連載コラム『旅するイタリア映画祭』第1回
2019年で19回目となるイタリア映画祭が、ゴールデン・ウィーク期間中の4月27日(土)〜5月4日(土・祝)まで東京・有楽町朝日ホールにて開催されています。
本コラムでは、豪華ゲスト陣が集結した開会式の模様にはじまり、すでに日本配給が決まっている作品を中心に、解説とみどころをお伝えしていきます。
2019年4月27日(土)17時50分から有楽町の朝日ホールにて、『カプリ島のレボリューション』上映前に開会式が行われました。
開会式には、主催者代表の他、監督&キャスト総勢11名の豪華来日ゲストが登壇。その模様をお届けします。
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イタリア映画祭2019開会式の模様
開会式では、はじめに主催者を代表してイタリア文化会館のパオロ・カルベッティ館長が登壇しました。
「昨年カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した是枝裕和監督に以前お会いした際、若い頃にイタリアのクラシック作品を観るためにイタリア文化会館を訪れていたと話されていたことを思い出します。
このイタリア映画祭は、多くの方にとって、イタリアの窓を開ける大変な重要な映画祭となっており、それによってイタリアの現代の文化のさまざまな面に近づいていただくことにもつながっています」
カルベッティ館長は、19回目を迎えるイタリア映画祭の感慨深さを述べ、映画祭の主人公である観客に感謝の気持ちを伝えました。
続いて豪華ゲスト11名が登壇。
マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、ロベルト・アンドー、アレッサンドロ・アロナディーオ、ラウラ・ビスプリ、チーロ・デミリオ、ルカ・ミニエーロ、エマヌエーレ・スカリンジ、パオロ・ズッカ、ヴァレリオ・エミーリといった監督のほか、女優のマリアンナ・フォンターナとキアラ・マルテジャーニが舞台上に集結し、会場は一気に熱気に包まれます。
2020年春に日本公開が決まっている『盗まれたカラヴァッジョ(仮題)』(2018)のロベルト・アンドー監督は、「犯罪と映画を描いた作品」と説明。
「人がどれだけ女性を崇拝しているかをみていただければ」とコメントするのは長年イタリア映画界を牽引してきた『女性の名前』(2018)のマルコ・トゥッリオ・ジョルダーナ監督。客席からは思わず笑いがこぼれます。
今秋公開予定『帰ってきたムッソリーニ』(2018)のルカ・ミニエーロ監督は、「忘れられていたイタリア人とファシズムの関係」を描いていると自作をアピールします。
そして最後に『カプリ島のレボリューション』(2012)に主演したマリアンナ・フォンターナが、「第1次世界大戦をいろいろな視点で描いている」と説明し、自身が演じる役どころについてもふれ、精悍な笑顔をみせました。
開会式の締めくくりではフォトセッションが行われ、イタリア映画界を代表する豪華な顔ぶれを客席に印象づけました。
イタリア映画祭2019とは
2001年の春に「日本におけるイタリア年」をきっかけに始まり、今年で19回目を迎えます。
新進気鋭から巨匠まで世界の映画祭を席巻したイタリア映画作品が一堂に集結するイタリア映画祭では、ドラマ、コメディー、ロマンス、クライム、歴史などバラエティに富んだ各ジャンルが取り揃えられ、旬な新作14本が日本初お目見えとなります。
毎年1万人を超える観客が訪れ、イタリア好きの映画ファンにとっての恒例イベントとしてゴールデンウィークを彩ります。
まとめ
マリアンナ・フォンターナ主演の『カプリ島のレボリューション』
映画以外にも食にファッションと、多彩な文化を擁する歴史ある国イタリア。
太陽のように活気に溢れた人柄のよい国民性によって、イタリア映画は誰にでも親しみやすさを感じさせます。
また、映画のスクリーンに映る異国の風景は、多くの観客たちの旅情を刺激し、この東京にあってもすでに憧れのイタリアを訪れているような気分にさせてくれることでしょう。
さらに、イタリア映画だけで質・量ともにこれほど充実した映画祭は世界をみてもなかなかありません。
イタリア映画祭2019は5月4日(土・祝)まで東京・有楽町朝日ホールにて開催されています。
最新のイタリア映画14本に加え、2018年に亡くなったヴィットリオ・タヴィアーニ監督とエルマンノ・オルミ監督追悼上映もあり、各作品の上映後には舞台挨拶が予定されています。
また、大阪のABCホールでも5月18日〜19日から開催予定です。
2019年のゴールデンウィークは、是非イタリア映画の魅力をご堪能ください。