危篤の娘を病院に残し、警護任務に付いた国際捜査官リンは人造人間『バイオノイド』を巡る陰謀に巻き込まれます。
バイオノイドは逃亡、重傷を負ったリンに告げられたのは娘の死でした。
13年後、シドニーに再び現れたバイオノイドたち、彼らの目的は?そして娘の死に隠された真相とは!?
ジャッキー・チェン主演の映画『ポリス・ストーリー REBORN』をあらすじと感想をご紹介します
CONTENTS
映画『ポリス・ストーリー REBORN』作品情報
【公開】
2018年(中国・香港合作映画)
【原題】
机器之血 英題:Bleeding Steel
【監督】
レオ・チャン
【キャスト】
ジャッキー・チェン、ショウ・ルオ、オーヤン・ナナ、エリカ・シアホウ、カラン・マルヴェイ
【作品概要】
人気アクションスター、ジャッキー・チェン主演『ポリスストーリー』シリーズ最新作、ジャッキー自身が製作総指揮を務める。監督はレオ・チャン
少女、ナンシーの秘密を巡り国際捜査官リンとハッカー兼泥棒リ・スン、人造人間達を巡る陰謀を描きます。
映画『ポリス・ストーリー REBORN』あらすじとネタバレ
捜査官のリンは白血病に冒される娘の危篤を知り病院へ急ぎますが失踪した証人、遺伝学博士ジェームスの確保を命じられます。
部隊を引き連れジェームスの身柄を確保したリンですが、人造人間バイオノイド達の襲撃を受けます。
バイオノイドの首魁、アンドレは自らを生み出したジェームズの命を狙っており、ジェームスを守ろうとするリン達を圧倒していきます。
部隊はほぼ壊滅しますがリンは、重傷を負いながらもアンドレらを退け、ジェームスを守りますが病院から娘の死亡を告げる電話が鳴ります。
13年後、人気SF作家リックが発表した作品が世界的にヒットしていました。
オーストラリア・シドニーを訪れたリックの部屋を女を装い侵入した、泥棒リ・スンと謎の女殺し屋とその部下、窓から侵入した覆面の男の三つ巴の争いが発生します。
全員の目的はリックが発表した作品の元になったとされる情報でした。
争いのさなかリックは死亡、女殺し屋と覆面の男は騒ぎになることを恐れ目的を果たさず退散します。
残ったリ・スンはPCの部品を拾い部屋を立ち去ります。
覆面の男の正体はリンであり、13年前の事件をきっかけにシドニーに潜伏していました。
一方、女殺し屋は上司に首尾を報告します。その上司こそ、13年前の事件を生き延び、リンへ復讐を誓うアンドレだったのです。
その頃、リ・スンはPCの部品からデータを修復、そこに記された大学生、ナンシーを知ります。
ナンシーは大学で口論からけんかを始めます。
仲裁に入ったのはナンシーに接触しようとするリ・スンと食堂で働くリンでした。
毎夜、悪夢にうなされるナンシーは「魔女」と呼ばれる女の元を訪れカウンセリングを受けます。
魔女はナンシーが見る悪夢をネタとしてリックに売り、リックはそのネタを元に小説を執筆していました。
魔女はナンシーの悪夢が自分の手に負え無いことが分かると一枚のパンフレットを渡し、ある人物が力になってくれると告げるのでした。
魔女の部屋を立ち去るナンシーは、チンピラに絡まれ、追われます。
そこへ助けに現れたのはナンシーの後をつけ素性を知ろうとしていたリ・スンでした。
チンピラから逃げた二人ですが、ナンシーは行く先現れるリ・スンをいぶかしみます。
翌日、ナンシーはオペラハウスを訪れます。
魔女が紹介したのは、そこで公演を行う世界的マジシャンだったのです。
関係者以外立ち入れず、困っているナンシーの前に現れたのは、スタッフに扮し先回りしていたリ・スンでした。
リ・スンの手引きでマジシャンに対面したナンシーは催眠術により眠ります。
そこに現れたのは女殺し家とアンドレの部下達でした。
ナンシーを連れ去ろうとする女殺し屋達の前にリンが現れ、立ちはだかります。
リ・スンの機転によりナンシーを守ることが出来たリンはナンシー、リ・スンを連れ自宅に帰ります。
リンは素性の知れないリ・スンを地下室に監禁します。
ナンシーは夢の中で、ジェームスの記憶を体験し香港に隠した貸金庫の鍵の存在を知ります。
目を覚ましたナンシーは、そこに自分の謎を明かす何かがあると考えリンの家を出て香港に向かいます。
リンはナンシーに仕掛けたGPSにより、彼女が香港に向かったことを知り追いかけます。
香港に到着したリンは、元部下スーの手助けを受けナンシーの下へ急ぎます。
ナンシーはジェームスの記憶に従い貸金庫の鍵を手に入れます。
映画『ポリス・ストーリー REBORN』感想と評価
ジャッキー映画はどう生まれ変わったか
本作『ポリス・ストーリー REBORN』のキャッチコピーは、伝説が生まれ変わる。
数々のアクション映画に出演し、自ら身体を張って挑んできた“生ける伝説”ともいえるジャッキー・チェンですが、この映画は以前の作品と大きく作風が変わり、新時代にふさわしい完成をファンに見せてくれます。
これまでのジャッキー作品と比較してどこが新時代なのかご紹介していきます!
心優しき父親の家族ドラマ
本作の主人公リンは、国際捜査官であり娘を失いかけた過去から、ナンシーに父であると名乗れないながら陰から
警察関係者という点では代表作の一つ、『ポリスストーリー』で熱血警官ケビンを演じています。
型破りな捜査で犯罪者を追い詰める執念を持つ反面、上司からは煙たがられますが本作のリンは国際捜査隊の隊長として部下を指揮し、熱い心を持ちながらも冷静に状況を見極めようとします。
また、『シャンハイ・ヌーン』のように生真面目で恋愛に奥手な青年を多く演じてきたジャッキーですが、本作で娘を想う父親を熱演しており実年齢による役柄の変化も見受けられます。
最強の人造人間にジャッキーが挑む
レーザー銃での銃撃戦や人造人間・アンドレとの戦いはこれまでのジャッキー作品には珍しく視覚効果を使用した演出が多く見られ、迫力のあるSF作品になっていました。
これまでは『タキシード』のように設定的にはSFに近い作品がありましたが、平凡な青年が超高性能なタキシードを身に着けることで超人的な能力で活躍する姿をジャッキー自身のスタントで表現していました。
また、視覚効果と言う点では、不思議なメダルの力で超人的な能力を得て、活躍する『メダリオン』で視覚効果を使っていましたがやはり、ジャッキーのスタントを補助する程度になっています。
これまでの作品に比べジャッキーのスタントシーンが少なくなっていますが、オペラハウスでのスタントシーンは『プロジェクトA』の時計台からの落下シーンを彷彿とさせ、ジャッキーのアクション俳優としての魂を見せていました。
リ・スンとのコミカルな掛け合いも注目
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泥棒であり、自らの目的のため、リンに協力するリ・スン。
国際捜査官であるリンとはまったくそりが合いませんが、ナンシーのために二人が一丸となってアンドレに立ち向かう姿は胸が熱くなる展開でした。
ジャッキー・チェンのバディムービーと言う点では『ラッシュアワー』が有名ですが、作風としては犯罪者と警察のでこぼこコンビを描いた『スキップ・トレース』に近くなっています。
本作のストーリーとしてはシリアス気味なのですが、リンとリ・スンのやり取りに和まされました。
特に、ミニバイクに二人乗りするシーンでの二人のやり取りは、『シャンハイ・ヌーン』のチョンとロイを思い出しました。
いずれの作品もお互いの立場や目的を超えて友情を育み、巨大な敵や陰謀に立ち向かっていく姿は変わりません。
まとめ
ジャッキーは2012年公開の『ライジング・ドラゴン』をもって、本格的なスタントから引退し多くのファンが残念に思っていましたが、続く作品でも相変わらずのキレッキレのアクションを炸裂させ続けています。
また、ジャッキー自身、かつて「アジアのロバート・デ・ニーロになりたい」と発言しており、これまで以上に演技力への探求を行っており、近年は演技に深みが出てきています。
映画制作にも精力的に携わるジャッキーの活躍はこれからも見られることは間違いありません。
今後ジャッキーはどんな興奮と感動を届けてくれるのでしょうか。まだまだ目が離せませんね。