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Entry 2021/11/20
Update

【映画ネタバレ】土竜の唄FINAL|感想評価とあらすじ結末解説。シリーズ完結の3作目も生田斗真のアクションで魅了!

  • Writer :
  • 星野しげみ

映画「土竜の唄」シリーズのファイナルだ、みなで、バッチ来い!

監督・三池崇史×脚本・宮藤官九郎×主演・生田斗真で映画化された、高橋のぼるの人気コミック「土竜(モグラ)の唄」シリーズ第3弾。

ある日突然、通称「土竜(モグラ)」と呼ばれる潜入捜査官になるよう命じられた巡査・菊川玲二のアクションコメディ作品です。

笑いあり涙ありのアクションコメディ。ズッコケ巡査なのにモグラに抜擢された菊川玲二を、生田斗真がハチャメチャにはじけて熱演するシリーズもファイナルを迎えます。

犯罪組織との決着がついて、潜入捜査官としての目的が果たせるのでしょうか。騒動の一連をネタバレを交えてご紹介いたします。

映画『土竜の唄 FINAL』の作品情報


(C)2021「土竜の唄」製作委員会 (C)高橋のぼる・小学館

【公開】
2021年(日本映画)

【原作】
高橋のぼる

【脚本】
宮藤官九郎

【監督】
三池崇史

【音楽】
遠藤浩二

【主題歌】
関ジャニ∞『稲妻ブルース』

【キャスト】
生田斗真、鈴木亮平、岡村隆史、菜々緒、滝沢カレン、吹越満、遠藤憲一、皆川猿時、岩城滉一、仲里依紗、堤真一

【作品概要】
高橋のぼるの人気コミック『土竜の唄』を、生田斗真主演で実写映画化したアクションコメディシリーズの完結編。

1作目『土竜の唄 潜入捜査官 REIJI』(2014)、2作目『土竜の唄 香港狂騒曲』(2016)に続き三池崇史監督が手掛け、脚本は宮藤官九郎が担当しました。

玲二役の生田斗真のほか、ベテランキャストでシリーズお馴染みの、堤真一、仲里依紗、吹越満、遠藤憲一、皆川猿時、岩城滉一といったメンバーが集結。加えて、1作目に出演の岡村隆史、2作目に出演の菜々緒も登場しました。新キャストには鈴木亮平、滝沢カレン。

映画『土竜の唄 FINAL』あらすじとネタバレ


(C)2021「土竜の唄」製作委員会 (C)高橋のぼる・小学館

潜入捜査官の菊川玲二(生田斗真)。ある日気がつくと、孤島の絶壁で素っ裸で磔にされていました。

「なーにー!」と驚く玲二。カモメが玲二の下半身に塗りつけられたチーズを狙っています……。

そもそも玲二の潜入捜査の狙いは、日本最凶の犯罪組織数寄矢会の会長轟周宝(岩城滉一)を逮捕することでした。

轟周宝に気に入られ、これまでにも命を落とすかもしれない危険な闘争にも参加。そして、最終的には轟を守るボディーガードの役目まで仰せつかうようになりました。

今回も、轟に随行しイタリアまでやって来たのですが、その本当の目的は、轟周宝が企む過去最大の取引額6000億円の麻薬密輸の現場を取り押さえようというものでした。

ところが、肝試しのように、イタリアの麻薬密輸組織のメンバーにカモメとのバトルを強制的にさせられたのでした。

このバトルの様子がイタリア組織からも気に入られた玲二は、その後無事に帰国し、厚生労働省のジャスティストリオに捜査内容を銭湯で報告します。

菊川玲二は、警察学校創立以来の最低の成績で卒業した劣等生です。交番勤務を命じられも、5年の勤務歴の中でも始末書枚数は、ぶっちぎりのワーストワン。

スケベで真面目で堅い警官のイメージとは相反する玲二ですが、庶民のために働くという意味では、まっすぐ過ぎるほどまっすぐな熱血漢。

その内面に目を付けられたのか、ある日突然、通称“モグラ”と呼ばれる潜入捜査官に任命されたのです。

玲二は、いい加減にモグラをやめて普通の警官に戻りたいと思っていますが、今回の麻薬密輸を阻止し、轟周宝を無事に逮捕できたら、潜入捜査任務はファイナルだといいます。

「ファイナルって、やっぱりまた続編とか、ナシだかんね」。玲二の本音がこんなところで出ます。

玲二の得た情報では、麻薬は検問に引っかからないよう、パスタに溶け込ませて輸入されることになっています。3日後に横浜港で取引をすることになっていました。

銭湯にいた玲二でしたが、兄弟分となった犯罪組織組員の日浦からスマホに電話があり、クーデターがおこったというので、あわてて服を着て日浦組事務所に戻りました。

組に戻ると、兄弟の契りを結んだ日浦組の組長日浦匡也(堤真一)が怖い顔をして待っていました。自分よりも下の子分たちが取り押さえられ、菊川組をつくると玲二が言ったと言うのです。

「なーにー」とまたしても驚く玲二。殴られ取り囲まれて、死も覚悟したとき、花火が空にあがりました。

「ハッピーバースデー!」なんと、日浦が玲二の誕生日を祝ってくれたのです。

日浦は轟周宝の手下ですが、弱者をいたぶる麻薬を嫌い、麻薬で収益をあげて裕福になろうとする轟周宝のやり方が気に入りません。

モグラとなって反社会組織の世界に飛び込んできた玲二の男気を素早く感じ取り、義兄弟の契りを結んで、轟周宝暗殺計画を玲二にも手伝ってもらいたいと思っています。

過去には轟周宝とバトルを繰り返し、両足を切断せねばならないほどの大怪我をしましたが、武器ともなるような最強の義足をつけて、闘いの場に復活してきました。

蝶柄の衣服がトレードマークで、パピヨンと呼ばれています。

モグラの玲二は、轟周宝は生きて逮捕しなければいけません。それには、義兄弟である日浦を騙していたことを謝らねばなりません。

その日はいつ来るのか。玲二が気をもんでいるところへ、轟周宝の息子轟烈雄(鈴木亮平)がシェフの修業をしていたイタリアから帰国しました。

轟烈雄は頭もいいのですが、大柄で暴力的な男でした。シェフの経験からか、パスタに溶け込ませた麻薬を取り出す方法をあみだしていて、無事に検疫を通り抜けたパスタから麻薬を取り出し、粉にして売りさばくつもりです。

轟周宝も烈雄の計画は万全だから、と太鼓判を押します。取引の日、玲二はパスタを運ぶトラックの助手席で荷物を番人を命じられました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『土竜の唄 FINAL』ネタバレ・結末の記載がございます。『土竜の唄 FINAL』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)2021「土竜の唄」製作委員会 (C)高橋のぼる・小学館

取引当日。横浜港での取引現場には、300人態勢で作業員に扮した警察官が潜んでいます。ところが、轟烈雄たちが来ても、イタリア組織メンバーが来ても、肝心の轟周宝の姿は見えません。

「おやじは来ないぜ」とせせら笑う轟烈雄に玲二は不安を隠せません。轟周宝が来ないことには現行犯逮捕できませんから。

そうこうしているうちに、コンテナが届きそのまま大型トラックの荷台に載せられました。栃木へ向けて出発するように命じられますが、途中で荷物のパスタが本物であることが判明します。

荷物はどこで入れ替えられたのか。警察側も倉庫を調べると、コンテナが置かれたところが、回転式の荷物置き場であることが分かりました。

ここにコンテナを置いて隙を見て回転させて、本物のパスタを積んだコンテナと交換したのです。回転した荷物置き場の先には、外国の豪華客船の姿が見えています。

「あれだ!」。豪華客船の中に、取引額6000億円の麻薬と轟周宝たち一味もいるのに違いありません。

けれども外国の船では日本の警察は取り締まることができません。しかも、もう出港しようとしています。

困った警察と玲二ですが、捜査チームの責任者である沙門夕麿(滝沢カレン)が、ヘリコプターをチャーターし、縄梯子で玲二をつるして豪華客船の真上で玲二を卸しました。

一方、その豪華客船には、玲二の恋人・若木純奈(仲里依紗)が合コン参加目的で乗船していました。

純奈はイタリアに行っていた玲二の向こうでの浮気を疑って、大喧嘩をしていたのです。空から降りた玲二は、偶然にも純奈の姿を見つけ後を追いかけました。

純奈が迷って入り込んだところは、轟たちが秘かに借り切っていた、パスタからの麻薬取り出し作業現場でした。

現場を純奈に見られたと知った轟の手下の角刈り男が、純奈を捕まえようとしました。それに気がついた玲二は純奈を助けようと、男の前に飛び出します。

玲二と男とのバトルが始まりましたが、男と思った相手は実はムチの使い手・スレンダーな美人の胡蜂(菜々緒)でした。

以前も胡蜂と戦ったことのある玲二は、胡蜂の仕掛けのある靴にも注意をして、闘います。そこへ轟列雄が現れました。

玲二の身を案じた純奈が工具を列雄へ投げつけましたが、それて玲二の後頭部を直撃。玲二が倒れたところへ、胡蜂の電撃ムチがしなり、玲二と対峙していた烈雄の首に絡みつきました。

電気ショックで倒れ込む胡蜂と烈雄。しかし、烈雄はすぐに正気付き、再び玲二に襲い掛かります。

そこへ乗客に紛れて船に乗り込んだ日浦も参戦。玲二を見て「兄弟、本当にいいところにやって来てくれた」と喜ぶ日浦に、どう説明したらいいのか、わからず玲二はうろたえました。

バトルを繰り返すうちに、烈雄は伸びてしまい、玲二と日浦は一番奥にいた轟周宝を見つけます。いよいよこの時がきた! 覚悟を決めた玲二は、黄金の手錠を取り出し、「轟周宝、逮捕する」と言います。

「おまえがサツの犬?」と驚く轟周宝に、「俺は潜入捜査官、モグラだ」と宣言する玲二。

「はー、何冗談言ってるの?……えー、まさか」と、やっと日浦も状況を察しました。素早く轟周宝の片手に手錠をかけた玲二は、「兄弟、すまない。俺は兄弟を騙しました」と謝ります。

日浦との別れは轟周宝の逮捕で幕を閉じることが分かっていたのですが、日浦を兄弟と呼びたい気持ちに変わりはありません。

「理解できねぇな」ぶつぶつ文句をいう日浦は、玲二に拳銃を向けて発砲。しかし、弾はそれます。

「兄弟だった菊川玲二は今死んだ」そう言って、日浦は立ち去ろうとしました。そこへ事態に気付いた烈雄が、証拠隠滅のために船内に仕掛けた爆弾のスイッチを押しました。

爆発がおこり、火の手があがります。玲二は手錠で繋がれた轟周宝と純奈を連れて甲板へ行きました。

傾いていく船とどこにも逃げられない状況にあせる2人に、日浦が追い付きます。初めて見る純奈を見て日浦は、「あんたが誰だか知らないけれども、あんたが好きな男は、まちがいなく“キングオブ土竜”だ」と言いました。

そして、「仕方がないから、ヤツを呼ぼう」と指笛を鳴らします。ヤツ? 海の蝶? 海底から現れたのは巨大なマンタ。

船の頭上にがばっと空いた巨大な口が見え、玲二の背後から忍び寄った烈雄がそこへ飛び込んでいくのが見えた後、マンタが海に飛び込んで、大きな水しぶきがあがりました。

騒動はこうして一件落着。

玲二は希望通りに巡査に戻り、交番勤務をしています。恋人の純奈は昇任し、玲二の上司となりました。

平穏な日々が続くなか、玲二が気になるのは船で別れて以来消息不明の日浦のことです。

そんなある日、新聞に「南米で巨大マンタ登場」の記事を見つけ、玲二は日浦の無事を確かめて嬉しくなりました。

映画『土竜の唄 FINAL』感想と評価


(C)2021「土竜の唄」製作委員会 (C)高橋のぼる・小学館

生田斗真が惜しみなく魅せる肉体美

「土竜の唄」シリーズ1作目、2作目を通して、すっかりお馴染みになった菊川玲二の全裸シーン。

玲二演じるジャニーズの生田斗真がここまでやるのかと驚くほど、大胆な構成で惜しげもなく、裸体を披露してくれているのが見どころの一つです。

また、厚生労働省のジャスティストリオに報告する場所は銭湯です。みなタオル一枚の裸で話をし、最後には最新版の『土竜の唄』ラップバージョンで踊り出すという、ノリノリのシーンも本作ならではものでしょう。

1作目、2作目でも、このファイナルでも、こんなユニークな場面もあり、ハチャメチャな潜入捜査ぶりは笑いを誘います。

しかし、おふざけばかりの潜入捜査員ではありません。玲二本人は、警察官に似つかわしくない落ちこぼれのダメ警官なのですが、その精神は弱者を守ろうとする正義感に溢れたものでした。

それは犯罪組織の世界にも通用するものであり、菊川玲二は、犯罪組織組員にも惚れられるという男だったのです。

「玲二を演じている時は無敵になれる」と公言する生田斗真にとって、菊川玲二役がこれまでにないハマり役となったのは、本作を観てもよくわかることでした。

新旧キャストが入り混じって盛り上げる


(C)2021「土竜の唄」製作委員会 (C)高橋のぼる・小学館

『土竜の唄 FINAL』では、力量あるキャストが勢ぞろいしているのが目を引きます。新キャストはもちろん、復活キャストもいて、かなり豪華な顔ぶれとなっていました。

本作で復活キャストとして挙げるなら、1作目登場の岡村隆史と2作目の菜々緒がいます。

岡村隆史は今回は麻薬輸送のトラック運転手として雇われた猫沢という役どころ。生活のために反社会組織で働くしかないという猫沢の持論は、玲二の怒りを誘います。

電撃ムチを扱う女性殺し屋を演じた菜々緒。2作目で玲二から手痛い仕打ちをうけ復讐に燃えています。

岡村隆史、菜々緒の両名は、本人のキャラと被るキャスティングです。特に殺し屋を演じるスタイルのいい菜々緒のアクションは、お色気もあり、目を見張るものがありました。

一方、今回の新キャストは、鈴木亮平と滝沢カレン。まず滝沢カレンの役が、警視庁組織犯罪対策部長というから、本人のイメージとのギャップにビックリします。

色仕掛けも使いこなし、冷静沈着に物事を進める男性顔負けのスーパーレディを淡々とこなす滝沢カレンもまた、立派な俳優と言えます。

そして、本作最凶の敵、轟烈雄を演じるのは、鈴木亮平。大きな体にヤクザ特有のエゴと冷たさをにじませた表現力は、ベテランの風格があり、登場するだけで圧倒されました。

ベテラン勢のキャストで印象深いのは、パピヨン・日浦を演じた堤真一です。このパピヨンという男、ヤクザなのに麻薬を扱って資金を蓄えることに大反対。

彼の義足から繰り出す人間離れしたアクションも、本作を一層面白くしています。

役どころとしても俳優としても、なくてはならない存在のパピヨン。彼の今後がどうなるのか、玲二ならずとも気になることでしょう。

まとめ


(C)2021「土竜の唄」製作委員会 (C)高橋のぼる・小学館

1作目、2作目、そしてこのファイナル。本作だけみても十分話の流れはわかりますが、全作通してみればもっと潜入捜査官の面白みがわかるでしょう。

惜しげもなくさらけ出された生田斗真の裸体も素敵で、加えて菊川玲二という役に惚れ込んだ生田斗真の意気込みが伝わってくる作品でした。

特別任務が終わって普段の日常にもどった菊川玲二ですが……今一度、「俺は潜入捜査官土竜だ、バッチ来い!」と叫ぶ雄姿を見たいものです。



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