メル・ギブソンが主演のクライム・スリラー映画『ブルータル・ジャスティス』。
日本で2020年8月に公開された、映画『ブルータル・ジャスティス』は、強引な逮捕が原因で6週間の停職処分となった2人の刑事が、家族のために麻薬密売人から金を奪取しようとするクライム・スリラー映画です。
メル・ギブソンが主演を務め、容赦なきバイオレンス描写・独特の世界観を描く“暴力の伝道師”こと、S・クレイグ・ザラー監督が手掛けた日本初公開作品となっている本作は、一体どういう内容の映画なのでしょう。
今回は、映画『ブルータル・ジャスティス』のネタバレ有りのあらすじと作品情報をご紹介いたします。
映画『ブルータル・ジャスティス』の作品情報
【日本公開】
2020年(アメリカ・カナダ・イギリス合作映画)
【脚本】
S・クレイグ・ザラー
【監督】
S・クレイグ・ザラー
【キャスト】
メル・ギブソン、ヴィンス・ヴォーン、トリー・キトルズ、マイケル・ジェイ・ホワイト、ジェニファー・カーペンター、ウド・キア、ローリー・ホールデン、ジョーダン・アシュレイ・オルソン、フレッド・メラメッド、マイルズ・トゥルート、ヴァネッサ・ベル・キャロウェイ、ノエル・グーリーエミー、トーマス・クレッチマン、プラモ・アロン、ドン・ジョンソン
【作品概要】
メル・ギブソンが主演を務め、容赦ないバイオレンス描写と独特の世界観を持つS・クレイグ・ザラー監督が脚本を手掛けた、日本初公開のクライム・スリラー映画です。
そのほか『戦場のピアニスト』(2002)『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017)に出演したトーマス・クレッチマンが極悪非道の強盗犯を演じている、R15+作品となっています。
本作は批評家から好意的に評価された作品で、第40回ゴールデンラズベリー賞で「人名と公共財を軽視する無謀さに対する最低賞」にノミネートされました。
映画『ブルータル・ジャスティス』のあらすじとネタバレ
麻薬を売ったり弟をケガさせた相手へ暴行を加えた罪で逮捕され、やっと刑務所から出所したヘンリー・ジョンズは、自宅へ戻る前に友人のビスケットと初恋の女性と再会を果たします。
その後に帰宅したヘンリーでしたが、自分が逮捕されてから母親のジェニファーが酒と麻薬に溺れ、ゲームクリエイター志望の車椅子に乗る弟・イーサンがいるというのに、男を連れ込んで売春していることに腹が立ちました。
ヘンリーはジェニファーと話し合った後、イーサンに会って一緒にゲームしようと誘い、これからは自分が家族を養うために頑張ると告げます。
それから3週間後、ブルーワーク警察の強面のベテラン刑事・ブレット・リッジマンと、彼より20歳年の離れた相棒トニー・ルラセッティは深夜、麻薬密売を行うバスケスとその恋人を横暴なやり方で逮捕しました。
しかし、深夜のアパートで行われた「被疑者を必要以上に痛めつけた」2人の逮捕劇は、その様子を見ていた他の住民によってマスコミにリークされ、ニュースで報道されてしまいます。
これを受けて2人の上司でブレットの元相棒・カルバート警部は、ブレットたちに6週間無給の停職処分にしました。
ブレッドの妻・メラニーは、元警官でしたが病気を患っており、娘のサラはここ2年間、見知らぬ男子たちに酷い嫌がらせを受けていました。
トニーは、恋人へプロポーズしようと思って指輪を購入していましたが、停職処分になった事で躊躇ってしまいます。
ブレットたちが横暴なやり方で逮捕するため、何度も停職処分を受けていることがニュースで報道された頃、覆面を被った男ブラック・グローブはコンビニで強盗殺人を、ヘンリーはビスケットと一緒にラップに包んだ銃を持ってどこかへ向かいました。
病気のせいで鎮痛剤を飲まないと生活できない妻と、治安が悪い街のせいで嫌がらせを受け続ける娘を守るため、引っ越し費用として大金が必要になったブレットは、元麻薬密売人で現在服屋の店主をしているフリードリヒからある情報を入手します。
最近不穏な動きを見せている麻薬密売人ボーゲルマンの情報を得たブレットは、早朝に呼び出したトニーに、「家族のために大金が必要だから、麻薬密売人の取引後に、彼らから金を強奪しよう」という話を持ち掛けました。
これを聞いたトニーは当然反対しましたが、ブレットから「政治や時代の流れに疎い俺は、60歳になるまでの長い間、いつか自分の功績が認められるとずっと信じてきた。だが、大量のドラッグが未成年に渡るのを防いだというのに、横暴なやり方だったからと停職処分を受けた。安月給で治安の悪い街に暮らしているせいで、娘が2年間も嫌がらせに遭って苦しめられている。俺は構わないが、家族には苦労させたくない」と聞き、彼を放っておけなくて渋々協力します。
その頃、覆面を被ったグレー・グローブは、小切手両替所から出てきた2人組の男を襲い、現金を奪ってから協力者の元へ行き、防弾加工されたブルーワーク警備会社の車を手に入れました。
一度帰宅して、恋人との将来を考えてブレットに協力することを躊躇ったトニーでしたが、自分の今後のキャリアを気遣うブレットの言葉を聞いて覚悟を決め、「俺は他の誰かではなく、あんたの相棒でいたい。この計画は最後までやり通すと約束したから」と宣言しました。
「強盗はするが殺人はしない」そう誓ったブレットとトニーは、ようやく動きを見せたボーゲルマンがヘンリーとビスケットを連れて車に乗り込み、金融街へ向かうのを見て彼らを尾行します。
ブルーワーク警備会社の車に乗り換えたボーゲルマンたち、運転席と助手席に座るヘンリーたちは何故か変装しており、この姿を見たブレットたちは、“彼らが人に見られることを想定した何かをしようとしている”と不審に思いながら尾行を続けました。
一方、北ブルーワーク信託銀行で働くケリー・サマーは、産休明けという事で、幼い息子と離れるのは辛いが、息子の姿を見て勇気を出して職場復帰します。
その瞬間、武装したボーゲルマン、グレー、ブラックの3人が、何故か黙ったまま北ブルーワーク信託銀行に強盗として侵入し、カセットテープを通して「警察に連絡を取ったり、不審な動きをしたりしたら処刑する」と脅してくるのです。
武装した覆面の男たちは喋らず、カセットテープに録音された男の声が、ケリーの上司であるエドミントン支店長を指名し、彼に指示を出して金を強奪しようとしました。そのカセットテープは録音されたもののはずなのに、現状を見ているかのように指示を出していくのです。
同僚が警察に連絡しようとするのを阻止したケリーは、武装した男に銃で撃たれて右手と、左手の指を2本失った後、射殺されてしまいました。
信号に捕まってヘンリーたちを見失ったブレットたちは、やはり金より人命が優先だと考え、もし自分たちの企みが相手にバレれば、計画を中止するかもしれないと期待を抱きます。
映画『ブルータル・ジャスティス』の感想と評価
ブレットとトニーが被疑者を逮捕する際に少し強引なやり方をしていたとはいえ、未然に犯罪の拡大を防いだことは間違いなく、それは褒められるべき行為です。
この仕事を続けていれば、停職処分を受けて追い詰められたブレットが、家族を守るために大金を得ようと、麻薬密売人から金を強奪しようとはしなかったでしょう。
ブレットとトニーの息の合ったコンビプレイは格好良く、彼らの他愛もないやり取りは面白いものです。
同時に、必死にボーゲルマンたちからヘンリーを守ろうとしたビスケットの勇気ある行動と、彼らの友情には感動します。
この2組のコンビには皆生きて欲しかったのですが、ヘンリーだけが生き残る結末だったのが少し残念です。
ブレットを最後まで相棒として信頼したトニー。彼が死ぬ場面が一番胸が締め付けられました。
物語の冒頭にある過激なシーンと、後半にあるグロテスクなシーンには驚きましたが、物語自体は感動と笑いがあり、ドキドキハラハラと興奮できる部分があって、素晴らしい出来ばえの作品となっています。
まとめ
さて、映画『ブルータル・ジャスティス』について、ネタバレ有りのあらすじと作品情報をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
ブルーワーク警察のブレットとトニーのコンビが、麻薬取引後に金を巻き上げようと狙いを定めたボーゲルマンが、ヘンリーたちを巻き込んで強盗殺人を犯すという展開には驚くことでしょう。
アクション場面は思っていたより少ないものの、物語の後半にはブレットたちとボーゲルマンたちの銃撃戦が繰り広げられています。
そこでのブレットたちの戦いは格好良く、ヘンリーが大どんでん返しをするのは必見です。
結末は悲しいものの、それまでの過程がドキドキハラハラして面白いので、2020年公開のクライム・スリラー映画の中で、一番のオススメ作品となっています。
ダンディな俳優メル・ギブソンと、彼の相棒役を務める俳優ヴィンス・ヴォーンの活躍は、男女関係なく魅了されること間違いないでしょう。