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映画『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』あらすじネタバレと感想。劇場上映5/10より2週間限定!

  • Writer :
  • 村松健太郎

アニメーション『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』は、2019年5月10日(金)より2週間限定劇場上映。

2016年にノイタミナ枠で放送された『甲鉄城のカバネリ』の最新作品、5月10日(金)からの劇場での限定公開を経てNetflixとAmazon Primeにて独占配信されます。

アニメ版『進撃の巨人』を手掛けたWITSTUDIOのもとに、荒木哲郎監督(『進撃の巨人』)、構成担当の大河内一楼(『コードギアス反逆のルルーシュ』)、キャラクター原案の美樹本晴彦(『超時空要塞マクロス』)と言った主要なスタッフがテレビシリーズより続投しています。

アニメ『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』の作品情報


(C)カバネリ製作委員会

【日本公開】
2019年(日本映画)

【監督・脚本】
荒木哲郎

【構成】
大河内一楼

【音楽】
澤野弘之

【キャラクター原案】
美樹本晴彦

【アニメーションキャラクターデザイン】
江原康之

【音響監督】
三間雅文

【主題歌】
EGOIST『咲かせや咲かせ』

【キャスト】
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、マックスウェル・パワーズ、三木眞一郎

【作品概要】
2016年4~6月に放送されたオリジナルアニメ『甲鉄城のカバネリ』の新作となる中編作品。

監督・脚本はテレビシリーズも手がけたアニメ版『進撃の巨人』の荒木哲郎。キャラクター原案の美樹本晴彦、音楽の澤野弘之らおなじみのスタッフが再結集しました。

アニメ『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』の設定


(C)カバネリ製作委員会

カバネ
元は人間の怪物でウィルスに感染することで怪物化する。心臓を破壊しない限り人間に対して吸血行動を続ける。

黒煙り
無数のカバネが寄り集まって巨大なカバネを形成している。青白く光る心臓が唯一の弱点。

カバネリ
人間でもカバネでもない存在。容姿は人間と変わらないが、空腹になると人間の血液を求め、いずれはカバネになると言われている。

日ノ本 
劇中の舞台、全国に張り巡らせた鉄道網によって反映している。カバネ対抗策として将軍の命で駅は要塞化されている。


鉄道網の要所に設置された砦の名称。中には多数の集落を抱えている。

駿城(はやしろ)
駅間を走行する走行機関車戦闘に加え、人員や物資の運搬に使用される。甲鉄城もその中の一つ。

アニメ『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』のキャラクターとキャスト


(C)カバネリ製作委員会

生駒(いこま)…畠中裕
カバネに襲われた時にウィルスを食い止めたことでカバネリとなる。元々カバネの研究を進めている。

無名(むめい)…千本木彩花
途中から甲鉄城の乗員となる。カバネリであり、高い戦闘力の持ち主、生駒に惹かれていく。

四方川菖蒲(よもがわ あやめ)…内田真礼
甲鉄城を抱える四方川家の惣領で甲鉄城の指導者。

鰍(かじか)…沖佳苗 
甲鉄城の乗員。無名がカバネリと知ったうえで友人関係を深める。

脩那(ゆきな)…伊瀬茉莉也 
甲鉄城の運転士。

巣刈(すかり)…逢坂良太 
蒸気鍛冶士、生駒の親友だった逞生(たくみ)の死を受けて、生駒をサポート役になる。

来栖(くるす)…増田俊樹
菖蒲に仕える甲鉄城の武士。

景之(かげゆき)…三木眞一郎
5年前海門に攻め込むカバネに対して先頭に立って立ち向かった海門(うなと)の城主。

アニメ『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』のあらすじとネタバレ


(C)カバネリ製作委員会

日ノ本を統べる幕府の将軍天鳥興匡(あまとりこうきょう)が、カバネリだった実子天鳥美馬(あまとりびば)の反乱によって倒され、幕府と拠点の金剛郭が崩壊。日ノ本は混とんとした中に置かれていました。

そんな中、闘いを潜り抜けてきた甲鉄城の一団は、日本海の要所海門(うなと)にたどり着き、カバネの一団拠点となっている廃坑駅の海門を攻略する連合軍に加わります。

海門駅は小高い山の頂にあり、攻略は難航を極めていました。

また、攻略に備えていた一団へのカバネの襲撃が断続的に繰り返され、連合軍は疲弊。

立ち向かった生駒と無名たちは、カバネの行動に意思があるように感じます。

生駒はその旨を連合軍に司令に上申しますが、カバネリである生駒の意見は、カバネと同類のものとされ聞き入られないばかりか、生駒は軟禁状態に追いやられました。

一方、生駒への恋心を意識した無名は、鰍の後押しで生駒に贈り物を準備しますが、生駒は周囲の無理解への不満を無名にぶつけてしまいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』ネタバレ・結末の記載がございます。『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
海門への総攻撃が決まった一方で、拠点の背後に城郭から繋がる秘密の抜け穴があると知り、無名と共に穴の奥へと進む巣刈たち。

そこには複雑な偽装工作や罠が仕掛けられていて、カバネが知性のある者によって統制されていることが分かります。

そんな中、カバネの大群が一気に襲い掛かり、連合軍は大崩れ。最悪な形で生駒の主張が証明されることになりました。

大混乱の中、軟禁から脱した生駒は無名たちを追い、甲鉄城の菖蒲と来栖は体制を整えると反撃に転じます。

城郭の内部にたどり着いた生駒と無名の前にかつての海門の主・景之が姿を現しました。

景之は5年前、カバネの発生に対して陣頭に立って立ち向かいましたが、カバネに噛まれてしまいました。

ところが景之はカバネリとなって生き延びたんです。

そんな景之を見て部下たちは主に銃口を向け、そこに割って入った景之の娘は銃弾に倒れてしまいました。

怒りにかられた景之は、それ以降、カバネを率いて海門一帯に近づく人間を襲い続けていました。

そして海門の城は娘を心臓にした巨大な黒煙りと化し、暴れ始めます。

崩壊を始める城郭の中で景之と戦う生駒と無名。生駒はその中で憎しみと恐れは何も生み出さないと問いかけ続け、やがて景之を倒します。

黒煙りに襲われた甲鉄城も、脩那の運転技術もあって黒煙りとカバネの一団を振り切ります。

闘いの中で互いを思い合うことでカバネへの進行が和らいだ生駒と無名は、人間に戻る希望のようなものを感じるのでした。

アニメ『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』の感想と評価


(C)カバネリ製作委員会

ファン待望の完全新作

『進撃の巨人』にあったスチームパンク、時代劇、バトルアクション、不死身の敵、恋愛といった要素をオリジナル企画に落とし込んで作られた『甲鉄城のカバネリ』。

メインスタッフの荒木哲郎、大河内一楼、澤野弘之、美樹本晴彦がガンダムシリーズに関わっていたこともあって、主人公たちは一つの拠点(ガンダムで言えばホワイベースなど、ここでは甲鉄城)を闘いだけでなく生活の場とするというのも大きな特徴です。

今回の『海門決戦』では、生駒は逞生という親友の死を乗り越え、無名は美馬という保護者であり縛りである存在を乗り越えた後の物語ということで、二人の距離は一気に近づきます。

また、瞬間的には激しくぶつかり合ったもしますが、最後は微笑ましい二人のシーンで終わります。

もともと闘いの中に人間ドラマを同じくらいの分量で取り込むというのはガンダムイズムと言うべき展開ですね。

美樹本晴彦の代表作『超時空要塞マクロス』などもラブストーリーアニメーションの代表例といっていいでしょう。

まとめ

『甲鉄城のカバネリ』の企画立案の発端になった『進撃の巨人』が意外なほどにポリティカルサスペンスのような硬派な展開になってきてしまっていることもあって、『甲鉄城のカバネリ』が無かったらこの座組でラブストリーは見れなかったのかと考えると、より一層貴重な新作になってくれました。

本作はいよいよ故郷に帰るところで終わっていたり、カバネリが人間に戻れるかもという希望をの一端が描かれたりしていて、まだまだ続いてくれそうな感じなので、今後への期待が高まります。

アニメーション中編作品『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』は、2019年5月10日(金)より2週間限定劇場上映、その後はNetflixとAmazon Primeにて配信です。

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