映画『ローグ』は2021年5月7日(金)より全国順次公開予定。
人質救出作戦に挑む傭兵部隊。ギャングの魔の手から逃れるべく奮闘する彼らには、もう一つの追っ手が迫っていた…!
ギャングの人質解放を試みる傭兵部隊が、アフリカの地で出くわした絶体絶命の瞬間を描いた映画『ローグ』。二つの脅威にさらされた人々の複雑な恐怖心理を、迫力の超絶銃アクションを交えて描きます。
映画、テレビドラマと話題作を手掛け注目されるM.J.バセット監督が作品を手掛けました。
また主演は、アクション映画で絶大な人気を誇るミーガン・フォックス。本作ではくせ者揃いの部隊をまとめる強きリーダーを熱演しています。
映画『ローグ』の作品情報
【日本公開】
2021年(南アフリカ・イギリス合作映画)
【原題】
ROGUE
【監督・脚本】
M.J.バセット
【キャスト】
ミーガン・フォックス、ジェシカ・サットン、フィリップ・ウィンチェスター
【作品概要】
本格的なミリタリーアクションとアニマル・パニックを融合させた、サスペンス・アクション。
作品を手掛けたのは、『ソロモン・ケーン』や『サイレントヒル:リベレーション』等、数々の話題作を手掛けてきた実力派の M.J.バセット。自身がヨルダンの特殊部隊から訓練を受けた経験をベースとして物語を作り上げ、一部キャストに元軍人を起用する等、徹底的にリアリティーを追究しています。
また主演を務めたのは、日本でも圧倒的な知名度と人気を誇るミーガン・フォックス。他にも南アフリカ出身のジェシカ・サットン、ドラマ、映画とアクション作品に精力的な活動を見せるフィリップ・ウィンチェスターらが名を連ねています。
映画『ローグ』のあらすじ
傭兵軍団を率いるオハラ(ミーガン・フォックス)は、アフリカ大陸で誘拐された政治家の愛娘を救出する依頼を受け、現地で救出作戦を実行します。
ところが任務は失敗し部隊は現場に取り残され、敵対するギャングに追われた部隊はある廃墟に逃げ込みます。
敵影のない建物でひと時の安堵を得る部隊。ところが、そこはかつて密猟者がライオンの繁殖を行っていた場所で、血肉に飢えたライオンが建物の周囲に群がり、虎視眈々と獲物に狙いを定めていました。
果たして部隊は人質を救い、この窮地から無事に生還することが出来るのでしょうか……?
映画『ローグ』の感想と評価
物語において主人公の一行は、ギャングとライオンという窮地からの脱出において二つの脅威にさらされます。ホラーやサスペンス、パニック系のジャンルにおいて、このケースは1986年の映画『エイリアン2』あたりから様々なケースに展開してきました。
一匹、あるいは一人の敵でも大変なのに、複数の脅威が主人公に襲い掛かってくる。そして2004年の『エイリアンVSプレデター』あたりから俄かに盛り上がってきた「全く異なる二つの脅威に立ち向かう主人公」というパターンは、近年のこういったアクションサスペンスジャンルに大きな流れを引き込みました。
本作もある意味この流れを汲んだ作品の一つともいえますが、一方でこの作品にはライオンという脅威の立ち位置において、ユニークなポイントを持っています。物語においてライオンはギャングと同じように、主人公オハラの一行の行く手を阻む存在として登場します。
脅威が物語の展開によって主人公の行動に絡んでいくという点では、先述の『エイリアンVSプレデター』に何らかの共通点も匂わせています。
完全なる脅威のゼノモーフとギャング、そしてその間に立つ存在であるプレデターとライオン。ところが物語が進むにつれ、このライオンの存在は単なるアフリカの獰猛な動物から、徐々に「寓話の登場キャラクター」へと変化していきます。
ライオンが示す物語のテーマ
ギャングたちはオハラたちの事情などお構いなし、自分たちの都合だけでオハラたちに襲い掛かっていきますが、ライオンの出没はオハラやギャングたちの心情をくみ取っていくようにも見え、ついにはクライマックスにおいて登場人物たちの心の内を汲んだかの如く彼らの前に登場します。
この物語に見える流れは、登場人物それぞれの立場に従った教訓を示しているようでもあります。
主人公のミーガン・フォックスは個性派集団の傭兵軍団を率いるリーダー役を務めますが、彼女が演じるオハラの芯の強さはその登場人物たちのバラエティに富んだそれぞれの性格、立場において基準を設けているようでもあり、作品に込められたメッセージ性を確固たるものとしています。
「なぜそこにライオンが現れたのか」と物語の展開を目で追っていると、果たして自分の立場であればどんな風にライオンと出くわすのだろうか?などと物語の行方に引き込まれていくことでしょう。
まとめ
ミリタリー・ファッションで奮闘するミーガン・フォックスは、意外にも銃によるアクションを務めるのは本作で初めてとのこと。
撮影の為に厳しいトレーニングを積んだといい、本作で見られるその姿は、どちらかというと「トランスフォーマー」シリーズや『ミュータント・タートルズ』などのこれまでの彼女の出演作では見られないスタイルであり新鮮な雰囲気も醸しています。
銃撃戦、ライオンとの格闘とアクションの迫力も見ごたえ十分の本作は、スタンダードな人質救出サバイバルアクションからさらに一歩先を狙った意欲作です。
一方で人間描写としては『サイレントヒル:リベレーション』『デス・フロント』『処刑島』などの、予想外の窮地に追い込まれる主人公を描いたアクション作品を身上とするM.J.パセット監督ならではの作品といえ、単なるジャンル映画とかたづけてしまうには惜しいものでもあります。
映画『ローグ』は2021年5月7日(金)より全国順次公開予定。