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【ネタバレ】ランボー ラスト・ブラッド|あらすじ感想と評価レビュー。娘同様に愛し育ててきた少女救出のために最終闘争に挑む

  • Writer :
  • 谷川裕美子

ランボーの深い家族愛に泣かされる最終章

シルヴェスター・スタローン主演の大人気シリーズ「ランボー」の完結編。娘のように愛する少女・ガブリエラのために、ランボーが命をかけて憎き敵に挑みます。

監督は『キック・オーバー』(2012)のエイドリアン・グランバーグ。スタローンが脚本に参加しています。

共演はパス・ベガ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、イベット・モンレアルほか。

実の父に会いたい一心でひとりでメキシコに行き、闇の組織に拉致されてしまったガブリエラ。父親代わりに彼女を育ててきたランボーは、危険を顧みず救出に向かいます。

愛と悲しみに満ちた迫力のアクション映画の魅力をご紹介します。

映画『ランボー ラスト・ブラッド』の作品情報


(C)2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

【公開】
2020年(アメリカ映画)

【監督】
エイドリアン・グランバーグ

【脚本】
マシュー・シラルニック、シルヴェスター・スタローン

【編集】
トッド・E・ミラー、カーステン・カーパネック

【キャスト】
シルヴェスター・スタローン、パス・ベガ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、アドリアナ・バラッザ、イベット・モンレアル、オスカル・ハエナダ

【作品概要】
シルヴェスター・スタローンの「ロッキー」に並ぶ代表作「ランボー」のシリーズ第5弾にして完結作です。

主演のシルヴェスター・スタローンが脚本も務めています。監督は『キック・オーバー』(2012)のエイドリアン・グランバーグ。

娘同様に愛して共に暮らしてきたガブリエラを救出するために、メキシコの凶悪な犯罪組織にランボーが一人立ち向かいます。

共演はパス・ベガ、セルヒオ・ペリス=メンチェータ、イヴェット・モンレアルほか。

映画『ランボー ラスト・ブラッド』のあらすじとネタバレ


(C)2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

グリーンベレーの戦闘エリートとして活躍していたジョン・ランボーは、いまだベトナム戦争の悪夢にさいなまれています。

ランボーは祖国アメリカへと戻り、故郷のアリゾナの牧場で古い友人のマリア、その孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていました。

しかし、友人ジゼルから自分の実父がメキシコにいることを聞いたガブリエラは、会いに行きたがります。父親が悪人だと知っているランボーとマリアは引き留めますが、ガブリエラはメキシコに一人で行ってしまいました。

ガブリエラはジゼルと再会し、父のマヌエラのもとに連れていってもらいますが、父は妻と子に愛情を持っていなかったと言い、二度と来るなと言い放ちます。

傷ついたガブリエラをジゼルはクラブに連れていきました。しかし、そこでガブリエラはメキシコの人身売買カルテルに拉致されてしまいます。

娘のように愛するガブリエラを救出するために、ランボーはすぐにメキシコへと向かいました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには映画『ランボー ラスト・ブラッド』ネタバレ・結末の記載がございます。映画『ランボー ラスト・ブラッド』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

ランボーはジゼルがガブリエラを売ったことを見抜き、ガブリエラが姿を消したクラブに同行させ、ガブリエラを連れ去った男エル・フラコのことを聞き出します。

ランボーを謎の女カルメンがじっと見張っていました。ランボーはエル・フラコを激しく痛めつけ、ガブリエラの行方を吐かせます。ランボーの車をカルメンの車が追いました。

しかし、アジトを突き止めたランボーは敵につかまり暴行を受けます。身元も割れ、ガブリエラの写真を見つけたマルティネス兄弟は、さらにガブリエラを虐待すると宣言します。

カルメンはランボーを自宅に連れ帰り、治療してやりました。4日後回復したランボーに、カルメンは自分がジャーナリストであり、自分の妹を連れ去ったマルティネス兄弟を追っていると話します。

ランボーは売春宿に潜り込み、次々に男達を殺した末にガブリエラを見つけ出します。彼女はヘロイン漬けにされ朦朧としていました。

ガブリエラを車に乗せてランボーは逃走しますが、薬物の過剰摂取によってガブリエラは道中で亡くなります。

アリゾナの自宅に戻ったランボーはガブリエラを埋葬し、マリアを彼女の妹宅へ送り出しました。それから自分の牧場にありとあらゆる罠を仕掛けます。

再びメキシコに戻ったランボーは、カルメンを訪ね、復讐に力を貸してくれるように説き伏せ、マルティネス兄弟の居場所を見つけるために協力してもらいました。

ランボーはマルティネス兄弟の弟ビクトル宅に忍び込み、シャワー中の彼を惨殺します。

怒った兄のウーゴは傭兵達と共に、アリゾナのランボーの牧場やってきました。しかし、一味はランボーが仕掛けた巧妙な罠にかかり、次々に殺されていきます。

その後も、ランボーは地下室にカルテルメンバーらを誘い込み、容赦なく殺していきました。途中で自身も深手を負いながらも、憎きウーゴを罠に誘い込みます。

「俺の怒りを思い知れ」と言って、地下道にわざとライトをつけるランボー。ライトに沿って走り抜けたウーゴは、地下道が爆破される中、納屋に逃げこみます。しかし、それはランボーの罠でした。

待ち構えていたランボーは弓矢でウーゴを射貫き、動けないよう固定します。それから、「これが俺の痛みだ」と言いながらランボーはナイフでウーゴの胸を裂き、心臓をえぐり出して殺しました。

傷つき果て、自宅のテラスの揺り椅子に座るランボー。彼は自分の愛する家族の思い出を守るために、戦い続けることを誓いました。

映画『ランボー ラスト・ブラッド』の感想と評価


(C)2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

牧場で迎え撃つ迫力満点の決闘シーン

完膚なきまで叩きのめすアクションシーンが最大の見どころの「ランボー」シリーズ本作でも息をつかせぬハードな決闘シーンに息を飲みます

ガブリエラを助けにアジトに向かったランボーは、敵に見つかって暴行を受け、アリゾナの自宅を知られてしまいます。しかし、この展開こそが、本作の真骨頂ともいえる決闘シーンへの呼び水となっていることに後に気づかされるのです。

ガブリエラを殺されたランボーは怒りに燃え、自分の牧場にありとあらゆる罠を仕掛けて敵を招き入れます

日本の昔の忍者屋敷や、敵への罠を仕掛けた城をやや思いださせるものの、多数の爆弾や殺すための罠の残忍さは比較になりません。

その手口の多さやためらいの無い残酷さは、ランボーの苦しいほどの怒りを表しています

これまでの彼の戦闘で得た経験のすべてが詰まった、決して敵を許さない仕掛けに恐怖を感じることでしょう。

そして、最後まで頭のウーゴを殺さずに追い詰め、地獄の苦しみを味合わせるランボー。「これが俺の痛みだ」という言葉通り、彼の思いは怒りよりも悲しみ苦しみの方がずっと強かったに違いありません。

クレジットでは、これまでのランボーシリーズの映像が、彼自身の記憶のフラッシュバックかのように映し出されます。

若かりし頃のランボーの姿や思い出のシーンの数々に、ファンの胸を熱くする演出です。

娘同様に育てたガブリエラへの深い愛


(C)2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

本作で際立つのは、ランボーに芽生えた人間らしい感情です。これまで孤独に生きてきたランボーは、旧友のマリアとその孫娘ガブリエラという家族を得ていました。

特に父親代わりとなって育ててきた少女ガブリエラに対する深い愛情に心打たれることでしょう。

大学進学によって旅立つこととなったガブリエラに向かい、何度も「寂しくなるな」と話しかけるランボー。彼がとうとう心底から愛する人間に出会えたことに感動せずにはいられません。

しかし、純粋でまだ子供のガブリエラには、世の中の怖さがわかりませんでした。ランボーらが止めるのも聞かずに、彼女は実父に会いたい一心からメキシコへ単身で行ってしまいます。

その後、彼女が受けた残虐な仕打ちにはただただ胸が痛みます。ガブリエラの苦痛と、それを知ったランボーの怒り。とうとう愛するガブリエラを亡くしたランボーは、悲しみのどん底に突き落とされます「なぜ、俺じゃない」という彼の慟哭に、胸が引き裂かれます。

その後、マルティネス兄弟の弟の首を切り落とし、兄の心臓をえぐり取ったランボー。その凄惨さに身震いしますが、彼の怒りと悲しみを思えば無理もないことだったかもしれません。

そして、ランボーはこの激しい戦いに身も心も傷つきながらも、家族の思い出を残し続けるために、生きて戦い続けることを誓います。

死を選ぶことなく、何が何でも生き抜くのだという強い意志こそがランボーの魅力だと改めて感じさせるラストシーンです。

まとめ


(C)2019 RAMBO V PRODUCTIONS, INC.

ランボーの家族愛の深さと、激しい復讐アクションシーンに目を奪われるシリーズ完結作『ランボー ラスト・ブラッド』

孤独に生きてきたランボーがやっと手に入れた娘が、思いもかけなかったひどい犯罪に巻き込まれてしまいます。その理不尽な運命にショックを受けながらも、人の運命はいつどうなるかわからないのだとつくづく思い知らされる一作です。

ガブリエラを守り切ることができなかったランボーが、彼女との思い出を守るためにこれからは生きると決心する様に心を揺さぶられます

悲しみの中に未来を感じさせてくれたランボーは、これからもファンの心に生き続けることでしょう



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