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Entry 2026/10/31
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FREE FISHガザの漁師たち|あらすじ感想と評価考察。海に自由を託しガザで生きる人々|いま届けたい難民映画祭2026vol.2

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

連載コラム『いま届けたい難民映画祭2026』第2回

難民映画祭は、難民をテーマとした映画を通じて、日本社会で共感と支援の輪を広げていくことを目的とした映画祭で、世界各地で今まさに起きている難民問題、1人ひとりの物語を届けています。

2026年11月5日(木)〜12月6日(日)開催の第20回難民映画祭では、困難を生き抜く難民の力強さに光をあてた作品をオンラインと劇場で公開。公開される8作品をCinemarcheのシネマダイバー菅浪瑛子が紹介します。

今回紹介するのは、ガザに暮らしていた漁師であり、包囲と避難によって離れ離れになってしまった兄弟モハメドとアフマド、そしてガザの人々を映したドキュメンタリー『FREE FISH ―ガザの漁師たち』。

第21回難民映画祭は2025年11月5日(木)〜12月6日(日)までオンラインにて開催され、『FREE FISH ― ガザの漁師たち』はオンライン上映のほか、11月5日(木)のオープニング上映イベントとして『アライズ・イン・エグザイル/故郷を追われた盟友たち』と共にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで上映されます。

【連載コラム】『いま届けたい難民映画祭2026』一覧はこちら

映画『FREE FISH ―ガザの漁師たち』の作品情報

【日本上映】
2026年上映(パレスチナ・ポルトガル合作映画)

【原題】
FREE FISH

【監督】
Bisan Owda

【作品概要】
「天井のない監獄」と呼ばれるガザでは、イスラエルとの国境が封鎖され検問所を通してしか出入りすることはできません。また海もイスラエルによって封鎖され、漁に出られる範囲も縮小しています。そんな包囲下で漁をしながら生き延びようとする二人の兄弟を追ったドキュメンタリーが『FREE FISH ― ガザの漁師たち』です。

監督のBisan Owdaは、パレスチナ人の映像作家であり、ガザ出身のジャーナリストです。本作が初監督作となりました。

映画『FREE FISH ―ガザの漁師たち』のあらすじ

ガザの漁師である兄弟のモハンマドとアフマド・カッルーブ。

兄のモハンマドは、家を爆撃され、2人の娘と共にガザの北部から南部のハンユニスに避難します。避難した先で漁を続けますが、港は攻撃され、漁師の数に対して十分な漁場があるとは言えません。

一方、弟のアフマドは北部に残り兄との再会を待ちながら漁を続け、船を守っています。

海さえもイスラエルに占領され、漁をすることは危険との隣り合わせです。しかし、生きるためには漁をしなければならない。

包囲と攻撃にさらされながらも、ガザには生きる人々がいて、生活があるのでした。

映画『FREE FISH ―ガザの漁師たち』の感想と評価

『FREE FISH ―ガザの漁師たち』は、攻撃によって負傷したり、命を落としたり……そうした凄惨な様子を映し出すのではなく、そこに生きる人々の生活を映し出しています。

作中の中心人物として映し出されている漁師の兄弟モハンマドとアフマド・カッルーブは、イスラエルの攻撃や包囲によって北部と南部に引き裂かれてしまいました。

“いつか再会した時のために”……弟のアフマドは北部で兄の船を直し、漁を続けています。電話をして再会を願う2人。2人を引き裂いているのはイスラエル軍であり、互いのいる場所に行こうとするのは、命の危険を伴います。

また包囲や攻撃によって漁場は制限され、漁師の数に対して十分な漁場があるとは言えません。また、全てを北部に置いてきたモハンマドは十分な漁の道具も持っていません。

それだけではありません。魚がとれないからと遠くに行こうとすれば、イスラエル軍の攻撃対象になってしまいます。命の危険があってもなお、海に出るのは、生きるためです。

十分な物資もなく、2023年10月から始まった戦争以前からも、ガザの食料自給率は低く、多くを外部からの支援物資に頼っている状態でした。戦争はガザの飢餓を悪化させ、それこそがイスラエルの狙いとも言えるでしょう。

なぜ、ガザの人々がこのような目に遭わねばならないのか。なぜ、イスラエルはこのようなことができるのか。怒りと恐怖に包まれます。

その一方で、本作が映し出しているのは、ガザの人々の生きる力です。攻撃と包囲にさらされる中でもそこに人々の生活があり、人々が望むのは「FREE」すなわち「自由」なのです。

まとめ

包囲下で漁をしながら生き延びようとする二人の兄弟、モハンマドとアフマド・カッルーブを追ったドキュメンタリー『FREE FISH ―ガザの漁師たち』。

ガザで自由な生き物は魚だけ。自由を求め、生き延びようと抗う人々。人々の生きる強さに、一刻も早くガザに平和が訪れることを祈らずにはいられません。

第21回難民映画祭は2025年11月5日(木)〜12月6日(日)までオンラインにて開催され、『FREE FISH ―ガザの漁師たち』はオンライン上映のほか、11月5日(木)のオープニング上映イベントとして『アライズ・イン・エグザイル/故郷を追われた盟友たち』と共にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで上映されます。

難民映画祭詳細はHPにて

【連載コラム】『いま届けたい難民映画祭2026』一覧はこちら



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