
映画『異端の鳥』TOHOシネマズ シャンテほか近日公開予定
映画『朝が来る』TOHOシネマズ 日比谷ほか近日公開予定
ドラマ『そして、ユリコは一人になった』
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学
国内ドラマ情報サイトDRAMAP