アニメ「Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア」の続編
赤井俊文が監督を務め、人気スマートフォン向けゲームアプリ『Fate/Grand Order』の第1部の最終エピソードを映像化させた、ファンタジーアニメ映画『Fate/Grand Order 終局特異点 冠位時間神殿ソロモン』。
人類最後の魔術師と彼の疑似サーヴァントが、人理焼却を行った魔術王ソロモンを倒そうとする姿とは、具体的にどんな内容だったのでしょうか。
テレビアニメ「Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア」の続編である、『Fate/Grand Order 終局特異点 冠位時間神殿ソロモン』のネタバレあらすじと作品情報をご紹介いたします。
CONTENTS
映画『Fate/Grand Order 終局特異点 冠位時間神殿ソロモン』の作品情報
【公開】
2021年(日本映画)
【原作】
奈須きのこ、TYPE-MOON
【監督】
赤井俊文
【キャスト】
島崎信長、高橋李依、川澄綾子、鈴村健一、坂本真綾、杉田智和、野島健児、丹下桜、高乃麗、沢城みゆき、宮野真守、小林ゆう、江川央生、置鮎龍太郎、関智一、藤井隼、帆風千春、地蔵堂武大、内山茉莉、菊池康弘、白石兼人
【作品概要】
人気スマートフォン向けゲームアプリ『Fate/Grand Order』の第1部のシナリオを映像化した、テレビアニメ『Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア』の続編であり、原作ゲーム第1部の最終エピソードが描かれています。
「Fate/Grand Order」シリーズの島崎信長や杉田智和ら、豪華声優陣が出演しています。
映画『Fate/Grand Order 終局特異点 冠位時間神殿ソロモン』のあらすじとネタバレ
その男は、生まれながらの王でした。その王は神に祝福され、全知全能の力を与えられたのにも関わらず、力ではなく知識を欲しました。
その王の目には、過去と未来が見ることが出来ました。貧困にあえぎ、悲しむ多くの民を見ていながらも、王は薄ら笑みを浮かべ、助けずただ見ているだけ。
この世の全てを把握しながらも、ただ見ていることしかしない王を、許せない者がいました。
場面転換、ある人物が見たと思われるFGO世界の「冬木市の聖杯戦争」。魔術師の貴族「アニムスフィア家」の先代当主であり、カルデアの創設者マリスビリー・アニムスフィアは、自らが召喚したサーヴァント、紀元前における古代イスラエルの王ソロモンと共に勝利を掴みました。
マリスビリーは巨万の富を聖杯に願い、彼に促されたソロモンもまた、自らを願いを口にします。
場面転換、2016年現在。七つの特異点(本来存在しない過去のこと)での戦いを遂行し、ついに聖杯探索(グランドオーダー)の最終地点、「終局特異点 冠位時間神殿ソロモン」へと到達した人理継続保障機関・カルデア。
人類史を破壊するために、万能の願望器「聖杯」をさまざまな時代に送り込んだ元凶である、魔術王ソロモンを倒し、未来を取り戻す。
その時を間近に控えたカルデア一行は、それぞれの時間を過ごしていました。元カルデアの医療機関のトップを務める医師で、今はカルデアの暫定的な最高責任者であるロマ二・アーキマンは、これから自分が行うであろう選択に。
英霊(サーヴァント)を受け入れるためのデザイナーベビーとして生を受け、人間の器を依代にして召喚されるサーヴァント「疑似サーヴァント(デミ・サーヴァント)」としての能力を有している少女、マシュ・キリエライトは限りのある命に思いを馳せます。
そして最後の作戦を控えた、爆発事件で唯一生き残り、霊子化した魔術師を過去へタイムトラベルさせるシステム「霊子転移(レイシフト)」適性を持つ最後の魔術師(マスター)、藤丸立香は新たな礼装に身を包もうとしていました。
その礼装は、カルデアにおける英霊召喚成功例第三号にして、カルデア技術局の特別名誉顧問を務めるサーヴァント、キャスターのレオナルド・ダ・ヴィンチが開発した「極地消耗型・七天礼装」です。
この「極地消耗型・七天礼装」は、従来の礼装の設計思想であった「マスターである藤丸の生存を最優先にする」のではなく、「何としても人理焼却の原因を排除する」という、最終戦に向けてのカルデアの方針を反映させた特注品のマスター礼装となっています。
今回は他の特異点での聖杯探索とは違い、「終局特異点 冠位時間神殿ソロモン」に直接乗り込むことになっているカルデアの電力が可能となり、体の七ヵ所に具えられたジェネレーターを起動させ、霊脈も触媒もなしに英霊を召喚することができるのです。
ただし、礼装を着用した術者の両手両足の神経を使うため、召喚を行うたびに術者の体にかなりの負担がかかってしまいます。
ダ・ヴィンチ曰く、藤丸の肉体で使用可能な召喚回数は、7回のみ。それを超えて召喚を行えば、文字通り体の内側から神経が「燃える」ことになってしまうのです。
第1特異点から第6特異点まででの聖杯探索で得た、多くの出会い。そして多くの未来を賭け、藤丸とマシュはついに最後の作戦に赴きます。
藤丸とマシュ、そしてこれまでの各特異点の旅路を、彼らと共に歩んできた花の魔術師マーリンの使い魔であるキャスパリーグ、通称「フォウ」はレイシフトで「終局特異点 冠位時間神殿ソロモン」へ向かいました。
その後に続き、カルデアの管制室も「終局特異点 冠位時間神殿ソロモン」へ直接乗り込み、藤丸たちをバックアップしていきます。
藤丸とマシュ、フォウは、ダ・ヴィンチ開発の車に乗って、ソロモン王の玉座が存在する神殿の中央へ向かっていきました。
神殿の中央へ続く扉の前には、2015年にレイシフトルームを爆破し、マシュを含む多くの死傷者を出した裏切り者の魔術師、ソロモン王の先兵レフ・ライノールが藤丸たちを待ち構えていました。
レフは藤丸たちに、「この人理焼却は、3,000年も前から、ソロモン王が企てた計画だった」と明かします。
ソロモン王は、人類を「死を克服できなかった知性体」と評し、死への恐怖心を捨てられなかったなら知性を捨てるべきだったと決めつけてしまいます。
そしてソロモン王は、その己の価値観だけで人類もろとも、人類史全てを焼却しようと目論んだのです。
ソロモン王は、先兵のレフを含めた人間の魔術師、及びキャスタークラスのサーヴァントたちを各特異点に派遣し、人理焼却しようとしました。
しかし、レフが辿り着いた特異点F「炎上汚染都市 冬木」に、彼の学友であるロマ二が藤丸たちを送り込んだことで、スムーズに事が進むはずだった計画が狂ってしまったのです。
ロマ二や藤丸たちへの怒りに震えるレフ、いやソロモン王に仕える七十二柱の魔神の一局、情報を司る魔神フラウロスは、自らの不始末を拭うために藤丸たちを消そうとします。
「顕現せよ。牢記せよ。これに至るは七十二柱の魔神なり。魔神柱出現」
これにより、裂け目のようなものが幾多も走った不気味な肉塊の柱に、無数の赤黒い目が点在するおぞましい外見をした魔神柱が出現。
フラウロス曰く、魔神柱には七十二柱の魔神が宿っており、このソロモン王の居城たる神殿は、その魔神柱の巣窟でもあるのです。
藤丸は早速、サーヴァントを召喚し、特攻したマシュのバックアップを努めます。少年の姿で召喚された騎乗兵(ライダー)のサーヴァント、天秤の守り手アレキサンダー。
さらに暗殺者(アサシン)のサーヴァント、シャルル=アンリ・サンソンを召喚しました。まずアレキサンダーが愛馬ブケファラスに跨ったまま、自らの宝具「始まりの蹂躙制覇(ブケファラス)」を展開。
そしてさらに、最高神ゼウスの息子とされるアレキサンダーは、ゼウスの雷をもって、フラウロスを圧倒していきます。
アレキサンダーの全身全霊の力を持ってしても、倒せなかったフラウロス。アレキサンダーがブケファラスを残したまま消滅した直後、今度はサンソンが自らの宝具、「死は明日への希望なり(ラモール・エスポワール)」を展開し、真の処刑道具ギロチンを具現化してフラウロスを処刑します。
今度こそフラウロスを消滅させた、そう思っていた藤丸たちの前に、再び魔神柱に宿ったフラウロスが出現。フラウロス曰く、神殿の空間そのものが七十二柱の魔神であるため、彼らが宿る魔神柱を全て倒さなければ、何度でも復活できてしまうのです。
フラウロスは、藤丸たちと彼らをバックアップするカルデアの管制室に、それぞれ魔神柱を使って襲撃。
さらにフラウロスは、神殿内にこれまでの特異点全てを出現させます。窮地に陥った藤丸たちの元に、これまで旅してきた各特異点のサーヴァントたちが集結。
救国の聖処女ジャンヌ・ダルクを筆頭に、薔薇の皇帝ネロ・クラウディウス、叛逆の騎士モードレッド。
嵐の航海者フランシス・ドレイク、鋼鉄の白衣ナイチンゲール、天の鎖エルキドゥ。隻腕の騎士ベディヴィエールや、英雄王ギルガメッシュ、吸血鬼と化したルーマニアの王ヴラド三世。
ローマの建国王ロムルスが神格化された神、ロムルスなど、多くのサーヴァントが一度に召喚されました。
ジャンヌは藤丸たちの前に立ち、彼らを守りながらこう言いました。「これは、あなたと私たちによる、未来を取り戻す物語だったでしょう?」
映画『Fate/Grand Order 終局特異点 冠位時間神殿ソロモン』の感想と評価
藤丸とマシュたちサーヴァントvs魔神王ゲーティア
本作の最大の見どころは、何といっても藤丸たちカルデア一行と、彼らが出会ってきた各特異点のサーヴァントたちvs魔神王ゲーティアと七十二柱の魔神による戦いです。
最初は藤丸とマシュ、ロマニたちカルデア一行で挑んだ最終決戦。それでもやはり、レフの正体である情報を司る魔神フラウロスと七十二柱の魔神は強く、藤丸たちは苦戦を強いられてしまいます。
そこへ登場した、ジャンヌたち、これまで藤丸たちが出会ってきたサーヴァントたち。彼女たちが宝具を展開し、フラウロスたち七十二柱の魔神と戦っていく姿は、大迫力で格好良いアクション場面ばかりです。
サーヴァントたち1人1人の宝具、戦いをじっくりと見たいと思わず願ってしまうほど、彼らの戦いはどれも素晴らしく、格好良く描かれています。
そしてジャンヌたち、最も藤丸たちと縁があるサーヴァントたちが、二度も藤丸たちの窮地を救ってくれるところは、特に感動する場面です。
さらに、マシュが己の命を犠牲にしてまで藤丸を守り、消滅した場面。そこからの復活劇もまた、観ているこちらが泣けてくるほど悲しく、また感動します。
ロマニの正体と驚くべき真実
レフが起こしたレイシフトルーム爆破事件以降、カルデアの暫定責任者として、カルデア職員を率いて、聖杯探索に向かった藤丸たちをサポートしてきたロマニ・アーキマン。
物語の終盤では、ロマニの正体について明かされています。ロマニの口から語られた彼の正体は、冬木市の聖杯戦争を、マリスビリーと共に戦い勝利した、彼のサーヴァント・キャスター、ソロモン王です。
誰がいつ、どこで終焉へ導くのか。それを確かめるためだけに、ロマニはたった1人で、世界中を旅してきて、カルデアに辿り着いたという真実。
そしてさらに、魔術王ソロモンが第一宝具を展開し、自らの命を犠牲にしてまで神殿もろとも、魔神王ゲーティアを消滅させようとした姿。
それらが全て明かされた時、FGOやFateファンはもちろん、観ている人全員を驚かせ、号泣させること間違いなしでしょう。
レフの正体が魔神フラウロスで、藤丸たちを待ち構えていた最強の敵が、魔術王ソロモンではなかった。物語の後半は、予想外の展開が起こりすぎて、とにかく驚愕することばかりです。
まとめ
焼却された人類史を存続させるため、人理焼却を企む魔術王ソロモンと戦うカルデア一行を描いた、ファンタジーアニメ作品でした。
本作の見どころは、藤丸たちと彼らと縁が深いサーヴァントたちvsフラウロスたち七十二柱の魔神と魔神王ゲーティアの戦いと、ロマニやレフの正体が明かされることです。
さらにエンドロール前の映像では、消滅したはずのマシュがどうやって復活したのかが描かれています。マシュはフォウこと、第四魔獣キャスパリーグの力で復活したのです。
キャスパリーグが、マシュを救うために力を使って復活させた。それによりマシュは、残りわずかだった寿命も、人並みに伸びました。
そんなキャスパリーグのものと思われる独白も、また最高に感動するので、ぜひ最後まで見逃さないでください。
最後の魔術師と彼に協力する英霊たちが、最強の敵に命懸けで戦っていく、熱き闘いが描かれたファンタジーアニメ映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。