第3次世界大戦を防ぐため、消耗品軍団が再び結集!
1970年代〜2020年代までの6つの年代それぞれで、興行収入1位を記録した映画に出演した経歴を持つ唯一無二の俳優シルヴェスター・スタローン。
80歳という年齢が迫ってもなお、監督業のみではなく俳優を続けるスタローンですが、驚くべきことに「アクション俳優」としても常に前線で活躍を続けています。
今回はそんなスタローンが主演を務める「エクスペンダブルズ」シリーズの第4弾『エクスペンダブルズ ニューブラッド』(2024)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。
CONTENTS
映画『エクスペンダブルズ ニューブラッド』の作品情報
【日本公開】
2024年(アメリカ映画)
【原題】
Expend4bles
【監督】
スコット・ウォー
【脚本】
カート・ウィマー、タッド・ダッガーハート、マックス・アダムズ
【キャスト】
ジェイソン・ステイサム、シルヴェスター・スタローン、カーティス・“50セント”・ジャクソン、ミーガン・フォックス、ドルフ・ラングレン、トニー・ジャー、イコ・ウワイス、ランディ・クートゥア、アンディ・ガルシア
【作品概要】
2010年にシルヴェスター・スタローンが監督・共同脚本・主演を務めた『エクスペンダブルズ』(2010)に始まる大人気シリーズ4作。監督は『ニード・フォー・スピード』(2014)のスコット・ウォー。
スタローンをはじめ、ジェイソン・ステイサムやドルフ・ラングレン、ランディ・クートゥアといったお馴染みメンバーに加え、新たにトニー・ジャーやイコ・ウワイスといった実力派アクション俳優が参加しました。
映画『エクスペンダブルズ ニューブラッド』のあらすじとネタバレ
リビアの化学兵器工場が、傭兵ラフマトの率いる武装集団に襲撃されます。冷酷かつ残虐なラフマトは工場に駐屯していた将軍を家族ごと殺害すると、核弾頭の発射コードを奪取しました。
アメリカ、傭兵部隊「エクスペンダブルズ」のリーダーであるバーニー・ロスは、友人であり部隊での相棒ともいえるリー・クリスマスの家を訪ねます。
リーはメンバーのジーナと交際していましたが現在の関係は良好とは言えず、ジーナはバーニーをも巻き込んで決別を訴え、二人を追い出しました。
バーニーはリーに自身の「幸運の指輪」を取り戻す協力を願い、「ビッグシュリンプ」と呼ばれるギャングの根城へと押し入ります。
ビッグシュリンプの連中を用心棒ごと殴り倒し、「幸運の指輪」を取り戻した二人は「エクスペンダブルズ」のアジトへと帰還。古株のガンナーとトール・ロード、新人のイージー・デイと旧メンバー・ガルゴの息子ガランを加えたメンバーの前に、CIAのマーシュが現れます。
マーシュはラフマトから発射コードを守る任務をエクスペンダブルズに依頼した上で、ラフマトの裏には謎に包まれたテロリスト「オセロット」がいることもバーニーに忠告。
25年前、バーニーは「オセロット」の正体を暴く任務で多くの部下を失っており、人一倍この任務への想いを募らせていました。
リビアの化学兵器工場に戦闘機で到着したチームでしたが、彼らの到着は読まれており高射砲の掃射を受けます。バーニーは自身を除くメンバーを地上に降ろし、ラフマトの殺害と発射コードの奪取を命令します。
リーたちは激しい戦闘を繰り返しラフマトを追跡しますが、掃射で被弾したバーニーの戦闘機を目撃したリーがラフマト追跡の命令を無視し、高射砲の破壊を優先。しかしラフマトによる狙撃で戦闘機は墜落し、駆けつけたメンバーは火に焼かれるバーニーの亡骸を目にしました。
アメリカへの帰還後、ラフマトを取り逃がしバーニーを失ったリーたちがささやかな追悼式を執り行う中、その場にマーシュが現れます。
ラフマトが製造した核爆弾を「オセロット」に引き渡す現場を押さえる任務が言い渡されますが、命令に背きラフマトを取り逃がしたリーはチームをクビになってしまいます。
エクスペンダブルズをクビになったリーはインフルエンサーの警備の仕事を受けますが、人を小馬鹿にしたインフルエンサーを半殺しにしたために再びクビに。
ジーナがエクスペンダブルズのリーダー代行を務めることになり、リーは直談判をしますが復帰を許してはもらえず、代わりに自身のナイフをジーナに託しました。
エクスペンダブルズは新メンバーのラッシュを加え、CIAのアジア地域における拠点で任務の概要を聞きます。
ロシアの海域に向かって進む船の中でラフマトと「オセロット」の取引が行われると聞き、チームは監視役として同行するマーシュとともに船へと空から潜入。しかし、やはり潜入はあらかじめ予期されており、包囲されたメンバーはラフマトたちに捕らわれてしまいました。
映画『エクスペンダブルズ ニューブラッド』の感想と評価
時代を築き上げてきた者たちの「ケジメ」
時代を牽引してきたアクション俳優をスタローンが結集し、人気アクション映画シリーズとなった「エクスペンダブルズ」。
1作目の公開から14年が経過し、初代「エクスペンダブルズ」の最若手であったジェイソン・ステイサムでさえも55歳を超えた2024年、シリーズも変革の時を迎えようとしています。
3作目である『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(2014)では、世代交代を意識したためか多くの若手俳優がチームに加わり、「ルーキーとベテラン」という構図でアクションも物語も展開していました。
しかし4作目『エクスペンダブルズ ニューブラッド』では、若手俳優を起用しながらもスタローン演じるバーニーやステイサムの演じるリーに焦点を当て続けており、時代を築き上げてきた者たちのしなければならない「ケジメ」を思わせる物語展開が描かれます。
「エクスペンダブルズ」シリーズは、往年のアクション俳優を過去の存在にせず、現代も生き続ける俳優として添い遂げる作品であるという意志の表れを感じる作品でした。
新規参戦が熱い!アクションバリバリの実力派俳優
本作のヴィランにあたるラフマトを演じたイコ・ウワイス、そしてバーニーの旧友デーシャを演じたトニー・ジャーは、それぞれが『ザ・レイド』(2012)『マッハ!』(2004)といったアクション映画で世界的な名声を得たバリバリのアクション俳優。
そのため本作でも二人のアクションはキレが一段階異なり、目にも止まらぬスピードの身体捌きでアクション映画好きを魅了してくれました。
しかし本作の魅力はこの二人の参加だけに留まらず、1作目から起用の噂があったカーティス・“50セント”・ジャクソンや華麗なる鞭捌きを見せたレヴィ・トラン、「トランスフォーマー」シリーズに出演したミーガン・フォックスなど、新規参戦俳優が各々の個性で映画を彩っています。
大物俳優を起用しながらも、そのジャンルで有名な若手俳優の起用も積極的に行うからこそ、「エクスペンダブルズ」シリーズは長く愛される人気シリーズとなっていることが分かる『ニューブラッド』でした。
まとめ
このシリーズは果たしていつまで続くのか、そして次代のアクション俳優たちにその心意気は受け継がれていくのか。
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』を手がけたスコット・ウォー監督はインタビューにて「本作がシリーズ完結編になる」と言及。しかし一方で、「スピンオフという形でのシリーズ継続」という意見には意欲的な姿勢を見せています。
その先行きは全く不透明ながら、今も生きているアクション俳優たちに寄り添い、若手の活躍の場も作る姿勢を示した『エクスペンダブルズ ニューブラッド』。
キレキレな殺陣と銃弾飛び交うド派手なアクションを、スクリーンで披露するサービス精神は相変わらず旺盛なシリーズ第4作を、ぜひ鑑賞してみてください。