映画『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』が2020年8月14日に公開。
人気を誇るテレビアニメ版「デート・ア・ライブ」の同シリーズの中で、異色の存在感を放つ精霊・時崎狂三を主人公にした本作は、具体的にどんな内容になっているのでしょうか。
映画にしては短い25分の上映時間に凝縮された魅力あふれるキャラクターたちの戦いが見れるファンにも高評価の作品『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』。
中川淳が監督を務めた本作をネタバレあらすじを交えてご紹介していきます。
CONTENTS
映画『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』の作品情報
【公開】
2020年(日本映画)
【原作】
東出祐一郎、橘公司
【監督】
中川淳
【声のキャスト】
真田アサミ、大西沙織、本渡楓、伊瀬茉莉也、日高里菜、瀬戸麻沙美、藤原夏海
【作品概要】
シリーズ累計発行部数600万部を突破した、橘公司原作のライトノベル『デート・ア・ライブ』のスピンオフ小説『デート・ア・バレット』をアニメ化したものです。
2020年公開の映画『劇場版 ハイスクール・フリート』の監督を務めた中川淳が、映画『デート・ア・バレット』の前後編の監督を務め、主人公の精霊・時崎狂三役を真田アサミ、敵対する白の女王役を大西沙織が演じています。
映画『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』のあらすじとネタバレ
かつて災厄と呼ぶほどの力を持った精霊たちが存在したとされる世界「隣界」に降り立った、顔の左半分を隠す長い黒髪の少女の精霊・時崎狂三は、白い髪に青い時計がある瞳をしている自分の反転体である精霊・白の女王(クイーン)と遭遇します。
白の女王との交渉が決裂した狂三は発顕する天使「刻々帝(ザフキエル)」を起動させ、刻々帝の長針と短針を担う古式の歩兵銃と短銃を構え、白の女王は軍刀と歯車で構成された短銃の「狂々帝(ルキフグス)」を起動させ、2人は激しい戦いを繰り広げていきました。
激闘の末、白の女王に追い詰められた狂三、何故2人が戦っているのかは時を遡ってお話ししましょう。
既に精霊たちが姿を消した隣界では、準精霊と呼ばれる少女たちによる戦場となっていました。
隣界の一部である「第一〇領域(マルクト)」で、大切な誰かに思いを馳せていた狂三が降り立ち、目を覚まします。しかし、狂三にはここがどこなのか、そもそも自分は何故ここにいるのかも分かっていません。
困惑する狂三をよそに、第一〇領域(マルクト)では精霊の次の存在である「準精霊」の少女たちによる殺し合い(バトルロイヤル)が、最後の参加者である狂三の登場を機に始まっていました。
「生き残るのはただ1人、どうぞ余生をお楽しみください」という無感情な音声が、開始を告げる鐘の音とともに、第一〇領域(マルクト)中に響き渡ります。
学園の校舎内にいた、日本刀を手にしたジャージ姿の第一霊属の準精霊・土方イサミは、純粋な戦闘狂であるチャイナ服姿の第一〇霊属の準精霊・蒼(ツァン)に戦いを申し込まれていました。
しかしイサミは、長い黒髪に眼鏡の制服の少女の第二霊属の準精霊・武下彩眼と戦おうとしていたが、それを妨害するように蒼が目の前に立ちはだかったのです。
イサミが戦おうとしている彩眼は、ピンク色のロリータファッションの少女の第四霊属の準精霊・指宿パニエに狙われており、開始早々に殺されてしまいました。
狂三は目覚めた自分の側に居た猫を抱いていると、突如くの一のような姿をしている第七霊属の準精霊・佐賀繰唯から、彼女の発顕する無名天使であるやや大型苦無「七宝行者(しちほうぎょうじゃ)」の投擲攻撃を受けます。
狂三は自分がどうしてここにいるのか分かりませんが、とりあえず自分の前に立ちはだかり、殺そうとする唯の肩に銃弾を撃ち込んで退けさせることにしたのです。
第七霊属の準精霊・緋衣響は、パニエが操る人形に追われており、唯を退けた狂三に助けられたものの銃口を突きつけられ、この殺し合いに関する情報を話すよう脅されます。
響曰く、準精霊である少女たちが殺し合っているのは、どんな願いも叶えられる第一〇領域の支配する準精霊に、己の願いを叶えてもらうためでした。
この殺し合いに勝ち、最後の1人になれば死者を生き返らせる願いも、現実世界へ戻る願いも叶えられるようです。
しかし、殺し合いを強制していると思われる「白の女王」の姿を見た準精霊は誰もおらず、どんな姿をしてどんな無名天使を発顕するのかも分かっていません。
そこで響は、力は弱いもののこの世界と戦いに関しての情報を持つ自分と、戦闘力が高く現実世界へ帰還したい狂三に協力関係を結ばないかと提案します。
これに対し、3秒で応じた狂三は、響と自分を含めた8人の参加者と殺し合うことを決心しました。
まず狂三が響に教わった参加者は蒼、準精霊たちの間では100人を倒したなどの強豪として有名な彼女は、敵を発顕する無銘天使「巨大ハルバード+ハンマー〈天星狼(ライラプス)」でビスケットのように粉々に砕いて殺す、殺し合いの参加者の中で最強クラスの戦闘力を持つ準精霊です。
次に教わった参加者は、先ほど狂三に自分の分身で襲い掛かった唯です。
彼女は分身のように同じ姿をした自分を何体も出現させることができるくの一のような準精霊だといいます。
3人目の参加者であるイサミは、4人目の参加者で自分が決着をつけようとしていた彩眼が、既に殺されているところを目撃し、愕然としていました。
5人目の参加者であるパニエは、先ほど響に襲い掛かってきた2体の人形を含め、100体ほどの人形を操って殺す「人形遣い(ドールマスター)」という異名を持っています。
6人目の参加者である白の女王は、戦場に出てくるときもあれば出ない時もあるという、神出鬼没な精霊でした。
参加者全て紹介された狂三は、響に叶えたい願いは何か聞くと、彼女は「大切な友達を生き返らせること」だと告げるのです。
映画『デート・ア・バレット デッド・オア・バレット』の感想と評価
美少女の精霊たちが戦い合うシーンは、とても華麗で格好良いものです。
ですが、やはり25分間では彼女たちの戦いを収まりきれないとみえ、アクションシーンが想像以上に少なかったのが残念でした。
ただ、物語の世界観や流れがスッと理解できなくて戸惑いましたが、同じくいきなり隣界にきて殺し合いに参加させられることになって困惑する狂三に、響が分かりやすいように説明しているのを聞いて理解できます。
彩眼とイサミの戦いが見られなかったのは残念ですし、彩眼が開始早々にパニエに殺されていたことがショックでした。
ただ、そんな彩眼の無念を後編でイサミが晴らしてくれるのかなと思い、期待感も増しますが、そんなパニエは白の女王にあっさり殺されてしまいました。
物語の冒頭部分で描かれた狂三と白の女王の対決の行方や、蒼・唯・響・イサミの今後の活躍を早く後編で見たいものです。
後編への続きが気になる終わり方で幕を閉じた前編。最高に面白い美少女アニメです。
まとめ
美少女揃いの精霊たちが殺し合う本作は、殺伐した雰囲気があってドキドキハラハラする場面もありますが、どちらかというと『デート・ア・ライブ』のキャラが映画で戦っている感動の方が多かったです。
しかもいきなり始まる準精霊同士の殺し合いに、狂三同様、困惑したファンは多かったことでしょう。
けれども、狂三に友好的に近づいてきた響が、彼に向けて分かりやすく事の成り行きと参加者たちの事を教えてくれたおかげで、一気に本作の世界観に没入できました。
物語の最後には、続編である映画『デート・ア・バレット ナイトメア・オア・クイーン』の予告であろう音声が流れてきますので、余計に後編が待ち遠しくなります。
白の女王は何故狂三に執着するのでしょう。蒼・唯・響・イサミの中で誰が勝利したり敗北したりするのかと、とても楽しみです。