Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

Entry 2023/02/19
Update

『マジック・マイク ラストダンス』あらすじ感想と評価解説。チャニングテイタムが最終章で演じる“究極のステージ”|映画という星空を知るひとよ141

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第141回

男性ストリップダンスの世界とその裏側を描いた「マジック・マイク」シリーズの第3弾『マジック・マイク ラストダンス』。“ラスト”とつくタイトル通り、シリーズの最終章となる作品です。

第1作を手がけたスティーブン・ソダーバーグが再び監督となり、男性ストリップダンサー・マイクの人生をかけたラストダンスを描き出します。

破産により全てを失ったマイクは資産家の女性・マックスに誘われ、人生の再起をかけてロンドンへ。さまざまな思惑を抱える人々から反発を受けながら、世界中から集まったダンサーたちとともに、人生最後のダンスショーを成功させるため奮闘します。

主人公・マイクをチャニング・テイタム、マックスをサルマ・ハエックが演じます。ダンスショーをはじめ、息のあった主役2人のダンスも見どころです。

2023年3月3日(金)からの新宿ピカデリー他でのロードショーに先駆け、『マジック・マイク ラストダンス』をご紹介します

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『マジック・マイク ラストダンス』の作品情報


(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

【日本公開】
2023年(アメリカ映画)

【原題】
Magic Mike’s Last Dance

【監督】
スティーブン・ソダーバーグ

【脚本】
リード・カロリン

【キャスト】
チャニング・テイタム、サルマ・ハエック

【作品概要】
『マジック・マイク』(2013)、『マジック・マイク XXL』(2015)に続くシリーズ第3弾となる『マジック・マイク ラストダンス』。

知られざる男性ストリップダンス界の裏側とダンサーたちの姿を、迫力いっぱいのダンスシーンとともに描き世界を熱狂させてきた「マジック・マイク」シリーズは、無名時代にストリップダンサーとしても活動していたチャニング・テイタムの実経験を基に製作されました。

第3弾にしてシリーズ最終章となる本作は、「オーシャンズ」シリーズで知られるスティーブン・ソダーバーグが監督となり、マイクの人生を懸けたラストダンス&ショーを描きます。

マイクの再起に協力する資産家の女性・マックス役には、『エターナルズ』(2021)、『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』(2022)のサルマ・ハエックが演じています。

映画『マジック・マイク ラストダンス』のあらすじ


(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

全てを失い、今はバーテンとして働き長期間ステージから遠ざかっている元ストリップダンサーのマイク(チャニング・テイタム)。

資産家の女性マックス(サルマ・ハエック)から突然の依頼を受け、運命に導かれるようにロンドンへ向かいました。

依頼内容は、歴史ある劇場で一夜限りのストリップ・ステージを成功させること。観客を夢中にさせる、最大限まで肉体を使った情熱的でセクシー、そして危険なストリップ・ダンスを披露するのです。

まずは、志を同じとする男性ダンサーの出演者を集めます。着々と仲間が集まる一方で、さまざまな思惑を持った人間たちの反発に遭いますが、それでもマイクとマックスは、世界中のダンサーとともに奮闘します。

夢を諦められなかったマイクが目指す、誰も見たことのない究極のステージとは?

彼は“マジック”を起こし、ラストショーを成功させられるのでしょうか!?

映画『マジック・マイク ラストダンス』の感想と評価


(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

1作目の『マジック・マイク』が公開されてから10年が経ち、主演のチャニング・テイタムと過去作の制作チームが再結集。シリーズ最終章となる『マジック・マイク ラストダンス』が誕生しました。

本作では、落ちぶれた男性ストリップダンサーが自分の夢を叶えるラストチャンスにかける様子を描いています。

たまたま知り合った女性資産家マックスの助けがあり、主人公マイクはダンサー集めに演出にと大奮闘。そして、鍛え上げた肉体美を惜しげもなくさらけ出すダンスショーが開催されます。

ダンサーたちのノリノリのダンスはもちろん、最高のダンスを見せることをめざし、ヒップホップ、ブレイキン、クランピング、ジャズ、コンテンポラリー、パートナリングなど、多種多様なダンススタイルが登場するのも見逃せません。


(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

シリーズに出演するダンサー陣は、ロンドン、ラスベガス、ベルリン公演のメンバーをはじめ、オーストラリア公演からのライブステージショー経験者が集結しました。

ステージでは演出でも演技でもない本物のダンス熱が巻き起こり、白熱したラストへと続いていきます。

また忘れてならないのは、マイクを見出して力を貸した資産家女性のマックスです。マイクの夢ともいえるダンスの魔力を身をもって体験する場面は、とても官能的で本能をくすぐられることでしょう。

演じているのは、『エターナルズ』(2021)やヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』(2022)で、印象深い役を演じたサルマ・ハエック。

全財産を投げうってでも、1人のストリップダンサーの夢を叶えようと奔走する強かな女性を、セクシーにかつ力強く演じています。

まとめ


(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

人間の本能を刺激するようなマジックを含んだダンスで、観客を魅了するマイクとショーのダンサーたち。シリーズ最終章となる『マジック・マイク ラストダンス』は、これまで以上にダンスにかける熱量がアップしています。

「才能あふれるダンサーたちのパフォーマンスを見せることで、純粋に観客をたのしませたいと思った。また同時に、ダンスを使って観る者を巧妙に惹きつけ、ほかのアイデアを描こうともした」と語るスティーブン・ソダーバーグ監督の言葉そのものの出来栄えとなりました。

一番の見どころは、何と言ってもラスト30分のダンスシーン!ダイナミックかつエロティックなダンスは、あっという間に会場を興奮のるつぼとし、観客までもが引きずり込まれていきます

マイクとマックスの夢が叶ったショーであり、力強さと妖艶なダンスのオンパレードをお楽しみください。

『マジック・マイク ラストダンス』は2023年3月3日(金)新宿ピカデリー他にてロードショー!

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。


関連記事

連載コラム

映画『テスラ』感想レビュー評価と内容解説。エジソンが恐れた天才科学者の“人間”としての肖像|シニンは映画に生かされて28

連載コラム『シニンは映画に生かされて』第28回 2021年3月26日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国順次ロードショーの映画『テスラ エジソンが恐れた天才』。 稀代の天才として知られ …

連載コラム

講義【映画と哲学】第12講「愚か者とその愚行:映画に愚行の魅力を見る。」

講義「映画と哲学」第12講 日本映画大学教授である田辺秋守氏によるインターネット講義「映画と哲学」。 (C) 1994 by Paramount Pictures. 第12講では、J. S.ミル『自由 …

連載コラム

スーパー戦隊はマンネリなのかを考える②【成長期】ゴーグルファイブからチェンジマン|邦画特撮大全7

連載コラム「邦画特撮大全」第7章 前回は第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』(1977)から第5作『太陽戦隊サンバルカン』(1981)までの、スーパー戦隊シリーズ黎明期について分析しました。 今回はシリーズ …

連載コラム

『いずれあなたが知る話』あらすじ感想と評価考察。映画冒頭からネタバレ寸前の脅威満載で‟真の幸福”を問う|映画という星空を知るひとよ156

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第156回 映画『一礼して、キス』(2017)のほか、ピンク映画や自主映画も手がける古澤健監督が、日常に潜む孤独と愛情を描いたノワールサスペンス『いずれあなたが …

連載コラム

『山女』あらすじ感想と評価解説。山田杏奈の魅力で福永壮志監督が描く‟自然の畏敬の念”|TIFF東京国際映画祭2022-4

第35回東京国際映画祭『山女』 2022年にて35回目を迎える東京国際映画祭。コロナ感染症の影響も落ち着き、本格再始動を遂げた映画祭は2022年10月24日(月)に開会され、11月2日(水)まで開催さ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学