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映画『悪い女はよく稼ぐ』あらすじと感想。長谷直美と共に「太陽にほえろ!」メンバーが再結集!

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  • 20231113

映画『悪い女はよく稼ぐ』は2019年6月8日(土)より
新宿K’s cinemaのリニューアルオープン第一弾として劇場公開!

自身が座長を務めた舞台劇・『悪い女はよく眠る』で人気を博した長谷直美

その舞台劇を原案に、より本格的なターゲットとの駆け引きあり、笑いあり、人情ドラマありの本格的な“コン(詐欺)・ゲーム”として映画した作品が『悪い女はよく稼ぐ』です。

主演はもちろん長谷直美。相棒役の熊切あさ美と共に、最強女詐欺師2人組が活躍を見せる、痛快犯罪映画です。

映画『悪い女はよく稼ぐ』


【公開】
2019年6月8日(土)(日本映画)

【監督】
原隆仁

【脚本】
木崎加奈子、柏原寛司

【キャスト】
長谷直美、熊切あさ美、水口晴幸、西山浩司、田沼健一郎、石井陽菜、武蔵拳、ルー大柴、青木英美、竜雷太

【作品概要】
長谷直美の舞台劇を基に、脚本家・映画監督の柏原寛司が、総合プロデューサーを務め映画化した作品。

TVドラマ「西部警察」シリーズで監督デビューし、その後アクション・コメディ映画で幅広く活躍している、原隆仁が監督を務めています。

長谷直美と原隆仁監督、そしてプロデューサーの柏原寛司はTVドラマ「太陽にほえろ!」で仕事を共にした経験があり、その縁から、「太陽にほえろ!」に出演した竜雷太などの俳優陣が参加している事でも注目を集めている作品です。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019の、ゆうばりチョイス部門にて正式上映された作品です。

映画『悪い女はよく稼ぐ』のあらすじ


アメリカで仕掛けた証券詐欺が、仲間のミスで失敗に終わった女詐欺師、水嶋忍(長谷直美)。彼女は偽名を使い、日本へと舞い戻って来ました。

空港で彼女を追う刑事、田所(西山浩司)を撒くと、元パートナーで地面師を専門にする詐欺師、今はバーのマスターをしている椎名(水口晴幸)を訪ねた忍は、早速仕事を再開します。

日本での最初の仕事としてターゲットに選んだのは、歯科医の権田(ルー大柴)でした。投資名目で彼から大金を得ようと近づいた忍は、権田の愛人である女も、金目当てで彼に近づいた同業者ではないかと疑います。

大金を自由に動かす権田も、妻(青木英美)には全く頭の上がらない恐妻家でした。その妻が探偵の横幕(田沼健一郎)を使い、浮気の証拠集めをしている事に気付いた忍は、横幕の行為を暴いて権田の愛人の危機を救います。

忍に助けられた権田の愛人は、原田美和(熊切あさ美)と名乗り、同業者にして共にしたたかな人間である2人は意気投合します。こうして女詐欺師2人は、コンビを組んで仕事をする事になりました。

そんな2人の元に、横幕も転がり込んできます。忍の行為で探偵の仕事をクビになった横幕は、妙に彼女に惚れこんでいました。彼の態度に戸惑う忍を、何かと冷やかす美和。

横幕はただ転がり込んで来ただけではなく、手土産として新たな仕事のターゲットを持ち込んできました。かつて愛した女性本人か、その親族に全財産を譲ろうとしている、山中老人(竜雷太)に関する情報を彼は忍に提供します。

そして横幕には、一方的に惚れられており、Vシネマの助監督を務めている森本可憐(石井陽菜)がいました。武蔵拳(本人役)の出演する映画の現場で働いている彼女を、詐欺の仲間に加えようと動く忍と美和。

怪しげな話に乗り気でなかった可憐も、自分の望む映画の製作費が手に入ると誘われ、2人の計画に興味を示します。

権田から首尾よく大金を手にした忍は、ダミーの宗教法人を利用して金を洗浄しようと企てます。ところがその宗教法人を、暴力団の岩井組が乗っ取りました。

それを知り岩井組に乗り込んだものの、金は取り戻せなかった忍。何とか危機を脱し逃れる事が出来ましたが、岩井組の追手は椎名のバーに押し入り、彼を傷付けて立ち去ります。

山中老人に近づいた美和は、老人の捜していた女性の孫として、可憐を紹介します。詐欺の計画は順調に進みますが、美和を初め一味の面々は、山中老人の人柄に魅かれていきます。

あともう一歩で、山中老人の遺言状を書き変えさせるところまでこぎつけた忍たち。しかし思わぬアクシデントが起きて、計画は失敗します。

しかも山中老人の遺産は、汚い手口で岩井組の物になる様に仕組まれていました。度重なる卑劣な行為を知って、岩井組への怒りを募らせる忍。

犯罪組織相手の詐欺は危険だと椎名は警告しますが、忍は手柄を欲しがる刑事の田所にも声をかけて一味に加え、岩井組に一泡吹かせてやろうと計画を練ります。

こうして忍と美和を中心とする、危険な岩井組を相手に仕組んだ、騙しの大芝居が動き出します…。

映画『悪い女はよく稼ぐ』の感想と評価


華麗に悪を騙す痛快詐欺師映画

海外では一つのジャンルとして定着している「詐欺師映画」。現実の犯罪はさておき、映画の中で彼らが卑劣な連中を手玉にとる姿は、痛快な娯楽映画として高い人気を得ています。

映画の原点と言うべき長谷直美の舞台劇『悪い女はよく眠る』は、コメディ色の強い人情劇でしたが、今回『悪い女はよく稼ぐ』として映画化するにあたり、「Con Artist Movie(詐欺師映画)」を意識した物語に改変されています。

海外から始まるオープニングやラストシーン、長谷直美のセリフの中に、それを意識した言葉が散りばめられ、ハリウッドの詐欺師映画を強く意識している事を感じさせます。

この様な犯罪娯楽映画に最も重要な要素は、登場人物と犯罪の展開を綿密に描いた完成度の高い脚本である、と言って良いのではないでしょうか。

この映画の脚本は、本作の総合プロデューサーであり、一般社団法人シナリオ作家協会の会長である柏原寛司と、シナリオ講座修了生で、第2回WOWOW新人シナリオ大賞で最終選考にまで残った木崎加奈子が共同で手掛けたものです。

“正義の犯罪者”を描くための舞台設定と、各キャラクターの生き生きとした人物描写、そして何と言っても、見る者を納得させる詐欺の手口とその大芝居が、練られた脚本に描かれています。

悪い奴らを相手に仕掛けた大芝居、こんな手口が現実的に通用するかはさておき、そのドタバタ騒ぎと、のるかそるかの大勝負が、詐欺師映画ならではの見せ場となっています。

一方この作品では、登場人物が武蔵拳出演のVシネマの製作現場で働いていたり、思わぬアイテムが詐欺が成功を後押しする決め手となったり、映画に対する愛情が色々と感じ取れる作品になっています。

こういったお遊びも映画ファンには実に嬉しい、痛快な犯罪コメディ映画です。

TVドラマ「太陽にほえろ!」の人脈が結集した作品


1972年から10年以上の長きに渡り、TV放送された大人気刑事ドラマ「太陽にほえろ!」。本作に主演した長谷直美は、1977年から交通課婦警としてセミレギュラー出演しています。

のちに彼女はドラマの中で、木之元亮演じる“ロッキー”刑事と結婚、彼の殉職後には女刑事“マミー”としてレギュラー出演を遂げています。

彼女の代表作である「太陽にほえろ!」の脚本も、柏原寛司が手掛けています。また本作監督の原隆仁も、このTVドラマに助監督・脚本として参加していました。

その縁から、この大人気刑事ドラマに刑事役として出演していた“ゴリさん”こと竜雷太ををはじめ、“DJ”こと西山浩司、初代内勤員の永井久美役で、ドラマに華を添えていた青木英美といった俳優陣が参加し、往年のファンには見逃せない作品になっています。

同時に『悪い女はよく稼ぐ』は、当時のTVドラマの優れたスタッフが手掛けた、情を軸に犯罪に関わった人間を描く、良質なドラマを思わせる作品になっています。

一つ一つのエピソードを積み重ねながら、登場人物を丁寧に描くストーリー。そして仕掛けた詐欺がのるかそるかの展開。エンタメ性を意識したドラマをお楽しみ下さい。

まとめ


登場人物の人間性と、悪い奴らに仕掛けた詐欺が見事成功するかどうかの痛快でドキドキな展開を中心に描いた娯楽作品である『悪い女はよく稼ぐ』

舞台での活躍が多い田沼健一郎や、ルー大柴が軽妙な演技を見せ笑いを添えていますが、決して映画の枠を越えたオーバーな演技ではなく、映画の枠の中で望まれる役柄をこなしています。

コメディ色の強い作品であると、出演者の演技が作品の雰囲気を壊す事もありがちですが、ベテランのスタッフ、出演者の多いこの作品は、手堅くその調和を維持しています。

総合プロデューサーである柏原寛司が脚本に関わった作品には、TVアニメの「ルパン三世」シリーズがあり、原隆仁監督が演出した作品にはTVドラマの「夜逃げ屋本舗」シリーズがあります。

このような実績を知れば、この映画が職人的に完成された、和製「Con Artist Movie」であると納得していただけるのは間違いありません。

そして映画ファンを納得させる小ネタの数々、どうかお見逃しにならないように。

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