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Entry 2019/09/24
Update

映画『エンド・オブ・ステイツ』ネタバレ感想と評価。実在するマイク・バニングのモデルとなった人物とは⁈

  • Writer :
  • 奈香じゅん

映画『Angel Has Fallen(原題)』は、北米公開2019年8月23日。
日本公開は邦題『エンド・オブ・ステイツ』として2019年11月15日(金)より新宿バルト9ほかにて公開!

映画『エンド・オブ・ステイツ(原題:Angel Has Fallen)』は、ヒット映画「エンド・オブ~」シリーズ作品です。

ジェラルド・バトラー扮する大統領専属警護官(通称シークレット・サービス)マイク・バニングの奮闘を描いたアクションスペクタクル。

本作では、引き続き出演するモーガン・フリーマンが新大統領アラン・トランブル、そしてニック・ノルティがバニングの父親グレイ・バニング役で登場します。

映画『エンド・オブ・ステイツ』の作品情報


(C)2019 Fallen Productions, Inc.

【公開】
2019年(アメリカ映画)

【原題】
Angel Has Fallen

【監督】
リック・ローマン・ウォー

【キャスト】
ジェラルド・バトラー、モーガン・フリーマン、ニック・ノルティ、ダニー・ヒューストン、ランス・レディック、パイパー・ペラーポ、ジェイダ・ピンケット=スミス、

【作品概要】
監督を務めたのは『オーバードライブ』で監督・脚本を兼務したリック・ローマン・ウォー。

元はスタントマンだったウォーは、観客がアクションを身近に感じられる特殊なカメラワークを構築したことで知られています。

本シリーズの主人公マイク・バニングは、実在した合衆国シークレット・サービスの(USSS)エージェント、ミッキー・ネルソン氏がモデル。

映画『エンド・オブ・ステイツ』のあらすじとネタバレ

アメリカ合衆国大統領の警護官(USSS)マイク・バニングは偏頭痛と不眠症に悩んで診断を受け、医師から怪我の多い体が悲鳴を上げていると忠告されます。

ホワイトハウスで記者の質問に答えるアラン・トランブル大統領は、軍事力の行使に積極的だった従来の方向転換を明示。

ロシアが国境を越えて勢力を拡大する現状についてはG20で議題にすると答えます。

民間企業に委託して軍事力を各国に広げる外交政策の噂を聞きつけた記者がコメントを求めます。動揺した大統領は表情に出さないようにしながら、会見を打ち切り。

ワシントンから離れ釣を楽しむトランブル大統領と同じボートにはバニング1人が乗船。大統領は、誰を信じて良いのか分からないとこぼします。

バニングは、大統領から次期USSSの長官に任命されます。一瞬めまいでふらつくバニングに、大統領は少し休憩するよう指示。

バニングは一時的に交替して岸へ向かいます。そこへ飛来した無数のドローンが奇襲して来ます。

大統領を湖に逃がしたエージェントが乗ったボートは爆撃され、バニングは直ぐに水へ飛び込み大統領と一緒に潜水しながら難を逃れます。

大統領暗殺未遂事件としてメディアは大きく報道。カービー副大統領は、意識の無い大統領を見舞い、担当医師から爆破による大きなダメージは無く、一緒に救出されたバニングは既に意識を取り戻りつつあると聞かされます。

大統領付きUSSSはバニング以外全滅したと首席補佐官のウィルコックスが補足。憲法の規定により、カービーがトランブルに代わり大統領の任に着くことになります。

FBIは早速事件現場で捜索を開始。付近に乗り捨てられたバンを発見したと地元の警察から報告を受けます。

目を覚ましたバニングはベッドに手錠で繋がれていました。事件を指揮するFBI捜査官ヘレン・トンプソンは、バニングを尋問。

大統領の安否を訊いたバニングに、大統領が昏睡状態であり、バニング以外USSS全員死亡だとトンプソンは厳しい表情を浮かべます。

そして、バニングを心配して駆けつけた妻・リアは、トンプソンから海外の口座にある1千万ドルの預金について訊かれます。寝耳に水の話に驚くリア。

更に、バニングの皮膚の断片や毛髪、そしてドローン攻撃に使用された爆発物と同じ残留物が自宅のガレージで発見されたこと、ダークウェブに暗号化されたファイルがあり、湖での予定表が隠されていたと立て続けにバニングは質問を受けます。

トンプソンは、ドローンの顔認識装置には、マイクだけが標的リストに無かったと指摘。大統領暗殺未遂とバニングが率いた全USSSメンバーの謀殺で起訴すると告げます。

メディアは大統領の守護天使が堕ちたと報道。バニングは拘留施設へ護送されることに。

しかし、バニングを乗せた連邦保安局の車列が突然停止。覆面に自動小銃を持った男達が近づいて警護官全員を射殺した後、バニングを拘束して連れ去ります。

全身で暴れたバニングは、バンを木に追突させることに成功。1人の覆面を剥ぐと、実践演習で自分に難癖をつけてきた男性で、旧友ウェイド所有の民間軍事会社セイリエント・グローバルの社員だと分かります。

国とウェイド両方から狙われるバニングは、疎遠になっていた元ベトナム戦争従軍兵だった父親・クレイを頼ります。

一方、カービーは、大統領暗殺未遂事件の首謀者はバニングであり、資金の流れを辿った結果、黒幕はロシア政府だと発表。更に、大統領令で民間軍事会社を国の軍事力として利用すると続けます。

バニングを取り逃がしプレッシャーを受けていたウェイドは、発表を聞いて一先ず安堵。付近を捜索しクレイの山小屋に当たりをつけ、部隊を送り込みますが…。

以下、『エンド・オブ・ステイツ』ネタバレ・結末の記載がございます。『エンド・オブ・ステイツ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

*映画『エンド・オブ・ステイツ』の後半あらすじのネタバレは、日本公開の時期を見て掲載いたします。

今しばらくお待ちください。

映画『エンド・オブ・ステイツ』の感想と評価

(C)2019 Fallen Productions, Inc.

前2作に比べ、マイク・バニングの人となりを物語へ取り込んだ『エンド・オブ・ステイツ』。

政治的陰謀で大統領暗殺未遂の濡れ衣を着せられた主人公の奮闘を中心に、マイク・バニング自身が攻め落とされる姿を描いています。

ホワイトハウス、ロンドンに続き、陥落する場所は何処なのか頻繁に尋ねられたと言う製作と主演をこなすジェラルド・バトラーは、新しい視点と方向性を模索したと話します。

監督と脚本の共同執筆を担当したリック・ローマン・ウォーは、主人公マイク・バニング自身に焦点を当てることを決断。

バニングの決して諦めない点と特殊部隊でターミネーターとして訓練された二度と飼い猫にはなれないライオンの様な特性を気に入っていた」と語ります。

マイク・バニングの背景

アメリカにはいくつも存在する特殊部隊ですが、マイク・バニングが所属していたのは、陸軍特殊部隊グリーンベレーを構成するメンバーにも多いことで知られるレンジャー部隊。

第1作目でアンジェラ・バセットの台詞に「マニングは目的遂行の為なら山を動かす」とある通り、紛争地帯の制圧を目的として最初に派遣されるレンジャーは、隊員の戦闘能力とスタミナが極めて高いことで知られています。

特殊任務に当たる人物を描いた、テレビドラマ『24』や『HOMELAND』等も主人公のモデルになる捜査官がいますが、「エンド・オブ~」シリーズのマイク・バニングは、元USSSミッキー・ネルソン氏をモデルにしています

オバマ大統領の任期中に専属警護官だった人物で、28年間シークレット・サービスに所属していました。USSSの長官デヴィッド・ジェントリーを演じた『ジョン・ウィック』のランス・レディックは、ネルソン氏から様々助言を受けたと話しています。

アクション

バトラーは演じるキャラクター同様に怪我をいくつも抱え、8本のステロイド注射をして撮影に臨みました。

また、2人の名優も果敢にアクションシーンへ参加。冒頭のドローン攻撃では82才を迎えたモーガン・フリーマンが湖の中に引きずり込まれ、78才のニック・ノルティは仕掛けたダイナマイトが直ぐ側で実際に爆発する撮影をこなしています

このリアリティを追求したのが、ウォー。バトラーから監督業を打診されたウォーは映画ビジネスに携わる家庭で育ち、スタントマンだけではなくカメラマンとしての経験も保持し、映画制作を熟知しているとバトラーは明かします。

また、映画『300 <スリーハンドレッド>』(2007)に主演し俳優として注目されるようになったバトラーは、その確かな演技力でミュージカルやアニメ映画の声優としても活躍し、今では2作のシリーズを持つ大スター。

普段朗らかなバトラーは完璧主義者。主演する多くの作品でプロデューサーも務めることで脚本にも関わり、映画を客観的に捉え妥協を排して作品を生み出す俳優兼実業家と言えます。

まとめ

トランブル大統領の警護に当たるマイク・バニングは副大統領の陰謀で標的となり、大統領暗殺未遂の濡れ衣を着せられ逃亡者の身に。

ベトナム戦争の兵役経験が影を落とし社会を捨てた父親・クレイに身を寄せたバニングは、真犯人を追い詰めていきます。

終盤、大統領を避難させた建物内で繰り広げられるアクションの連続シーンが最大の見所。

『エンド・オブ・ステイツ』は、主演ジェラルド・バトラーと監督リック・ローマン・ウォーが物語性とリアリティにこだわった映画です。

映画『エンド・オブ・ステイツ』は、2019年11月15日(金)より新宿バルト9ほかにて公開!

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